奥秩父主脈、金峰山〜甲武信ヶ岳を2泊3日で縦走
- GPS
- 27:16
- 距離
- 30.4km
- 登り
- 2,635m
- 下り
- 3,011m
コースタイム
瑞牆山荘9:25→10:16富士見平小屋→11:16大日小屋11:26→12:07大日岩12:15→13:43砂払の頭→14:12金峰山小屋分岐→14:54金峰山山頂(昼食)15:20→15:30ケルン・登山道は右折→15:54鉄山→16:29朝日岳→17:03朝日峠→17:40大弛峠・大弛小屋(幕営)
7月25日(金)
大弛小屋6:03→6:57前国師岳→7:10北奧千丈岳7:23→7:36国師ヶ岳7:50→8:00天狗尾根分岐→9:44国師のタル9:57→10:55東梓(昼食)11:37→12:45両門ノ頭→13:28富士見13:38→14:25ミズシ14:40→14:56千曲川源流分岐→15:28甲武信ヶ岳山頂15:46→16:03甲武信小屋(幕営)
7月26日(土)
甲武信小屋4:54→5:10甲武信ヶ岳山頂5:19→5:55三宝山6:07→6:10三宝石6:26→6:49巻き道へ→6:58甲武信小屋(テント撤収・朝食)8:11→8:34木賊山→8:40縦走路から戸渡尾根へ→10:03分岐・徳ちゃん新道へ→11:06尾根左折→11:52徳ちゃん新道入口→11:58近丸新道入口→12:02東屋(着替え)12:40→12:54西沢渓谷入口バス停
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
西沢渓谷入口からバスで中央線の塩山駅(1日4便)か山梨市駅(1日5便)へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
瑞牆山荘〜金峰山〜大弛峠〜国師ヶ岳間と甲武信ヶ岳山頂〜西沢渓谷間は登山者が多い区間。 国師ヶ岳〜甲武信ヶ岳山頂間の縦走路も、踏み跡はしっかり付いており、赤テープのマーキングも多く、迷いやすい所や危険箇所は少ない。 |
写真
感想
関東甲信地方も梅雨が明け、夏山シーズン到来。2泊3日で奥秩父主脈を縦走することにした。瑞牆山と金峰山、また甲武信ヶ岳は、それぞれ日帰りで登ったことがあり、様子が分かっているから、それらを結ぶ縦走路には、何かしら気安さも感じていた。
計画は次のとおり。
1日目 瑞牆山荘から金峰山に登り、大弛峠に幕営。
2日目 国師ヶ岳・北奧千丈岳を経て縦走し、甲武信ヶ岳を経て甲武信小屋に幕営。
3日目 雁坂峠まで縦走し、西沢渓谷に下山。
コースタイムは、各日とも6時間台に収まる。なお、甲武信ヶ岳から隣の三宝山にピストンすることも案に入れる。
さらに、余裕があれば、雁坂峠から雁峠まで縦走を延ばし、新地平に下山する可能性も考える。2日目または3日目のコースタイムが9時間前後に増えるが、以前、笠取山・雁峠までは登ったので、これで雲取山から甲武信ヶ岳方面までの足跡が繋がることになるのだ。
その結果は・・・
奥秩父主脈の奥深いコースを甘く見てはいけない、また自分の体力を過信してはいけない、と深く反省。
コースの大部分は樹林帯で、縦走路は大小のピークをたどって昇降を繰り返し、それなりにハードだ。前2日はコースタイムを大幅に上回る歩きになったので、3日目は行程を短縮し、甲武信ヶ岳から直ちに西沢渓谷に下山した(コースタイム9時間など、トンデモナイ!)。ただ、天気にも恵まれ、針葉樹やシャクナゲを主体としこけむした原生林や、幾重にも続く緑の山並みの展望を堪能した。コースの両端が賑わいの山域である半面、途中の区間を歩き抜ける人は希だったが、私より常に先行して同じコースを歩く単独男性との出会いがあり、幸いだった。
1日目。
