表銀座 穴場巡り ヒュッテ西岳・大滝山荘(上高地〜テント周回)
- GPS
- 20:43
- 距離
- 51.6km
- 登り
- 3,148m
- 下り
- 3,158m
コースタイム
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 6:19
- 山行
- 8:57
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 9:37
天候 | 晴れのち曇り 時々雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
沢渡バスターミナルから最寄 金曜日4時の時点で上段は満車、下段は3分の1程度、十分余裕あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
【上高地】(上高地BT〜明神〜徳澤〜横尾) 観光地なので人が多いが、奥に行くにつれ登山者の割合が高まる ◆各拠点では飲料や食料の確保が可能 (今回のルート上では横尾の水場の水が一番冷たくて美味しかった) 【槍沢】(横尾〜槍沢ロッジ〜ババ平〜槍沢大曲り) 沢に沿って登っていく 道は上高地とさほど印象は変わらないが、道幅狭くやや斜度が増す 槍沢ロッジ周辺からは更に斜度が増し、一般登山道の趣に 槍沢大曲がりの位置は、実際の位置と地図の位置でズレがあった、看板に従う ◆槍沢ロッジ 水無料 ◆ババ平 水無料 【水俣乗越(登り)】(槍沢大曲〜水俣乗越) 涸れ沢を二度ほど横切る 沢自体はルートではないので登り詰めないように注意 赤テープ、ロープ、表示があるので見落とさないよう注意 程なくして急登、斜度はあるが短いので我慢の時 若干ザレガレで滑りやすいので足元注意 【東鎌尾根】(水俣乗越〜ヒュッテ西岳〜大天井ヒュッテ) 登山道の様子が一変、いきなりハードになる 基本組成は細かいザレとガレ、少し滑りやすいので下りは特に注意 梯子、階段などが現れ、いくつかのアップダウンを超える、鎖もある 一旦大きく降るが、降り切った先は痩せ尾根 歩く上での危険は少ないが、心理的に怖い場所はいくつかある 特に北側斜面に切れ落ちてる場所が多いので注意 ヒュッテ西岳への登りは急登、ストック仕舞って両手フリー推奨 鎖と長梯があるが強度に問題ない、濡れると滑るので通過には注意 ◆ヒュッテ西岳 水補給有料(200円/1L) 受付に容器手渡し給水 ヒュッテ西岳以降、大天井方面は厳しさが少し和らぐ 細かいアップダウンは多いが概ね緩い傾斜 ほぼトラバース路なので谷側斜面に落ちないように注意 【表銀座主稜線】(大天荘〜常念岳〜蝶ヶ岳〜大滝山荘) 大天井から常念は好展望の縦走路 ザレ場と岩場のミックスだが歩きづらくはない 部分的にトレラン出来そうなくらい歩きやすい ◆大天荘 水補給有料(200円/1L) 給水方法未確認 常念小屋に向けては急激な下り、足元注意 常念へは登り一辺倒、常念からの下りは岩場の急斜面なので慎重に下る事 蝶ヶ岳方面へは樹林帯の中アップダウンを繰り返しながら進む 比較的風通しは良いが展望は悪く、精神的に厳しいコース 危険箇所はないが意外と体力を消耗するコースなので覚悟して臨むこと ◆常念小屋 水補給有料(200円/1L) 給水方法未確認 ◆蝶ヶ岳ヒュッテ 水補給有料(200円/1L) タンクからセルフ給水 【主稜線樹林区間】(大滝山荘〜徳本峠) 樹林帯、虫が多い、どちらかというと南アルプスのような趣 下りかと思いきや地味に登りもあるので思ったより時間がかかる区間 夏場の午後はひたすら暑いので熱中症注意 ◆大滝山荘 水補給有料(200円/1L) タンクからセルフ給水 大滝山荘を過ぎると下り主体 区間全体では木の根、笹、埋まった石など滑りやすい要素が非常に多い 雨の直後や早朝などは非常に滑りやすくぬかるみやすいので足元には十分注意 大滝山(南峰)を越えると何度も松本側の斜面をトラバースしながら高度を下げて行く 危険な斜面ではないが斜度はそれなりにあるので慌てず急がず通過すること 大滝槍見台までは意外と時間がかかるのでペース配分には注意 槍見台を過ぎるとしばらくは走れるくらいの歩きやすい登山道に変わる 以降は笹薮による蜘蛛の巣地獄が神経を逆なでしつつ 100m未満の細かい丘のアップダウンの連続が体力を奪う、下りなのに地味に登りも多い 【徳本峠(下り)】(徳本峠〜上高地) 上部の斜度はそれなりにあるが非常に歩きやすい下り 部分的に梯子、小さな沢の徒渉、斜面のトラバースあり(すべて小規模) 中盤以降は傾斜が緩み、終盤はほぼ平坦路になる |
