記録ID: 73347
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
南ア南部 畑薙大吊橋〜上河内岳〜聖岳〜赤石岳〜悪沢岳〜さわら島
2010年08月04日(水) ~
2010年08月07日(土)

- GPS
- 35:29
- 距離
- 49.6km
- 登り
- 5,626m
- 下り
- 5,456m
コースタイム
8月4日(水) 畑薙ダムから茶臼小屋へ(幕営)
沼平ゲート06:00→06:35畑薙大吊橋06:40→07:05ヤレヤレ峠07:15→08:05ウソッコ沢小屋08:15→09:55横窪沢小屋10:25→13:15茶臼小屋
8月5日(木) 茶臼小屋から上河内岳・聖岳・兎岳を経て百間洞へ(幕営)
茶臼小屋テン場03:30→05:28上河内岳の肩(山頂往復)06:00→07:35聖平小屋07:50→08:10薊畑08:20→09:15小聖岳09:24→10:45聖岳10:55→11:50聖兎コル12:20→13:08兎岳避難小屋13:13→13:25兎岳13:30→小兎岳14:13→中盛丸山15:12→16:15百間洞山の家
8月6日(金) 百間洞から赤石岳を経て中岳避難小屋へ(素泊り)
百間洞テン場05:25→06:21百間平06:25→08:30赤石岳09:00→10:23大聖寺平10:35→11:08荒川小屋(ラーメン&ビール)12:30→14:30中岳避難小屋
8月7日(土) 中岳避難小屋から悪沢岳,千枚岳を経てさわら島へ
中岳避難小屋06:05→07:00悪沢岳07:15→丸山08:00→08:20千枚岳08:25→08:55千枚小屋09:10→10:05見晴台10:10→13:05さわら島
沼平ゲート06:00→06:35畑薙大吊橋06:40→07:05ヤレヤレ峠07:15→08:05ウソッコ沢小屋08:15→09:55横窪沢小屋10:25→13:15茶臼小屋
8月5日(木) 茶臼小屋から上河内岳・聖岳・兎岳を経て百間洞へ(幕営)
茶臼小屋テン場03:30→05:28上河内岳の肩(山頂往復)06:00→07:35聖平小屋07:50→08:10薊畑08:20→09:15小聖岳09:24→10:45聖岳10:55→11:50聖兎コル12:20→13:08兎岳避難小屋13:13→13:25兎岳13:30→小兎岳14:13→中盛丸山15:12→16:15百間洞山の家
8月6日(金) 百間洞から赤石岳を経て中岳避難小屋へ(素泊り)
百間洞テン場05:25→06:21百間平06:25→08:30赤石岳09:00→10:23大聖寺平10:35→11:08荒川小屋(ラーメン&ビール)12:30→14:30中岳避難小屋
8月7日(土) 中岳避難小屋から悪沢岳,千枚岳を経てさわら島へ
中岳避難小屋06:05→07:00悪沢岳07:15→丸山08:00→08:20千枚岳08:25→08:55千枚小屋09:10→10:05見晴台10:10→13:05さわら島
| 天候 | 8月4日(水) 晴れのちガス。一時雨。 8月5日(木) 晴れのちガス(上河内岳山頂から大展望。聖岳山頂では周囲がガス気味。) 8月6日(金) 晴れのちガス(赤石岳山頂まで快晴。のちガス。) 8月7日(土) 晴れ(中岳避難小屋からの夜明けは最高の天気。下山まで快晴。) |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・ 東海フォレストのバスを利用する場合は,畑薙第一ダム手前の広い駐車場を利用しますが,今回は畑薙大吊橋まで林道を歩くことから,林道ゲートのある沼平の駐車スペース(30〜40台駐車可)に駐車しました。 ・ さわら島から沼平ゲートへの帰路は,東海フォレストのバスを利用しました。バス乗車時に沼平下車を伝えれば,担当の方が,乗降ドア近くの下車しやすい席に案内してくれます。 ・ なお,東海フォレストのバスを利用するには,東海フォレストの管理する山小屋か有料の避難小屋に宿泊することが条件となります。そのため,今回は3泊目に中岳避難小屋(寝具別4,500円)に泊まりました。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
