ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 7225519
全員に公開
沢登り
八幡平・岩手山・秋田駒

葛根田川・大深沢継続沢登り

2024年09月09日(月) ~ 2024年09月11日(水)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
27:12
距離
30.4km
登り
1,532m
下り
1,528m
歩くペース
ゆっくり
2.12.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:47
休憩
0:35
合計
8:22
距離 9.2km 登り 289m 下り 56m
8:47
91
10:18
10:28
148
12:56
13:21
59
14:20
宿泊地
2日目
山行
6:00
休憩
0:18
合計
6:18
距離 5.8km 登り 307m 下り 266m
6:26
182
宿泊地
9:28
9:44
9
9:53
9:54
0
9:54
9:55
169
12:44
北ノ又沢出合
3日目
山行
11:38
休憩
0:53
合計
12:31
距離 15.4km 登り 936m 下り 1,206m
6:37
342
北ノ又沢出合
12:19
12:57
6
13:21
7
13:28
10
13:38
13:39
53
14:32
24
14:56
14:57
7
15:04
15:14
27
15:41
52
16:33
16:36
2
16:38
37
17:15
31
18:20
47
19:08
ゴール地点
9/9 滝ノ上温泉駐車場5:58〜お函7:50〜葛根田大滝下10:15〜滝ノ又沢出合12:56-13:21〜幕営地14:12(泊)
9/10 幕営地6:29〜二俣6:34〜八瀬森山荘9:31-50〜関東沢出合11:01〜大深沢北ノ又沢出合12:44(泊)
9/11 深沢北ノ又沢出合6:43〜三俣7:41〜大深山荘12:22-57〜大深岳13:28〜小畚山14:32〜三ツ石山15:41〜三ツ石山荘16:14-35〜滝ノ上温泉分岐17:15〜林道出会18:20〜滝ノ上温泉駐車場19:07
天候 9/9 晴れ、9/10 曇り時々晴れ、9/11 曇り
過去天気図(気象庁) 2024年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
滝の上温泉駐車場
2024年09月08日 14:57撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/8 14:57
滝の上温泉駐車場
明通沢で前日に事故があり、その救助活動が行われるということで、朝から騒々しい状況。
2024年09月09日 05:30撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/9 5:30
明通沢で前日に事故があり、その救助活動が行われるということで、朝から騒々しい状況。
地熱発電所
2024年09月09日 06:08撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 6:08
地熱発電所
葛根田川入渓
2024年09月09日 06:41撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 6:41
葛根田川入渓
ナメ
2024年09月09日 07:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 7:17
ナメ
明通沢出合
2024年09月09日 07:24撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 7:24
明通沢出合
枝沢の7m滝
2024年09月09日 07:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 7:35
枝沢の7m滝
最初の大きな淵
2024年09月09日 07:47撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 7:47
最初の大きな淵
右岸をへつる
2024年09月09日 07:54撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 7:54
右岸をへつる
お函の2m滝
2024年09月09日 07:58撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 7:58
お函の2m滝
お函の通過
2024年09月09日 08:25撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 8:25
お函の通過
お函
2024年09月09日 08:27撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 8:27
お函
お箱に落ちる枝沢の滝
2024年09月09日 08:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 8:28
お箱に落ちる枝沢の滝
大石沢出合
2024年09月09日 08:46撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 8:46
大石沢出合
ナメ
2024年09月09日 09:05撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 9:05
ナメ
3m滝
2024年09月09日 09:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 9:14
3m滝
沼ノ沢出合
2024年09月09日 09:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 9:17
沼ノ沢出合
中ノ又沢出合
2024年09月09日 09:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 9:21
中ノ又沢出合
左岸からの枝沢の3段20m滝
2024年09月09日 10:05撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:05
左岸からの枝沢の3段20m滝
葛根田大滝2段15m
2024年09月09日 10:15撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:15
葛根田大滝2段15m
左岸から高巻く
2024年09月09日 10:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:17
左岸から高巻く
お助けロープのある箇所を下降して戻る
2024年09月09日 10:25撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:25
お助けロープのある箇所を下降して戻る
大滝の上の2m滝
2024年09月09日 10:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:28
大滝の上の2m滝
最初の一匹目がいきなり尺イワナ
2024年09月09日 10:58撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 10:58
最初の一匹目がいきなり尺イワナ
そんなにポンポンとは釣れなかった
2024年09月09日 12:13撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 12:13
そんなにポンポンとは釣れなかった
滝ノ又沢出合の先のCS3m滝
2024年09月09日 14:03撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 14:03
滝ノ又沢出合の先のCS3m滝
右岸に幕営地を見つける
2024年09月09日 14:08撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/9 14:08
右岸に幕営地を見つける
少々傾斜があるが、小沢が流れている
2024年09月09日 16:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/9 16:58
少々傾斜があるが、小沢が流れている
夕食の準備は焚火利用
2024年09月09日 18:32撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/9 18:32
夕食の準備は焚火利用
2日目の出発
2024年09月10日 06:29撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:29
2日目の出発
3mCS滝
2024年09月10日 06:31撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:31
3mCS滝
すぐに二俣で、10m滝が入口の左俣へ進む
2024年09月10日 06:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:34
すぐに二俣で、10m滝が入口の左俣へ進む
急な傾斜の中を小滝が連続する。
2024年09月10日 06:48撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 6:48
急な傾斜の中を小滝が連続する。
連瀑帯を抜けると、流れが緩くなる
2024年09月10日 07:00撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 7:00
連瀑帯を抜けると、流れが緩くなる
ナメ
2024年09月10日 07:24撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 7:24
ナメ
ポットホールあり
2024年09月10日 07:27撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 7:27
ポットホールあり
15m滝
右岸の枝沢から巻くが、本流から離れてしまい、途中から藪漕ぎトラバースで復帰。
2024年09月10日 08:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 8:10
