雲取山から金峰山へ4泊5日奥秩父全山縦走達成
- GPS
- 104:00
- 距離
- 56.2km
- 登り
- 4,384m
- 下り
- 3,918m
コースタイム
2日目 雲取山荘(5:45)→雲取山(6:20〜6:55)→飛龍権現・飛龍山往復(10:50〜12:10)→将監小屋(14:45)
3日目 将監小屋(6:00)→唐松尾山(8:25〜8:50)→笠取山(10:30〜11:10)→雁坂小屋(15:10)
4日目 雁坂小屋(4:15)→甲武信岳(10:15〜10:25)→国師岳(16:38〜16:50)→大弛小屋(17:25)
5日目 大弛小屋(6:10)→金峰山(9:00〜9:30)→瑞牆山荘(12:35)
天候 | 1日目 曇り時々晴れ、にわか雨あり 2日目 晴れのち曇り 一時雨 3日目 晴れ 4日目 晴れ 5日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
【下山】みずがき山荘からバスで韮崎駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
○コース全体は、登山道は明瞭で道標も完備しており普通に歩いている限り迷うところはありません。ただ、国師のタルから国師岳の雪面には道標はなく、ピンクテープもほとんどなくコースが若干不明瞭でした。 ○甲武信岳から国師岳の間の倒木は大したことありませんでした。 ○雪は木賊山、甲武信岳付近の樹林帯、国師岳周辺、大弛峠から金峰山までの樹林帯に残っています。ショートスパッツがあれば雪を踏み抜いても靴に雪が入らないので便利でしょう。 ○国師岳への雪面の急登はアイゼンがあれば楽でしょうがキックステップでも登り切れました。 |
写真
感想
5月28日(水) 曇り時々晴れ 午後一時にわか雨 三峰神社〜雲取山荘
奥秩父の主な山は、所々つまみ食いのように登った記録はあるものの全山縦走はなかなか果たせなかった。63歳になり、すべての仕事から離れてオールフリーになったのを期に念願だった奥秩父全山縦走を計画した。
誰でもそうだが雨は嫌だ。現職中はそんなことは言っていられないので計画を立てたら雨でも雪でも出かけものだが、今の境遇だったら天気を見計らって出かけられるのが一番の強みであろう。
梅雨入り前の好天続きの天気予報が出たのを見逃さず、5月28日の早朝、準備万端のザックを担いでいそいそと一番電車に乗った。車で出かけることが多くなった昨今、久しぶりの電車山行である。
西武秩父駅では平日にもかかわらずバス停には登山者が列をなし、ほぼ満員状態でバスは発車した。登山口の三峰神社に着くと、どうして神社にお参りしないのか、誰もがすぐに登山道へと向かった。私の今回の下山口は三峰とは反対側の韮崎なので、まずは神社に安全登山とアレンの無病息災を祈願してからスタートした。
雲取山の登山コースとして一番人気の三峰コースなので登山道も道標もしっかりしていて歩きやすい。なだらかな道が多いので45分に1回の休憩ペースで歩くものの元来歩くのが遅いので意外と時間がかかる。それでも先行したおばちゃんグループに追いつき、前後するように歩いた。一緒に休憩するたびに飴をもらったりチョコをもらったり、ありがとうございます。
三峰神社のスタートが11時近いので、今夜の宿、雲取山荘に着くのは早くても午後4時すぎと、ちょっと山の行動から見ると遅い到着である。でも陽の長い時期なので安心して歩けた。
予定外に宿泊者が多いと小屋の方が言ってました。私は単独行の若者二人との相部屋。感じのよい若者で山の話に花が咲き楽しいひと時を過ごせました。ところが、二階に入ったおばちゃんグループは、夕食後も話が盛り上がったのか大きな声でしゃべりまくり。一階の部屋中にその話し声が響き渡っていました。
夜は一杯飲んだ勢いで寝てしまったのでおばちゃんの声は自然と記憶から消えてしまったのですが、翌朝、午前4時に部屋の電気が点ったときから再びおばちゃんの声が響き渡ってきたのです。まあ、今日のコースはどうだろうかとか、天気はどうだろうかとか、山の話ならともかく、その話内容といったら、「誰、誰ちゃんが結婚したんだって。アッハッハッ」と声高々に話しているのです。
