【八ヶ岳】赤岳 赤岳鉱泉〜地蔵尾根〜文三郎尾根
- GPS
- 13:55
- 距離
- 25.7km
- 登り
- 1,897m
- 下り
- 1,994m
コースタイム
- 山行
- 2:32
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 2:51
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 9:15
天候 | 1日目 晴れ 2日目 くもりのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:三井の森停留所からAI乗合オンデマンド交通「のらざあ」(平日のみ運行・要予約)に乗車、樅ノ木荘で下車(500円)。 翌日、樅ノ木荘から「のらざあ」で原村役場(500円)へ。同所から茅野市コミュニティバス「穴山・原村線」(平日のみ運行・予約不要)に乗車、終点茅野駅で下車(200円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
美濃戸口から堰堤広場までは未舗装の林道で特に危険箇所なし。北沢コースは木道や木橋が整備された歩きやすい道。 地蔵尾根はハシゴやクサリ場もある急登。難易度はそれほど高くないが足元注意。地蔵の頭から赤岳山頂までは一部クサリのついた急斜面があるが、こちらもそれほど難しくはない。 山頂から文三郎尾根へ進むと中岳分岐までがクサリの設置された急斜面。落石・滑落注意。分岐から先は階段が断続的に設置されていて幾分か歩きやすくなるが、一部階段の固定が緩くなっていてガタガタ揺れるところがあり要注意。 行者小屋から美濃戸までの南沢コースは北沢にくらべ少し歩きにくいものの一般的な登山道。 |
その他周辺情報 | 1日目は赤岳鉱泉に宿泊。2日目(下山後)は八ヶ岳温泉 樅の木荘に宿泊 |
写真
装備
個人装備 |
ザック
ザックカバー
登山靴
予備の靴ひも
グローブ
インナーグローブ
ロングスパッツ
レインジャケット上・下
フリース
ダウンジャケット
着替え
ガスバーナー
フリント式ライター
防水マッチ
コッヘル
ケトル
カップ
十徳ナイフ
マルチツール
ビニールテープ
針金
細引き
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感想
夏休みで本格的に混雑する直前を狙って、2泊3日で八ヶ岳に行ってきました。路線バスで美濃戸口から入山し、初日は赤岳鉱泉に宿泊。2日目は地蔵尾根から赤岳に登頂後、阿弥陀岳へ縦走してから行者小屋方面へ。南沢コースから美濃戸へ下山し、その日は麓の八ヶ岳温泉 樅ノ木荘に後泊。翌日に18きっぷでのんびりと帰宅する予定なので、山行としては1泊2日に当たります。
【美濃戸口〜堰堤広場〜北沢コース】
茅野駅までのアクセスには18きっぷの使用も考えたのですが、大事を取って特急あずさを利用しました。茅野駅で立ち食いの もりそばで軽く腹を満たし、10時20分発のバスで美濃戸口へ。11時過ぎから登山を開始し、はじめのうちは林道歩きです。初日のコースタイムは3時間程度なので、高度順応するつもりでゆっくり進みました。事前にリサーチした通り、美濃戸口から美濃戸山荘あたりまでは大量のアブに遭遇することになりました。林道を走るクルマの排気ガスに惹かれて、白い車体にゴマを散らしたかのようにたかるアブの群れが印象的でした。こちらは出発前に上半身の肌が露出する部分に虫除けスプレーを塗りたくり、下半身は虫除け機能があるというワークマンのエアロガードを履いていきました。休憩のたび こま目に虫除けを塗り直したおかげか、2日間の山行の間に虫刺されの被害はまったくありませんでした。
