富山人の南ア南部遠征 -小渋川から赤石岳、荒川岳、塩見岳-
- GPS
- 30:58
- 距離
- 81.1km
- 登り
- 6,659m
- 下り
- 6,654m
コースタイム
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 9:41
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 10:00
- 山行
- 8:44
- 休憩
- 2:28
- 合計
- 11:12
天候 | 8日: 午前晴れ・午後曇り,9日: 午前晴れ・午後曇り夕方一時雨, 10日: 午前晴れ・午後曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
僕より1日早く小渋川-三伏峠-鳥倉林道を歩いたMahitoさんのレコに大変詳しい。 |
その他周辺情報 | 赤石荘 日帰り入浴は19時まで。大人500円 |
写真
装備
個人装備 |
無雪期テン泊標準装備
渡渉用運動靴
|
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感想
普段北アルプスとその周辺ばかり登っているが、一昨年辺りから南ア南部に行っておきたいと思っていた。
静岡はあまりに遠いので信州側から、鳥倉林道がポピュラーだが、小渋川が赤石岳に近いルートとして面白そうだ、悪沢岳、塩見岳とつないで2泊で鳥倉登山口に下りて自転車で小渋川の湯折ゲートの車に戻る計画を考え、実行に至った。
8月7日(前日) もっと早く出たかったが、なんだかんだで富山を出発したのが午後6時過ぎ、国道41号線、安房トンネルから松本で高速に入り、松川ICから鳥倉林道の麓の大河原にやって来たのが真夜中近く、林道をゲートまで上がって自転車を置き、大河原に下りて今度は小渋川を遡り、湯折のゲートに着いたら午前2時になっていた。ビール1本飲んで車中仮眠。
8月8日 寝足りないが5時に起きて出発、先ずは林道歩き。林道が河原の高さに近づき、七釜橋の鉄橋を渡って河原に下りる。しばらく左岸の護岸構造の上を歩くが、それが途切れて左岸通しには進めなくなると渡渉開始。1番目は膝下だったが、以後多くは股に届くかどうかの攻防が続く。股に達したのは3回位だったか。次々と渡って10回を越えると高山の滝の脇を通り、以後頻度は少なくなる。キタ沢を過ぎると河原歩きに徹するようになり、右に上がって広河原小屋という意識はあったのだが、河原から小屋が見えるものと思い込んでいて、ないなと思いながら200mほど行き過ぎて戻ることになった。この間約20分のロス。
水を3リットルほど汲んで広河原小屋を出発。最初は苔むした樹林の緩斜面だが、尾根に取り付くと途端の胸突き急斜面、それが延々と続く。山道は明らかに踏まれる頻度が少なく、踏み跡に近い所も多い。処理されてない倒木も多い。標高2400mを越え、それと判る地形の船窪を過ぎると漸く森林限界、ガレ場を越え、緩くなった斜面を登って大聖寺平に達する。途端に縦走の登山者大勢になる。
大荷物をデポして赤石岳をピストン。正午を過ぎるともう曇っていて、赤石岳方面も最初はガスの中、時折は見渡せる様にはなった。展望のない山頂だったが、その代わり雛を連れた雷鳥に遭遇。大聖寺平に駆け下りて荷物を担いで一歩きで荒川小屋。テント場は賑っていたが隙間を捜して設営。若い一団が藤枝東高校の登山部、僕の隣のテントがその引率先生お二人で、夜は話し相手になっていただいた。
8月9日 星が見える3時に起床、テントを畳んで5時前に出発。富士山を眺める稜線への登り道で夜明けを迎えた。お花畑を抜けて荒川前岳と中岳の間にある分岐点、ここに荷物をデポする。今回百名山三座の全てが軽身での往復となる。中岳から下って行って2973mの小ピーク辺りが特に花の綺麗な所、それから最低鞍部になって悪沢岳(荒川東岳)への標高差200mの大斜面になる。何人もの登山者が取り付いているのが見え、4人位ずつ3隊に分かれているのが藤枝東高の一団と判る。その最後尾と先生2人を抜いて山頂に到達。
