蓮華温泉から白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳 周遊
- GPS
- 56:00
- 距離
- 33.1km
- 登り
- 3,006m
- 下り
- 3,004m
コースタイム
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 8:45
- 山行
- 8:15
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:25
天候 | Day1 : 午前は雨たまに晴れ、午後は暴風雨 Day2 : 曇りときどき雨および強風 Day3 : 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:蓮華温泉バス停 → JR 糸魚川駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
[道の状況] 全体危険な箇所はなく、きちんと印を確認しながら進めば問題はないが、以下気になったところ。 ・稜線で風が強くまっすぐ立つのが大変だった ・雪渓は先の台風の雨で溶けて迂回できる規模になっていたり無くなっていた。1か所だけ朝日岳から蓮華温泉方面へ向かう所は、台風でステップが無くなり翌日は滑りやすくなっていたらしい。直前の天候で状況が大きく変わることもある。 ・雪倉岳からツバメ平への下りでは岩崩をななめ上に横切るところを間違えて下りかけた。岩に書かれた×印が薄く見落としが原因。 ・朝日岳周辺と蓮華温泉方面は木道が多い。濡れていると滑りやすい。 ・白高地沢から兵馬ノ平は日が当たらないのか、ぬかるんでいて石や木の根が滑りやすいし、何度も水場を横切ったり、大きな木の根を超えたりするので少しストレスを感じる [登山ポスト] 蓮華温泉ロッジにて登山届を提出 |
その他周辺情報 | 下山後は蓮華温泉(受付15:30まで) \800 平岩駅前には小さなお店がありカップラーメンや日持ちするパンなら購入できる。また飲み物の自動販売機もある。 |
写真
感想
※写真中の花の名前はあくまで個人判断ですので正確ではないことをご了承ください
3年連続の夏の北アルプス。
2年前は栂池自然園から白馬大池山荘の往復で精いっぱいで、その先の小蓮華山へ向かう人達が同じ人間に思えなくて、でもすごく楽しくてまた来たいと思った。
去年は立山を室堂から1日でぐるっと一周した。初めての2500m越えの登山は身体が重いし歩行距離も長くて最後は本当に一歩一歩が苦痛だったけど、どこまでも続く尾根と独特の景色が楽しくて高山の魅力に取りつかれた。
こんな感じなので、高山を3日間連続で休憩入れて9〜10時間の歩行なんて本当に大丈夫なのか自信がなかった。荷物の総重量は9kg弱、もっと減らしたかったけどこんなところか。
鉄道は心配していた台風の影響を受けることなく、問題なく蓮華温泉ロッジに到着。着いた直後くらいがピークで、翌日は台風一過の晴れを期待していたのに、結果的には初日が3日間で一番悪い天気だった。
Day 1
ロッジの朝食を食べていると遅くなってしまうので、自室でパンとお昼ごはん用としてもらったおにぎりを1つ食べて出発。雨は降ったりやんだりを繰り返していたので雨具を着てザックカバーもかけた。最初は草が茂った樹林帯を登る。展望はないし花は台風のあとでお疲れ気味だし雨でムシムシするので最初からちょっと不機嫌。だんだん遠のいていくロッジの屋根やときどき見える朝日岳(恐らく)にやるきをもらう。と、朝日岳に太陽がさして山を覆うように虹がかかった。早い雲の動きで影ったり晴れたりするので虹が消えたり現れたり濃くなったり薄くなったりするのを、しばらく眺めていた。天狗ノ庭はこざっぱりとした庭園のような場所だった。