瑞牆山荘から金峰山までは、6年前に日帰りでたどったコース。今回はテント装備を背負い、暑さで大汗もかき、大日小屋から大日岩までの急坂、そして主脈縦走路に乗った後も樹林帯の急登が、長くてつらかった。砂払ノ頭を境に、樹林帯から岩稜・低木帯へとがらっと変わるので、いつそこに着くかと心待ちに登ったが、意外に遅かった。登山地図では、2317mの肩が砂払ノ頭に当たっているように読めるが、実際はそれより上、2497m地点まで3分の1位の地点(高度2410m辺り)が砂払ノ頭だ。
瑞牆山荘から金峰山山頂まで、コースタイムを1時間以上も上回り5時間半かかった。このコース途中では多くの日帰り登山者と出会ったが、岩稜帯になってからはほとんど出会わず、金峰山山頂は独り占めだった。もっとも、ガスで展望もなかったが。
金峰山から大弛峠に向けて下山を始めるとすぐ、開けた台地にいくつかのケルンがあり、それにつられてまっすぐガレ場に下りてしまったが、登山道は小さな指示に従い右折して続く。この下山路は朝日岳、朝日峠と昇降していく。16時を回る時間になったが、密集した植林帯のように午後の早い時間から薄暗くなることもなく、立ち枯れの林もあり終始明るかったので、助けられた。朝日峠からは緩い昇降を繰り返した後、最後に大きく下って大弛峠に着いた。
大弛小屋のテント場は、登山者のほか、ここまで車で来てテントで一夜をのんびりと過ごす人も多いようだ。この日は小屋に管理人が不在と、のどかな雰囲気だ。幕営代600円は、小さな袋に入れて名前を書いて支払うようになっている。夜半、星空になり、翌日の好天が期待された。
2日目。
早朝の大弛小屋。隣にテントを張っていた男性と、テント場では顔を合わせることがなかったが、小屋の前のテーブルで朝食を作りながら話を交わした。前日は富士見平小屋に幕営し、瑞牆山に登ってきたとのこと。この男性が甲武信ヶ岳に向けて先発した。私は、6時出発。
北奧千丈岳、国師ヶ岳には苦もなく登り、富士山をはじめ好展望を得る。大弛峠からこの周辺だけを歩く何組かの人達と出会った。
国師ヶ岳から甲武信ヶ岳までの区間は、今回の縦走の核心部分だ。針葉樹の原生林で、こけむしているが、日差しが差し込み、幼木やシャクナゲなどの低木も多い。倒木が多く歩きにくい。要所要所に赤やピンクのテープがあり、大きく外すことはなさそうだ。
この山域の縦走路は、水源巡視路のような巻き道もなく、大小のコブやピークを正直にたどって昇降している。暑さと、前日の疲労の蓄積か、次第に脚が重くなる。ストックを頼りに立ち止まって意識がもうろうとする。いかんいかん、転倒して怪我したら歩けなくなる。木にしがみついてもうろうとするよう心掛けた。
国師ヶ岳から国師ノタルまで長く大きく下った後、東梓というピークがある。たまたま、樹間から前方に東梓とおぼしき尖った峰が見えて、いやな予感がしたが、その峰の形どおりの急登が待っていた。展望のない狭い東梓のピークだが、コースタイム上も中間的な位置になるので、ここで昼食にした。
国師ヶ岳から東梓までコースタイムの1.5倍の3時間もかかり、そこから両門ノ頭までは2倍の1時間かかった。道の途中でザックを下ろし小休止・意識中断することもしばしばになり、先が案じられた。
次の富士見までは平凡な尾根道で、コースタイム超過も大したことなく助かった。ところが、その先のミズシ(水師)までの登りは、長い急坂が一直線に丸見えで、大いに心が折れた。千里の道も一歩から、の思いで歩き続けたが、写真を撮る気力もなく、中高年の遭難原因ではバテて動けなくなるのが多いのだろうとか考えてしまった。ようやくたどり着いた展望のないミズシ山頂で、石に横たわり意識中断したが、なぜか、この区間のコースタイムが多めに設定されているようで、さほど遅れてないことに気づき、気を取り直して歩き出す。