相部屋の若者は布団をかぶって一生懸命寝ているではないか。私はそろそろ起きてもいいのですが、傍目をはばからないおばちゃんの声にはいい加減腹が立って二階へ行って「まだ寝ている人がいるので小さな声で話してください」と注意しました。山へは誰が来てもいいのですが、山小屋ではもっと気遣いが欲しいですね。
5月29日(木)晴れ時々にわか雨 雲取山荘〜飛龍山〜将監小屋
おばちゃんの声が目覚ましになって起きてしまった。昨夜、トイレに起きたときは満天の星空で好天が期待された朝である。山小屋の前から日の出が見られた。日の出はいつ見ても胸がわくわくする。
朝食をしっかりとって雲取山山頂へ向かう。朝一番の登りはきつい。小屋に泊まった人たちは出発が遅いので山頂には誰もいなかった。雲取山は3回目の登頂だがいずれも天気がよい。富士山もバッチリ見える。右手の木の間からどってりした山が見えている。あまり目を惹かない山容だが気になるので展望板で確認したら和名倉山まではないか。奥秩父で唯一登り残している山である。将監小屋が基点となる山で今回の縦走の目的にもその下見が含まれているのだ。
これから向かう飛龍山をしっかり目に焼き付けてから避難小屋の様子を見に行った。展望抜群の避難小屋だが水場がないのが難点である。小屋から眼下に続く石尾根はいつ見ても気持ちよさそうである。富士山から奥多摩、丹沢方面の山々の展望が広がる。
ひとしきり展望を楽しんで山頂へ戻ったら2階の騒がしいおばちゃんグループが来ていた。それはもう小屋でのにぎわいどころではなかった。早々に立ち去ることにした。
ほとんどの登山者は、石尾根を下るか来た道を戻るかなので飛龍山への道に入ったら昨日からの喧騒が嘘のように、風の音と鳥の声しか聞こえない静かな道になった。
三条ダルミから見る富士山もなかなか良い。人が少ないがこの飛龍山へ続く道は険しい場所がないうえ、気持ちの良い新緑や笹原の道が多く、シャクナゲや可愛らしいイワコザクラなども見られました。
下界は30℃を越す真夏日になっているようですが山の上も日差しが強く暑くなりました。北天のタルで軽く食事をしていたら三条の湯からご夫婦が、昨夜は奥多摩小屋に泊まったという仙台から来た単独行の男性と合流した。ご夫婦は、飛龍山へ登った後、三条の湯へ戻ってしまったが、仙台の男性(柏さん)とはこのあと雁坂小屋まで一緒だった。
飛龍山は山梨百名山に数えられているが展望は全くない面白みのない山だがシャクナゲだけはすごい。山頂を覆うこのシャクナゲが一斉に咲いたらさぞ見事だろう。残念ながら今は、まだ花芽が出始めたばかりだった。
私は飛龍権現から山頂を往復したが、柏さんたちは直登ルートをたどって山頂を越えてきた。どうもこのほうがちょっときつい登りがあるものの時間的には15〜20分ほど早いようだった。
さっきまで暑いくらい晴れていたのに急に雲行きが怪しくなって雨がぱらついてきた。ゴロゴロ雷も鳴っている。昨日と同じような天気になってきた。展望の良い禿岩にも立ち寄ったが黒い雲が立ちこめた景色は感動するものではなかった。
将監小屋に着く頃になって雨が強くなり急いで小屋に駆け込んだ。重い荷物を背負って遅れて着いた柏さんはテント泊なので、どうやら今日の宿泊者は私一人のようだ。おやじさんがストーブに火を入れてくれたので、濡れたものを乾かしながら夕食までの間、ストーブの脇で、ぼんやりしながら焼酎のお湯割りを飲んだ。薪がパチパチはねる音だけが聞こえる静かなひと時で気持ちが良かった。
余談〜和名倉山の遭難〜
将監小屋の入口に遭難者の手配書が何枚か貼ってあった。このゴールデンウィークには3人も遭難しており、いまだ2人が見つかっていない。そんな中で目を惹いたのは、昨年9月に犬を連れて和名倉山へ向かった74歳の男性の写真だった。黒い甲斐犬をだっこした写真は犬への愛情があふれたほのぼのとした写真であるが、この方もいまだ見つかっていない。
ただ驚いたのは、犬だけが40日目に将監小屋に戻ってきたと言う。リードも首輪も外してあったというから、小屋のおやじさんは、男性が動けなくなり、もうダメだという時になって犬だけでも無事帰れるようにリードを外したのだろう。犬も直ぐには帰らず、飼い主が死んだことを悟ってからさまよいながら帰ってきたのだろう。と話していた。犬に聞いてみたいものだ。「お父さんはどうしたの」って。
