〈南アルプス〉秘峰 離山
- GPS
- 32:03
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 2,811m
- 下り
- 2,806m
コースタイム
- 山行
- 9:22
- 休憩
- 3:17
- 合計
- 12:39
天候 | 両日共に晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
▼精進ヶ滝林道~石空川渓谷 廃道の林道で荒れている。崩落箇所を何度か越えて終点に着くとゲートを潜る。そのまま行き止まりまで進み、精進ヶ滝を間近で見たいならガードレールの矢印とトラロープに従うべし。 適当な尾根から右手(西)の谷を高巻いて下降路は尾根筋を選択。急斜面で藪を掴みながら降ると崖になり一箇所ロープを使った。 ▼石空川渓谷~熊小屋 石空川から左岸を遡行。小さな滝や滑りやすい場所を通る。北沢と南沢の出合から尾根に取付いた。 尾根は地形図通りの斜度だが表記されていない岩がゴロゴロある。急ではあるが技術的に厳しくはない。 斜度が緩い笹尾根を登れば三角点のある熊小屋ピークへ。 ▼熊小屋~離山(第5高点~第1高点) 不安定な痩せ尾根のアップダウンが続く。基礎的な登攀力と歩行技術が必要。藪が薄く登攀可能な弱点を見つけるルーファイ技術も必要。下降やトラバースが大変嫌らしく何度も懸垂下降を要した。 第5高点へは左手をトラバースして巻く。 大きく目立つ第4高点は直登し、下降は緊張するトラバースをして懸垂下降。 第3高点へは右手の巨大スラブを無視して左手をハイステップで越える。第2.3のコル側から登れそう。 第2高点へは右手を懸垂下降して巻いてから、目の前の壁のガバを掴み直登。 第1高点(離山本峰)へは特になし。頂上にある目印は見付けられず。ただし鹿の角を残置してしまった。 ▼離山~2,700m台地~オベリスク 離山を下降するとミツクチ沢の20m滝があり、巻けば水は汲めそう。尾根へ進むとシャクナゲの藪漕ぎが大変。西側斜面が藪薄くオススメだが、尾根が広く藪漕ぎのせいで分かりづらい。 2,700mの台地は奇岩とハイマツの海。西側の岩伝いにハイマツを超えていくのが楽だった。 残雪は2,250m付近から。適度に緩んでいてツボ足可能。 ▼オベリスク~鳳凰小屋~御座石鉱泉駐車場 良く整備されていてピンクテープやロープが張ってあり親切。とても気持ちいい登山路。残雪ありますがツボ足で事足りました。 |
その他周辺情報 | ▼御座石鉱泉 バス停(運休)、トイレ、水場、無料駐車場、テント場がある。大きな旅館?は営業しておらず。 ▼オベリスク 付近に地蔵や社が沢山あり。神聖な雰囲気を醸し出していて気持ちよく登れたものではない。クラック技術が必要で頂上からのクライムダウンは困難を極める。 ▼鳳凰小屋 冬季小屋解放中。水は引かれている。管理人は不在中だった。 |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン(軽アイゼンで良さげ)
泥斜面用ピッケル(使わず)
ザイル(30m)
登攀具
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感想
あさりと一緒に1泊2日で南アルプスの離山へ。
長く険しい道のりだったけど山頂はとても美しい場所でした😍
詳細記録↓
https://bigislandyamaguide.com/2022/05/18/hanareyama/
どこに行こうか悩んでいると、わかさんから離山の提案が。聞いた事もない山だが、地形図を眺めてみると「なんだこれ」である。記録を見ても数件ヒットするのみで登山大系にさえ載っていない。とても気になる。今回は頼りになるパートナーがいるので行くっきゃない!
