葛根田川・大深沢継続沢登り
- GPS
- 27:12
- 距離
- 30.4km
- 登り
- 1,532m
- 下り
- 1,528m
コースタイム
- 山行
- 7:47
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 8:22
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 6:18
- 山行
- 11:38
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 12:31
9/10 幕営地6:29〜二俣6:34〜八瀬森山荘9:31-50〜関東沢出合11:01〜大深沢北ノ又沢出合12:44(泊)
9/11 深沢北ノ又沢出合6:43〜三俣7:41〜大深山荘12:22-57〜大深岳13:28〜小畚山14:32〜三ツ石山15:41〜三ツ石山荘16:14-35〜滝ノ上温泉分岐17:15〜林道出会18:20〜滝ノ上温泉駐車場19:07
天候 | 9/9 晴れ、9/10 曇り時々晴れ、9/11 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
非常食
調理用食材
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
常備薬
保険証
携帯
時計
ナイフ
カメラ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
ロープスリング
セルフビレイランヤード
キャメロット
タイブロック
渓流シューズ
ストック
テントマット
シェラフ
トポ
ルート図
食器
|
---|---|
共同装備 |
ツェルト
タープ
ロープ
フローティングロープ
ビリー缶
タイペックス
ノコギリ
ガスカートリッジ
コンロ
|
感想
休日出勤3日分の代休と残っていた夏季特別休暇1日分を利用して、ワンゲル部員2名と初の北東北の沢へ行ってきた。当初の予定は黒部川上ノ廊下だったのだが、そのための練習としての沢の計画がことごとく雨で中止になり、泳ぎや徒渉の練習がほとんどできなかった。致し方なく、沢のレベルを落とすことにした。日程は予備日を含めて6日間を空けていたので、移動に2日使って、行ったことのない北東北の沢に行くことにした。そこで沢の候補に上がったのが、癒やし系の代表である葛根田川であった。葛根田川だけだと1泊2日で終わってしまうので、大深沢への継続し、2泊3日の計画とした。
9月7日(土)の23時に堺を発ち、夜通し運転して、雫石の市街に着いたのは、13時半ぐらいであった。ここまで堺から14時間の時間を要していた。スーパーで買い出しを終えたら、入渓地となる滝ノ上温泉へ向かった。雫石市街からは20km、30分ほどで着いてしまった。滝ノ上温泉駐車場には休憩舎を兼ねたきれいなトイレがあり、そこそこ涼しく、車中泊には快適な場所であったが、スマホの電波は入らなかった。夕方に消防車やパトカーが何台もサイレンを鳴らしながらやってきた。何事かと思ったら、どうやら明通沢で滑落事故があったとのこと。まもなく日没を迎えるので、救助活動は翌朝からのようで、暗くなる時間には消防車やパトカーは戻っていった。
翌朝は早い時間から騒々しく、救助隊やマスコミ関係者が駐車場に集まっていた。救助隊の出発を見送ってから、我々も出発した。水蒸気が上がる地熱発電所沿いの林道を進む。林道終点には消防車やパトカーなど救助関係者の車が駐まっており、出発の準備をしていた。我々は両サイドに救助隊メンバーがいる真ん中を「気をつけて」と言われながら、入渓地点への踏み跡へ進んだが、何とも変な感じだった。踏み跡を進むと、葛根田川に出て、そこから遡行開始となった。
