鋸岳主稜縦走 − 荒ぶる絶景岩峰の招待状@北沢峠
- GPS
- 32:11
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,944m
- 下り
- 2,972m
コースタイム
時 刻 累 計 場 所
07:40 00:00 北沢峠
08:25 00:45 仙水小屋(休止15分)
09:10 01:30 仙水峠(休止10分)
11:05 03:25 駒津峰(休止10分)
12:35 04:55 甲斐駒ヶ岳
14:05 06:25 六合目小屋
[8/3]
05:00 00:00 六合目小屋
05:35 00:35 三ッ頭
06:40 01:40 中ノ川乗越(休止10分)
07:20 02:20 第二高点(休止10分)
08:20 03:20 鹿ノ窓
08:55 03:55 第一高点(休止15分)
09:25 04:25 角兵衛沢コル
11:20 06:20 大岩下ノ岩小屋(休止10分)
13:15 08:15 戸台川(休止35分)
15:35 10:35 戸台川登山口
歩行距離:19.6km
累積標高差(登り):1596m
累積標高差(下り):2642m
天候 | 8/2:晴のち雨 8/3:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
○戸台川登山口(100台−無料) ○仙流荘駐車場(350台−無料) http://www.ina-city-kankou.co.jp/cms/modules/tinyd3/ ◆南アルプス林道バス http://www.inacity.jp/view.rbz?nd=884&of=1&ik=1&pnp=38&pnp=884&cd=12013 ※繁忙期は臨時便の運行あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆甲斐駒ヶ岳山頂から六合目小屋 登山道は痩せた稜線を下っていく。 新調された鎖のトラバースから大岩を縫うように下ると、 スラブの岩壁に10mの鎖が下がっている。 花崗岩のためホールドはしっかりとしている。 稜線をしばらく進み、六合目小屋の屋根めがけてゴロついた岩の上を下っていく。 ◆六合目小屋から第二高点 稜線を進み「六合コースは使用禁止」と書かれた標識を見送る。 三ッ頭は稜線を辿るルートとピークの北を巻くルート(テープあり)がある。 巻き道は樹林帯の薄い踏み跡を辿っていく事となり ルートファインディングを楽しめるが、 獣道や誤った踏み跡が多数交錯しており、地形把握と的確なルート確保が必要。 三ッ頭ピークからは八ヶ岳連峰と裾野を大きく広げた仙丈ヶ岳の眺望が素晴らしい。 烏帽子岳の分岐を見送り、樹林帯を下ると第二高点のピークが眼前に聳え立つ。 中ノ川乗越で一息着いたらガリー状のガレた急坂をゆっくりと登っていくが、 後続者のためにも落石を起こさない配慮が必要。 草付きの登りとなれば傾斜は次第に緩やかになり、第二高点のピークは近い。 山頂には鉄剣が突き刺さっており、360度の大展望が楽しめる。 ◆第二高点から第一高点 山頂から山梨側の踏み跡はそのまま大ギャップの稜線へと続いており通過困難。 登山道は第二高点から離れるように長野側の樹林帯へ下っていく。 稜線から遠ざかる印象を持つが、やがて折り返し大ギャップのガレ沢に辿り着く。 上部からの落石に気を払いながら沢を渡り切るとすぐさまバンドに取り付く。 第三高点の岩壁を回り込み、左側が切れ落ちたトラバースを渡る。 岩壁を足がかりに慎重に歩きたいが、 上部から落石が頻発しているため安全かつ素早く通過したい。 鹿ノ窓ルンゼ右岸の草付きをジグザグに登っていくと鎖の垂れ下がった箇所に着く。 先行者がいる場合は落石が頻発するため、待機者も安全確保に努める。 30mの垂れ下がった鎖を攀じ登っていく。岩肌は脆く、スッポリと剥がれ落ちる事もある。 ハングした岩壁を避けるように登り切ると鹿ノ窓の大穴を通過し山梨側に出る。 ナイフリッジを越えると小ギャップの鋭い落ち込みに鎖が垂れ下がっている。 第二高点側はスラブの岩壁、15mほどの懸垂下降を強いられる。 