15m滝
右岸の枝沢から巻くが、本流から離れてしまい、途中から藪漕ぎトラバースで復帰。
滑りやすい斜面を木やササを掴みながら登る
2024年09月10日 08:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 8:34
滑りやすい斜面を木やササを掴みながら登る
八瀬森の湿原に出る
2024年09月10日 09:27撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 9:27
八瀬森の湿原に出る
八瀬森山荘で休憩
2024年09月10日 09:31撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 9:31
八瀬森山荘で休憩
オクトリカブト
2024年09月10日 09:54撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 9:54
オクトリカブト
エゾオヤマリンドウ
2024年09月10日 09:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 9:56
エゾオヤマリンドウ
ウメバチソウ
2024年09月10日 09:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 9:56
ウメバチソウ
大深沢への下降
2024年09月10日 10:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 10:28
大深沢への下降
3m滝は右岸から
2024年09月10日 10:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 10:57
3m滝は右岸から
関東沢出合
2024年09月10日 11:01撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 11:01
関東沢出合
大きな淵を持つ4m滝
2024年09月10日 11:22撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 11:22
大きな淵を持つ4m滝
右岸から懸垂下降
2024年09月10日 11:32撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 11:32
右岸から懸垂下降
ミヤマサナエ
北ノ又沢出合にて2泊目の幕営
2024年09月10日 16:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 16:07
北ノ又沢出合にて2泊目の幕営
北ノ又沢へ釣りに
パッとしない釣果
2024年09月10日 13:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 13:28
北ノ又沢へ釣りに
パッとしない釣果
黒みの強いイワナ
2024年09月10日 13:26撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 13:26
黒みの強いイワナ
黒みの強いイワナ
2024年09月10日 13:51撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/10 13:51
黒みの強いイワナ
2時間以上かけてイワナの塩焼きの出来上がり
2024年09月10日 18:39撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/10 18:39
2時間以上かけてイワナの塩焼きの出来上がり
朝食の準備も焚火利用
2024年09月11日 05:31撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/11 5:31
朝食の準備も焚火利用
3日目の出発
2024年09月11日 06:43撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 6:43
3日目の出発
7m滝
2024年09月11日 07:03撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:03
7m滝
2m滝
2024年09月11日 07:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:09
2m滝
ナイアガラの滝20m
2024年09月11日 07:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:21
ナイアガラの滝20m
ナイアガラの滝は一番左側の滝の右側を直登
2024年09月11日 07:27撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:27
ナイアガラの滝は一番左側の滝の右側を直登
2024年09月11日 07:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:34
滝上はナメ
2024年09月11日 07:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:35
滝上はナメ
ナメ
2024年09月11日 07:38撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:38
ナメ
三俣
2024年09月11日 07:41撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 7:41
三俣
枝沢2段20m滝(左)と北ノ又沢の6m滝(右)
2024年09月11日 08:03撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 8:03
枝沢2段20m滝(左)と北ノ又沢の6m滝(右)
6m滝は左から
2024年09月11日 08:04撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 8:04
6m滝は左から
6mナメ滝
2024年09月11日 08:08撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 8:08
6mナメ滝
4m幅広滝
2024年09月11日 08:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 8:14
4m幅広滝
6mナメ滝
2024年09月11日 09:36撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 9:36
6mナメ滝
標高1250mから傾斜が急に
2024年09月11日 09:46撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 9:46
標高1250mから傾斜が急に
急傾斜の最後に5m2条滝
2024年09月11日 10:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 10:07
急傾斜の最後に5m2条滝
2024年09月11日 10:11撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 10:11
湿原に出て源頭の雰囲気
2024年09月11日 10:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 10:17
湿原に出て源頭の雰囲気
最後は藪漕ぎトラバース。トータル一時間半ほどの藪漕ぎ
2024年09月11日 11:26撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 11:26
最後は藪漕ぎトラバース。トータル一時間半ほどの藪漕ぎ
大深山荘に出る
2024年09月11日 12:27撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/11 12:27
大深山荘に出る
大深岳
2024年09月11日 13:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 13:28
大深岳
長い縦走路を進む
2024年09月11日 13:31撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 13:31
長い縦走路を進む
小畚山
2024年09月11日 14:31撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 14:31
小畚山
コウモリ
2024年09月11日 14:33撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 14:33
コウモリ
最後のピークである三ツ石山へ
2024年09月11日 14:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 14:56
最後のピークである三ツ石山へ
三ツ石山でガス
2024年09月11日 15:43撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 15:43
三ツ石山でガス
エゾオヤマリンドウの白花
2024年09月11日 15:50撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 15:50
エゾオヤマリンドウの白花
ウソのメス
滝の上温泉への下降
2024年09月11日 17:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 17:09
滝の上温泉への下降
クマ出没にヘッデン下山
2024年09月11日 17:23撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
9/11 17:23
クマ出没にヘッデン下山
盛岡にて夕食
2024年09月11日 22:17撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/11 22:17
盛岡にて夕食
盛岡冷麺
2024年09月11日 22:24撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
9/11 22:24
盛岡冷麺