霧があってスカッとした景色ではないものの山の風景が楽しめた。再び樹林帯に入る。唯一いいのは風雨がしのげること位か。ちょうど空が晴れてきたころに、木や草の高さが低くなってハイマツが左右に見え、草原が広がる白馬大池山荘についた。このあたりのチングルマは綿毛になっていてちょっと残念。少し早いがベンチも空いているしここでお昼ご飯を食べる。お湯を沸かしてお味噌汁とお弁当の残りと笹団子。トイレも済ませる。お天気のなか意気揚々とを雷鳥坂を登る。ここから私が期待していた景色が始まる。白馬大池はぐんぐん遠のいて、日本海まで良く見える。ちょっとお疲れ気味だけど高山植物も咲いている。もうそろそろ白馬大池が見えなくなるなあ、という頃から横風が強くなってきた。稜線だし落とされたら大変と、ストックで身体を支える。しばらくすると横風にも慣れてきて普通に歩けるようになった。そのうち雨がパラつきだし、小蓮華山への登りに差し掛かるころには横殴りの暴風雨に。顔が痛い。展望が楽しめる稜線なのに霧ばかりで残念。小蓮華山山頂で2回目の休憩を予定していたが暴風雨につき素通りし三国境まで行く。天気は不安定なので長い休みは取れないが、白馬岳を超えるために笹団子を食べる。依然として白馬岳は霧の中でどこにあるのかも、どの位登ったのかも分からない。こんな悪天候なのにライチョウがふつうに歩いててびっくり。霧の中に黄色い柱と展望指示板らしきものが見えた。山頂の実感ゼロ。白馬山荘への道は広い斜面だが歩く道がわりとはっきりしているので迷わない。どこまで下るか分からず歩いていたら突然横長の大きな建物が現れた。山荘だった。白馬山荘の個室は布団が2枚きっちり敷けるだけの小さな部屋。今までの個室で一番高く、そして一番…。悪天候にすっかり冷え切ってしまった私。手持ちの濡れてない衣類をすべて着込んでも寒い。暖を求めて山頂レストランへ行くもやっぱり寒い。夕飯を食べて身体が暖まるまで、大雪渓を下って帰るイメトレをしていた。明後日は良い天気らしいと聞いてやる気が戻ってきた。そういえば悪天候の登りだったのに身体はほとんど疲れていなかった。
Day2
朝はまずまずの天気。晴れないまでも白馬岳山頂から遠くの山まで見渡せる。三国境までの道は昨日通ったはずだが、見覚えのない花がいっぱい咲いているし、やせ尾根なんか覚えてないし(霧で足元の危険具合が良く分からなかったらしい)。三国境から広い斜面を下ると、アップダウンの少ない割と平坦な道を、たくさんのお花を見ながら避難小屋まで行く。晴れ間こそないが兎に角写真をたくさん撮ってご機嫌。最初の雪渓の手間でライチョウの親子を見つける。子供は全部で4羽いた。何か探して食べているのかうろちょろと動き回るのを、親はじっと立ったまま見守っていた。ちなみにこの雪渓、つるつるで誰も通った様子がなかったので、下へ歩いて迂回した。雪倉岳避難小屋でトイレなどしているうちに空模様が怪しくなってきた。この後どうなるか分からなかったがお腹はまだ空いてないので、雨具を着てザックカバーをして先に進むことにした。雪倉岳に取りつき始めて直ぐにひどい暴風で身動きが取れなくなった。しばらく待っても収まらず、このまま尾根であおられ続ける方が体温が奪われて危険な気がしたので、風に身体が慣れたところで歩きを再開した。横風にザックがあおられて何度も大きくよろめいて転びそうになりながら、どうにか雪倉岳山頂までたどりついた。山頂からの景色は良かったが風が強いので予定していたLunchはあきらめる。下りは霧の中を、ときどき薄くなったときに進行方向を確認しながら進む。途中から霧はなくなり、天気も少しの間は安定しそうに見えたので、ツバメ平へ下る途中のちょっとしたスペースでお湯を沸かしてカップラーメンと笹団子を食べた。うっかりお腹いっぱい食べてしまって先が不安になるが、結果的に問題なかった。