林道を歩いているうちは、ことさら涼しいというほどでもなかったのですが、それでも下界にくらべれば相当にしのぎやすいのは間違いありません。登山道が沢沿いに入れば、自然の冷気が吹き抜けてきて、さながら天然のクーラーのようです。木道や木橋が整備された道を気持ちよく歩いて行くと、やがて赤岳鉱泉に到着です。
【赤岳鉱泉】
山小屋では基本的に素泊まり自炊派なのですが、赤岳鉱泉の名物料理が食べたかったので、今回は食事付きにしました。受付を済ませ、大部屋で自分の就寝スペース(上段の窓際でした)を確認すると、さっそく入浴です。初日は歩行時間が短いので、チェックイン後に中山乗越から中山展望台まで偵察に出ようかとも思っていたのですが、入浴を済ませるとそんな気持ちはどこかに霧散霧消していました。売店で600円の缶ビールを購入し、まずはテラス席で一杯。涼んでいるといつしか時刻は夕方の5時半になり、お待ちかねの夕食タイムです。この日のメニューは赤岳鉱泉名物のステーキでした。ボリューム満点で、おかわり自由なご飯と豚汁も大変美味しくいただきました。大部屋に戻ると、夜の9時には消灯時間です。例によってあまり眠れませんでしたが、翌日の赤岳へのアタックに向けてしっかり英気を養っていきました。
【中山乗越〜行者小屋】
2日目。早朝から周囲は濃い霧に蔽われていました。5時半に朝食をいただき、身支度を調え、ヘルメットのレンタル手続き(1日500円・帰りに行者小屋で返却)を済ませて6時半前には小屋を出発。登山用ヘルメットの使用は今回がはじめてです。
まずは中山乗越に向かって登りはじめます。途中で昨日偵察に出るはずだった中山展望台に立ち寄りましたが、ガスでなにも見えませんでした。わずかに下ると行者小屋に到着。そこから先は地蔵尾根の急登のはじまりです。稜線に出ると風が強そうだったので、ここでウィンドブレイカー代わりにレインジャケットを着ていきました。
【地蔵尾根〜地蔵の頭】
ところどころにハシゴやクサリのかけられた急斜面を黙々と登っていきます。あいかわらず辺りには霧が立ちこめ、展望はほとんど得られません。技術的にはそれほど難しくありませんが、行き違いできるスペースがあまりないので、下山してくる人たちと道を譲り合いながら登っていきました。途中ですれ違った女性に「山梨側は晴れていますよ」という話を聴き、俄然 登高意欲が高まっていきます。やがてお地蔵さんが連続していらっしゃるところに出ると、そこが地蔵の頭です。ここまで登ってきてようやく東側に展望が得られました。
【展望荘〜頂上山荘(北峰)〜赤岳(南峰)】
地蔵の頭の時点で既に森林限界を越えているので、ゴツゴツした岩稜の道を軽快に南下していきます。やがて赤岳展望荘を通過する辺りで、霧の合間から目指す赤岳の主峰が姿を現しました。ガスが出たり消えたりする中、前進を続けていくと、徐々に登山道の傾斜がきつくなっていきます。ここにもクサリ場がありますが、地蔵尾根にくらべればさほど危険はありません。赤岳頂上山荘の建物が見えてくれば、山頂はもうすぐです。赤岳鉱泉を出てから3時間強、ついに八ヶ岳の最高峰 赤岳南峰の山頂に到達しました。
山頂には文字どおりさえぎるもののない360度の展望が待っていました。いや、正確にははじめのうちは西側を中心にガスがかかっていたのですが、徐々に霧は晴れていき、かなり満足のいく展望が得られるようになりました。西に阿弥陀岳と諏訪盆地、南に富士山、権現岳。南から東にかけては清里や野辺山の高原が拡がっています。北に目を向ければ横岳から硫黄岳、手前には行者小屋の赤い屋根を目にすることができました。
当初の予定では山頂には30分くらいの滞在で、阿弥陀岳に向かって移動を再開するつもりでしたが、朝食が早かったこともあったので、ここで昼食としていきました。風が冷たいのでフリースを着込み、ガスバーナーを取り出し、インスタントラーメンを作りました。SOTOのST-310レギュラーストーブはノーマルガスでも標高3000mに近い場所で元気に燃焼してくれました。食後にはハチミツ入りの紅茶を作り、富士山を眺めながらゆっくりと味わっていきました。「水分は取りすぎると言うことがない」。