装備

個人装備
タイツ ズボン 靴下 グローブ 雨具 日よけ帽子 ザック 行動食 非常食 調理用食材 飲料 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 GPS 常備薬 保険証 携帯 時計 ナイフ カメラ ハーネス ヘルメット 確保機 ロックカラビナ カラビナ スリング ロープスリング セルフビレイランヤード キャメロット タイブロック 渓流シューズ ストック テントマット シェラフ トポ ルート図 食器
共同装備
ツェルト タープ ロープ フローティングロープ ビリー缶 タイペックス ノコギリ ガスカートリッジ コンロ

感想

休日出勤3日分の代休と残っていた夏季特別休暇1日分を利用して、ワンゲル部員2名と初の北東北の沢へ行ってきた。当初の予定は黒部川上ノ廊下だったのだが、そのための練習としての沢の計画がことごとく雨で中止になり、泳ぎや徒渉の練習がほとんどできなかった。致し方なく、沢のレベルを落とすことにした。日程は予備日を含めて6日間を空けていたので、移動に2日使って、行ったことのない北東北の沢に行くことにした。そこで沢の候補に上がったのが、癒やし系の代表である葛根田川であった。葛根田川だけだと1泊2日で終わってしまうので、大深沢への継続し、2泊3日の計画とした。

9月7日(土)の23時に堺を発ち、夜通し運転して、雫石の市街に着いたのは、13時半ぐらいであった。ここまで堺から14時間の時間を要していた。スーパーで買い出しを終えたら、入渓地となる滝ノ上温泉へ向かった。雫石市街からは20km、30分ほどで着いてしまった。滝ノ上温泉駐車場には休憩舎を兼ねたきれいなトイレがあり、そこそこ涼しく、車中泊には快適な場所であったが、スマホの電波は入らなかった。夕方に消防車やパトカーが何台もサイレンを鳴らしながらやってきた。何事かと思ったら、どうやら明通沢で滑落事故があったとのこと。まもなく日没を迎えるので、救助活動は翌朝からのようで、暗くなる時間には消防車やパトカーは戻っていった。

