上高地BS→涸沢→奥穂高→北穂高→大キレット→南岳→天狗原→上高地BS
- GPS
- 78:50
- 距離
- 48.4km
- 登り
- 3,270m
- 下り
- 3,262m
コースタイム
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 6:53
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 8:06
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 7:51
天候 | 9.28 晴れ時々曇り 9.29 晴れ 9.30 曇り時々晴れ 10.1 晴れ→曇り→晴れ 10.2 晴れ→曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿駅 0800 ↓ 特急あずさ5号 松本駅 1038 1045 ↓ 松本電鉄 新島々駅 1115 1135 ↓ バス 上高地BS 1240 (運賃) 新宿駅 ― 松本駅 (特急あずさ5号 指定席) \2,900/\4,000 ― 新島々 (松本電鉄) \700 ― 上高地 (バス) \1,900 計¥9,500 <復路> 上高地BS 1500 ↓ さわやか信州号 グリーンカー 西新宿 1942 (運賃) 上高地 ― 新宿 (高速バス「さわやか信州号) \7,670 |
コース状況/ 危険箇所等 |
奥穂高ー南岳間は、岩場だが、整備されていて、危険は感じなかった。ただ、落石には注意したほうが良いかもしれない。 |
その他周辺情報 | 宿泊 計\37,780 ・上高地アルペンホテル(2食付) \9,180 ・涸沢ヒュッテ(2食付) \9,500 ・穂高岳山荘(2食付) \9,600 ・南岳小屋(2食付) \9,500 小梨平キャンプ場で入浴 \600 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
ヘルメット
|
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備考 | アイマスク (山小屋用) |
感想
今回の山旅は、
(1)写真でよく見る錦秋の涸沢が見たい。でも、混み込みの山小屋は嫌だ!紅葉には少し早くても、布団1枚で寝るのを優先したい。
(2)未だ行っていない天狗池で、池に映った紅葉の逆さ槍ヶ岳が見たい!
(3)紅葉の上高地を散策したい!
(4)出来るだけ多くの日の出、日の入が見たい、
(5)出来れば、土日をからめたい、
という欲張ったことを考え、天気予報や、紅葉情報も見て、台風が逸れてくれることを願いながら(結果的には、逸れてくれた!)、
DAY-0 9/28(日) 上高地アルペンホテルにチェックイン後、紅葉の上高地散策、
DAY-1 9/29(月) 涸沢ヒュッテHPの混雑予想で、比較的空いている月曜日に涸沢ヒュッテ泊、
DAY-2 9/30(火) 涸沢を登り、奥穂高を往復し、穂高岳山荘泊、
DAY-3 10/1(水) 北穂高、大キレットを経て南岳小屋泊、
DAY-4 10/2(木) 天狗原を下り、天狗池へ出る。その後、槍沢を経て上高地に下山、
とした。
DAY-3の穂高岳山荘から南岳までは、1年前の初夏と同じコース取りになってしまうので、9/30に北穂高小屋、10/1に槍沢ロッジにしようかとも考えたが、迷った末、日の出、日の入を1回多くみられる上記コースとした。結果としては、9/30の夕陽と10/1の朝陽が見事だったので、正解だった。
【 DAY-0 9.28(日)】
土曜日に、電車、バスの予約や、山小屋への電話を入れ準備を済ます。と、昼前のネットニュースで、御嶽山噴火を知り驚く。上高地には、焼岳と言う活火山があるが、まあ距離も離れているので大丈夫だろうということで、計画通り、9/28(日)に8時丁度の、あずさ5号で旅立つ。ほぼ満席だ。
