後立山縦走【唐松→五竜→鹿島槍→爺】
- GPS
- 13:57
- 距離
- 29.5km
- 登り
- 3,186m
- 下り
- 3,330m
コースタイム
- 山行
- 12:06
- 休憩
- 1:49
- 合計
- 13:55
前日は遅くまで土砂降りの雨。出発できるかどうか不安だったが出発予定時刻には雨は上がり予定より15分遅れでスタート。第三リフト終点まではリフト沿いに整備用の道がついているのでそこを上がって行きます。その先クワッドのところで遊歩道をグルグル行ったり来たり迷ってしまい時間ロス。「八方池山荘」は通過しました。そこからは「八方尾根」をともかく上へと進みます。ケルンがいくつもあるはずなのですが、全く気づかないまま「第三ケルン」まで来てしまいました。夜明け前だからなぁ〜。反対を振り向くと扇雪渓の辺りで空が染まってきました。モーゲンロートに輝く雪渓を期待したが結局曇に隠れて日は昇らず。残念な朝です。気を取り直し前進「唐松岳頂上山荘」に到着。まだ早いのでひとまず「唐松岳」山頂へ。ガスガスで展望全く利かず、下山します。メチャ寒い。山荘でコーヒーを飲み先を急ぎます。レンジャーの方に声をかけていただきました。牛首の岩場は危険なので注意するようにとのアドバイス、有り難いです。
【唐松岳頂上山荘〜五竜山荘】
山荘を出ると早速、牛首の鎖場。昨夜の雨で岩肌が濡れており緊張します。荷物が軽いので滑っても落ちそうにけどともかく「鎖を離したらアウト」と自分に言い聞かせる。すぐに鎖には慣れてペースも上がってきた。展望がない分、次に目指すピークが見えないので淡々と目の前の道を進む。そろそろ着くかなと思っていたらガスの間に「五竜山荘」が見えた。この区間1時間30分で計画通りのスピード。唐松からここまで人には会わず。「五竜山荘」ではコーヒーを頂き、概念図を見るとGのついたピークを超えていくようだが展望がないので全く実感が湧かない。
【五竜山荘〜キレット小屋】
「五竜岳」の山頂は稜線からすこし外れたところにある。ちょうど分岐の所で山荘から空身でピストンしている方に写真を撮影していただいた。あの雨の中よく山荘までたどり着いたなと思う。「八峰キレット小屋」まではガレた道が続く。コースタイムは4時間。長いようだが鎖や梯子、ピークへの登り下りが続くので飽きない。相変わらずガスは濃いが調子は上がってきた。稜線にへばりつく様に建つキレット小屋で本日3杯目のコーヒー。
【キレット小屋〜冷池小屋】
「八峰キレット」は気の抜けない難所。片側が切れ落ちて落ちたら即アウト。鎖がしっかりしているので離さなければ問題ないが緊張が続く。先行のツアー団体に追いつくが抜ける場所がないので最後尾につく。全員ハーネスを付けていたのでキレットの鎖はカラビナを架け替えて通過したのだろう。本日のハイライトである「鹿島槍」はまず「北峰」から。一面灰色の世界で今日はついていないと思ったらなんと目の前を雷鳥がトコトコ歩いている。逃げないというか飛べないようだ。人生初雷鳥、ラッキーだ。メインの「鹿島槍南峰」で少し晴れ間が見えた。ガスはかかっているが大分明るく夏らしくなってきた。「南峰」でパンの昼食。シェルを脱いで冷池小屋へ向かう。「南峰」から1時間で到着。
【冷池小屋〜種池山荘】
小屋で水を1L(150円)購入した。「赤岩尾根」の分岐で1時間半以上余裕があるので「爺ヶ岳」を目指す。少し展望も利くようになり楽しいハイキングになってきた。花はやはり太陽の光に下で輝く方が良い。手当たり次第目にとまった花を撮っていく。「爺ヶ岳」は手前の「中峰」に三角点があり、先にそちらに寄る。雷鳥の鳴き声がするが姿は見えない。ハイマツの中に隠れているのだろう。「爺ヶ岳」からは次の「種池山荘」から、その先の「針ノ木岳」までの稜線がきれいに見通せる。
【種池山荘〜登山口】
「種池山荘」でトイレを済ませ下山にかかる。「柏原新道」をしばらく下ると樹林帯に入り涼しいハイキング。下りでよく転倒するので今日は慎重に足を運ぶ。最終ケルンの辺りからは「扇沢」の駐車場が良く見える。やはり標高を下げると気温が高く汗が吹き出してくる。
CT; CT累計; (AT; AT累計)
黒菱平駐車場〜八方池山荘 1:10; 1:10 (0:45; 0:45)
八方池山荘〜唐松岳頂上山荘 3:30; 4:40 (1:39; 2:24)
山頂往復〜唐松岳頂上山荘 0:35; 5:15 (0:18; 2:42)
唐松岳頂上山荘〜五竜山荘 2:30; 7:45 (1:23; 4:05)
五竜山荘〜五竜岳 1:00; 8:45 (0:41, 4:46)
五竜岳〜キレット小屋 4:00; 12:45 (2:06; 6:52)
キレット小屋〜鹿島槍北峰分岐 2:45; 15:30 (0:51; 7:43)北峰往復含む
鹿島槍北峰分岐〜鹿島槍南峰 0:25; 15:55 (0:29; 8:12)
鹿島槍南峰〜冷池山荘 1:30; 17:25 (0:54; 9:06)
冷池山荘〜爺ヶ岳中峰 1:40; 19:05 (1:01; 10:07)
爺ヶ岳中峰〜種池山荘 0:40; 19:45 (0:35; 10:42)
種池山荘〜登山口 2:45; 22:30 (1:24; 12:06)
合計歩行時間 12時間6分 コースタイム比短縮率 53.8%
合計休憩時間 1時間49分 休憩時間:行動時間 13.1%
合計行動時間 13時間55分 コースタイム比短縮率 61.9%
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
