北ア横断(折立-大東新道-温泉沢-読売新道-針ノ木谷古道-柏原新道-扇沢)
- GPS
- 128:05
- 距離
- 61.7km
- 登り
- 6,025m
- 下り
- 5,964m
コースタイム
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 6:54
- 山行
- 6:37
- 休憩
- 3:48
- 合計
- 10:25
- 山行
- 11:36
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 11:40
- 山行
- 3:39
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:39
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 7:25
天候 | 1日目 8/17(日):雷雨→雨時々曇り 2日目 8/18(月):雨→晴れ 3日目 8/19(火):ガス→晴れ 4日目 8/20(水):晴れ時々曇り時々雨 5日目 8/21(木):晴れ時々曇り 6日目 8/22(金):快晴→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
・新宿駅22:30(西武バス7便)5:30富山駅 ■往路(8/17(日)) ・富山駅5:00(有峰線)07:00折立 ■復路(8/22(金)) ・扇沢駅16:00(路線バス扇沢線)16:15大町温泉郷17:15(路線バス扇沢線)17:35信濃大町駅18:13(JR大糸線)松本駅20:00(スーパーあずさ36号)22:37新宿駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山届け 太郎平小屋で提出。折立にポストは無いようです。 ■コース状況(気になる所だけ) <大東新道> 増水時の通行可否は、薬師沢小屋で相談したほうが良いです。 ※初日は、薬師沢小屋の看板側に、大東新道通行不可の看板が出ていた。 <温泉沢> 点線ルート。沢筋のため何度か渡渉が必要です。 ペンキやケルンは多いですが、自己判断で渡渉するポイントを見つけて進みます。 稜線に出た後は、ザレで歩きにくい急坂です。今回一番の傾斜。 <読売新道> ロングルートなので早出を心掛けます。崩落箇所もあります。 ペンキやケルンは充実していますがガスだと判り難く、幅広の稜線でピークを左右どちらから巻くか地図を見ながら迷わないように気をつけました。 <針ノ木谷古道> 感想/記録 欄にもいろいろ書いていますが、登山道だけを通る想定だと十数回を超える渡渉と高巻きが必要です。渡渉で靴を濡らさないで渡るのには相当時間がかかるし、登山道を歩く場合も靴は濡れる前提で考えた方が良いと思います(下山路として黒部ダムに下る場合には、渡し舟の時間制限もあるので最後に結局。。。なんてこともあるみたいです)。 今回の赤線は、巻きは登攀要素のある滝だけにして、水線に沿って歩いているので、登山道とは違っています。ペースは落ちていたのですが時間も相応に短縮しています。 あと、熊出るようです。鈴持って行きましょう。出来れば音が違うやつを2種類。 |
その他周辺情報 | ■往路バス 新宿駅〜富山駅(7,700円) ・発車オーライネットで事前予約可能(西武バス/地鉄バス共同運行) ・スタンプ制あり(7回乗車で1回無料) https://secure.j-bus.co.jp/hon http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=743 有峰線(富山駅-折立)(3,500円) ・発車オーライネットで事前予約可能 ・支払いは当日でも可能。 有峰林道が雨天通行止の場合があるので席だけ予約が良いかも。 この場合でも林道手前までは行くとのこと。 ・7月11日〜10月13日(運行日、運行時間は時期により異なります) http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=741 ■黒部湖渡船(平の小屋〜針の木谷) 平の小屋発:6:00/10:00/17:00 針の木谷発:6:20/10:20/17:20 (山と高原地図では、12時台、14時台、16時台の記載もあり。) 料金無料。利用時には記帳が必要。6月20日〜10月31日。 ■復路バス・登山後温泉 ・大町温泉郷に下車して薬師の湯を利用 ・扇沢のバスチケット売り場で割引券(600円→500円)を貰いました http://www2.plala.or.jp/yakushino-yu/ ・路線バス扇沢線 http://www.alpico.co.jp/access/hakuba/ogizawa/ ・バスは途中下車無効なので、扇沢では大町温泉郷までのバスチケットを購入 大町温泉郷からの乗車は、降車時清算 扇沢駅〜大町温泉郷(1,010円) 大町温泉郷〜信濃大町(530円) |
装備
個人装備 |
Osprey Exos 58L (1)
GPS・地図(1)
ファーストエイド・リペア類(1)
着替え・予備グローブ(1)
ダウン(1)
保存食・行動食・水(1)
サングラス(1)
ヘッデン(1)
グローブ(1)
テントマット(1)
シュラフ(1)
火器・食器(1)
ガス・燃料(1)
ビニール袋(1)
ストック(1)
ビビー(1)
ポール
|
---|---|