こうして15時半に5年ぶりとなる甲武信ヶ岳山頂に着くと、ガスで展望がなく、他に誰もいない。ガレた急坂を下り、甲武信小屋に16時に着くと、朝の大弛小屋の男性が出迎えてくれた。2時間ほど前に着いており、私が遅いので道にでも迷ったかと心配して待っていてくれたようだ。
甲武信小屋の前のテーブルでは夕食を待つ宿泊客の賑やかな会話が続いた。テント場は4張りに5人。私は余りの疲れにまずテントの中で仮眠してから次の行動に移った。
さて、1日目、2日目と、コースタイム6時間余の区間に、昼食休憩も含めてだが、それぞれ8時間と10時間もかかった。3日目の雁坂峠までの計画も、考え直さざるを得ない。さらに、甲武信ヶ岳山頂がガスで何も見えなかったのも、リベンジしたい(5年前も、雨の中の登山強行で展望がなかった)。そこで翌日は、甲武信ヶ岳と三宝山に登った後、直ちに西沢渓谷に下りることにした。夜半過ぎにテントから首を出すと星空が広がっていたので、腹が決まった。
3日目。
宿泊客がご来光を見るため小屋前に出ている中を出発し、5時10分に甲武信ヶ岳山頂。辺りの山並みに朝日が射し始め、朝もやが山並みの低い方に漂っているが、遠くの富士山も頭を出している。そこへ、大弛小屋の男性が三宝山から戻ってきた。早くも3時半ごろからランプを照らして行って来たそうだ。
私も三宝山に向かう。サブザックの荷も軽く、難なく埼玉県最高峰の山頂に着いた。木立に囲まれ展望がないが、1カ所だけ、木立の切れ目と、踏み台におあつらえ向きの石があり、甲武信ヶ岳と木賊山、さらに富士山が見える。三宝石の位置も分かり、帰路は分かりにくい入口も見つけ、三宝石に立ち寄った。そこは絶好の展望ポイントだった。前2日間で歩いた金峰山、国師ヶ岳から甲武信ヶ岳までの山並みが一望で、八ヶ岳はもとより北アルプスも見える。
テント場に帰り、大弛小屋の男性が先発するのを見送った後、テントを撤収し小屋前のテーブルで朝食。早くも西沢渓谷から日帰りで登ってきた男性に甲武信ヶ岳山頂や三宝山の話をして、8時10分、下山開始。後は下るだけだから気も楽だ。とは言え、急坂の連続で大汗をかいた。週末とあって、多くの登山者と出会う。初めは日帰りの人達が多く、次第に泊まりの人達になる。
徳ちゃん新道を下り、12時、西沢渓谷の遊歩道の東屋・トイレで汗びっしょりの服を着替えてさっぱりした。タイミング良くバス便があることが分かり、バス停に行くと、また大弛小屋の男性と再会した。この人も下りの急坂には苦労したとのこと。2泊3日(この男性は3泊4日)の縦走を振り返り、13時10分発のバスで塩山駅に向かった。
虫について。
今回も山中のあちこちで、ブンブン飛ぶ虫や頭にまとわりつく小さな虫に悩まされた。水や飲み物のカップにも小さな虫が無謀にも入ってくるので、その都度すくってから飲む必要がある。虫対策として、両手首にはめる虫よけリングや、腕や首筋など皮膚の露出部分に吹き付ける虫よけスプレーを試みたが、それなりの撃退効果があったようだ。
食事について。
今回の食料や行動食として、初日のコンビニ弁当・おにぎりは別として、アルファ米、スパゲッティ(すいすいパスタ)、袋ラーメン、野菜、菓子パン、ミニヨウカンなどを持参した。なぜか、ご飯やパスタに対して、一向に食欲がわかなかった。疲労困憊しすぎた体調のせいなのか、味が単調で食欲を刺激しないのか分からないが、食べなければ歩けないので、ゆっくりと強いて食べた。
また、動物性タンパク質のものをとスーパーで探し、常温保存の魚肉ソーセージを持参し、これをアルミの鍋でタマネギ・ピーマンと共に炒めようとしたが、油分も出ず焦げ付くだけで、味も感心せず、失敗だった。大弛小屋の男性は鶏のささみを食べたと言っていた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する