松本で、松本電鉄に乗り換え、新島々で、上高地行のバスに乗り換える。新島々駅のバス停は、長蛇の列だったが、ALPICO交通は、手慣れた様子で、バスを増便してくれたので、ゆったりと座って行くことができた。
上高地の少し手前から、紅葉した穂高が見える。数回上高地に来ているが、上高地から穂高の全貌を見られる天気に恵まれたことが無かった。今回、初めてその全貌をチラリと見ることができ、期待感に胸がふくらむ。
上高地BSから、河童橋へ急ぐ。河童橋手前から、穂高が見えて来るのだが、なんとこのわずかの間に、山頂付近は雲に隠れてしまったではないか。残念。「雲、取れないかなぁ・・・」と思いながら、河童橋脇の店で買った山賊弁当(\970)を、梓川の河原で食べる。この弁当は、観光地の弁当にしては、巨大な鶏肉が入っていて、味も割とよく、コスト・パフォーマンスは悪くない。しかし、相変わらず穂高山頂は、雲に隠れたままだ。
今宵の宿、アルペンホテルにチェックイン後、必要なものだけを、サブザックに詰め込んで、上高地散策に出かける。
ホテルから、梓川に沿って下って行くと、左手に、見事に紅葉した霞沢岳が見えて来る。島々宿から徳本峠へ出て、霞沢岳を往復し、蝶ヶ岳、常念へ抜けるコースも長年温めていながら、未実行のコースだ。
田代池を渡り、大正池を目指す。田代池との分岐からは、紅葉した穂高と霞沢岳の眺めが見事だが、相変わらず穂高山頂は雲の中だ。ただ、幾分か雲が薄くなったような気がする。田代池は、復路で立ち寄ることにして、大正池へ向かう。
20数年ぶりの大正池だ。新婚時代に、上高地の大渋滞に巻き込まれ、夕方遅くに加門司小屋について、翌日ここでボートに乗ったことが思い出される。往時に比べると、立ち枯れの木が少なくなって、やや情緒が無くなった気がする。穂高にかかっていた雲は、いつの間にか殆どなくなり、山頂が見えてきている。焼岳にかかっているのは、雲だろうか、噴煙だろうか。
大正池から道を戻り、田代池に出る。落葉松の紅葉が、陽に輝く、黄金色の散策路だ。田代池からは、霞沢岳の紅葉が見事だ。
散策路は、田代池から梓川沿いに遡って行く。穂高にかかっていた雲は無くなり、その全容が見える。紅葉が綺麗だ。河童橋に戻る。ここから、穂高の全容を見るのは、初めてだ。アルペンホテルに戻り、夕食を食べ、風呂に入って、9時頃には床に就く。
【 DAY-1 9/29(月)】
朝、5時過ぎに目が覚め、布団の中でウダウダしていたのだが、6時頃には起きて、早朝の河童橋を散策する。今朝は、快晴で、雲一つない。河童橋からの、穂高の眺めを堪能する。西穂高と明神が朝陽を浴びて輝く。奥穂高は、山頂には陽があたっているが、岳沢は明神の陰になっているので、陽があたるまでには、まだ時間がかかるだろう。振り返ると、朝陽をあびた焼岳が、くっきりと見える。
朝食を済ませ、準備をしてチェックアウトし、7:34アルペンホテルを発つ。再び河童橋を渡り、まずは明神を目指す。気持ち良く森の中を行く。8:20
明神着。8:25明神を発つ。左手に梓川を見ながら、遡って行く。時々、木々がきれ、紅葉が見事な明神や前穂高が迫力だ。空には雲一つない晴天だ。
9:14徳沢につき、小休止後、9:20出発する。10:15には横尾につき、山荘で買ったメープルパン(\250)と、缶ジュース(\250)を買って、持参したエネルギーバーと併せて昼食とする。
10:42横尾橋を渡り、いよいよ登山道に入る。紅葉が見事な道を行く。屏風岩の赤や黄色の紅葉が、陽の光を浴びて美しい。11:50本谷橋に着く。見あげると、紅葉の木々の彼方に、北穂高の岩稜の山頂がのぞめる。吊橋を渡って、小休止する。手ごろな休憩場なのか、賑わっている。沢の清流が、鮮烈だ。