入渓地点から30分ほど進むと、エメラルドグリーンの美しい渓が始まる。事故のあった明通沢の出合を過ぎて、しばらく進むと、大きな淵が出てくる。右岸から通過すると、葛根田川のハイライトであるお凾が早速始まる。きれいなナメ、切り立った岸壁を流れ落ちる滝、エメラルドグリーンの淵を見ながらゴルジュ状を進む。お凾を過ぎても、ナメや美しい淵は続き、実に癒やされる。大石沢、沼ノ沢、中ノ又沢の出合と通過していく。左岸の枝沢から流れ落ちる20m滝を過ぎると、正面に2段15mの葛根田大滝が姿を現す。葛根田大滝は左岸から高巻く。高巻きの下降箇所にはお助けロープがついていた。
大滝上の2m滝を越えてから、幕営予定地である滝ノ沢出合まで釣りタイムとした。いきなり最初に釣れたのが少し痩せ気味の尺イワナだった。その後もイワナは釣れたが、ポンポンとは出てくれない。やはり週末に多くの遡行者がいた影響だろうか。食べる分だけのイワナは確保できたが、ツ抜けまではいかなかった。
滝ノ又沢出合には13時に到着。先に進むか迷う。とりあえず、良いテン場が周辺か先にないか、分かれて探すことにした。出合から少し戻った左岸に快適な幕営地を私は見つけたが、ワンゲル部主将が次の二俣の近くに適地を見つけたというので、そちらへ行ってみることにした。現場に着いてみると、確かに砂地で平らなのだが、明らかに川からの高さがなく、おまけに沢地形の下であり、雨が降ったら明らかに水に浸かる場所であった。そこは沢泊が今回初めての学生ということもあり、幕営地の見極めは甘かった。滝ノ又沢出合まで戻ることも考えたが、3mCS滝を越えたこともあり、少々面倒臭い。砂地の上方に台地がありそうなので、様子を見に登ってみると、やや傾斜があるが、幕営できそうな台地があった。近くには水流もあり、本流まで下りずに水も得られる。多少不快でもここを今晩の幕営地とした。集めたやや薪は湿っていたが、なんとか火はついた。近くで山菜のミズも採れた。釣ったイワナを塩焼きと刺身とあら汁にし、お酒と共に味わった。
2日目の朝は5時起床で、6時半に幕営地を出発した。すぐに二俣となり、入口が10m滝となっている左俣に入る。右俣を進むと大白森に出て、明通沢を下降して滝ノ上温泉に戻れる。事故はこの明通沢下降時に起こったようだ。あとでわかったことだが、事故を起こしたのは、東京の3人パーティーで、1名が滑落し、1名が下山して救助要請をし、残った1名は滑落者とともに現場で1泊し、翌朝に無事ヘリコプターで救助されたようだ。
10m滝の上は小滝の連瀑となる。連瀑を越えると、水量は一気に減り、ナメが連続する緩い流れとなる。左俣に入って2時間ほどで10m滝が立ち塞がる。右岸の枝沢から巻こうとしたが、これが失敗で本流から方向的に離れていってしまう。途中からトラバースで本流に復帰したが。余計な藪漕ぎと小さい沢の横断を何度か繰り返した。10m滝のすぐ左側を登るのが正解だったようだ。水流のない小滝を超えて、平坦になると、大場谷地湿原に出る。少々はっきりしない登山道に出て、左へ進むと八瀬森山荘があり、しばらく休憩とした。
大深沢への下降は、登山道を少し戻ったところから、湿原を左(北)方向へと下りていく。しばらく進むと水量が次第に増えていき、はっきりとした沢に出る。やがてイワナの魚影が走るようになる。4m滝は右岸から下りる。関東沢出合まではイワナの魚影は濃かった。釣りをするならば、下降釣りにはなるが、この範囲で行うべきであったかもしれない。なぜか関東沢出合より下流は魚影が極端に減ってしまった。
大きな深い釜をもった4m滝に進路を塞がれる。右岸側を少し登ったところに、残置のスリングがあったので、それを支点にして、懸垂下降で下りた。今回の沢行で唯一ロープを使った箇所である。この懸垂下降の前にいきなり左腕をハチに刺される。ハチの種類を判別できなかったが、痛さ的にスズメバチの感じだった。しばらく痛かったが、行動に支障はなかった。
八瀬森山荘から3時間ほどで大深沢北ノ又沢出合に到着する。ナイアガラの滝上にある三俣まで行く時間はあったが、快適そうな平坦地が右岸にあったので、2泊目の幕営地とした。幕営地近くで釣りをしてみたが、毛鉤への反応がやけに悪く、2匹しか釣れなかった。魚影の濃かった関東沢出合付近で竿を出すべきであった。やはり幕営地近くはみんな竿を出すので、魚影が薄くなるだけでなく、魚もスレてしまったのかもしれない。この日の薪はよく乾いていて、すぐに火がついた。釣った2匹のイワナは塩焼きにして3人で分けて食べた。前日よりもうまく焼けていて、外パリパリ、中はフワフワで実に美味かった。
