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Yamareco

記録ID: 5407797
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

北岳(奈良田〜池山吊尾根)

2023年04月21日(金) ~ 2023年04月23日(日)
 - 拍手
もっち その他2人
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
43:54
距離
43.2km
登り
4,472m
下り
4,462m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
2:39
休憩
0:00
合計
2:39
距離 12.0km 登り 1,104m 下り 749m
23:14
宿泊地(アルキ沢橋BS手前のトンネル:赤垂隧道)
2日目
山行
12:01
休憩
1:47
合計
13:48
距離 9.5km 登り 2,018m 下り 416m
4:29
10
宿泊地(アルキ沢橋BS手前のトンネル:赤垂隧道)
4:39
4:45
173
7:38
13
7:51
8:56
75
10:11
197
13:28
13:51
136
16:07
16:14
44
18:17
3日目
山行
10:37
休憩
0:59
合計
11:36
距離 21.6km 登り 1,274m 下り 3,300m
4:46
28
5:51
5:54
27
6:21
6:23
21
6:44
6:45
14
7:23
7:28
66
10:00
60
11:00
11:28
10
11:38
85
13:03
13:06
55
16:22
ゴール地点
天候 2日目:くもり のち はれ 3日目:はれ ときどき くもり
過去天気図(気象庁) 2023年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
R52から早川町の奈良田第一発電所まで約36km。
甲府から(飯富交差点)
https://goo.gl/maps/7MkCtxRQZFurqVNT8
静岡から(上沢交差点)
https://goo.gl/maps/d5LBjox4pQtngC6V8
コース状況/
危険箇所等
2023/4/22-23時点の情報です

※事前情報が殆ど得られなかったため、必要と想定される最大限の装備を持っていきつつ、ルートを歩きながら、途中の拠点でデポしていった。わかんも城峰の先でデポしたが、八本歯ノ頭まではあっても良いと思った。

[水の確保]
池山御池で水の確保をしたければ、池の脇にある雪を溶かすことが現実的な選択となる。
YAMAP上に記載の水場は枯れている。あるき沢源頭部にあるらしいが、100m以上下らなければならない。
2400m程度より上は、雪がそこらじゅうにあるため、確保はできるが時間のロスが発生するので、計画的な行動が必要。また、持参する燃料の量も念頭に入れること。


[奈良田第一発電所(880m)〜池山吊尾根取付(1240m)]
標高差約350mの舗装された林道歩き。ヘッドライト必携。最も長い新鷲ノ住山トンネルは1km超。他にも数100m程度のトンネルが複数ある。YAMAPやヤマレコでは11.5km程度と表示されるが、トンネルなどでログが短縮するために短縮されると思われ、実際は12.5kmほど。1kmごとに看板が表示されている。とにかく長い。この間を冬靴で歩くのは拷問なのでトレランシューズで歩き、ビバーク地付近にデポ。往路は、冬靴はザックにくくりつけていたが、重くて辛かったので、復路は手提げ袋に入れて手に持ちながら戻った。そのほうがかなり楽だった。

[池山吊尾根取付〜池山]
雪なし。吊尾根に乗る1900mまでは急登が続く。特に1500m辺りまでの下部は、落ち葉が大量に堆積していて、踏み跡不明瞭。ピンクテープが一定間隔でついているが、夜間や視界不良の際は見づらい。池山吊尾根全体的にピンクテープはついており、ルートミスしそうなところにはイエローテープがついていて、親切。

[池山御池小屋(2060m)]
小屋脇の水場は枯れている。東側のあるき沢源頭部に水が出ているらしいが、標高差100m以上下るので、通過途中の補給としては現実的ではない。

[池山御池小屋〜砂払い(2770m、森林限界)]
2200mくらいから雪が出始める。城峰(2372m)手前で再度尾根に乗るところ(2340m)は急登な上に倒木が多く、足元が少し悪い。登りは城峰から鞍部に下ったところ(2350m)でアイゼン装着、下りは城峰への登りかかり2300m付近でアイゼンを脱いだ。登りはこのあたりで気温が上がったため、踏み抜き多数。下りは時間帯が早かったので、踏み抜きは最小限だった。

[砂払い〜八本歯ノ頭(2970m)]
緩やかな登りが続く。雪と夏道が半々程度。ボーコン沢ノ頭(2830m)と八本歯ノ頭の登りかかりは雪面。登りは昼の時間だったため、踏み抜き多数で遅々として進まず。わかんはあっても良いと思った。下りは朝だったので雪面が締まっており、あっという間だった。