12:01出発。ここから、登りが少しだけ急になる。登るにつれ、見晴らしが良くなり、紅葉も盛りをまして綺麗になってくる。前方には、紅葉した木々の間から、前穂高や吊尾根が見え始める。振り返ると、横尾谷の紅葉が見事だ。明後日には、大キレットから、この紅葉の谷を見下ろすことになり、楽しみだ。ヒュッテの吹き流しが見えて来る。紅葉の写真ばかり撮っているので、なかなか進まない。
12:40涸沢ヒュッテに着く。見あげると、写真でよく見る涸沢の紅葉だ。時間が遅いので、陽が陰ってしまったが、陽があたると見事だろう。明日は、期待できそうだ。ヒュッテは混んでいたが、布団1枚に一人の割り当てとなり、ほっとした。やはり、無理しても、土日を外して良かった。
結局、今日1日は、雲一つない快晴が続いた。横尾から涸沢の道が、こんなに見事な紅葉になるとは知らなかった。来てよかった。
【 DAY-2 9/30(火)】
早朝4時前からゴソゴソと起きだす人がいて目が覚めてしまう。それでも、布団の中でウダウダして、5時少し前から朝食を食べる。外へ出て、寒い中、日の出を待つ。東の空が明るくなる。穂高の山頂に陽があたったと思うと、赤く輝く斜面が、サッと駆け降りて来る。神々しい光景だ。日の出の太陽の少し上に雲があるので、斜面全体が赤く染まらなかったのは、少し残念だったが、印象に残る朝焼けだった。
用意をして、6:18ヒュッテを発つ。今日は、割と雲が多く、涸沢の大斜面全体に陽があたっていないのが少し残念だが、それでも赤や黄色の紅葉は、充分に美しい。テント場に入ると、すぐに奥穂への分岐がある。
緩やかな道は、紅葉の中やガレ場を、登って行く。紅葉の涸沢を見上げ、見おろしながらの道だ。やがて、ザイテングラード下に着く。ここから岩場の急登になる。振り返ると、涸沢の紅葉が見事だ。常念、大天井の山稜も、紅葉が見事だ。その下には、実に見事に紅葉した屏風岩に続く尾根。穂高山頂辺りに、雲が漂い始めたのが気になる。
9:19穂高岳山荘に着く。小休止し、必要なものをサブザックに詰め込み、奥穂を目指す。頭上の雲は、次第に低くなってしまい、見事な眺望は期待できないかもしれない。1年前の初夏、冷たい風雨の中、岳沢から奥穂の山頂に辿り着き、写真だけ撮って、早々に山荘に駆け込んだのを思い出す。山荘から、岩場の急登を登る。
奥穂高山頂は、予想通り雲に遮られ、あまり視程は良くない。それでも、風もそれほど強くは無いので、今回は、少し休憩できる。雲がない南アルプスや富士山方面、上高地や焼岳、霞沢岳の眺めは良い。前穂高はすぐそこに見える。雲が切れると、乗鞍の向こうに、白い噴煙を上げる御嶽が見える。かなりの噴煙が上がっている。
今日の行程は時間に十分な余裕があるので、もっと休憩していたいのだが、雲がきれそうな感じはないので、写真を撮り、奥穂を後にする。冷たい強風の中、北穂高が、時折、雲の切れ目から顔を出す。槍ヶ岳は、半分より上が雲の中だ。山荘で、カレー(\900)を食べ昼食とする。
宿泊の手続きをして、山荘の本などをパラパラとめくっていると、急に外が明るくなり、晴れて来る。さて、どうしようかと迷ったが、明日も晴れるとは限らないので、涸沢岳まで登って、槍ヶ岳と北穂高を見て来ることにする。
涸沢岳に着いたが、山頂の向こう側は霧の中で、北穂高は良く見えるのだが、お目当ての槍ヶ岳は霧の中だ。それでも、寒風の中、我慢して待っていると、時々、槍の穂先が雲の中、顔を出す。雲は切れる様子が無く、飛騨側から、「よくもまぁあんなに雲が湧くもんだ」と感心するぐらいの勢いで、次々にわいてくる。
涸沢岳から下り、山荘でくつろぐ。この山荘には、立派なオーディオセットがあるのだが、いつ使っているのだろう?一度聞いてみたいものだ。今宵も幸い一人一枚布団は確保できた。二段ベッドの上まで使っているので、かなり混んでいるのだろうと思っていたが、窓から見ると、使っていない部屋もあるようだったので、満室という程ではなかった。