展望は素晴らしい。富士山が近い。昨日登った赤石岳が大きい。明日目指す塩見岳はまだ遠い。堪能したところで今日はまだ長いぞ、荷物に戻って三伏峠を目指して進路を北に、ここから標準タイムで8時間分あるのだ。本日のハイライトは終わってしまい、消化試合の気分だが、頑張るしかない。
前岳から下り口が少し注意の崩壊地、それから前岳カールの大斜面の下りとなる。標高差600mあるというガレ場、ずっと下まで見渡せて、下りでも長いと思う。下りきって道標があり、そこから水平道になり樹林帯に入る。ここから小河内岳まで基本は樹林帯歩きだ。しばらくトラバース、細いがしっかり出ている水場を過ぎると坂を上がってテント場の斜面、高山裏小屋になる。小屋横の斜面が、マルバダケブキの壮大な花畑だ。
板屋岳、大日影山と小さく登り下りし、小河内への標高差200mの登りになる。本日後半唯一の森林限界以上の山だ。これで今日最後の登りと思って(思い違いだったが)頑張り、ハイマツ帯の山頂へ。稜線の風下にガスが湧き、塩見岳はかなり隠れてどんよりとしている。荒川三山が霞んでいるが見えている。
後は三伏峠まで下り一辺倒、ではなかった。前小河内岳、烏帽子岳とけっこうな登り返しがあっていいかげん疲れる。烏帽子岳から稜線伝いに下り、一旦右に折れて三伏沢の水場からの道に合し、ちょっと登り返して三伏峠の小屋へ。やっぱり今日は長かった。小屋に着くと同時に雨がぱらつき、一度上がるが後には一時本降りに、テント壁に泥が跳ねあがるくらいの雨だった。
これで30数年前、北岳から間ノ岳、塩見、三伏と歩いたルートとつながった。ただ当時三伏峠は通過しただけなので印象が薄く、懐かしい感じはそんなにしなかった。
8月10日 今日は最初からピストンで塩見岳、テントはそのままに4時前に出発。今日も未明は星が見える。三伏山への登りで1人直ぐ後から付いてくる、山頂で2人が立ち止まっていた、という具合に真っ暗な中結構登山者が多い。三伏から塩見往復して鳥倉登山口まで下りるとなると標準タイムで11時間、特に14時過ぎのバスに乗ろうとする人はこの位早い出発になるようだ。えっちらと本谷山に登るが、その先は稜線をだらだらと下って2512mの標高点、次いで権右衛門山の山腹をトラバースでずっと樹林帯。木の間越しに朝日の当る塩見岳を見る。
一つ沢を渡ってから順調に登り出し、塩見小屋のピークに上がって行く。ハイマツ帯になってピークに到達。塩見小屋は現在工事中で売店営業のみ。宿泊営業は来年の7月からとあった。ここからは目指す塩見岳を正面に見ながらの登りとなる。
天狗岩の小ピークを過ぎていよいよ本峰への登り、この山行で随一の岩場攀じりだ。これをこなすと普通に歩ける道をしばらく登り、道標と富士山が並んで見えて、三角点の西峰に到着。直前に何人か抜いて来たが、僕の到着時は他に誰もいなかった。最高点の東峰を往復、その帰りにはまた雛を連れた雷鳥発見。西峰に戻って休んでいる間に続々登って来て賑やかになった。
今日も展望は最高、富士山は雲のかかり方と前山との関係が一段と素晴らしい。昨日と違う眺めは、南ア北部の主要な山が全て認められること。間ノ岳にずっと隠れていた北岳がやっとはっきり判る。30数年前に歩いた、長い長い千塩尾根が懐かしい。あの辺では農鳥岳だけが登ってないな。
今日も朝のうちにハイライトは終わった。名残を惜しんで下りにかかる。岩場、天狗岩、塩見小屋とずんずん下って樹林帯に入る。だらだらと下ってだらだらと登り返し、稜線の道になって本谷山へ一頑張り、三伏山へも一頑張りでどちらも山頂は眺望が利く。三伏山で塩見岳にもさようなら、三伏峠の小屋も見えてそこへ戻る。登り返しと、気分的にのんびりしたせいか、帰りも行きと同じくらいかかった。