[八本歯ノ頭〜八本歯ノコル(2920m)]
往路の核心。雪が中途半端についていて悪く、夏道トラバースを辿るのにかなり緊張を強いられる。心配ならロープを出したほうが良い。NPは取りにくいので、スノーバーなどがあっても良いかも。往路はコルに下るのに1時間近くかかってしまった。

[八本歯ノコル〜北岳山荘(2900m)]
夏道は吊尾根の終了点まで上がるルートと、北岳山荘へトラバースするルートがあるが、トラバースルートは半分以上雪で埋まっている。吊尾根終了点から北岳山荘へ下るルートも、一部埋まっている。今回は疲労のために終了点まで上がる気力がなかった、ということもあったが、ここ数日新雪はなく、雪の状態も適度な剛柔だったので、トラバースルートを選んだ。もちろん、一つのミスで谷底へ真っ逆様なのは言うまでもない。確実なアイピンワークが要求される。

[北岳山荘〜北岳(3193m)]
一部夏道がでているが、東斜面には雪がたっぷりあり、雪庇も一部ある。西斜面の夏道も雪に埋まっている。この時期でも早朝はややクラストしており、トラバースは危険なので、状況に応じてどこを歩くかを見極める判断が要求される。
その他周辺情報 奈良田温泉、西山温泉で日帰り入浴が可能なところが複数箇所ある。
町営奈良田温泉は最終入浴が繁忙期以外は16時半。地元の方御用達のため、閉まるのが早い。
奈良田第一発電所前。誰もいない。
奈良田第一発電所前。誰もいない。
が、発電所は煌々と灯りがついている。
が、発電所は煌々と灯りがついている。
ゲート。ここから12.5km歩く。
1
ゲート。ここから12.5km歩く。
冬用の背中の綿が薄いザックに靴を背負って歩いているので、腰への負担が大きい。おまけに擦れて痛い。
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冬用の背中の綿が薄いザックに靴を背負って歩いているので、腰への負担が大きい。おまけに擦れて痛い。
約2時間半で吊尾根トンネル。早く仮眠を取りたかったので、かなりぶっ飛ばした。この上を池山吊尾根がまたいでいる。
約2時間半で吊尾根トンネル。早く仮眠を取りたかったので、かなりぶっ飛ばした。この上を池山吊尾根がまたいでいる。
吊尾根トンネルの次のトンネル内で仮眠を取り、スタート。トンネルを出るとすぐにこの看板。
吊尾根トンネルの次のトンネル内で仮眠を取り、スタート。トンネルを出るとすぐにこの看板。
そこから約500m歩くと登山口に到着。
そこから約500m歩くと登山口に到着。
入山。最初からすごい急登。
1
入山。最初からすごい急登。
羽釜が出迎えてくれる。
1
羽釜が出迎えてくれる。
ちょうど3時間で池山。目立たないので見逃しやすい。
ちょうど3時間で池山。目立たないので見逃しやすい。
三頭三角点がひっそりとある。
三頭三角点がひっそりとある。
判読不能な看板。
判読不能な看板。
池山御池の脇でやっと雪がでてくる。
池山御池の脇でやっと雪がでてくる。
スギゴケだっけ?霧がかかっていて幻想的な光景。
4
スギゴケだっけ?霧がかかっていて幻想的な光景。
池山御池全貌。
広々とした草原で、同じ御池の名がつく白根御池よりも広い。
2
広々とした草原で、同じ御池の名がつく白根御池よりも広い。
池山御池小屋。避難小屋の体。中は寒かった。
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池山御池小屋。避難小屋の体。中は寒かった。
遭難の碑。こうした類の碑がこの尾根には結構ある。
遭難の碑。こうした類の碑がこの尾根には結構ある。
2200mあたりから徐々に雪がでてくる。
2
2200mあたりから徐々に雪がでてくる。
少しずつ晴れてきた。
少しずつ晴れてきた。
城峰。これも目立たない道標。
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城峰。これも目立たない道標。
2400mくらいから一面雪。アイゼン装着したが、昼はわかんの方が良い。
2400mくらいから一面雪。アイゼン装着したが、昼はわかんの方が良い。
雲が減ってきて、気温も急激に上昇。暑い。
1
雲が減ってきて、気温も急激に上昇。暑い。
砂払いでようやく森林限界超え。間ノ岳と農鳥岳が見える。北岳はボーコン沢の頭に隠れて見えない。
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砂払いでようやく森林限界超え。間ノ岳と農鳥岳が見える。北岳はボーコン沢の頭に隠れて見えない。
一時的に夏道がでているが、雪も半分くらいあるので、アイゼンを脱いだり履いたりするのが面倒。
2
一時的に夏道がでているが、雪も半分くらいあるので、アイゼンを脱いだり履いたりするのが面倒。
ボーコン沢の頭への登り。夏道より雪から行ったほうが楽なので、アイゼンを付け直す。
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ボーコン沢の頭への登り。夏道より雪から行ったほうが楽なので、アイゼンを付け直す。
これだけ見ると、夏山みたいなんだがな。
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これだけ見ると、夏山みたいなんだがな。
鳳凰三山と道標。右に行けば池山吊尾根、直進すると広河原から直登するバリエーションルートである嶺朋ルート。
鳳凰三山と道標。右に行けば池山吊尾根、直進すると広河原から直登するバリエーションルートである嶺朋ルート。
小太郎山の向こうに見える甲斐駒と鋸。長い急登を過ぎて、ようやく南アルプスらしくなってきた。
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小太郎山の向こうに見える甲斐駒と鋸。長い急登を過ぎて、ようやく南アルプスらしくなってきた。
ボーコン沢の頭からの間ノ岳、農鳥岳。とにかく暑い。
2
ボーコン沢の頭からの間ノ岳、農鳥岳。とにかく暑い。
そして、とうとう今回のメイン、北岳が見えてきた!
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そして、とうとう今回のメイン、北岳が見えてきた!
疲れているが嬉しい。
2
疲れているが嬉しい。
バットレス全貌。池山吊尾根の醍醐味。
2
バットレス全貌。池山吊尾根の醍醐味。
下の白いのは馴染み深い白根御池。池はまだ雪に埋まっているようだ。草すべりはおそらくすごいデブリだろう。
下の白いのは馴染み深い白根御池。池はまだ雪に埋まっているようだ。草すべりはおそらくすごいデブリだろう。
