南アルプス 早川尾根縦走 甲斐駒〜アサヨ峰〜鳳凰三山
- GPS
- 21:08
- 距離
- 35.8km
- 登り
- 4,368m
- 下り
- 3,730m
コースタイム
- 山行
- 10:16
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 12:14
- 山行
- 7:25
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 8:54
天候 | 1日目:晴れ時々曇り 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
下山後に自転車で尾白川渓谷へ戻る。 戻りチャリの記録 ↓ https://www.strava.com/activities/7898467801 |
コース状況/ 危険箇所等 |
早川尾根の歩く人が少ない箇所をピックアップして記載。他はメジャールートなので割愛します。 ●仙水峠 〜 栗沢山 早川尾根鞍部となる仙水峠から栗沢山は標高差450mの直登。樹林帯を抜けると岩とハイマツ帯を進む ●栗沢山 〜 アサヨ峰 アップダウンが少ない緩やかな岩稜歩き。アサヨ峰は両端の百名山を除けば早川尾根の最高峰で早川尾根の全貌が見られる他、仙丈、北岳、八ヶ岳、秩父連山、富士山・・と360度の大パノラマを堪能できる。 ●アサヨ峰 〜 早川尾根小屋 細かいアップダウンを繰り返しながらの樹林帯歩きが延々と続く ●早川尾根小屋 〜 広河原峠 〜 赤薙沢ノ頭 〜 白鳳峠 広河原峠〜赤薙沢ノ頭は登山道を覆うようなハイマツなどの灌木帯を抜ける。 踏み跡はあるが枝に覆われた登山道は狭くトレッキングポールは思うように使えない。雨後や早朝の朝露などで樹葉が濡れている時はずぶ濡れになりそう。 樹林帯では幹に着いた赤布をマークして進む。藪漕ぎはないが紛らわしいトレースがありそれに迷いこむとルートを見失う。 ●白鳳峠 〜 高嶺 〜 地蔵ヶ岳 白鳳峠 〜 高嶺も濃いハイマツ帯と岩ゴロ帯を交互に抜けて行く感じ。歩く人が少ないからか岩ゴロ帯はルート上を示す〇や→などのマークが少ない。踏み跡やハイマツ帯の入口をキョロキョロ探しながら進んだ。高嶺直下は岩稜の急登になる。 |
その他周辺情報 | 終了後の温泉は 尾白の湯 通常料金830円ですが割引券利用で630円になりました。 割引券は尾白川渓谷駐車場前の土産物店おじろでバッジを購入したらもらえました。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
今季の達成をマストと考えていたメイン山行。銀週間の連休での決行を狙っていたが台風の襲来で好天が続かず先延ばしにして好機を窺っていました。9月最終日から10月頭にかけての週末は好天が期待できそうだ。たまたま都合よく9月30日(金)に休みが取れたので絶好の好機といざ山梨県へ。
尾白渓谷の駐車場で車中泊をして未明の早朝にスタート。駒ヶ岳神社で安全祈願のお詣りをして渓谷にかかる橋を渡ろうとコンデジを構えたらなんとカードを認識しない!やってもうた〜・・カメラに入れるの忘れてたよ・・
仕方がないのでスマホをカメラ代わりにして撮影をすることに。
今回はテン泊装備で黒戸尾根を上る。サンダルやミニミニチェアーなどテン場での快適グッズを今回は我慢して軽量化を図ったがそれでもやっぱり重くていつもより少し遅い足取りだがそれはおり込み済み。
笹の平分岐辺りで登山道にも陽が当たり始める。イイ感じだ♪。刃渡りで空が開けると快晴の青空ときれいな八ヶ岳が目に入った。2週流して機会を待ったかいがあった最高の天気。気分を高揚させながら黒戸尾根を登りました。
七丈小屋で休憩して黒戸尾根名物の梯子や鎖の岩稜を進む。大変だけど道はよく整備されていて不安感はありません。ただ8合目辺りからガスがかかってきて周囲は白くなってきた。ガスが切れるのを期待していたが頂上に着いてもガスが切れることはなくちょっとガッカリ。晴れるのを待っている時間はないのであきらめて進もうとすると登山道にチョコチョコ動く物体が。なんと雷鳥が現れてくれました。甲斐駒で雷鳥がみられるとは・・。まったく予想していなかっただけに嬉しいハプニングでした。
嬉しいハプニングの直後は大誤算のBADハプニング。甲斐駒山頂から駒津峰方面へ下っている時スマホの充電ケーブルがないことに気がついた。どうやら黒戸尾根で落としたようだ。コンデジのカードに続き自分のミスからのアクシデントにガックリ・・。その時点でバッテリ残量は50%くらいだったか。とにかく節電モードで行くしかない。幸いヤマレコ地図がなくても紙の地図とガーミンのアウトドアGPSを併用していたのでルートどりは大丈夫だ。落ち込んでもしょうがないので前向きに山行を進めよう。