その他周辺情報 | 日帰り温泉『さわんど温泉梓湖畔の湯』 https://azusakohaann.jimdofree.com/ 沢渡バスターミナルからすぐ 入浴料750円 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
◆登山の感想ほか
今回は穴場のテン場に行くという、ちょっと変わった目的でした。
【1日目】
ババ平の水場で荷物が重くなり、水俣乗越の登りで心が折れかけました。
足攣りそうになっても何とか登り上げた先に待っていたのはヤセ尾根と梯子と鎖…
苦手のオンパレード。
でも15年経ってやっと梯子に慣れたw
西岳ヒュッテでは槍見て、体反対にして常念見ての繰り返し。
天気も最高だったから、『この最高な場所にまた来る!』と大満足。
好きなテン場が増えたのは嬉しい。
【2日目】
とにかく歩く日。
今日の目標は主人に着いていくこと。
大きい岩ゴロでも、先読みしてしっかり足場は確保する。
いつもよりも岩ゴロ通過は早く行けたかな。
大滝山荘は、大滝頂上にテン場と何たるユニークなとこ。
夜中雷様鳴ってましたが、睡魔には勝てませんでした。
(キチンと雷様なったら一応目覚めてたよ…すぐ寝たけどさw)
【3日目】
引き続き主人の後ろをヒタヒタと着いていく。
歩きやすい場所が多くて、下りでのスピードにも何とかくらいついて頑張る。
歩きながら、山岳部時代の話を聞くのが1番楽しい(o^^o)
はぁ〜今週もたっぷり歩きました。
8月27日は主人の誕生日。
去年は大好きな鷲羽に登れず双六で撤退しちゃったけど、イイお誕生日登山になったかな。
◆登山の背景
『一番気になるテント場は?』と聞かれたら『ヒュッテ西岳』と答える。
実は登山を始めた当初からその答えは全く変わっていません。
山渓の記事で目にした時から何故か惹きつけられた、私にとって憧れのテント場。
それが今回の目的地です。
さらに静かな小屋として有名な大滝山荘と組み合わせ、2泊3日表銀座穴場巡りとしました。
14年越しの初探訪、山域はメジャーですがルートチョイスはマニアックですね。
私の誕生日(8/27)山行に相応しい工程と言えます。
◆登山の詳細
今回、天気予報では2日目午後に天気が崩れるとの予報でした(最近そればっか)
2日目はヒュッテ西岳〜大滝山荘の長丁場区間ですので、そこが最大の悩みどころでした。
安定して午前着できるよう、今回は快適装備はほぼ排除し、軽量装備で臨みました。
【25日(金)】(上高地BT〜横尾〜槍沢大曲り〜水俣乗越〜ヒュッテ西岳)
いきなり始発バスに乗り遅れ、15分の遅れを取り戻すべく横尾まで駆け抜けました。
横尾から先、涸沢方面以外は未体験ゾーン。
今回のルートではババ平以降の水場はなく、稜線の小屋で水を売ってもらう方式です。
可能な限り自分達の飲み水は自分達で賄うべく、ババ平で6L補充して行きました。
結果的に水俣乗越への激登り、及びヒュッテ西岳への激登りで失速。
さらに担ぎ上げた水の大半が温くなって不味いというオマケつき(全部飲みましたけど)
それはさておき、ヒュッテ西岳のテント場最高。
展望は言わずもがな、人が少なく静かというところも非常にポイント高い(今回2張のみ)
長年夢見たテント場は、期待を裏切ることなく、我々に最高の時間を提供してくれました。
ルートが険しく、そう易々と何度も足を運べる場所ではありませんが…
個人的にとても気に入りましたのでまた是非とも再訪したいと思います。
【26日(土)】(ヒュッテ西岳〜大天井ヒュッテ〜大天荘〜常念岳〜蝶ヶ岳〜大滝山荘)
表銀座から常念主稜線へと繋ぐゴールデンルートですが
今回メインはあくまでも西岳と大滝ですのでいかにゴールデンルートといえどオマケ。
クソ贅沢な1日の始まりですw
長丁場になりますので3時から歩き始めます。
槍方面、大天井付近にもヘッドランプがちらほら見え、同志がいて心強い。
大天荘で日の出。槍の色変わりの方が美しく、そちらに目を奪われながら先を急ぎます。
大天井〜常念の稜線は解放感に富み非常に歩きやすい。人気があるのも頷けますね。
アップダウンも比較的少なく、最も体力的に楽だった区間。
常念小屋を挟んで登り下りがだんだん激しくなっていき、徐々に暑さと体力消耗が顕著に。
常念〜蝶のアップダウンが激しい樹林帯の歩きづらさと相まって大失速。