今年の夏に登るバットレス。見ているとワクワクする。
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今年の夏に登るバットレス。見ているとワクワクする。
ただただすごい。ことばはいらない。
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ただただすごい。ことばはいらない。
八本歯ノ頭への登り。踏み抜きが多くてだいぶきつくなってきた。
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八本歯ノ頭への登り。踏み抜きが多くてだいぶきつくなってきた。
八本歯ノ頭から北岳。
2
八本歯ノ頭から北岳。
八本歯ノ頭から間ノ岳、農鳥岳。
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八本歯ノ頭から間ノ岳、農鳥岳。
八本歯ノ頭から北岳。
2
八本歯ノ頭から北岳。
夏道だけ埋まっていてかなり微妙だった。
夏道だけ埋まっていてかなり微妙だった。
八本歯ノコルへ下り始める。雪が中途半端についていて悪く、核心部だった。
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八本歯ノコルへ下り始める。雪が中途半端についていて悪く、核心部だった。
八本歯ノコルと圧倒的な北岳。
八本歯ノコルと圧倒的な北岳。
トラバースルート。半分程度は雪に埋まっていた。
2
トラバースルート。半分程度は雪に埋まっていた。
あとちょっとで北岳山荘。結局夕方になってしまった。
あとちょっとで北岳山荘。結局夕方になってしまった。
18時15分にようやく北岳山荘の冬期小屋に到着。この時期、この天候でないと、こういう行動はできない。冬期小屋内は超快適だった。
2
18時15分にようやく北岳山荘の冬期小屋に到着。この時期、この天候でないと、こういう行動はできない。冬期小屋内は超快適だった。
翌朝、夜明け前。これから北岳へ。
4
翌朝、夜明け前。これから北岳へ。
富士山。
北岳山荘と富士山。
3
北岳山荘と富士山。
間ノ岳、農鳥岳。間ノ岳はまた今度。
2
間ノ岳、農鳥岳。間ノ岳はまた今度。
白根三山とその間に富士山。
白根三山とその間に富士山。
北岳と仙丈。
昨日は本当にしんどかったけど、全てが報われようとしている。
2
昨日は本当にしんどかったけど、全てが報われようとしている。
ご来光!
ご来光とフジ!
朝日に照らされる間ノ岳と農鳥岳。
2
朝日に照らされる間ノ岳と農鳥岳。
ご来光とバットレス。
1
ご来光とバットレス。
朝日に照らされる北岳。
1
朝日に照らされる北岳。
朝日に照らされる仙丈。
1
朝日に照らされる仙丈。
中央アルプス。
ギザギザの北岳への稜線。
ギザギザの北岳への稜線。
もうちょっと!
西側は雪が少ない。塩見とか悪沢とかが見える。
西側は雪が少ない。塩見とか悪沢とかが見える。
甲斐駒鋸と八ヶ岳。
甲斐駒鋸と八ヶ岳。
雪庇が少し残っている。
1
雪庇が少し残っている。
雪庇から仙丈までのパノラマ。
雪庇から仙丈までのパノラマ。
鳳凰三山と奥秩父主脈。
鳳凰三山と奥秩父主脈。
雪庇と富士山。
山頂道標と雪庇。
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山頂道標と雪庇。
埋まった三角点。
埋まった三角点。
間ノ岳、農鳥岳、塩見岳。
間ノ岳、農鳥岳、塩見岳。
名残惜しいが、寒いのでおります。
名残惜しいが、寒いのでおります。
夏道はトラバースルートで雪が詰まっているので歩けない。
夏道はトラバースルートで雪が詰まっているので歩けない。
適切にルート選択。
適切にルート選択。
富士山!
吊尾根分岐に戻ってきた。ここからは一気に下る。
吊尾根分岐に戻ってきた。ここからは一気に下る。
もう一度間ノ岳と農鳥岳。
もう一度間ノ岳と農鳥岳。
これから下る池山吊尾根。
これから下る池山吊尾根。
八本歯ノコルから一気に登り返し。登りは20分足らずだった。
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八本歯ノコルから一気に登り返し。登りは20分足らずだった。
北岳が徐々に遠ざかっていく。
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北岳が徐々に遠ざかっていく。
間ノ岳と農鳥岳もガスがじわじわ。
間ノ岳と農鳥岳もガスがじわじわ。
下りていきます。
下りていきます。
あらあら。。。
2時間あまりで池山御池。荷物を整理し、腹ごしらえをしてさらに降りる。
2時間あまりで池山御池。荷物を整理し、腹ごしらえをしてさらに降りる。
池山御池周辺は八ヶ岳っぽい雰囲気。
池山御池周辺は八ヶ岳っぽい雰囲気。
黄色テープは間違いやすいから注意してね、という意味。そっち方向に進むと詰まる。
黄色テープは間違いやすいから注意してね、という意味。そっち方向に進むと詰まる。
羽釜ちゃんまで戻ってきた。あと少し。
羽釜ちゃんまで戻ってきた。あと少し。
アカヤシオ。
そして下山!
けれど、あと12km歩く。。。
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けれど、あと12km歩く。。。
仮眠したトンネル。結構短いのね。
仮眠したトンネル。結構短いのね。
靴をトレランシューズに履き替える。行きはザックにくくりつけたけれど。。。
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靴をトレランシューズに履き替える。行きはザックにくくりつけたけれど。。。
帰りは手提げ袋に下げて歩く。こちらのほうがずっと楽だった。
帰りは手提げ袋に下げて歩く。こちらのほうがずっと楽だった。
夜叉神から鷲ノ住山経由のルート。ここから400m登り返すかと思うと、空恐ろしい。。。
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夜叉神から鷲ノ住山経由のルート。ここから400m登り返すかと思うと、空恐ろしい。。。
あんな上に道路あるし。。。
1
あんな上に道路あるし。。。
こごみ滝。超長い。
こごみ滝。超長い。
あと1km!
ようやく最後の開運隧道。
ようやく最後の開運隧道。
帰還!!
大門沢ルート。
やっと車に戻ってきました。
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やっと車に戻ってきました。
ありがとうございました!!
4
ありがとうございました!!