仙水峠まで700mガッツリ下り栗沢山まで450mの登り返し。流石に黒戸尾根で2000m以上を上ってきてこの急登は足に堪えました。栗沢山直下で周りが開けて振り返ると駒ヶ岳から下って登ってきたここまでの稜線道が一望できた。こんな所歩いて来たのか・・と自分がチャレンジしていることの壮大さを実感。ちょっと無謀だったかな・・なんて思ったりして。
駒ヶ岳〜仙水峠は北沢峠を起点に行動していると思われる登山者が多くいたが仙水峠以降でスライドしたのは6人のパーティとソロの登山者だけ。栗沢山を過ぎた所ですれ違ったソロの方からは “今日初めて人に会った” と言われた。その方は広河原から登ってきたそうだがこの辺りは人がホントに少なくて静かな山歩きが楽しめました。
アサヨ峰が近くなってくると晴れてきて周囲が一望できるようになってきた。ここぞとばかりに写真を撮ろうとしたらスマホはバッテリ切れでダウン・・。そんな中で辿り着いたアサヨ峰は駒ヶ岳と鳳凰山を繋ぐ早川尾根をきれいに一望できる素晴らしいロケーションで撮影できないのがホントにホントに残念でした。
写真はないがアサヨ峰からもいくつかのアップダウンを繰り返しながら進む。この辺りまで来ると相当疲れも蓄積されてきて安全歩行だけに神経を集中させてなんとか早川尾根小屋にとうちゃく。ほぼ予定通りの行程で来れたことに安堵。
早川尾根小屋は前々日にテン場利用を電話したらこの日は平日でもあり管理人は不在であると聞いていた。売店の利用はできないがテント場は自由に使ってくださいといわれたので小屋前にテント設営しようとしたら、鳳凰山方面からソロの登山者がやってきた。一人で “ちょっと寂しいな“ と思っていただけに安堵。
このお方(岩手のAさん)、岩手県から南アルプスの縦走をしに来たそうで夜叉神峠スタートで鳳凰三山〜早川尾根〜駒ヶ岳〜北沢峠〜仙丈ケ岳〜仙塩尾根〜両股小屋〜間ノ岳〜北岳〜広河原と5日間のBIGな南アルプス北部の大縦走の初日だとの事。
(ヤマレコユーザーさんだが記録は公開していないそうなので仮でAさんとします。)
話をする中で使っているスマホをきいたらiPhoneだった。ここぞとばかりにこちらの事情を話してケーブルを貸してもらえないかお願いしたら快く貸してくださいました。自分のモバイルバッテリに繋いで充電しようとしたらバッテリのUSBの仕様が異なり使えなかった。この時はホントにガッカリしました。しかし親切に貸してくれたAさんに対しては御礼をいって食事の準備を始める。
夕食はカレーでそれを食べ終わるとバッテリのことがあきらめきれず、ダメもとで自分勝手なお願いだがAさんのバッテリから充電させてもらえないか頼んでみた。Aさんは少し躊躇いながらもOKといってくれた。一期一会でたまたまこの日に同じ場所でテン泊する人が親切な人で本当によかった。Aさんに何度も御礼をいってモバイルバッテリをお借りした。ただAさんもロング縦走の初日なので親切に頼りきらず充電量は60%とした。Aさんは別に何も言ってなかったがホントにこれだけで十分です。もう感謝・感謝・感謝です。ありがとうございました。
翌日、出発の別れ際にバッテリの充電量大丈夫か聞いたら、余裕をみて持ってきているから大丈夫だ。そんなに気にしないでくれ と言われた。Aさんあなたは神です。
2日目は明るくなってからスタート。スマホは機内モード&低電力モードにしてカメラ以外のアプリは起動させず冷やさないように身につけるような形で携行した。広河原峠までは樹林帯を下る。時折開けた所から北岳が見えた。天気は前日にもまして完ぺきな快晴。稜線漫歩と行けそうだ。
広河原峠から赤薙沢ノ頭までの上りはハイマツやシャクナゲ?などの低木の樹林帯。歩く人が少ないからかハイマツが登山道を覆うほど濃くてポールを使いまわすスペースもないほど。防寒でカッパを着ていたので被害はなかったけどハイマツが朝露に濡れてずぶ濡れ寸前まで濡れました。また樹林帯では下を見てぼんやり歩いていたからかなんとなく踏み跡を辿って進んでいて赤布マークを見落としてルートを見失なってしまった。結局見落とした赤布まで戻ってルートに復帰するまでに20分以上かかってしまった。これが前日の行程終盤だったら相当焦っただろうな。
赤薙沢ノ頭まで登ると開けていて遮るものにない完ぺきな北岳が目に飛び込んできた。前方には次のピークの高嶺の奥に地蔵岳のオベリスクも見えた。期待が高まる。
白鳳峠まで一旦下り高嶺への上り。また道を覆うようなハイマツとガレ場の急登を進む。やはり歩く人が少ないからか明朗なマークが少ない印象でキョロキョロとルートを確認しながら登った。
そんな急登を上りきって振り返ると駒ヶ岳からアサヨ峰から伸びている歩いて来た早川尾根が一望できた。素晴らしい景色・・。序盤の疲れも吹っ飛びました。またこれまで北岳に隠れて見えなかった間ノ岳〜農鳥岳も見えてきてさらにテンションUP♪