今日は、雲の多い1日だったが、雲の切れ間から見た夕日は綺麗だったし、日没後に赤く染まった雲も印象的だった。
【 DAY-3 10/1(水)】
朝起きた時には、霧が出ていたのだが、朝食を食べているうちに晴れて来る。美しい日の出を期待して待つが、低い雲が東の空にあり、日の出の時間を過ぎても、なかなか太陽が出て来ない。ようやく顔を見せた太陽を拝み、昨日も登った涸沢岳に向かう。青空が広がり良い気分なのだが、昨日と同じく、飛騨からの風が強く冷たい。
涸沢岳山頂から振り返ると、巨大な穂高が迫力だ。昨日と同じように、北穂高は良く見えるのだが、槍ヶ岳はガスの中だ。それでも、ガスは少しづつ薄くなってきているようだ。
涸沢岳から、大きく岩場を下り、すぐそこに見える北穂高を目指す。勿論、実際には、岩場の上り下りの連続なので、見た目と違って、物凄く遠い。飛騨側に出ると風が冷たく強いが、尾根陰になる信州側は、うって変わって風もなくポカポカとした穏やかな天気だ。鎖場や鉄梯子を注意しながら、上り下りしていく。今日はあまり混んでおらず、すれ違う人が少ないのも安心だ。槍ヶ岳方面にかかっていた霧もすっかりなくなり、アルペン的な景観が広がる。
やがて、涸沢から登ってくる道をあわせ、少し登って北穂高に着く。360度の良い眺めだ。ここから見る槍ヶ岳の景色は、何度見ても素晴らしい。今回は、橙や赤色の紅葉が、山襞の陰翳を濃くして、初夏の白い残雪とはまた違う印象を受ける。大キレットの鞍部や長谷川ピークは遥か下方に見えているので、あそこまで下って、向こう岸にみえる南岳まで登り返す苦労が思いやられるところだ。涸沢や屏風ノ頭の紅葉も見事だ。
眺めを堪能してから、山頂直下の北穂高小屋に立ち寄る。早く着き過ぎて、まだ昼食をやっていなかったため、オレンジジュース(\350)だけ買って、あとは持参のカロリーメートとエネルギーバーを食べて昼食とする。テラスからは、素晴らしい横尾谷の紅葉が眼下に広がる。次回は、ここに泊まるコースを考えよう。
昼食後、大キレットに向かう。今回、このために、ブラックダイアモンドのヘルメットを購入した。手軽な値段で、使い勝手も良いせいか、同じヘルメットをかぶっている人を良く見かけた。
北穂高から、岩場を大きく下って行く。登って来る人がいるので、落石を起こさないよう気を使う。すれ違った後は、今度は、上からの落石に注意が必要だ。ここは、300mぐらい岩場を下って、長谷川ピークに登り返す、きついところだ。鉄梯子、鎖や足場は、それなりに整備されているので、あせらずに確実に三点指示の基本を守って下って行く。
あいかわらず飛騨側からの風が冷たい。下って行くうちに、次第に槍にガスがかかるようになってきた。A沢のコルを越え、長谷川ピークに着く頃には、前も後もガスに入ってしまった。時折、霧の中に幽かに見える山頂は、物凄く高い所にあり、あんなに下ったのかと感心する。勿論、行く先の南岳山頂らしき黒い影も高い。霧がかかっていない遥か下の横尾谷や滝谷の紅葉は、太陽に映え美しい。
長谷川ピークからも、岩場の上り下りを繰り返す。辺りはガスの中だ。いいかげん疲れた頃、南岳の下と思われる所に着く。ここから岩場を200m程登る。鎖場や鉄梯子を使って、登って行く。やがて、なだらかな登りとなり、南岳小屋に着く。
小屋の談話室でくつろいでいると、いつの間にか青空が広がってくる。期待しつつカメラを持って、小屋の手前にあった小さな丘に登る。雲海に穂高が浮かんでいる。天空の城の竹田城みたいで、幻想的な光景に、感嘆の声が見ている人たちの間からも聞こえる。風がものすごく冷たくて強いし、日の入までには、まだ時間があったので、一旦小屋に引き返す。
日没が迫る頃、再度、カメラを持って外に出る。西方に広がる雲海の彼方に、オレンジ色の太陽が、穂高や槍ヶ岳を染めながら沈んで行く。オレンジに染まる穂高の右奥には、乗鞍と噴煙を上げる御嶽。感動的な日の入だ。
