【花レコ7月30日】白山(南竜ー御前峰ーお花松原ー大汝峰ー南竜△)
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,320m
- 下り
- 1,316m
コースタイム
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 4:20
- 合計
- 13:10
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス | 南竜テンバから周回 |
コース状況/ 危険箇所等 |
南竜から御前峰ご来光目指して、夜道を歩く場合は、常に開けて涼風がえられるエコーラインが、道も最もよく整備されており歩きやすいです。 トンビ岩、展望コースも昼間歩く分には問題ないですが、歩きやすさはエコーラインに劣ります。 黒ボコ岩から分岐までの道は沢を数本渡り、水が得られます。延命水はほぼ水が出ておらず、すぐ枯れてしまいそうです。水を得るなら沢にて。 室堂には水道、wcあり。広い休憩場所あり。 |
写真
感想
【南竜〜エコーライン】
入山2日目、前回は見られなかった御前峰のご来光、そしてお花松原散策が今日の目的だ。どのぐらいで、御前峰まで行けるか見当がつかず、日の出は5時過ぎなので少し早めの1時起床、2時半出発とした。実際は最も道の良いエコーラインコースを取り、1時間ほどで室堂まで行けて、室堂から頂上までは、40分ほど。空身で夜道の道草無しだとやはり早い。2時間見れば南竜からはたどり着けることが実感できた。
ラッキーなことに2日目は満点の星のもと歩けて、お天気の心配はなさそうで、心も体も軽い。ちょうど新月にあたり、真っ暗だったので、星の数が半端なく、天の川がとても美しかった。東の空が少し白み始めるころ、ちょうどオリオン座が昇ってくる。開放的なエコーラインは眺望良く、開けてるので星空見るには絶好。こんな夜空の中を歩けることもめったにない。楽しい夜道となった。
【弥陀ヶ原〜室堂】
弥陀ヶ原の平坦な木道に出ると、室堂までもひと頑張り。木道をたどって、分岐から標高100mぐらいを一気に登って室堂の台地に出る。室堂の宿舎に向かって左側にトイレあり。宿舎を時計回りにまわって、御前峰側へでると、広い休憩広場に出る。ここに水道設備あり。正面に立派な鳥居と白山神社の奥宮がある。
【室堂〜御前峰】
奥宮の右横を登山道が通っており、石畳の道をゆっくり登る。室堂からは同じご来光を目指す登山者でいっぱいになる。やはり人気の山ですね。行列して登るようだ。途中で振り返ると、登山道沿いにヘッデンの明かりの列ができていた。4時近くになるともう東の空がしらみ始めてきた。夜明けも近い。高天原から急なジグザグの登りをグングン登り、奥宮が見えてくると頂上は近い。御前峰の登りは東の方向に開けていないため、ぎりぎりの時間で間に合わないと、途中でご来光は望めないので、頂上まで時刻に間に合うように、しっかり登りきらないとダメです。
頂上に出ると素晴らしい展望が待っていた。御前峰の頂上は南北に長く、南寄りの一角は、槍穂から乗鞍、御嶽山そして別山へ続く尾根まで一望。ただし大汝方面は見えにくい。御前峰標識のある北寄りは、槍穂から乗鞍ぐらいまでみえるが、御嶽あたりがブラインド、別山から南西は見渡せる。また大汝方面の眺望が開け、日が当たれば、紺屋が池や油が池も見渡せ、眺めが良い。まあ頂上はとても広くて、収容人数も十分なので、遅れて行っても、頂上に上がれないようなことはない。
まだ薄暗い中、北寄りの場所に陣取り、撮影開始。小松市や金沢市の夜景も見えて日本海まで一望、前回はガスガスになって見えなかった景色が楽しめた。北東に目を移すと、雲の中でスカイラインがはっきりしなかったが、ファインダー越で露出を変えて探っていくと、くっきり槍の穂先や大キレットのフォルムが見て取れた。じっとしていても、全然寒くないので、よほど気温が高い状態だ。今日も雷雨には気をつけなばならない。やがて東の空が染まりだして、南側の空の淡いピンクの一線がどんどん下に下がってきて、もうすぐきそうだなと思ってたら、雲の間からご来光を迎えた。観光案内の方だろうか?一生懸命、実況中継、山の解説をしてくださり、最後は全員で万歳三唱!頂上ご来光時の名物なのかも???その後は御前峰標識の前が、記念撮影ぽいんとの行列と化し、100人ぐらいの順番待ちになった。早めの行動を期すならば、ご来光前または直後ぐらいに記念撮影は済ましておいたほうがよいですよ!