5月30日(金)晴れ 将監小屋〜笠取山〜雁坂小屋
将監小屋には新設のバイオトイレがある。臭いもないしとても綺麗なので試しに利用してから出発した。今日はさほど有名ではない山をいくつかたどって雁坂小屋までの7時間コースである。
山に入って3日目にもなると体が慣れてきたせいか快調である。将監峠から和名倉山への入口である山の神土を経て、まずは唐松尾山2109mへ向かう。その途中に縦走路からはずれた場所に西御殿岩というのがあるらしい。将監小屋に西御殿岩からの展望写真が飾ってあった。なかなか良い眺めのようである。今日は天気も良いのでちょっと寄ってみることにした。
20分ほど尾根に向かって山の斜面を登るとその西御殿岩に出た。ちょっと霞んだ天気なのですっきり、はっきりした遠望は得られないものの360度の展望である。ひょっとしたらこの縦走路中で一番眺めが良いのではないか。当然、昨日登った雲取山より展望はよい。
この展望はみやげ話になると思い早速ビデオを撮り始めたら、何と何と、途中でバッテリーが切れてしまった。そうか、今日はもう3日目だから予備のバッテリーをポケットに入れておくべきだった。それでも写真だけは何とか何枚か撮ったので残念だがビデオはあきらめることにした。
唐松尾山への道はなだらかで歩きやすかった。三等三角点のあるその山頂は樹林に囲まれて展望はないものの何か落ち着く雰囲気のある山頂で気持ちがよい。
ここで縦走路は左に直角に曲がる。せっかく登った道だがここから一旦急下降する。登りたくないような急坂である。下りきってしまえばあとは黒槐山を巻くように緩やかに下り笠取山の取り付きにたどり着く。いつか登ったことのある笠取山を今回は逆方向から登ることになる。
どうも奥秩父の山は東側はなだらかな稜線で西側が急斜面になっている傾向がある。笠取山も西側は直登の急斜面だが、今回登る東側はさほど急ではない。のんびり登っているとシャクナゲが満開の東峰に出た。ここで昼食にしようかと思ったが確か西側のピークの方が展望が良かったはずなのでそちらに行くことにした。
朽ちた山梨百名山の標柱がある西峰は思った通り素晴らしい展望が待っていた。見えるのはこれから行く甲武信岳、国師岳方面岳だが眼下に気持ちのよい雁峠付近の草原が箱庭のように見える。そこで憩いでいるハイカーの姿も見える。雁峠のベンチでは、今朝、先行した仙台の柏さんが昼食をとっている様子も見える。何とも気持ちのよい山頂である。そんなほのぼのとした山頂で将監小屋の親父さんが作ってくれた弁当を食べた。
一見、きつそうに見える雁峠からの登りも歩きやすく切られたジグザグ道のおかげでなんなく登り切り雁坂峠に向かう。途中にある古礼山、水晶山では追いついた柏さんと写真を撮りあいながら楽しく越え、まだ陽が高いうちに雁坂小屋に着いた。
雁坂小屋は、十数年か前の冬にテント泊をしたことがあるがここのテント場は実に気持ちの良いテン場である。でも今回は小屋泊まりだ。もう登る山がないという70代のご夫婦と外のベンチで山の話をしながら夕食をとり、気配りの良い小屋番さんが敷いてくれた寝心地のよい布団で明日に備えて早めに床についた。
5月31日(土)晴れ 雁坂小屋〜甲武信岳〜大弛小屋
今日は、今回の山行中、一番のハードコースである。地図上のコースタイムだけでも10時間以上ある。私の足では休憩時間を入れればたぶん12時間はかかるだろう。
雁坂小屋は自炊小屋なので出発時間は自分で調整できる。この日は午前3時30分に目覚ましをかけたがその5分前に目が覚めた。自炊部屋でヘッドランプを使って朝食、昼食の準備をしているうちに小屋番さんが起きてきて電気を点けてくれた。実に気配りの利く小屋番さんだ。
小屋番さんと前後して雁坂峠まで登り一緒に日の出を見た。残念ながらこのときは富士山は見えなかったが、この日は陽が昇るにつれ天気が良くなり、破風山あたりでは富士山も顔を出し、実に気持ちの良い登山日和になった。
東西に細長い山頂を持つ破風山も西側はもの凄い急坂であるが東側から登ると意外と楽に山頂に立つことが出来る。ただ、この山頂は東も西も展望はなく、その中間点に、遠くは富士山、眼下に広瀬湖を望む絶景ポイントがある。
