冬の上高地から蝶ヶ岳へ
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- GPS
- 34:52
- 距離
- 44.7km
- 登り
- 1,930m
- 下り
- 1,931m
コースタイム
- 山行
- 4:43
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 5:05
- 山行
- 12:26
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 14:14
天候 | 初日は朝は雪のち晴れ 2日目は文句なしの晴れ☀️ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
河童橋から徳沢、長塀尾根から蝶ヶ岳山頂までスノーシューで歩き通しました。ピッケル、アイゼンを使う様な箇所はありません。トレースが無い時はスノーシュー、ワカンは必須だと思われます。 |
その他周辺情報 | 沢渡又は平湯にマイカーを停めて中の湯までのバス便もあります |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
初日の朝、上高地方面へ車を走らせていると安曇野周辺で夜明けの時間となり常念山脈が赤く染まりとても綺麗だった。好天が期待出来てテンション上げ上げで上高地線を北上していく。途中の風穴の里で休憩を取る。雪が舞っていて風もあり寒い。沢渡辺りで風雪が強まってきて坂巻温泉に到着する頃には吹雪に。さっきの好天何処行ったの…。飛騨側の天気が良くなるのはもう少し先の様だ。とはいえこの後は天気が良くなって来る予報なので支度して出発。釜トンネルに到着すると知り合いのガイドさんとバッタリ。上高地散策のツアーのガイドだそうで支度をしておりました。皆さんとてもお元気なご様子で元気をあやかり再び歩き出す。釜トンネル、上高地トンネルを抜けてすぐにスノーシューを履く。ツボ足でも行けそうだけど背負っている荷物を少しでも軽くしたかった。大正池まで来ると穂高がお目見え。西〜奥穂位までは雲が掛かっていたが前穂から明神の方は晴れていた。信州側から雲が取れて行くのが分かりやすい。大正池から更に1時間程歩き上高地バスターミナルへ。この辺りで奥穂の雲も取れすっかり晴れた。河童橋では何名かの方が写真を撮っている。季節を変え、何度も見ているこの景色。やはり何度見ても良い。明神方面はトレースがあった。もしかしたら徳沢から蝶ヶ岳までトレースが付いてるんじゃないか…期待しながら歩を進める。小梨平を過ぎると段々と薄くなるトレースも何とか続いている。と、明神方面から人が。何処から来たか尋ねると河童橋を渡り明神池まで行って周回してきたとの事。明神に着くと道標から先は真っ白。綺麗にトレースは消えていた。蝶ヶ岳まで楽して行けるかも…という期待は脆くも崩れ去った。徳沢までは基本夏道を歩くがこの時期は梓川が雪で埋まる為、基本何処でも歩ける。所々踏み抜きながら梓川の湖畔を歩く。穂高がいつもより近くに見える。展望が開け、常念山脈も見えて来た。程なくして徳沢へ。夏はカラフルなテントで賑わうこのキャンプ場も真っ白だ。いつもはただ通過してしまうこの徳沢も少しだけ特別に感じる。2日目の工程を少しでも楽にしたいと思っていたので、このまま長塀尾根へと進む。標高2000m付近で等高線が緩やかになっているのでここまで登ってテントを張ろうと考えていた。尾根の取り付きからいきなり急登。悪戦苦闘し雪と格闘しながら登るも全然進まない。100m標高を上げるのに90分掛かった。地形図を見ても2000mまではひたすら同じ様な急登。ここで思い切り心が折れた。とりあえず徳沢に引き返そう、そこでテントを張ろうと。荷物を軽くしてもこの急登は無理かもしれないとこの時は考えていた。降りは早くあっという間に徳沢へ。天気は良いのでゆっくりと幕営の準備をした。翌日の天気も文句無しの晴れ。山頂は無理でも行ける所までは行こうと気持ちを切り替える。夕暮れに染まる穂高を眺めながら夕飯を食べる。景色も相まって最高に美味しい夕飯だ。シュラフに潜りうだうだしてたらそのまま寝てしまった。寒さを感じず熟睡する事が出来た。3:00に起床しゆっくり準備をして4:30スタート。荷物を極限まで削って再度出発。昨日付けた自分のトレースを辿るだけでかなり楽チンだ。昨日の1650m付近までは10分で来れた。昨日は90分掛かったのに。ここからが本番。道なき急登をひたすらラッセルする。この長塀尾根を地形図で確認すると1600m〜2000mの間が急登で2000m辺りで平になりその後は少し急な所はあるものの斜度は緩んでくる。なので2000mまで登り切ればなんとかなるかもしれないと思いながらひたすら進む。1900m位の所で辺りが明るくなって来た。木々の間から穂高が赤く染まっている。杉の樹林帯が濃すぎてよく見えない。これが見たかったのになー。自分がもう1人いたら徳沢にいてこの景色を眺めてられるのになぁとか考えてしまう。ようやく2000mの地点に到着。地形図通り真っ平な地点が続く。ここまであの重たいテン泊装備ではとても無理だったな。ラッセルは続くも登頂への希望が見え始めて来てどんどん進む。長塀山付近で森林限界っぽい雰囲気になるもまだまだ杉の背が高い。ようやく御嶽、乗鞍などは見えて来るものの穂高方面は樹林の向こう側。無心でひたすら進む。いよいよ山頂間近という所で穂高がお目見え。あれ、こんなに近かったっけ?って思う位に穂高が迫って来る。スマホの写真では収まらない。これが見たいという一心でここまで何とか辿り着けた。そして蝶ヶ岳山頂へ。変な声が出た。それ位に綺麗で静かだった。天国へ迷い込んだかな。山頂で景色を満喫した後は蝶槍方面に向かう。穂高をずっと眺めながら稜線を進む。時折強く吹く風すらも心地良い。ホントは蝶槍まで行きたかったが横尾への分岐地点で引き返す。この稜線散歩がたまらなく良かった。再び山頂へ戻り下山へ。久々にかなり後ろ髪を引かれた。が、まだまだ帰りまで時間が掛かるので下山開始。穂高方面はすぐに樹林に囲まれる。この長塀尾根は山頂までずっと樹林帯で展望は開けず、修行の様な尾根だと思う。後は自分のトレースを辿って降る。降りはあっという間で2時間弱で徳沢に到着。ここから坂巻温泉までまだまだ長いのであまり休まずにテント撤収へ。天気も良いしダラダラしたかったが仕方ない。テントを撤収し再び歩き出す。河童橋で陽が暮れ始めて来たが夕陽に染まる穂高も綺麗だ。大正池で池に反射する穂高を眺める。この山行で最後の穂高の眺め。辺りはまだ明るく陽が伸びたなぁと春を感じた。釜トンネルを抜ける頃には辺りは暗くなり最後はヘッデンを付けて坂巻温泉へ。好天に恵まれ、心行くまで穂高を感じる事が出来た、そんな2日間でした。
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