今日は山頂でゆっくり景色の写真を撮ると決めていたので、ご来光後は頂上をあちらこちらに回って、刻々変わっていく光線状態の様子を、写真に収める。朝の斜光線の変化はとても美しく、幾重にも重なる山の稜線は見てて飽きないですね。特に槍穂・穂高・御嶽の雲海と山並みは素晴らしく、雲に浮かぶ小島のように幻想的な風景を堪能させてもらいました。小一時間頂上でゆっくりしてたら、ようやく記念撮影ポイントが落ち着いてきたので、ちょっとだけ並んで、記念写真撮っていただきました。
【御前峰〜翠が池】
ここから池巡りコースを辿って、翠が池(みどりがいけ)まで行き、その先は少しショートカットして中宮道へ抜けて、今日の第二の目的地、お花松原へと向かいます。頂上からは稜線漫歩していけるかなと思いきや、いきなりの急なガレバが待っていました。前回はガスガスで見えなかったのですが、結構急なすべりやすい道なので、ここだけは要注意です。人の通行も多く、落石落としやすいので十分注意して下っていきます。ジグザグに下りきると左手、油が池のほとりにでます。まだ雪が残り、青く光っていました。直進するとすぐ今度は紺屋が池が見えてきます。半分まだ雪渓に埋まっており、今年は雪が多かったのでしょうね。ここだけ数メートルほどの雪渓歩きでした。紺屋が池はその名の通り、紺碧なのでしょうが、まだ日が当たらず、黒い色をしてました。さらに進むと、ひと登りで、右手に翠が池が見えてきます。こちらはお日様あたって紺碧の色合い!この景色が見たかった!素晴らしいですね。お天気に恵まれ、この景色を見た人は白山に魅せられてしまうのでしょうね。
【翠が池〜お花松原】
翠が池からは中宮道へ抜ける踏み跡をたどって、少しショートカットし、お花松原へ向かいます。中宮道に出て大汝峰から始まるヒルバオ雪渓が大きい。この辺りは、がれ地になっておりイワギキョウの群生地で、一面真っ青に埋め尽くしていました。またよく探すとコマクサもあります。その先から這松帯の中の急降下の道となり、風も通らず、直射日光は厳しく、めっちゃ暑くなった。ただこの道はイワオトギリがわしゃわしゃ咲いており、ちょうど盛りで見ごたえありました。そのほか松の下生えにシラタマノキ、ミヤマアキノキリンソウも咲き始めています。一気に下ってヒルバオ雪渓に出ると、もう登山道には雪は残っていませんでした。見上げる上部はまだたっぷりの雪がまぶしい。雪解け後にはヒメクワガタ、クロクモソウ、アラシグサ、アオノツガザクラ、ミヤマキンポウゲなどが咲いています。
ここからはだらだらジグザグの背丈のある草原帯をゆるく下っていく。アザミ類やクロトウヒレン、シギンカラマツ、モミジカラマツ、クルマユリなど、ただほぼ緑で、お花畑になってる時期はもっと早い時期なのかも。やがて左から延びる支谷を埋める雪渓に出ると、ここからしばらく雪渓歩きです。スプーンカットになっており、がちがちではないので、ツボ足でも危険はないです。ただしまっすぐに降りてしまうと、ヒルバオ雪渓本体をどんどん下ってしまうので、要注意!左にトラバース気味に抜けていくので、左手にある標識が目印になります。雪渓を左にトラバースして登山道に合流。荒天視界不良時は、雪渓上にはベンガラや目印のポールがないので、自力で道を探してください。下っていくと向かって左側へトラバースです。
【お花松原】