その気持ちの良い景色を見ながら西破風山の急坂を下ると今度は甲武信岳の前衛ともいえる木賊山の登りが待っていた。この山は以前に登っているし、展望もなく全く特徴のない山頂なので今回は巻き道を通って甲武信小屋へ出たがこのあたりから残雪が出てきた。
甲武信小屋は奥秩父の中では雲取山に次いで人気の小屋である。昨夜は平日もかかわらず50人以上が泊まったというし、今夜は、有名な登山家がツアー客を50人ほど連れて来てほぼ満員状態だという。さぞ騒がしい一夜になるのではないか。こんな小屋は御免こうむりたい。
甲武信小屋の前にワンちゃんが繋がれていた。小屋の犬かと思っていたら登山の若夫婦が連れてきたニコちゃんという名のボストンテリアだった。人なつっこいワンちゃんで声を掛けたら私の顔をぺろぺろなめて甘えてくる。実に可愛いニコちゃんでした。
名刺交換をして帰宅後このご夫婦のブログを見せてもらったら、このニコちゃんを連れて毎週のように山登りに出かけているようだ。ウチのアレンは山登りには向いていないのでうらやましい限りである。
甲武信岳の山頂は賑やかだった。ここは狭い山頂に大きな石積みの標柱が立っているので登山者が多いときには座る場所がない。今日は土曜日で天気も良いので信州側や甲州側から登山者が入れ替わり立ち替わり登ってくる。国師岳方面が見える場所には山ガールが陣取って食事をしているので写真を撮る場所もない。実に落ち着かない山頂である。奥秩父を代表するする山だが先へ進むことにした。
甲武信から国師の稜線は奥秩父では最も人の入らない山域で人気のないコースである。しかし、ここを通らなくては全山縦走は果たせない。甲武信に登る半数の人が信州側の千曲川源流遊歩道を登ってくる。この遊歩道の分岐を過ぎて国師への道に入ると今までの喧騒が嘘のように静かになる。全く人がいなくなる。実際、この日大弛小屋まで歩いた6時間ほどの間に出会ったのは1パーティー2名だけだった。
展望もなく奥秩父らしい原生林の中をひとりでもくもく歩くのは確かに面白くない。早く国師岳の山頂に立ちたかったが、この先、今回の縦走中、一番の難関が待ちかまえていた。国師のタルのいう最低鞍部からすぐに国師への登りになるのかと思ったらその前に2つばかり瘤を越えなくてはならなかった。この瘤を越えたら今度は本格的に急登が待っていた。しかもびっしり残雪がある。見上げるほど真っ直ぐな雪道をキックステップで登る。何とか登り切ってもまだ雪はたっぷりある。しかも、いままであったピンクテープの目印が全くなくなり登山道がわからない。かろうじて付いていたトレースと地図を頼りに稜線目指して登った。
午前4時過ぎに雁坂小屋を出てきたのに時間ばかりが過ぎていく。今日は、奥秩父連峰の最高峰、北奥千丈岳にも寄る予定だったがこの調子では、時間的にも体力的にもちょっと無理になってきた。
昔、菅ちゃんと真冬に登った懐かしい国師岳山頂には誰もいなかった。そうだろう。この時期、この時間に登ってくる物好きはいないだろう。すっかり疲れ切った体ではゆっくり展望を楽しむ余裕はなく、記念写真を撮りおわると北奥千丈岳を横目に見ながら今日の宿、大弛小屋へ一目散に下った。
6月1日(日)快晴 大弛小屋〜金峰山〜瑞牆山荘
今日は大弛小屋に通じる道路の開通日だそうだ。好天の日曜日とあって午前5時に起きたときにはこの日を待っていた人たちで峠の駐車場は満車状態だった。
今日は、楽なコースで金峰山へ登ればあとは下るだけ。行程も約5時間半と短い。増富の湯で汗を流したあとの美味しい生ビールが待っていると思うと気持ちが急く。
残雪の多い大弛コースだがしっかりしまっているので歩きやすい。雪の多さに驚いて引き返す人もいたが雪の状態を説明してあげたら私の後について再び登ってきた。そうこうしているうちに朝日岳に登り着いたら雪の心配なんか吹っ飛んでしまうような素晴らしい光景が待っていた。
途中、樹間からチラチラ見えていた富士山は、今回の山行中、一番綺麗に見えている。金峰山の左後方にも南アルプスがずらりと3000m峰を並べていた。雲ひとつない真っ青な空の下に広がる山並みを見て誰もが歓声を上げていた。
鉄山の山腹を横切り徐々に高度を上げていくとハイマツが出てくる。森林限界に達したようだ。視界が開けてきた。金峰山山頂の一角に出たようだ。正面に八ヶ岳がど〜んと座っていた。大岩の間をぬうように登ると今回の山行で最後のピーク、金峰山山頂である。