3日目の朝は曇りがちの天気であった。そのためか朝はそんなに冷え込まなかった。出発して北ノ又沢をしばらく行くと、7m滝が現れる。左からシャワーを浴びながら越えるが、その上にも2m滝がある。流れを横断して左岸から越える。しばらく進むと、巨大なスダレ状の滝が見えてくる。ナイアガラの滝20mである。幅は30mはある。一番左側の滝の右をフリーで越える。ホールドとスタンスは豊富だったので、ロープは出さなかったが、初心者がいる場合はロープで確保した方がよいだろう。
滝上は景色が一変し、ナメが続く。ナメを歩いて行くと、仮戸沢・東ノ又沢・北ノ又沢が合流する三俣に到着する。真ん中の北ノ又沢を進む。その後もナメと滝が現れるが、滝は簡単に越えられる。
標高1250m付近から沢の傾斜が急になり、流れが滝状になる。急な流れの最後は5m2条滝で、シャワーを浴びながら越える。
滝上は水量が減り、湿原の中の流れとなり、源頭の雰囲気となる。イワナは5m2条滝が魚止かと思ったが、源頭部の緩い流れの溜まりに3匹ぐらいの良型イワナがいた。やがて水流がなくなり、藪になる。そのまま沢沿いに進んで行くと、どんどん大深山荘から離れてしまうので、途中から大深山荘に向けてのトラバースに入る。これが激しい藪漕ぎになり、なかなか進まない。トータル1時間半ほどの藪漕ぎでようやく登山道に出た。大深山荘のすぐ下であった。
休憩のために大深山荘に立ち寄ると、どこかで見覚えのあるお顔の人がいるではないか。テレマークスキー界では有名なDVD「ゆきむし」のすーさんでした。登山道の維持作業での滞在とのことで、こんなところでお会いできるとは実に驚きのことであった。大深山荘で沢装備を解除し、ランチタイムとする。
大深山荘から滝ノ上温泉に下山するには、裏岩手縦走路の長い縦走を要する。そう長居はできない。すーさんにお別れを言い、下山に向けて出発する。
まずは大深岳の山頂を踏む。今回の最高地点1541.4mである。小畚山と次の小ピーク1448.1mを越えると、山頂の岩が特徴的な三ツ石山が現れる。3日間の疲れと股ずれでペースが上がらない。急にガスが出てきて、小雨がパラつく。スキーで2回ほど来たことのある三ツ石山を越え、三ツ石山荘に16時14分に到着する。
あとはコースタイムで1時間半の下りだけだが、完全に足が逝ってしまっているし、股ずれも悪化している。おそらくコースタイムの2倍はかかりそうである。途中からワンゲル部員2名には先に進んでもらい、私はマイペースで下りることにした。途中で暗くなり、ヘッデンを点けて歩く。滝ノ上温泉駐車場に着いたのは19時を過ぎていた。先に下山したワンゲル部員は途中で木の上にいたクマに遭遇したらしい。人に気づいたクマはすぐに木を下りて逃げたらしい。事故にならず、なによりだった。
下山後は、22時まで営業している雫石プリンスホテルにある雫石高倉温泉で汗を流した。入浴料は800円であった。夕食は遅くまでやっていそうなお店が多い盛岡まで出て、ガッツリ食べた。
今回は初めての北東北の沢だった。長い下山はキツかったが、美しいナメと自然に癒やされた3日間だった。イワナは入れ食いを期待したが、そこまで釣れなかったのは残念だった。下山時に大深山荘の近くで東ノ又沢を遡行してきた2人組にお会いしたが、彼らもあまり釣れなかったようだ。「最近に大水があったようで、その影響があるのではないか」と言っていた。週明けの入渓ということで、週末の入渓者の影響が残っていたのかもしれない。今回はイワナが減ったのではなく、たまたまと信じたい。自然はこちらの思い通りにはならないものである。美しい自然が永久不変であることを願いたい。
記録はブログにもアップしています。
http://mamezou.cocolog-nifty.com/mamezoudiary/2024/09/post-6c0765.html
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