草付きをジグザグに下る踏み跡もあるが、足場が脆く危険度が高い。 第一高点側は脆い岩肌に8mの鎖が下げられている。 ややハングした岩壁を登攀し、痩せた尾根上を歩けば第一高点のピークに着く。 ◆第一高点から戸台川 角兵衛沢コルまで急坂を下っていく。 長野側は切れ落ちているため慎重に歩きたい。 広大なガレ沢を歩く角兵衛沢は、左岸を歩くルートが一般的。 右岸のザレた踏み跡は足場ごと崩れ落ちていく悪路で、まともに歩く事は困難。 林や涸木に巻かれたテープを目印に、ゆっくりと下って行く。 落石を起こさずに歩く事は非常に困難であるため、 先行者や登って来る登山者にも配慮したい。 大岩下ノ岩小屋では水が染み出ており休憩適地。 ここでようやくガレの歩きから開放される。 岩小屋から樹林帯の登山道となりテープの目印が散見されるようになる。 戸台の河原に着くと大きなケルンが、左岸には道標が設置されている。 左岸へ渡り、広い河原の砂利と岩礫を歩いて行く。 再び右岸に渡り、第二堰堤の階段を越える。 右岸、左岸ルートともに斜面崩落で幾つも寸断しているので、 状況に応じて渡渉を繰り返しながら川沿いを歩く必要がある。 ◆六合目小屋情報 2006年改修、以前のトタン張りで雨漏りに悩む事はない立派な避難小屋となった。 トイレ設備はなく、板張りの床と土間で構成された10畳ほどのスペース。 収容人数は10名ほど。 裏手に小規模な岩小屋があり、ツェルトが1張りほど張れる小さなスペースがある。 鋸岳方面へ3分ほど進めば石碑の並ぶ砂礫地があり、ここが幕営適地。 砂礫地から10分ほど下ると水が湧き出ているが、深い容器では取水しづらい。 浅めのシェラカップがあると良い。 水場の不安がある場合は、仙水小屋かこもれび山荘等で汲み上げておく。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
当初ルート選考に悩みましたが、甲斐駒ヶ岳から鋸岳を縦走出来るルートとして
戸台大橋から南アルプス林道バスを利用し、北沢峠から歩き始める事にしました。
甲斐駒ヶ岳のアプローチはどのルートも急登を強いられますが、
途中で給水が可能な仙水峠経由がもっとも登りやすいと思います。
初日はいかに体力を温存して登り切るかを課題にしていましたが、
六方石を過ぎたところで雨が強く降り出し、急がざるを得なくなってしまいました。
六合目小屋に着いたと同時に
「ヘリが来ますので小屋に入って待って下さい」との声掛けがありました。
間もなく長野県警山岳救助隊がやって来ました。
登山をする当事者は決して他人事ではなく、
改めて今回も、自分自身を戒め安全登山を心掛けようと大きな決断を得る機会となりました。
8月第一週でしたので、小屋泊の混雑を避けるべくテント装備で臨みました。
当日は数グループが滞在され、小屋内は20名ほどの登山者がいらっしゃいました。
三ッ頭の巻き道は道迷い事例が多く、通ってみると踏み跡がいくつも交錯していました。
誤った踏み跡を辿ると稜線から遠ざかったり、踏み跡が途切れたりしています。
行動時間をかけるべき区間ではないので、
稜線へ登り返すルートを確保して三ッ頭ピークを辿る事にしました。
稜線の位置把握、三ッ頭の方位把握、退路の確保が確実でなければ
ルートロスの可能性は非常に高いのではないかと思います。
荒々しい奇岩峰を歩く登山道ですが、たくましい高山植物の群生が見られます。
当日はウスユキソウやタカネビランジが華麗に咲き誇っており、
高揚と緊張感で溢れた気分を落ち着かせてくれました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
結構登山者いてるね~
なかなかいいルートやけど2日目が結構長いね
北沢峠は大勢の登山者で賑やかだったよ。
山梨側から入ってきた人は大変だったと思う
芦安→広河原が災害通行止なので、
奈良田がとんでもない事になっていたみたい
鋸はどのルートもコースタイムが長く標高差があるので、
計画で結構悩みました
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する