備考 | ・タイツ利用せず。短パンは小屋用以外にもう1枚あれば洗濯回数を減らせた。 ・靴下は、通常のもののほか、沢用のネオプレン靴下(薄手)を持っていった。結局、雨と沢ばかりで、ネオプレン靴下を履き続けた。 ・靴は、ファイブテンのイグザムガイドとキーンのNewPortH2。イグザムガイドは、これまでの北ア縦走でも使っていて慣れているし、小川谷廊下や白毛門沢もこれで行っているので沢でも安心。NewPortH2はアウトドア用サンダル。小屋到着後と高天原温泉の移動。下山後の移動で使った。便利。 ・テン泊装備一式は未使用。今回のルートでは過剰かな。 |
感想
■1日目(折立〜薬師沢小屋)
前日朝(土曜)に夜行バスで富山に到着ましたが、秋雨前線の影響で有峰林道通行止め。
いきなり富山市内で停滞となり、駅前に一泊。
翌日、折立行きのバスに乗車するため、改めて朝5時前に富山駅前に行く。
天気は快復傾向とはいえ雨予報。林道の通行可否は朝6時の通行開始時点で判明するので、5時発の便に乗車した場合は林道前までしか行けないことになる。
と説明を受け出発します。
結局、規制値まであと10ミリですが通行可能となり、なんとか折立に到着。
折立登山口は、今回初めてのアプローチですが、序盤の樹林帯は滝状態。
さらに天気は雷雨。大音量にビクビクしながら登ります。しかし回復傾向で樹林帯を抜ける頃に、雨はほぼ止みます。富山市街も望める良い景色が続き、昼前に太郎平に到着。
太郎平小屋では昼食を食べたり、常駐する遭対協の方に登山計画書を提出&ルートの状況確認をして過ごします。
小屋の入口では無線で頻繁にやりとりをしていました。
沢で遭難した人の救助のためにヘリを飛ばせるか?各小屋の天気を伝えたり、雷レーダーの状況から何処のヘリが飛ばせるかといったやりとりでした。自分が小屋を出発する際は、カベッケガ原にヘリが向かう事が決まり薬師沢小屋の人を向かわせる手筈を整えていました。
この日は赤木沢や槍ヶ岳で遭難事故があったようで、この後ヘリが何度も何度も行き来していました。
薬師沢小屋には14時半に到着。この日は停滞組(長期滞在組?)以外は数パーティのみ。
薬師沢小屋は、黒部川と薬師沢の出合いにある小屋です。雲ノ平への中継点となるのほか明日歩く大東新道はここから黒部川に沿って降下するのですが、さすがに「大東新道通行止め」の看板が出ていました。
濁ってまではいないけど水量多くて怖い感じ。小屋番さんに明日の状況を相談すると、多分大丈夫でしょう。とのことで、明日に期待して待ちます。
■2日目(薬師沢小屋〜大東新道〜高天原山荘)
朝から雨。小屋番さんに再度確認すると、この雨なら大丈夫とのことで、大東新道へ!
こちら側を歩く人は他にいないようです。2年前より水量は多いけど靴が濡れることも無いレベル。結局雨が降ったは30分ほど。しばらくすると青空が広がり朝日も見え始めます。
この山行で初めての太陽の光を浴びる。ほんと、あったかい。
昼過ぎには高天原山荘に到着。本日1人目とのこと。予定客も少ないとのことで、寝床は好きな場所を選んで良いとのこと。ラッキー。翌日は早立ちになるので階段近くにする。
準備も早々に、本日のメインイベント高天原温泉へ。
高天原温泉は、小屋から20分程離れた温泉沢の沢沿いにある硫黄臭漂う温泉。
今回もアウトドア用サンダルに履き替えて向かいます。
高天原山荘に一番ってことで高天原温泉は当然誰もいない。ここの秘境感たまりません。
熱めの温泉ですが、のぼせそうになったら沢にドボンを繰り返します。
途中、湯冷ましに竜晶池や夢ノ平なんて、秘境スポットを歩いたりして、夕食時まで温泉で過ごします。
2年前に初めて来た時も「きっとまた行くなぁ。」と思いましたが、この感想は今回も変わりませんでした。
■3日目(高天原山荘〜温泉沢〜読売新道〜奥黒部ヒュッテ)
この日は点線ルート(温泉沢)からの読売新道。
コースタイムでも10時間を越えています。道迷いも怖いし、ヘッデンを使わないギリギリ日の出前から行動開始します。
温泉沢は、前半は沢登りで尾根取り付き後は急登の山道です。地図には(迷)・熟達者向けなんて書かれていますが、この日は強風とガスで寒く、防寒対策も必須でした。
風は、赤牛岳に続く稜線に出た頃にはだいぶ弱くなったものの、ガスは赤牛岳山頂を随分下るまで晴れませんでした。大展望を期待していたので残念。
それでも、山頂から樹林帯に入る前に青空が覗くようになると、薬師岳〜五色ヶ原の稜線や水晶岳から続く稜線が左右に広がり、正面には黒部湖のブルーの湖面。と北アルプスのど真ん中を歩いている気分を満喫できました。
その後は、長い長い樹林帯で、4時間木の根と格闘しながら下ります。空が夕方の色になった頃、ようやく奥黒部ヒュッテに到着。
この日の宿泊者はテント泊が1人と自分だけ。ここは風呂付き小屋で、さらに6畳部屋にひとりの贅沢です。
沢か釣り目的が大半というニッチな山小屋で、本来は今の時期は混雑するはずですが、この大雨のタイミングで泊まる人も少ない様子。実際、小屋番さんによると数日前にもここから上ノ廊下に入渓者がいた様ですが、増水で進退極まったようで減水したところを本日自力下山したパーティがいたとか。すごい。
風呂後の夕食時、ちょっとイベントが。
あまりに疲れていたので自炊で軽くと思い小屋前でバーナー準備をしていると、テント泊の釣師らしき人から「ひとり?」「魚食べられる?」と尋ねられ、ええまあ、と答えると、「よければどうぞ」と岩魚を1匹貰ってしまいました!
