奥大日岳・大日岳(黒部ダムから称名滝まで歩き通す/雷鳥沢野営場1泊)
- GPS
- 17:20
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,616m
- 下り
- 3,088m
コースタイム
- 山行
- 8:41
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 9:41
- 山行
- 7:46
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 8:35
天候 | 1日目:晴天風あり 2日目:曇天風あり/14時頃から微かに雨降ったり止んだり。 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
新宿駅→信濃大町駅:夜行バス 信濃大町駅→扇沢駅:バス 扇沢駅→黒部ダム駅:電気バス 【帰り】 称名滝→立山駅:バス 立山駅→富山駅:電車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
黒部ダム→ロッジくろよん:平和な舗装路 ロッジくろよん→タンボ平:急登の樹林帯。雪が残る部分あり。やや藪漕ぎ気味。黒部平駅に近づく標高1800m付近から完全な雪道となる。 タンボ平→東一ノ越:ロープウェイの真下を歩き、徐々に南側に逸れてトラバースしていき、カールを登っていく。 東一ノ越→一ノ越:鬼岳と龍王岳を横目に進む。一部は雪無しだが、大部分は雪道のトラバースになる。斜面下の雪渓はバックカントリー勢が登っていたが、登山だけの人は見当たらず。 一ノ越→室堂:ほぼ雪道。浄土山の斜面はトラバースになる。 室堂→雷鳥沢:みくりが池温泉までは観光客が多い。雷鳥荘前を通らずテント場まで直に斜面を下ることができる。 雷鳥沢-剱御前小舎:急斜面を直登することができる。距離が延びるものの、帰りは尾根上を歩いた方が緩やかではある。 雷鳥沢→奥大日岳:雪庇に注意しながら進む。夏道は最高点を通らずトラバースになっているが、最高点へは直登する。雪庇と踏み跡が終わるところで斜面側に移ると道があるように見えたが、今回はハイマツ漕ぎを選んだ。 奥大日岳→七福園:今回の核心部。ハイマツに行く手を阻まれるので急斜面を降り、さらに短いトラバースがある。緩んだ雪質が恐ろしく、滑ると谷底まで落ちると思われる為、かなり慎重に進んだ。 また、七福園に近づくと夏道の鎖や木道があるものの途中から雪で閉ざされている為このまま進めない。どうにか稜線に上がると平和な雪道となった。 ※この時期に奥大日岳と大日岳それぞれに登る記録は少なくない一方で、両山頂を繋ぐ記録が少ない理由がよくわかりました。お勧めはしないです。 七福園→大日岳:雪庇や空洞にさえ注意すれば、とても平和な雪の稜線歩き。 大日岳→大日平小屋:急斜面の下りで、緩んだ雪がとても滑りやすい。おそらく大日小屋まで戻ってから下り始めた方がよさそう。下って傾斜が緩んでからは踏み抜いて川に落ちないように注意。 大日平小屋→牛ノ首:ゆるやかに下る。大日平小屋から程なくして木道が露出する。 牛ノ首→大日岳登山口:狭い道を一気に降りていく。梯子や段差が多い。 大日岳登山口→称名滝駐車場:舗装路歩きとなる。 【水場】信濃大町駅、扇沢駅、黒部ダム駅、ロッジくろよんテント場、雷鳥沢野営場など ※室堂の玉殿の湧水は雪で埋まっていた。 【売店】扇沢駅、室堂、みくりが池温泉など |
その他周辺情報 | 西町大喜本店:富山ブラック発祥のラーメン屋とされる。塩味が強い。 満点の湯富山店:富山地方鉄道不二越駅近くの日帰り入浴施設。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
ソフトシェル
アウター手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
着替え
ザック
アイゼン
ピッケル
ストック
スノーバスケット
ビーコン
行動食
非常食
飲料
コンロ
コッヘル
ライター
固形燃料
ヘッドランプ
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
---|---|
備考 | この時期はビーコン形態が義務化されている点に注意。 毛帽子、バラクラバは使わなかった。 |
感想
五月初めで雪山は終わりと思っていたのですが、立山・後立山あたりならまだ間に合いそう。
そして天気予報も18日は晴れで、翌19日はギリギリどうにかなりそうな様子。
今度こそ雪山納めということで扇沢へ向かうことにしました。
1泊2日で針ノ木サーキットか奥大日岳か迷ったのですが、昨年行きそびれた残雪期の奥大日岳を選ぶことにしました。
立山周辺ではこの機会に歩いてみたい道が二つあって、一つは黒部ダムから室堂まで歩いてみること。もう一つが室堂から称名滝まで歩き通すことです。
ともに登山道としてははっきりしているものの、山行記録の少なさが不安になるコースです。
特に、奥大日岳-大日岳については険しさを語っている記録も見つかるので覚悟がいります。
【1日目】
<信濃大町駅>バスの待ち時間があったものの、仁科三山の眺めがよかった。
<黒部ダム→タンボ平>人通りが少ないせいか、草木が伸びて藪漕ぎ気味の区間もあった。
<タンボ平→室堂>一ノ越まで上り基調で登れた。BC勢にしか会わなかったが、景色も大変素晴らしく穴場だと思う。
<雷鳥沢野営場>立山や奥大日岳の眺めがいい。水が豊富で、近くの温泉へ日帰り入浴に行ける。角度的にもちょうど立山は夕日に染まる。
<剱御前小舎>剱岳の眺めは勿論、立山や薬師岳、富山湾などもよく見える。
この日は山頂を一つも踏まなかったものの、天気に恵まれたこともあって非常に満足度の高い一日でした。難易度的にも無理はない点も幸いしたと思います。
【2日目】
<雷鳥沢→奥大日岳>雪庇に注意。トラバースを避けようとするとハイマツ漕ぎになる。
<奥大日岳→七福園>危険箇所が続きお勧めできない。ミスが文字通りの命取りになる気がします。
<七福園→大日岳>雪庇もあるが、前後と比べるとかなり平和。
<大日岳→大日平>急傾斜。直接降りようとしたのが失敗。足元が崩れて気づいたら高速シリセード状態になってしまい、場所がよかったことから運よく無傷で止まることができた。大日小屋まで戻ってから下り始めるのが多分正解だったと思われる。
<大日平→称名滝>雪が無くなってからも道が狭く急だったので疲れた。
1日目とは比較にならない難易度でした。滑るわけにはいかない箇所が多く、しかも雪質は滑りやすい状態で恐ろしかったです。ほんの一瞬の出来事に適切に滑落停止はできない。
達成感よりも無事に戻って来られた安堵感の方が遥かに強いです。
人にはお勧めできません。
体調はわりと良かったこと、荷物は最小限にして重すぎなかったこと、どうにか天気が持ったこと、奥大日岳-大日岳の区間についてはルートファインディングが比較的上手くいったこと、滑ってしまったものの場所がよかったこと等、好条件が重なってどうにか無事に帰還できた気がします。
剱岳や薬師岳の絶景など、とても魅力的なのは間違いないのですが、この時期はもう当分いいかなと思いました。
この記録が皆さんの失敗防止に役に立てば幸いです。
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