感想

ここ数年、無雪期には山岳医療ボランティアの活動で幾度も登っていた北岳だったが、積雪期となると実に25年も前の学生時代に、白峰三山をソロ縦走して以来。当時も今も、積雪期の主なアプローチは池山吊尾根であり、とにかく林道歩きが長くてうんざりした思い出しかない。
今回、本当は谷川国境稜線の白毛門〜朝日岳〜巻機山と縦走する計画を立てていたのだが、融雪がとんでもなく早く、3月下旬の時点で既に藪が出始めているという情報だったので早々に諦め、池山吊尾根からの北岳、間ノ岳ピストンの代替計画を立てた。とにかく林道歩きで多くの時間を食うことがわかっていたので、前夜のうちに同行者たちと待ち合わせ、池山吊尾根取付のある、あるき木沢橋バス停まではナイトアプローチ、仮眠を取って翌早朝から尾根に取り付くことで時間の節約を図るというものだ。
とはいえ、夜叉神峠からの林道歩きだと、野呂川を渡るのに標高差100mアップ→400mダウンという、ナイトアプローチには危険すぎる、かつ帰りに疲労困憊なのにそれを逆に400mも登り返さなければならず、いずれにせよ魂をぶち抜かれそうな予感しかしなかった。
すると、方法は奈良田からのアプローチしかない。そして、多くの記録で「夜叉神からはもう絶対いかない、次は奈良田から」という記述があったので、躊躇なく奈良田アプローチを選択した。
林道は広河原までずっと舗装路なので、重い冬靴で歩くなどとんでもなく、トレランシューズを装着したが、これは正解だった。お陰で林道歩きがかなり早い時間で歩けた。
冬靴は、往路はザックにくくりつけたがこれは重く、変に腰に負担がかかってしまったので、復路は手提げ袋に入れて手に持ちながら戻った。こちらのほうがずっと楽だった。