進行方向に目を向ければ同じ高さの目線の先にオベリスクがある。さぁ鳳凰山の領域に足を踏み入れるぞ♪
地蔵岳から先はこれ以上ない完ぺきな状況下の稜線漫歩。素晴らしすぎて言葉がありません・・・。本当にいい日に来れてラッキーでした。
地蔵岳〜観音岳〜薬師岳と稜線漫歩を楽しんで名残惜しいけど下山します。下山道の夜叉神峠ルートは危険もなく緩やかな歩きやすい道だが、その分緩やかすぎて歩いても歩いても標高が下がらない印象。こうなったら南アルプスらしい樹林帯の山歩きをとことん満喫させてもらおう(笑)。
そんなこんなで長いルートを踏破して15時前に夜叉神峠登山口に到着。そこからはスタート地点の尾白川渓谷まで戻りチャリだ。スマホのバッテリは残り少なくなっていたが手持ちのサイコンにはナビ機能があるのでそれを使って行く。夜叉神峠から南アルプス道路を一気に下り甲州街道を経由して尾白まで登り返す。テン泊装備を背負ったヒルクライムは最後は修行だったが17時半過ぎ、なんとか明るいうちに尾白川渓谷の駐車場に帰還。波乱万丈の山行は無事に終了しました。
もうクローズしていると思っていた駐車場前のお店おじろがまだ開いていて着くなり駒ヶ岳(黒戸尾根)のバッジもゲットできた。尾白の湯の割引券ももらえてホントにハッピーな気分で山行を〆ることができました。
今回は自分の凡ミスからハプニングが重なったが、雷鳥や親切な人(岩手のAさん)との出会いがあり何より2日目の最高の稜線漫歩ができた。忘れられない山行になりそうです。
スマホの写真はヤマレコマップにからませてじゃないと時間が反映されないのか、このレコ作るのにいつもの倍くらいの手間がかかった。でもスマホの写真が思っていた以上にきれいに撮れていたのは嬉しい誤算でした。
飯豊連峰の縦走、今回の早川尾根縦走ともうひとつ今季マストと考えている縦走計画がある。10月に決行予定だが今回のような恵まれた山行になることを期待したいです。
ふぅ〜・・。長すぎる感想。ここまで見てくれた方お疲れ様です。
ありがとうございました。
戻りチャリの記録 ↓
https://www.strava.com/activities/7898467801
40枚目、14:12に栗沢山で写っている登山者は私です。私もこの日、早川尾根で会ったのはhoyanさんだけ、静かな山でしたね。
ちょうど下山した翌々日(10月3日)のNHKにっぽん百名山で早川尾根やってました。
甲斐駒へのルートで復活の登山道と紹介されていました。
アサヨ峰の眺望が素ばらしかったという印象があるのですが、写真がないのでもううる覚えです。
もう一度アサヨ峰を目指して日帰りで行こうかな・・と思いにふける今日この頃です。
yasu0402さんもロング山行お疲れ様でした。
NHKの放送、私が帰宅したその時やってたみたいで、後で知りました、残念。
アサヨでは雲が掛かってあまり展望は記憶にないんです。もし行かれたなら是非写真をアップして下さいね!
大丈夫ですよ。10月10日のお昼(午後0:30)に再放送あります。
https://www.nhk.jp/p/100yama/ts/K8938MW1R4/episode/te/EK537XNJVG/
アサヨの再訪については南アルプス林道の広河原〜北沢峠の通行止めが解除されたら広河原ベースで1日目:広河原〜北沢峠〜アサヨ峰〜広河原峠〜広河原 2日目:広河原〜小太郎山〜北岳〜八本歯のコル〜広河原 みたいな感じで回ろうかなんて妄想してます(^^♪
無事、下山されたんですね!良かったです。僕も昨日家まで到着しました。縦走もトラブル無く、とても良い時間を過ごせました!
こちらこそありがとうございました。早川尾根小屋に着いた時hoyanさんが居て嬉しかったですし、夜も寂しくなかったです!
せっかく持ってきた楽しみにしてたはずのおつまみも頂き、逆にすみませんでした。
自分が疲れて食欲が無かった時に食べたので、
とても美味しく頂きました!
文書が苦手なので、上手く伝えられないのが悔しいですが(笑)とにかくこちらありがとうございました!
コメントありがとうございます!またその節は大変お世話になりました。
分けていただいたバッテリチャージのおかげで2日目の白根三山などの最高の眺望を撮ることができとても満足しております。
私の山行終了後も翌日、翌々日といい天気だったのできっと最高の縦走をされているんじゃないかと裏山しく思っていました。おそらく今季一番の連泊縦走日和だったんじゃないでしょうか。バッテリーチャージのお礼としてはショボすぎる、おつまみでしたが少しでも縦走の役に立ったんならこんな嬉しいことはありません(笑)
またいつかどこかでお会いできたら嬉しいです。重ね重ねありがとうございました!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する