幸い今日も布団一枚を確保できた。明日の天気予報は、晴れ後曇りで、明後日は雨のようだ。天気は下り坂だが、明日は日の出が見られるだろうか。
【 DAY-4 10/2(木)】
朝起きると、快晴で星が輝いている。日の出の時間にあわせ、小屋からすぐの常念平に向かう。東方の雲海は、既に茜色に染まっている。正面に常念、彼方には、八ヶ岳、富士山、南アルプスの黒い影が浮かんでいる。素晴らしい太陽が、常念の右手に登ってくる。大キレットを挟んだ穂高はもちろん、槍ヶ岳も赤く染まる。槍の右手遥かには、白馬や鹿島槍の特徴的なシルエットが、ピンクの空を背景に浮かぶ。やがて、眼下の大キレットや長谷川ピークも赤く染まる。横尾谷の紅葉も赤く染まっている。一年前の初夏を思い出す、凄烈な日の出だ。
朝食を済ませ、6:30南岳小屋を発つ。南岳に向かって、なだらかな山道をジグザグに登って行く。すぐに南岳に着く。槍ヶ岳の眺めが良い。横尾谷の紅葉は、朝陽をあびて光っている。
南岳から少し行くと、天狗原に下る分岐に着く。ここから天狗原まで、300mほど岩場の下りになる。大キレット程ではないが、結構急な下りで、鎖場もある。落ち着いて、注意しながら下って行く。正面には常念と天狗原の鮮やかな紅葉、左手には槍ヶ岳と東鎌尾根の印象的な紅葉が広がる。あまりに素晴らしいので、写真を撮ってばかりで、なかなか進まない。
やがて、岩場が終わって、赤や黄色の綺麗に紅葉した低木が、まばらに生えている天狗原に出る。雪渓もまだ残っている。空は青空で、気持ち良い散策路といった感じだ。その先が、初めて見る天狗池だ。さざ波が立ち、鏡のようなという訳ではないが、槍ヶ岳が確かに映っている。しばし休憩する。
天狗池から、ちょっとした登りを越えると、槍沢だ。ここの紅葉も見事だ。晴れて青空が広がっているので、本当に気持ちが良い。槍ヶ岳の岩稜が、黄色主体の紅葉の中、赤い紅葉が素晴らしいアクセントを作っている。デジカメの電池も、もう気にしなくて良いので、とにかく写真を撮りまくる。
天狗原の分岐で少し休憩し、紅葉の中、槍沢ロッジへ向かう。振り返っても槍ヶ岳は見えなくなったが、それでも、アルペン的な岩稜と、赤や黄色の紅葉が織りなす景観には、息をのむばかりだ。名残は尽きないが、旅は終わりに近づきつつある。
10:24槍沢ロッジにつく。15:00の新宿行バスを予約しているので、あと4時間半ほどで上高地に着く必要がある。昭文社の地図では、上高地までのコースタイムは4時間半なので、偶然、ギリギリだ。できれば、温泉に入りたいし、昼ご飯も食べたいので、ここから急に先を急ぐことにする。結局、明神に12:54につき、1時間ほど余裕ができた。明神館でてんぷら蕎麦(\900)を食べるが、これは美味くなかった。自分で作っても、もっと美味く作れるだろう。観光地の蕎麦で、がっかりする。ついでに、小梨平食堂で入浴(\600)する。アルペンホテルで入って以来、3日ぶりの風呂は、とても気持ちが良かった。
風呂に入り、清々しい気分で上高地に出る。まだ時間があったので、河童橋たもとにある店でソフトクリーム(\350)を食べる。濃厚な味が美味かった。河童橋から見ると、穂高の上半分は雲の中だ。予報通り、夕方から雨が降るのだろうか。
15:00予約した「さわやか信州号」のグリンカーに乗る。席が広く、足元も広いので快適だ。欠点を言えば、テーブルが無いので、食事がしにくい。諏訪湖SAで、焼きそばが入った肉まんのようなもの、談合坂SAでケバブを買ったのだが、テーブルが無くて食べにくかった。
平日なので渋滞することもなく、バスは、予定通り19:42頃、小雨がぱらつく西新宿に着く。素晴らしかった2014年の北アルプスの山旅が終わった。
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