奥穂高岳 / あーしんどー!重太郎新道!
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- GPS
- 22:19
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,054m
- 下り
- 2,049m
コースタイム
- 山行
- 8:32
- 休憩
- 3:16
- 合計
- 11:48
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 10:03
天候 | 快晴 / 時々ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
重太郎新道、吊尾根、ザイテングラードと高度感あり難易度も高く事故の多発しているルートが続く。技術・体力ともに求められる上級者向けコース。 |
写真
感想
剱岳5ヶ年計画も2年目となる我らがにこさわ山岳会(仮称)。昨年は白馬岳を目指していたが直前に山荘でコロナが出て休業となり、急遽お隣の五竜岳に行き先を変更して登ってきたのだった。
さて今年の行き先だが、それはやっぱり槍ヶ岳でしょう!ということで飛騨沢から槍へ向かう計画を立てていたのだが、槍ヶ岳山荘の予約合戦に惨敗して2年連続の予定変更を余儀なくされた。いや650床を300床に減らして営業って。
というわけで今回は日本第3位の高峰、奥穂高岳に挑戦することになった。オレとひるねは10年前に登頂したのだがその時は天気がイマイチで楽しみにしてた景観も見られなかったので今回はそのリベンジでもある。
土曜の23時半に残念嬢を迎えに行き大阪を出発、時々SAで休憩を取りながら東名・東海北陸道を爆走して3時半に高山で前泊していた義妹と合流、すき家で朝メシを食って5時に坂巻温泉に到着。ここに車を置かせてもらい、バスで上高地へ。
バスターミナルでトイレをすませ、装備を整えて5:45登山開始。吊尾根経由なのに河童橋を渡らず意気揚々と明神へ向かおうとする先頭のひるねに全員でツッコミを入れたりしながら岳沢登山口へ。
樹林帯の中をダラダラ登っていく。時々沢に出るが岳沢は伏流水なので沢といってもただのガレ場で涼しくもなく。そんなこんなで8:30に岳沢小屋に到着、バナナスムージー美味すぎた。
岳沢小屋をすぎると徐々に道は険しさを増していき、日差しを遮ってくれる木も少なくなってくる。するとここで残念嬢のペースがガクンと落ち始めた。顔も赤いしどうやら熱中症になりかけているようだ。頭や首筋を冷やし塩分などを摂らせて少し休憩すると若干マシになったようなので、ペースをゆっくりめに設定して再出発する。
吊尾根付近をヘリコプターが行ったり来たりしている。上から降りて来た人によると、どうやら滑落事故があったらしい。先日から前穂や付近では遭難のニュースが続いている。我々も気を引き締めて行かねば。
岩場を越えて最初のハシゴが出現、ここから重太郎新道のハイライトが始まる。クサリやハシゴを頼りに険しい岩場をいくつも越えて急登の道を進む。ペースは一向に上がらない。
12時到着の計画より1時間遅れてようやく紀美子平へ到着。岳沢の景観を眺めながら前夜に多賀SAで購入した柿の葉寿司を食う。残念嬢は食欲が出ないようだが無理にでもと完食させる。
紀美子平で30分ほど休憩を取り、いよいよ重太郎新道の核心部・吊尾根へ。
10年前に奥穂から下りて来た時はガスガスで景観も何もなく残念な思いをしたのだが、岳沢から上高地までよく見下ろせる今日は高度感がとんでもない。岩場のトラバースなどまあまあ足のすくむような難所をいくつか通過して奥穂高岳へ向かう。振り返ると今回はスルーした前穂高と明神岳が雄々しくその存在感を誇示している。
ある程度登っていくと反対側の涸沢カールが見渡せる場所に出た。突如として現れた思わぬ絶景にひたすら感動。前穂のギザギザがいかつい。
山頂に向けてさらに標高を上げていく。岳沢からは徐々に濃いガスが断続的に上がってくるようになる。山小屋に着くまで降らなければ良いのだが。
16:30、奥穂高岳(3,190m)登頂。
登頂した瞬間に周囲のガスがブワッと晴れて360度の眺望が現れる。これは素晴らしい。
10年前に来たときには拝めなかったジャンダルムだが、飛騨側が半分ほど隠れてはいるものの、奥穂を守護する衛兵の如くすぐ近くに侍っていた。
狭い山頂の方向指示板の前で記念撮影をして山小屋へ向かう。山頂から山小屋までが本当にしんどかった。ザレザレの急坂をフラフラになりながら下っていく。ようやく眼下に小屋が見えたと思ったら最後は垂直の崖をハシゴやクサリで降ろされる。ラスボスどころかボスラッシュである。
予定よりも3時間遅れて、17:50ようやく穂高岳山荘に到着。超疲れた。
穂高岳山荘に朝が来た。常念岳の丁度真上に太陽がチョコンと乗っかってるの草。
ゆっくりとホットココアなど飲んでから6;30下山開始。涸沢に向けて降りていく。
下り始めて割りとすぐにザイテングラートに突入する。延々と続く岩場の下りで、思いのほか高度感がある。涸沢カールは太古の昔に氷河が岩を削って流れ落ちてできた地形である。ザイテンはその削り残しなのであろうか。
急な岩場をえっちらおっちら下りていき、ザイテン取付点からカールを横断して左岸に付き、雪渓で遊ぶニホンザルの群れなどを眺めつつ涸沢へと向かう。
9時半すぎ涸沢ヒュッテ到着。ソフトクリームだけ食って出発しようと思っていたのだが、ついつい誘惑に負けて生ビールを頼んでしまう。ヒャー、美味い!!
そこから本谷橋までが長かった。カールの左岸を下っている時からそうだったのだが、下りが苦手な義妹のペースがなかなか上がらない。ストックを長く持って体重を分散させながらバランスをとって下りるように言うのだが、疲労コンパイルの彼女の耳には届かない。
休憩を何度もとって、冷やこい雪解け水の沢にバンダナや帽子を濡らしてそのあまりの冷たさに奇声を上げたり屏風岩の威容に圧倒されたりしながら横尾を目指す。
横尾から先は比較的平坦な道となり、義妹の苦手な段差の大きい下りもほとんどないため、ほぼCT通りのペースで進むことができ、何とか15時すぎには明神に到着できた。
嘉門次小屋で遅めの昼メシ。頭からバリバリ食える岩魚の塩焼きと、山形村産の長芋を使用した山かけざる蕎麦。もうこれがめっさ美味い。これのために涸沢から頑張って歩いてきた甲斐があったよ。
明神からは梓川右岸の遊歩道を進み、16:40に河童橋に到着。残念ながら生ビールを売っている店は全て営業終了していたので自販機で缶チューハイを購入し、河童橋と穂高連峰を眺めながら飲む。いやー時間かかった。頑張った。超疲れた。
色々と課題は残ったが、難所・重太郎新道と奥穂高岳を踏破した事実はきっと今後の山行にプラスの経験となるに違いない。
晩は坂巻温泉に宿泊し、秘湯ビールや信州牛に舌鼓を打ち温泉に癒される。んで翌日は平湯でお土産を買い、義妹に運転を任せて後部座席でノーパソで山行レポを打ったり岐阜の本巣でジビエ料理を食ったりしながら帰阪する。やれやれ、みんなお疲れさん。来年は槍ヶ岳山荘の予約取れたらええな。
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