翌朝は早い時間から騒々しく、救助隊やマスコミ関係者が駐車場に集まっていた。救助隊の出発を見送ってから、我々も出発した。水蒸気が上がる地熱発電所沿いの林道を進む。林道終点には消防車やパトカーなど救助関係者の車が駐まっており、出発の準備をしていた。我々は両サイドに救助隊メンバーがいる真ん中を「気をつけて」と言われながら、入渓地点への踏み跡へ進んだが、何とも変な感じだった。踏み跡を進むと、葛根田川に出て、そこから遡行開始となった。
入渓地点から30分ほど進むと、エメラルドグリーンの美しい渓が始まる。事故のあった明通沢の出合を過ぎて、しばらく進むと、大きな淵が出てくる。右岸から通過すると、葛根田川のハイライトであるお凾が早速始まる。きれいなナメ、切り立った岸壁を流れ落ちる滝、エメラルドグリーンの淵を見ながらゴルジュ状を進む。お凾を過ぎても、ナメや美しい淵は続き、実に癒やされる。大石沢、沼ノ沢、中ノ又沢の出合と通過していく。左岸の枝沢から流れ落ちる20m滝を過ぎると、正面に2段15mの葛根田大滝が姿を現す。葛根田大滝は左岸から高巻く。高巻きの下降箇所にはお助けロープがついていた。
大滝上の2m滝を越えてから、幕営予定地である滝ノ沢出合まで釣りタイムとした。いきなり最初に釣れたのが少し痩せ気味の尺イワナだった。その後もイワナは釣れたが、ポンポンとは出てくれない。やはり週末に多くの遡行者がいた影響だろうか。食べる分だけのイワナは確保できたが、ツ抜けまではいかなかった。
滝ノ又沢出合には13時に到着。先に進むか迷う。とりあえず、良いテン場が周辺か先にないか、分かれて探すことにした。出合から少し戻った左岸に快適な幕営地を私は見つけたが、ワンゲル部主将が次の二俣の近くに適地を見つけたというので、そちらへ行ってみることにした。現場に着いてみると、確かに砂地で平らなのだが、明らかに川からの高さがなく、おまけに沢地形の下であり、雨が降ったら明らかに水に浸かる場所であった。そこは沢泊が今回初めての学生ということもあり、幕営地の見極めは甘かった。滝ノ又沢出合まで戻ることも考えたが、3mCS滝を越えたこともあり、少々面倒臭い。砂地の上方に台地がありそうなので、様子を見に登ってみると、やや傾斜があるが、幕営できそうな台地があった。近くには水流もあり、本流まで下りずに水も得られる。多少不快でもここを今晩の幕営地とした。集めたやや薪は湿っていたが、なんとか火はついた。近くで山菜のミズも採れた。釣ったイワナを塩焼きと刺身とあら汁にし、お酒と共に味わった。

2日目の朝は5時起床で、6時半に幕営地を出発した。すぐに二俣となり、入口が10m滝となっている左俣に入る。右俣を進むと大白森に出て、明通沢を下降して滝ノ上温泉に戻れる。事故はこの明通沢下降時に起こったようだ。あとでわかったことだが、事故を起こしたのは、東京の3人パーティーで、1名が滑落し、1名が下山して救助要請をし、残った1名は滑落者とともに現場で1泊し、翌朝に無事ヘリコプターで救助されたようだ。
10m滝の上は小滝の連瀑となる。連瀑を越えると、水量は一気に減り、ナメが連続する緩い流れとなる。左俣に入って2時間ほどで10m滝が立ち塞がる。右岸の枝沢から巻こうとしたが、これが失敗で本流から方向的に離れていってしまう。途中からトラバースで本流に復帰したが。余計な藪漕ぎと小さい沢の横断を何度か繰り返した。10m滝のすぐ左側を登るのが正解だったようだ。水流のない小滝を超えて、平坦になると、大場谷地湿原に出る。少々はっきりしない登山道に出て、左へ進むと八瀬森山荘があり、しばらく休憩とした。
大深沢への下降は、登山道を少し戻ったところから、湿原を左(北)方向へと下りていく。しばらく進むと水量が次第に増えていき、はっきりとした沢に出る。やがてイワナの魚影が走るようになる。4m滝は右岸から下りる。関東沢出合まではイワナの魚影は濃かった。釣りをするならば、下降釣りにはなるが、この範囲で行うべきであったかもしれない。なぜか関東沢出合より下流は魚影が極端に減ってしまった。
大きな深い釜をもった4m滝に進路を塞がれる。右岸側を少し登ったところに、残置のスリングがあったので、それを支点にして、懸垂下降で下りた。今回の沢行で唯一ロープを使った箇所である。この懸垂下降の前にいきなり左腕をハチに刺される。ハチの種類を判別できなかったが、痛さ的にスズメバチの感じだった。しばらく痛かったが、行動に支障はなかった。
八瀬森山荘から3時間ほどで大深沢北ノ又沢出合に到着する。ナイアガラの滝上にある三俣まで行く時間はあったが、快適そうな平坦地が右岸にあったので、2泊目の幕営地とした。幕営地近くで釣りをしてみたが、毛鉤への反応がやけに悪く、2匹しか釣れなかった。魚影の濃かった関東沢出合付近で竿を出すべきであった。やはり幕営地近くはみんな竿を出すので、魚影が薄くなるだけでなく、魚もスレてしまったのかもしれない。この日の薪はよく乾いていて、すぐに火がついた。釣った2匹のイワナは塩焼きにして3人で分けて食べた。前日よりもうまく焼けていて、外パリパリ、中はフワフワで実に美味かった。