テントに戻ってラーメンタイム、隣のテントの人も戻って来て、一言二言交わす。テントを畳んでパッキングして、都合1時間の休憩だった。さて鳥倉へと下山行程に入る。小屋を出て間もなく、塩川への分岐があるが、林道が崩れて通行できないと、登山路も進入禁止扱いになっていた。30数年前は鳥倉林道もそちらへの登山路もなく、塩川へ下りたのだったが。
前半は随所に桟道が架かっている。黒部にあるようにがっしりした木材では組んでいないので若干信頼性に不安がある。滑りやすい所もあった。後半は人工林の様なところを淡々と歩く感じで鳥倉の登山口に飛び出した。三伏の小屋から90分だった。
まだ林道歩きが残っている。登山口周辺は砂利道だが、直に綺麗な舗装路になる。谷を挟んで対岸に駐車場が見えて距離感を感じるが、やはり山道よりは緩い道路歩きは速い、駐車場より500mほど奥に止めてあった自転車に割とあっさりと着いた感じがした。
これから車を置いた湯折まで自転車で戻らなくてはいけない。先ずは鳥倉林道のダウンヒル、途中2ヵ所ほどゆるい登り返しがあるが大したことはない、大河原まで爽快に下りて来た。さてこれからが問題の登り、荷物はバス停にデポしてヒルクライムに挑む。湯折まで正味の標高差は300mだが、途中100m以上の下りがある。そして登りは10%超の激坂が続く。僕の普段の足でならそれでもどうということはないが、7時間の山歩きの後では力をかけ続けられない。マウンテンバイクの一番のローギア、普段舗装路では決して使わないギアでじっくりと登る。そしてまた暑い! 飯田で最高34℃と言っているので、ここでも30℃は越えているだろう。汗だくだくで今日一番、いや本山行一番の苦行で湯折ゲートに着いた。
コメント
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Nishidenさん はじめまして&コメントどうもありがとうございます。
Mさんの他にもこんな縦走をされたかたが同じ日にいたのでビックリしましたよ(笑)
自分は真っ暗なノーマークだったキタ沢前の支流に吸い込まれやはり20分以上はロスしました、あとあの広河原小屋の看板からの広河原小屋も暗いとすんごくわかりずらくて迷いました(笑)
下山してからの鳥倉からの湯折までの自転車も大変でしょうね、あの林道から国道に出るまで車でも疲れますもんね!
自分は下見徒渉時の帰りに写真の朝抜いて行ってかた(赤石日帰り)と一緒になりしばしいろいろな話をしながら駐車場で別れました。
いろんな方々が集う場所のようでそれもまた楽しいなあと(笑)
富山からだと大変でしたね、自分も千葉南部からなんでほとんど変わらないかもですけど
昔、剱岳に日帰りしたことありましたが(早月尾根)着いて登り始めてガスガスで頂上の祠は修理中でなくて頂上通過したりと散々でした、そして帰りの(翌日仕事)の650kmの運転がきついいい思い出となりました、またリベンジしないとですね
またどこかでお会いしたらよろしくお願いします、お疲れ様でした〜
drunkyさん、こちらにもコメントありがとうございます。
drunkyさんとMさんと僕とでそれぞれ日帰り、1泊と2泊で同時期に小渋川を攻めたのも面白いですね、。
湯折への登り返しは標高差と距離だけから予想してたよりかなり大変でした。勾配きついし、足疲れてるし、暑いし。「湯折と鳥倉、案外近いじゃん、チャリで行こう」の発想はMさんと一緒だったんですが。
富山からそんなに遠くなかったですよ。大河原まで250km位だったから、東京方面からと変わらんでしょ。
それより剱岳早月のため馬場島まで650kmはとんでもなく遠い!!
僕は家から30km台ですからね。剱岳日帰りなら朝4時に家を出て、下りて温泉入って明るい内に家に帰ってビール飲んでますもん。
drunkyさんも富山はお近くでしたね、とみさん(笑)
では、どこかでお会いしましょう。
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