ナイトアプローチで尾根取付の手前数100m地点にあるトンネル(赤垂隧道)内で仮眠を取り(落石回避のため)、トレランシューズを含めた不要装備をデポ。夜明け前に池山吊尾根に取り付き始める。
大昔のことで、何も考えずに登っていた記憶など定かではなかったが、地形図をじっくり見るまでもない急登であり、1泊3日+予備1日とはいえ、冬装備なので夏よりはずっと重い。状況に応じて、不要装備をデポして軽量化を図らねばならない。かといって、どこから雪があるかが読めないため、水も多めに持たねばならない。そして、今回のパーティリーダー兼食担なので、各自の行動食以外のすべての食糧も持たねばならない。こうした状況ながら、池山御池小屋着は「山と高原地図」のほぼCT通りだったが、とにかく暑く、水分を多く消費しそうだったので、ここで水を早速2Lほど作るため、時間をロス。これは想定済みだったが。
池山御池小屋を過ぎてしばらくすると、雪がぼちぼち出始める。樹林帯は日陰なのでそうでもなかったが、2400m位からは樹林が疎になり、雪が緩み始めて踏み抜き地帯に突入。わかんを早々にデポしたことを少し後悔した。
砂払いで森林限界を過ぎると、早くも正午を過ぎてしまい、更に雪が緩む。ツボで歩くかアイゼンで歩くか迷うところだったが、滑るよりはマシということで、アイゼンを履き続ける。脚への負担が大きい。
八本歯ノ頭で15時。この日のうちに北岳を登っておき、翌日の早朝に間ノ岳まで歩く、という計画は早くも諦めた。メインは北岳。翌朝にとっておく。
八本歯ノコルへの下りは非常に危うく、緊張を強いられ、同行者のフォローもしつつだったので、大幅にタイムロス。北岳山荘トラバースへの分岐までで余力をほとんどなくしてしまい、日没寸前にようやく北岳山荘の冬期小屋に転がり込んだ。いざという時はツェルトビバークをするつもりだったが、天候はよく、風も殆どなかったので、ビバークはせずに済んだ。
翌日も微風、快晴。絶好の北岳日和。山頂では360°の大パノラマ。風速は、山頂でもせいぜい7-8m程度だった。間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳、鳳凰三山。遥か彼方の富士山に中央アルプス、北アルプスまですべてが見渡せた。
復路は、朝の早い時間だったために雪が締まっており、往路の苦労は何だったのだ、というほどのスピードで一気に下る。13時には林道に降りてきた。林道歩きは、往路と違って時間を気にする必要がなかったのと、とにかく疲れていたので、魂が抜けたような気持ちで、ろくに口も開かず、同行者から話しかけられても上の空な状態で(すまぬ)、ぼんやりと奈良田に向かって歩いた。本当に奈良田アプローチが正しかったのかどうかもわからなくなるくらいだったけれど、林道からまた400mも登り返すことを避けられたのだから、3-4km程度余分に歩いても安いものだろう。

若かりし頃は、記録を残すことに興味がなかったため、写真など1枚も残っていないのだが、学生時分で時間の融通が利いたので、3泊4日だったことは覚えている。1日目に韮崎駅から夜叉神までタクシー、そこから池山御池小屋まで。2日目は北岳山荘の冬期小屋まで。3日目で下山する予定だったが、雪が深く大門沢の冬期小屋で疲労困憊な状態で泊まり、翌日に奈良田まで下山してバスで身延駅まで戻った。
今回は、こうして克明に記録した。もちろん、当時も今も承認欲求はあると思うけれど、このようなSNS媒体を用い、四半世紀も前の自分の姿を改めて見つめ直すいい機会を与えてもらい、ただ感謝の気持ちである。間ノ岳、農鳥岳は今回はいけなかったけれど、また会いに行け。。。るかなあ?もうすぐ50だよ?

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