途中で岩崩をななめ上に横切るところを、岩に書かれた×印を見逃し間違えて下りかけてしまった。同行者が間違いを指摘してくれなかったら真面目に危なかった。水場を超えると赤男山のトラバースに入る。草木の生い茂った道に突如大きな岩崩れのツバメ岩が現れるので、威圧的な印象すら感じる。2つ目の水場を横切ると湿原地帯になる。チングルマが綺麗に咲きミズバショウがまだ咲いていて、少し季節の訪れが遅いようだ。水平道分岐から先をどちらに行くかは決めていなかった。その場で朝日岳経由を選択して登り始めるが、樹林帯の急坂で一気に気持ちが下がる。結局、ここはどっちもどっちなのかもしれない。朝日岳山頂は広くてなだらかなので、なんだか山頂っぽくないが360度の展望が楽しめる。白馬岳方面の景色が特にすばらしい。朝日小屋への道は疲れた体にはちょっと応えた。朝日小屋が見えてからの道のりがとても長かった。小屋について疲労で身動きが取れなくなっているころに太陽がでてきた。今日はほぼ曇りで長距離を歩くのに身体にやさしかったので、油断して手袋をしなかったら手の甲を焼いてしまった。朝日小屋の食事は噂通りとても美味しかった。特にほたるいか。人気なのも納得です。
Day 3
朝起きると顔がずいぶん浮腫んでいた。筋肉痛もある。両膝が少し痛い。
今日は天気が良いので綺麗な写真がたくさん取れそうだ。もちろん日焼け対策は万全にした。朝日岳までは昨日来た道を戻る。朝日岳からの展望は昨日以上にもっと素晴らしかった。ここから蓮華温泉方面へ道を分かつ。吹上のコルまでは見晴らしの良い広い斜面をくだるので爽快だ。その先は小川を渡りながら、ぬかるんだ道をどんどん下る。お花畑や雪渓がなんども目を楽しませてくれる。一度だけ短い雪渓を横切るが凍っていないのでしっかり足で踏みしめれば問題なかった。うっそうとした五輪の森を抜けるとカモシカ原が見渡せる開けた場所へ出たので、お腹もすいたので景色を楽しみながらお弁当のおにぎり1つと笹団子を食べた。青ザクを過ぎるとひろい草原を渡る木道になる。このあたりが良い見晴らしの見納めになる。カモシカ坂は階段が整備された樹林帯の急坂で、痛めた両膝に応えた。薄暗い森の中を歩いていると前方右手に白い河原が見えてきて、白高地沢の河原に出た。橋のたもとには5,6人は座れそうな大きな平らな岩が置かれていて、ここで沢の音を聞きながらお湯をわかしてお味噌汁とお弁当の残りを食べた。ここから瀬戸川まではぬかるんだ暗い森の中を何度も水場を横切ったり大きな木の根を超えたりして歩きづらい道が続いた。瀬戸川は水量の多い流れの速い川だ。綺麗な川の景色に気分がリフレッシュされた。ここからは再び暗い森を登る。ジメジメした空気に気持ちが引きずられながら、朝日小屋のおかみさんの朝の激励の言葉を思い出す。温泉、温泉…。兵馬ノ平から蓮華の森自然歩道を進むと「蓮華温泉 20分」の道標が。ああ、もうすぐだ。「朝日岳登山口」の道標にやったー温泉ついたーと喜んだら、そこはまだキャンプ場。更に10分あるいてようやく蓮華温泉にたどり着いた。本当にくたくたでした。3日ぶりのお風呂は最高に気持ちよかった。脱いだら自分が臭くてびっくりし、全身洗ってさっぱりして脱衣所にもどったら今まで着ていた服が臭くなってて(今まで気づけなかった)2度びっくりした。お風呂で綺麗になれて良かった。このまま電車に乗ったら大迷惑でした。
翌日、顔のむくみもひどかったけど、脚がびっくりするほど浮腫んでパンパンに張っていた。足首にしわが寄ってる…。水分を取ったりマッサージしたりして、顔は2日目にはほぼ元通りになったが脚は4日目にしてようやく終息の気配を見せ始めた。歩行中の水分補給にもっと気を回さないといけないようだ。
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