■ Day 1
しばらく林道を歩く。綺麗な花(ツツジしか分からない)や鳥の囀りが騒がしい。鳥は朝食タイムに良く鳴くらしいやら、食べれそうな野草や花などを教えて貰う。わかさんは何でも答えてくれるので調子に乗って浅い事を沢山聞いてしまう。
林道終点から滝を見に行く。精進ヶ滝の迫力はさる事ながら、登っている人がいるって事が驚きだ。未知の世界過ぎて、“怖い”と感じて、登りたい欲は出ない。
登れそうな適当な尾根を詰めて滝を巻く。今回は滝や渓相を近くで見てみたいと考えて石空川渓谷に寄り道するルートにした。他の人のレポでは谷を下っているのを見かけたが、やっぱり尾根でしょ!って事で藪を掴んでずんずん下る。崖にぶち当たり懸垂下降で石空川渓谷へ。白くて明るい渓谷とブルーとナメ、新緑のフルコンボ。登山靴でツルツル滑りながら精進ヶ滝の落ち口を覗き込むと足がすくんだ。やっぱりこれを登るやつはぶっ飛んでいる。是非酒を飲んで何度死ぬ思いをしたか聞いてみたい。
裸足になる覚悟だったが、登山靴のまま渡渉し、適当な尾根を詰める。地形図のイメージとは遠いゴツゴツした斜面を登るが、谷地形の大岩ゾーンが楽しそうで誘われた。空荷で登ったり浮石を押さえ付けてよじ登っていると、すぐに緩やかな地形へ。以降熊小屋(1898m)まで藪のない緩やかな尾根が続いた。
熊小屋から悪路の小ピークを越えると、平和な熊笹ゾーンでハイキングを楽しんでいると道は痩せていき藪に絡まれた。サクサク進むわかさんに藪漕ぎのコツを聞いた気がするが忘れた。それと単独だと踏み跡(獣道)を信じすぎる所以があるが、わか先生から「踏み跡は信用するな」と有難い言葉を貰った。なので迷ったら直登だ。
離山に近づくにつれ険しくなり、魔境みが増していく。壁が立ちはだかると「そっちは行けるか」と弱点を探して先に進む。クライムダウンが厳しいと感じたら素直に懸垂下降をした。途中ポッカリと口を開けている穴に夢中になりクライムダウンしようとしたら「いやいやここは懸垂でしょ!」と叱られた。
第2高点は展望が良く花崗岩の白い斜面と芸術的なオブジェクトが多数あり、綺麗な景色不足だったわかさんのメンタルが回復し、そのまま離山へ。頂上もロケーションぐっどで楽園そのもの。明日歩く稜線を眼下に、赤く染まる山々に囲まれて飯食ってビール飲んで寝た。
■Day 2
足の指が痛い。表面を見て触っても何もないので無視する。下山してから指の間に圧死したマダニを発見。死しても齧り付く根性はとても漢気に溢れている。生きていれば塩漬けの刑だが…。医者から“切開”を言い渡され登山禁止を宣告されたのは後日談。
赤く焼けた甲斐駒ヶ岳を右手に、振り返れば離山の岩峰群が美しい。ミツクチ沢の源頭部に突如現れる白い50mはある禍々しい岩峰と30mほどの滝。この辺り一帯は特に別世界だ。また来たい。
標高を上げるにつれシャクナゲが濃くなる。わかさんは藪の弱点を探すのが上手く華麗に避けていく。それが2,700mの台地まで続く。自分には藪と戯れるメンタルが必要だ。
オベリスクを登る気満々だったのでカムを借りて持ってきていた。しかし近づくにつれて(あんなの登れないだろう!)と萎縮。カムもクラックも初めて触れるので、教えて貰うが出来る気がこれっぽっちもないので諦めた。オベリスク基部でゆっくりして鳳凰小屋から駐車場へ帰還。
登山者とは誰一人会わず、目印等ほぼなく獣道に感謝する山行は新鮮で楽しかった。余韻が長く残る良い経験になりました。
【最後に】
『離山』はなんて読むのかイマイチ分かっていません。
自分は“はなれやま”派です。
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