西御殿岩の展望も素晴らしかったが、この金峰山からの展望はそれを何倍も上回るような景色が広がる。富士山、南アルプスはいうに及ばず、御岳山、乗鞍岳、北アルプス、頸城山塊、谷川連峰、日光連山、大菩薩連嶺、丹沢、御坂山塊などありとあらゆる山がすべて見えている。
一番高そうな岩峰に立って、その360度の展望を解説を交えながらビデオに収めた。そばでそれを見ていた登山者が、ビデオ撮影が終わると「へぇ、雲取山から来たのですか。全山縦走おめでとうございます」と祝福してくれた。
甲武信岳と違って金峰山の山頂はすごく広い。山頂で憩う登山者は100人近くはいるだろうが全く混雑感はない。老若男女、それぞれが好きな山の方に向かって展望を楽しんでいる。五丈岩に登ろうとしている若者もいるし、好き勝手な格好で撮影会を楽しんでいるグループもある。それでいてこの山頂には騒がしさがない。とてもほのぼのとした良い感じの山頂である。
重い腰を上げて名残惜しい山頂を後に下山することにした。長いようであっという間の5日間だった。奥秩父らしい樹林帯を気持ちよく歩き、眩しいばかりの新緑の森を抜けるとバス停のある瑞牆山荘前に出た。そこは、人気のある金峰山、瑞牆山の登山口とあって登山者と車があふれていた。昔は増富温泉からここまで歩いて入山したものが、今では路線バスが来ているので金峰山の日帰りも可能になった。
韮崎駅へ出るこの路線バスに乗ると途中にある日帰り温泉「増富の湯」の割引券がもらえた。ここの茶色で温いラジウム温泉はのんびり湯に浸うのにちょうど良い。美味しい山菜の天ぷらが食べられる食堂も併設されている。次のバスの時間までの1時間半を有意義に過ごせた。便利になったものだ。
さらに便利になったのは韮崎からの特急電車だった。通常は、「あずさ」で新宿に出るのだが、日曜日の今日は、横浜直通の臨時特急「はまかいじ」というのがあった。これに乗ると横浜まで2時間で帰れる。お金がなくて各駅停車を利用していたころに比べると本当に早くて便利になったものだと、車内販売のビールを飲みながらつくづく感心した
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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5日間お疲れ様でした。
笠取山山頂で素敵な山男の写真を撮らせていただいた者です。
また、どこかでお会いできるコト楽しみにしてます。
コメントありがとうございます。なんとか歩き切って記録をアップすることができました。また、どこかで会えたら嬉しいですね。
コメントありがとうございました。お返事した後にこちらを読みました。にこの写真とってもきれいにとっていただき、ありがとうございます。5日間も歩かれている4日目だったのですね。ぜんぜんそんなに長い工程を歩かれいらっしゃるとは思いもよりませんでした。お疲れさまでした!
可愛いニコちゃんと出会えて楽しい思い出が一つ増えました。ブログも拝見しました。ニコちゃん出没マップ見ました。すごいですね。楽しそう。千曲川源流はいずれ行きたいと思っているルートです。これからもニコちゃんの活躍ブログで拝見します。お気に入りに登録しました。お元気で。
youji様
先日は雁坂小屋にお立ち寄りいただきましてありがとうございました。
甲武信から大弛までの道中、夏のような暑さの中で倒木をまたいだりくぐったり・・・さぞかし大変なことだろうと思っておりました。
またぜひお越しくださいませ。
え〜還暦を過ぎているのですか。若いですね。あの日は、何とか大弛小屋に行き着きましたが、最後の国師の登りが雪がある上、道標、テープもなくちょっと苦労しました。でも、倒木もほどほどだし、なんせ、人がいないのが良かったですね。奥秩父らしい静かな山歩きが楽しめました。小屋では色々気を遣って頂きありがとうございました。機会があったら是非また泊まりたいと思います。頑張って小屋を守ってください。山行記事を更新しましたので参考にして頂ければさいわいです。
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