奥黒部ヒュッテの料理人さんに下処理をしてもらい、釣師さんにバーナーを借りて小枝に刺してもらい塩焼きです。バーナーで魚を焼くなんて経験は無いので一式準備してもらい、様子見ながら炙る感じでしたが、、天然岩魚はメチャウマでした。この山行一番の料理です。大感謝です。
■4日目(奥黒部ヒュッテ〜平ノ小屋)
当初の予定では奥黒部ヒュッテから針ノ木小屋という計画でしたが、コースタイムで11時間。体力的に厳しい状態なので、途中の平ノ小屋までとします。平ノ小屋までなら黒部湖沿いを約2時間前進したうえ、立地が黒部湖の対岸にあり、渡船イベントのおまけ付きです。
平ノ小屋は、関電から委託を受けて、黒部湖の対岸への渡舟も行う漁師の山小屋。
宿泊者には近くの沢を目指す釣り人も多く、宿泊時にも相部屋になった方は、釣りのために来たとのことでした。
夕食後は、小屋のご主人も交えて針ノ木古道の状況を伺いつつの沢談義。
渡渉を何度も繰り返し、靴を濡らさないように(時に靴を脱いで渡渉する)より針ノ木古道は、靴をさっさと濡らして渡渉した方が安全で早いらしい。釣師らしい。
今回の靴は、丹沢の小川谷廊下(2級)や谷川連峰の白毛門沢(1級上)でも使った靴だし、雨と渡渉対策でネオプレン靴下も持参していたので足回りは十分。登攀を避ければ遡行もありかなと考え直す。
次第に話題は釣り談義へ。どうやったら大物を落とすか。どこに居るか、どう釣るか。
黒部源流の状況や失敗談も交えて話が進む。自分は21時には撤退しましたが、結局深夜まで続いたようです。半分も理解できなかったけど、濃いトークは聞いていて楽しい。
■5日目(平ノ小屋〜針ノ木谷古道〜針ノ木小屋)
結局、普通に沢登りで詰めます。
針ノ木谷は河原にペンキとロープを付け、小滝を含めて丁寧に高巻きをつけて登山道にしている。それでも数え切れない渡渉や滝の登攀があり、登山靴を濡らさないような努力は、確かにするだけ無駄といった感じ。
そうして、靴を濡らすと余裕で歩ける小滝やナメ滝をわざわざ巻くなんてメンドクサイので、水線を辿りました(なので、この区間のGPSログは登山道としてはアテになりません)
また、最後の針ノ木峠の詰めは長い枯沢とつづら折りの登山道となります。体力的にキツイ場所ですが、きちんと整備されて迷わないで楽と言えるのかも。
ペースはかなり落としたのですが、コースタイムより1時間30分程短縮して針ノ木小屋に到着しました。渡渉前提で進んだのが大きいと思います。
黒部川の沢登りは去年の台風で断念した赤木沢を含め、いつかやってみたかった山行だったので、登山道とはいえ楽しい経験でした。
■6日目(針ノ木小屋〜種池山荘〜扇沢駅)
天気は山行中で一番。
立山、剱岳を眺めながらの後立山縦走です。種池山荘から先は、八峰キレット越えした際に通ってますが、針ノ木〜種池山荘間は未踏。アップダウンに苦労しながらも美しい稜線を楽しみます。ほぼコースタイム通りに14時に種池山荘に到着。
当初計画では、ここで1泊でしたが天候悪化の予報や、予備日を消化したこともあり最後のひと踏ん張りで柏原新道を降りると決めます。
で。下山後温泉とバスの時間を考慮してラストスパート。ちょっとペースを上げて
16時前に扇沢に到着(1時間40分)。下山後温泉のバスを確保して無事ゴールしました。
(ここはコースタイムで3時間なので、ここの時間は参考にはならないです。)
久々の北アルプス縦走。やっぱり縦走は楽しいですね。今年は北アルプスにあまり行けていなかったのですが、じっくりと歩くことが出来ました。
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