大滝山荘への下りは消耗戦になりました。
大滝山荘のテント場は虫が凄いという前情報で警戒してきたのですが、虫全然おらず。
テント場で半袖半ズボンで全然平気。
夕方から天気が急激に崩れ始め、夜22時頃に四方八方で雷が…
私は気が気じゃなく雨雲レーダーとにらめっこでしたが、妻は普通に寝てました。
肝座ってんのか、何も考えてねぇのかどっちだw
【27日(日)】(大滝山荘〜徳本峠〜明神〜嘉門次小屋〜上高地BT)
熊が出ると言われる区間。
当初3時半発の予定でしたが、1時間遅らせて暗い時間の歩行を減らしました。
熊鈴をこれでもかとガンガン鳴らしつつ、最終日なので鬼のように下ります。
途中足裏が痛くなりましたが無視。
徳本峠では立ってるのもしんどいほど足裏痛かったですが無視。
トレーニングのつもりで激しく追い込みましたが、さすがに腹減りすぎて明神でギブアップ。
明神館で牛丼食べ、腹を満たしつつ帰路につきました。
◆登山の感想ほか
出発前、ヒュッテ西岳についてはあまり良い噂を聞きませんでした。
態度が悪いとか、電話対応が良くないとか、口コミにもいろいろ書かれていますしね。
多少身構えて予約電話をかけましたが、全くそんなことはなく。
上高地から小屋に至るまでの注意箇所、対応方法なども懇切丁寧に説明して下さいました。
自分にとっては『今この瞬間、自身が体験したこと』が真実です。
変な色眼鏡で見ていた自分が恥ずかしくなりました。
そんなヒュッテ西岳でしたが、私にとっては普通に良い山小屋でした。ただ…
『トイレに弁当の空き箱を捨てる登山者が多く、ポンプが詰まるのでやめて欲しい』
との張り紙を見た時、自分の目を疑いました。
表銀座中間地点、登山者の絶対数は多く、マナーの悪い登山者も相当数いるのでしょう。
我々のあずかり知らない色々な思いがあるのだろうな…と。
こういう実態を目にすると、噂や口コミに対する見方も少し変わりますね。
少なくとも自分は迷惑登山者にはなるまいと心に誓ったのは言うまでもありません。
登山者の品格というものを真に考えさせられる山行だったように思います。
さて長々と小難しいことを書きましたが…穴場巡り超楽しかったですw
混雑必至の王道縦走路ですが、2泊ともテント内でパンツ一丁で居られる気楽さ。
この自由を満喫したくて難路、悪路、長丁場を耐えてきたわけですから感慨深い。
ヒュッテ西岳、大滝山荘。また機会があれば行きたいと思います。
紅葉の時期とか楽しそうですね♪
このループ状のルートは自分もやってみたいコースです
でも、自分の計画では蝶ヶ岳から長塀尾根で徳澤へ降りるルートしか思いつきません
大滝山へは無理!
ずっと前からヒュッテ西岳のテンバは行ってみたいテンバなんですよね〜
ただ、ヒュッテ西岳のテンバを使うということは必然的に大天井を通過するループとなってしまい行程がむちゃくちゃ長くなるんですよ
このルートでこのコースタイムは速すぎ!
もちろん、ご夫婦での共同装備とは思いますが
ゆっきーさんも健脚ですよね〜
ヒュッテ西岳のテンバはロケーションが良さそう
僕も大天井から常念小屋までの区間の稜線は大好きで、過去二回踏みました
ここではライチョウやオコジョが現れるし穂高連峰と槍の雄姿をずっと眺めながら歩けます
天気も良かったようで何よりですね
コメントありがとうございます(*'▽')
わかります、ヒュッテ西岳、通過するだけなら良いんですが、いざ泊まろうと思うと本当にいやらしい位置にありますよね〜計画者泣かせ。
一息でたどり着くには遠く、中間に据えるには位置が悪すぎる。
仰る通り西岳を宿泊地に据えた瞬間、必然的に計画全体が長大になり詰むパターン。
過去に散々計画を練っては破棄を繰り返し、15年間越しでようやく実現でした。
テン場のロケーションとしては屈指の場所ですね。陸の孤島感凄いです。
人が少ないことと相まって、私の好きなテン場5指に入りました。
ちょっと面倒な場所にありますが、機会があれば是非足を運んでみてください♪
あ、ちなみに大滝は端折っても大丈夫ですよw
ルート的にも景観的にも結構苦行的な側面の強い玄人向けの山って感じですので。
うちの妻は、家族の中では比較的華奢で文系に属しているイメージなんですが、その気になれば20kg背負えるし、荷物軽くすれば速度は出るし、だいぶ山に適応してますね、身内が言うのもアレなんですが大したもんです。
球技とかからっきしダメなんですがねw
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