ここまで来たらほぼ急な行程はおしまいで、あとはお花松原まで10分程度です。この雪渓を渡ったあたりはあちこちにハクサンコザクラの大群生があり、雪解けしたところから順に咲き継いでゆきます。そのほかアオノツガザクラ、ミヤマキンバイが多く、見事なお花畑を形成していました。しばらく進み、道の両脇にはクロユリがたくさん現れてきます。いつくも小さな群生があり、道の谷側が開花が早く、山側は遅い感じ。小さな沢を数本渡りますが、その雪解けの状態に応じて、お花の開花状況が違う様です。一番大きな沢沿いは、10m程度ですが、まだ雪渓トラバースが残っており、この周りは開花がほとんど進んでおりません。この場所が、お花松原のクロユリ群生としては一番の場所ですが、まだ上の方はつぼみも膨らんでない。道沿いのクロユリはだいぶん成長してますが、まだ9割がた蕾。数輪開花という感じ。一方、道の谷側はだいぶん開花が進んでいました。たったの数メートルの差ですが、雪が解ける時期ががらっと変わるのでしょうね。不思議な光景でした。
【お花松原〜大汝峰】
一番奥の花畑は、最も開花が進んでおり、ミヤマキンポウゲの群生が見事でした。
部分的には、クロユリ、アオノツガザクラ、ミヤマキンバイ、コイワカガミの混生花畑も見事。前回のように一面クロユリとはいかなかったけれど、それでも十分素晴らしい花畑を堪能できて大満足!ここで大休止して撮影しながら、帰路の登りに備えてエネルギー補給、お昼ご飯のビーフンを平らげる。さあ戻りましょう。帰路は300mの標高差のアルバイトが待ってます。日が昇りかなり気温が上がって、水が切れそうなので、トラバースした雪渓下で水を補給。雪解け水は冷たくてめっちゃおいしい。
ここから一気の急登を頑張りました。止まると歩きたくなくなるので、休みなしでゆっくりのぼっていきます。這松帯にかかったあたりで、下の雪渓脇当たり、がさがさとすごい音がして一瞬ヤバイ!と直感。アクセルあげて、一気に10mぐらい登って振り返る。大きな獣だったに違いないが、クマかどうかは確認できず。まだドキドキしてました。上のがれ地帯まで飛ばして登りきるとドッと疲れが・・・ここでしばし休憩取ります。水をがぶ飲みしてしまった。
気を取り直し、がれ地を緩やかに進むとすぐに大汝分岐点。この付近だけフレッシュなチングルマのプチ群生ありました。ミヤマダイコンソウは大株がいっぱいあったが、ほぼ終盤。ミヤマリンドウが点々と咲いています。このコルも遅くまで雪渓が残るのでしょうね。
ここから大汝峰までは出だし岩場の急登、頂上直下は緩やかになってだらだら登りです。標高上げるにつれ、翠が池が見えてきて素晴らしい景色。頂上は展望良いはずですが。北側の七倉山方面からはガスが上がってきており、残念、眺望ゼロ。しかし南側の御前峰方面は視界が残っており、紺碧の翠が池と御前峰の構図をしっかり写真に撮ることができて満足。ここでもエネルギー補給して、水分摂ってから出発。このままトラバース道を室堂へ戻るつもりだったが、あまりに天気も良くもしかしたら、御前峰でも池&大汝の展望が見れるかも、と欲を出して、お池巡りから逆コースで、御前峰、室堂へと下ることにした。
【大汝峰〜室堂】
大汝峰から急降下、池巡りコースに入ると、すぐ血の池、池の色が緑っぽい。少し登って翠が池が見えてくる。色合いが濃い青で美しい。その先の紺屋が池も油が池も日が当たるとそれなりに紺碧色になり、期待大。ガスが上がってくる前に御前峰まで
行きたいが、だんだん足が上がらなくなってきており、亀足で最後の急坂を頑張る。登り切ったら、素晴らしい景色が待っていました。来た甲斐があったというものだ。大汝峰&紺屋が池の組み合わせはいいですね。ここからは室堂まで、一気に駆け下ります。石畳の道は空身だとめっちゃ歩きやすい。イワギキョウとイワツメクサが多く、下部の這松帯ではクルマユリがたくさん咲いていた。特にナナカマドの低木の中にクルマユリの群生がいくつもあって、写真には撮りにくいが、個体数の多さにはびっくり。ここ白山は単一の群生を作る何かがあるんですかね。