3日目の朝は曇りがちの天気であった。そのためか朝はそんなに冷え込まなかった。出発して北ノ又沢をしばらく行くと、7m滝が現れる。左からシャワーを浴びながら越えるが、その上にも2m滝がある。流れを横断して左岸から越える。しばらく進むと、巨大なスダレ状の滝が見えてくる。ナイアガラの滝20mである。幅は30mはある。一番左側の滝の右をフリーで越える。ホールドとスタンスは豊富だったので、ロープは出さなかったが、初心者がいる場合はロープで確保した方がよいだろう。
滝上は景色が一変し、ナメが続く。ナメを歩いて行くと、仮戸沢・東ノ又沢・北ノ又沢が合流する三俣に到着する。真ん中の北ノ又沢を進む。その後もナメと滝が現れるが、滝は簡単に越えられる。
標高1250m付近から沢の傾斜が急になり、流れが滝状になる。急な流れの最後は5m2条滝で、シャワーを浴びながら越える。
滝上は水量が減り、湿原の中の流れとなり、源頭の雰囲気となる。イワナは5m2条滝が魚止かと思ったが、源頭部の緩い流れの溜まりに3匹ぐらいの良型イワナがいた。やがて水流がなくなり、藪になる。そのまま沢沿いに進んで行くと、どんどん大深山荘から離れてしまうので、途中から大深山荘に向けてのトラバースに入る。これが激しい藪漕ぎになり、なかなか進まない。トータル1時間半ほどの藪漕ぎでようやく登山道に出た。大深山荘のすぐ下であった。
休憩のために大深山荘に立ち寄ると、どこかで見覚えのあるお顔の人がいるではないか。テレマークスキー界では有名なDVD「ゆきむし」のすーさんでした。登山道の維持作業での滞在とのことで、こんなところでお会いできるとは実に驚きのことであった。大深山荘で沢装備を解除し、ランチタイムとする。
大深山荘から滝ノ上温泉に下山するには、裏岩手縦走路の長い縦走を要する。そう長居はできない。すーさんにお別れを言い、下山に向けて出発する。
まずは大深岳の山頂を踏む。今回の最高地点1541.4mである。小畚山と次の小ピーク1448.1mを越えると、山頂の岩が特徴的な三ツ石山が現れる。3日間の疲れと股ずれでペースが上がらない。急にガスが出てきて、小雨がパラつく。スキーで2回ほど来たことのある三ツ石山を越え、三ツ石山荘に16時14分に到着する。
あとはコースタイムで1時間半の下りだけだが、完全に足が逝ってしまっているし、股ずれも悪化している。おそらくコースタイムの2倍はかかりそうである。途中からワンゲル部員2名には先に進んでもらい、私はマイペースで下りることにした。途中で暗くなり、ヘッデンを点けて歩く。滝ノ上温泉駐車場に着いたのは19時を過ぎていた。先に下山したワンゲル部員は途中で木の上にいたクマに遭遇したらしい。人に気づいたクマはすぐに木を下りて逃げたらしい。事故にならず、なによりだった。
下山後は、22時まで営業している雫石プリンスホテルにある雫石高倉温泉で汗を流した。入浴料は800円であった。夕食は遅くまでやっていそうなお店が多い盛岡まで出て、ガッツリ食べた。
今回は初めての北東北の沢だった。長い下山はキツかったが、美しいナメと自然に癒やされた3日間だった。イワナは入れ食いを期待したが、そこまで釣れなかったのは残念だった。下山時に大深山荘の近くで東ノ又沢を遡行してきた2人組にお会いしたが、彼らもあまり釣れなかったようだ。「最近に大水があったようで、その影響があるのではないか」と言っていた。週明けの入渓ということで、週末の入渓者の影響が残っていたのかもしれない。今回はイワナが減ったのではなく、たまたまと信じたい。自然はこちらの思い通りにはならないものである。美しい自然が永久不変であることを願いたい。

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