出発時に数台駐車していました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
鎖場多数、梯子少々。晴れていると高度感あって怖い場所もあると思います。 当日はガスっておりあまり下を見ることなく荷物が軽かったので難所も通過できました。すれ違いは場所を選びます。混雑する時期は渋滞するでしょう。 |
その他周辺情報 | 【水場】 天然の水場はないので山小屋で購入。 【トイレ】 スタートの黒菱第三リフト駐車場にあり、それ以外は山小屋のを有料で使用。 【温泉】 くろよんロイヤルホテル(720円)13:00-0:00 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ショーツ
靴下
グローブ
雨具上下
日よけ帽子
着替え
トレイルシューズ
ザック
ザックカバー
朝食
昼食
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
地図
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
現金
ビーニー
|
---|---|
備考 | 手袋は指を覆うものの方が良かった。 |
感想
【本日のコース】
後立山の「唐松岳」から「爺ヶ岳」まで日帰りでガッツリ歩いてみました。メインは「鹿島槍」。亡くなった叔母が大好きだった山です。叔父と知り合ったのが山岳会らしい。昭和10年代の生まれなので元祖山ガールだったのでしょう。墓石に「鹿島槍」が彫ってあったので筋金入りですね。
このコース、「柏原新道」から北上するコースと「八方尾根」から南下するコースがとれますが、今回は妹夫婦と長男が同日に「唐松岳」に登り車の回収をする関係で南下コースにしました。この方がスタート(黒菱第三リフト)地点の標高が高く遥かに楽です。
日の入りまでに下山する予定で逆算すると自分のスピードでは2:40スタートがギリギリ。これなら「唐松岳」の途中で日の出を拝めるし丁度良いかなと立てたのが今回の計画です。大体コースタイムの60%〜70%で歩き通すつもりでした。時間が押したら「冷池山荘」通過後「赤岩尾根」へエスケープするつもりでしたが結果的に予定より1時間20分早く下山することができました。
【装備】
ザックはRaidlightの12L。トレラン用のザックでポケットがたくさんあり入れる場所を決めておけば物の出し入れに便利です。特にストックを装着するシステムが前面と背面の両方についているので、岩稜帯で着脱を繰り返す場面では時間をロスせず優れたシステムだと思います。また前面にボトルを2本装着できるので、水とスポーツドリンクを入れました。ハイドレーションと合わせ飲料は合計2Lを担ぎました。途中でコーヒーを3杯、水を1L購入しました。食料は朝食のオニギリと昼食のパン、行動食はジェル,チョコレート、キャンディー、非常食はエネルギーバー、羊羹、グミを持参しました。全部で5kg位だと思います。この重さなので難所の岩稜帯でもバランスを崩すことなく楽に歩けました。靴はアシックスのトレランシューズです。軽いですがかなり使い古した靴だったので結構滑りました。「唐松岳」からの主稜線に乗ってからは風が出て寒く「鹿島槍南峰」まで半袖の上にシェルを羽織って丁度良い位でした。ヘルメットは敢えて持参せず。お盆過ぎかつ天候も悪く人はそれほど多くないのでもらい落石の可能性は少ないという想定です。本来は持参すべき山域でしょう。
【感想】
北アの北部は初めての山域。雑誌や他の方のレコ・ブログを読んでいると、なんとなく雰囲気は判るのですが、実際に自分で歩いてみると印象が異なることもしばしば。期待していたのは青空をバックにした白馬や立山、進む方向に聳える荒々しい岩稜です。ところが実際に行ってみると雨は上がったものの、ガスに煙り全く展望の利かない中、淡々と歩を進める山行でした。でも良かったのは先が見えないので目の前だけに集中すれば良いので余計なことを考えずにペースを刻めたことです。
道中お話した方は皆さん私の格好を見て走っているのですね?と聞いてこられましたが、このコース走ったら滑落してしまいます。装備と格好はトレランっぽいですが全部歩きです。北アのコースタイムは南アに比べて甘いと聞いたことがありますが、やはりそれは本当の様です。計画より遅れて出発しても1時間以上おつりがきました。鎖場での渋滞を心配しましたが前半は朝早くて人には会わず、終日反対から団体が来て困ったことはありませんでした。
叔母が登っていたころ装備も重く山小屋も今ほど整備されていなかったことでしょう。山の話はしたことないがここに昭和の前半に来るなんてスゲーなと思いました。良い追悼登山になりました。
【同じコースを歩かれる方へ】
反対から登る場合(北上コース)、登山口の標高が低いのでプラス2時間程度みておいた方が良いでしょう。その場合リフトに乗り遅れても「八方池山荘」から黒菱の駐車場までタクシーを呼べば駅に戻れます。南下する場合「扇沢」の最終バスは17:55なのでスタートはもう少し遅くても大丈夫でしょう。ただし週末やお盆休みは鎖場が渋滞するので時間を正確に読むのは難しいと思います。遅れた場合は1つ手前の尾根(南下の場合は「赤岩尾根」、北上の場合は「遠見尾根」)でエスケープできます。
もっともこのコース見所満載なのでせかせかと1日で歩いてしまうのはもったいないです。宿泊すれば朝日・夕日、星空、季節によっては花や紅葉などを存分に楽しむことができるでしょう。
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