室堂に降り立つと、散策路が何本かあって、そちらをぐるっと回って花散策。ハクサンコザクラ&ミヤマキンバイの大群生は見事。これだけまとまった群生はなかなかみられない。そのほかミヤマキンポウゲ、アオノツガザクラ、コイワカガミ、の混生花畑、またクロユリも負けていない。すごい密度でクロユリの群生が見られます。
その他コバイケイソウ、ハクサンボウフウ、ハクサンフウロ、イブキトラノオ、イワオトギリ、イワギキョウなどお花がいっぱい。室堂を散策するだけでも多くのお花の群生が見られます。
【室堂〜黒ボコ岩】
室堂で一息入れて水・エネルギー補給して、水筒の水を補給し出発、這松帯を急降下し弥陀ヶ原に着くと、一面のコバイケイソウ群生が広がった。ものすごい群生!見事という表現では言い尽くせないこの広がり感。見たこともない広大な単一コバイケイソウ花畑がそこにあった。今日は黒ボコ岩回りで戻る予定だったが、もったいないので木道をエコーラインのほうへしばらく散策してみることに! まだまだフレッシュなコバイケイソウもたくさんあってしばらくはこの満開の景色が見られそうな感じだった。適当なところでUターンして分岐の戻り、木道を黒ボコ岩へと向う。木道が途切れたら黒ボコ岩はすぐだった。ここにはすんごい巨岩があって、これが黒ボコ岩とすぐわかる。たくさんの人が休憩中でお休みポイントになってるみたい。観光新道の花畑に時間があったら行ってみたかったが、雲行きがだんだんおかしくなり、すでに白山はガスの中、このあたりも雷雨になりそうな様相だったので、今日は断念。そのまま黒ボコ岩から南竜へと下ることにした。
【黒ボコ岩〜砂防新道分岐】
この道はのっけからお花畑が広がり、いろいろな花が迎えてくれる。ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンポウゲ、テガタチドリ、タカネアオヤギシウ、キソチドリ、トリアシショウマ、シモツケソウ、タカネナデシッコ、ミヤマホツツジ、ヤマハハコ、エゾシオガマ、ハクサンボウフウ、ミヤマコウゾリナ、クモマニガナ、ハクサンフウロ、ヨツバシオガマなどなど。水が豊富なので下部にはミヤマダイモンジソウ、オタカラコウ、ミヤマガラシ、オオレイジンソウ、リュウキンカ、クルマユリ、チダケサシ、オオカサモチ、ニッコウキスゲなども多い。とにかくお花豊富な道でありました。
【分岐〜南竜】
分岐付近から少しだけ、ガレ場の登りで、シモツケソウが目立つ。ミヤマホツツジ、エゾシオガマ、ハクサンフウロなど花も多い。登りきると平坦になって南竜が見えてくる。この道は今回2度目だが、荷物背負ってるのと空身では、まったく景色が違って見えた。やはり荷物重いと見え方が違うのね。テンバ通らず、まっすぐ別山に向かう道なども俯瞰してみえるので、こうなってるんだと納得、地形や道が見えてくるものだ。エコーライン分岐までは直ぐ。沢を渡るあたりは見上げるとニッコウキスゲの結構大きな群生がまだ見られた。場所によっては、遅くまで咲く場所も残ってるのですね。
【総括】
今日は雨にも降られず、目的の仝譱以ご来光△花松原のお花畑をともに果たすことができ、大満足の山行となった。とにかくお天気に恵まれたことが多きかった。
多くのお花にも出会えて、改めて花の白山の大きさが少しでも感じられたかなと思う。白山は単一の群生が多く、ある所にはあるが、ないところには無い!という縄張り的な感じがある気がする。単一群生の大きさはスケールが他の山と全く違って、極めて大きく、個体数も多い貴重な山域だと思います。
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