その後、頂上山荘まで戻り、チップトイレで用を足すと、下山に取りかかりました。山頂での滞在時間はおよそ2時間弱。当初の予定より大幅に時間が押しており、赤岳だけで充分な満足が得られたので阿弥陀岳への縦走はスッパリと諦めました。
【文三郎尾根〜行者小屋】
下山は文三郎尾根に進路を取ります、一度、南側に回り込んでから北西に岩稜地帯を下っていくのですが、地図上でのイメージよりもかなり大回りをする印象でした。足場の悪いガレ場の下降ということもあり、ここが一番通過に神経を使ったポイントでした。下からはどんどん登山者が上がってくるので、落石を起こさないよう慎重な足運びが求められます。赤岳周辺でのヘルメットは、滑落の際の頭部の保護よりも、落石に対する防御的な意味合いの方が強いのかなと思いました。日差しも強いので体力もドンドン消耗していきます。設置されたクサリを頼りにしながら進み、中岳・阿弥陀岳方面への分岐を過ぎると、いくぶんか傾斜は緩やかになります。
やがて道は階段状になるのですが、設置された階段の一部に固定が緩んでグラグラ揺れるところがあるので注意が必要です。階段地帯を抜けると道は樹林帯に入るので、その辺りからトレッキングポールを取り出しました。沢の水音が聞こえてくれば行者小屋はもうすぐです。
【南沢コース〜美濃戸口〜三井の森停留所】
(赤岳鉱泉と運営が同じなので)行者小屋でヘルメットを返却し、水場で水分を補給していくと、南沢コースへ入ります。はじめのうちは川原状の開けたところを通りますが、やがて道は林の中へと進んでいきます。一般に登りよりも下りの方が道を見失いやすいものですが、ここは赤テープやガイドロープの目印が多くて助かりました。予約した乗合バスの発車時刻が迫ってきているので、自然と早足になります。
軽快に下っていったのですが、美濃戸の手前、林道に出る直前に左足首を「グネって」しまいました。少し痛みはありましたが、幸い歩行にはほとんど支障がなかったのでそのまま下山を継続しました(遠征先で下山口が近くなると緊張が緩むのか、自分は「グネっ」たり転んだりすることが多くあります)。
午後3時頃に美濃戸口に到着。バスがある時期ならここで山行終了なのですが、あいにく今日は月曜日。路線バスの平日運行がはじまるのは数日後です。ここからさらに2.5キロほど歩き、予約した乗合バス「のらざあ」の停留所がある三井の森管理センターまで歩かないといけません。美濃戸口から先はずっと舗装路なので歩行に問題はありませんが、時期が時期でもあるので午後の日差しが強烈でした。それでも30分ほどで停留所に到着。予約した時刻は午後4時だったので余裕を持って到着できたと言えるでしょう。やがてやってきた「のらざあ」に乗車し、この日の宿である八ヶ岳温泉 樅の木荘に向かいました。
【山行を終えて】
八ヶ岳デビュー自体は、数年前にロープウェイを使った北横岳への日帰り山行で果たしているのですが、登山家の間(?)で八ヶ岳といったらそれは普通 南八ヶ岳を差すものだと思います。これで自分も人並みに「八ヶ岳? 登ったことあるよ」と言えるようになりました。八ヶ岳にはとにかく沢山の登山口があり、山中には営業小屋も多く、いろんなルート取りが考えられます。今回、自分が取ったのは美濃戸口から入山して山中1泊、赤岳を登頂して美濃戸口に戻るというオーソドックスなものでしたが、暑い盛りでもありますし、このくらい無難な行程で良かったと思います。歩きやすいとはいって高山は高山、無理や油断は禁物ですね。
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