【第1日目】 沼平ゲート〜畑薙大吊橋〜ヤレヤレ峠〜ウソッコ沢小屋〜横窪沢小屋〜茶臼小屋 ○ 沼平ゲート付近〜畑薙大吊橋〜ヤレヤレ峠 ・ 沼平ゲート手前の道路左手が駐車スペースとなっています。30〜40台は駐車可能です。 ・ ゲート前の登山指導センターに登山届・下山届の用紙が備え付けられたポストがあります。 ・ ゲートから先は未舗装の林道です。畑薙大吊橋までは,コースタイムで40分,私の足で35分でした。 ・ 畑薙大吊橋は,延長181.7メートル,板幅20センチと書いてありましたが,以前の木の板から金属製の板に換えられており,幅も広がっている感じです。それでも,湖面からの高さは30メートルほどあるので,怖かったです。 ・ 畑薙大吊橋を渡ると,すぐに樹林帯の急登となります。標高差で120メートルほど登ったあとは,ヤレヤレ峠まで斜面をトラバースするように道が付けられていますが,足を滑らせるとダム湖まで一気に落ちてしまうようなイヤなところですので,特に下山時には気をつけましょう。 ・ ヤレヤレ峠にはベンチがあり,休憩に良いところです。 ○ ヤレヤレ峠〜ウソッコ沢小屋〜横窪沢小屋 ・ ヤレヤレ峠からは一旦下りとなり,沢沿いに吊橋を3度ほど渡りながらゆるく登っていきます。40〜50分ほどでウソッコ沢小屋に到着です。 ・ ウソッコ沢小屋は無人ですが,しっかりした建物で収容定員は30名ほどのなかなか広い小屋です。内部はきれいに使われています。トイレは別棟となっており,沢沿いなので水もあります。 ・ ウソッコ沢小屋からは,本日のコースの中で最も傾斜がきつい登りとなります。小屋前の指導標には,横窪沢小屋まで1.1150分の表示がありました。沢を吊橋で渡ると,急で長い鉄製の階段が出てきます。私の足で1時間弱登ったところに,中の段という休憩によい場所がありました。ここまでで,横窪沢小屋への登りの6割といったところです。 ・ 中の段から30〜40分ほど登ると,横窪沢峠に到着です。峠からは横窪沢小屋が見えますが,小屋まではさらに6〜7分歩きます。 ・ 横窪沢小屋は,井川観光協会が管理している,定員60名ほどのきれいな小屋です。周囲の樹林帯の中に,気持ちよさそうなテン場も整備されています。小屋前にはベンチがあり,そこで私がオニギリを食べていたところ,小屋の方に緑茶を頂きました。とてもおいしくて,一気に飲み干したら,「もう一杯どうぞ」!何も購入しない通りがかりの登山者に,このようなサービスは驚きでした。さらに小屋のご主人からは,この先の登山道の状況などについて,詳しく丁寧に教えていただきました。あまりに居心地が良かったので,30分も話し込んでしまいました。 ○ 横窪沢小屋〜茶臼小屋 ・ 横窪沢小屋から先も急な登りが続きます。50〜60分ほど登ると,大無間山方面の展望が開けた標高1,932メートル地点にベンチがあります。休憩に良いところです。 ・ さらに,20分ほど登ると,「水呑場」です。水量は細いですが給水は可能です。ベンチもあります。 ・ 「水呑場」から20分少々登ると樺段に出ます。ここで28名の小学生とその保護者が休んでいました。横窪沢小屋に宿泊し,本日,快晴の茶臼岳に登ってきたそうです。昨日は,あの畑薙大吊橋を皆で渡ったそうです。すごいですね。大人が「怖い」なんて言ってられませんね。子どもたちは元気はつらつで,「もう少しで小屋だから頑張って!」と励まされてしまいました。 ・ 保護者の方と話を交わした後,樺段を出発し,20分ほどで「茶臼小屋水平道 小屋まで20分」の標識がありました。 ・ この標識から先は,傾斜が緩くなり,お花畑も出てきます。 ・ さらに,「小屋まであと10分」の看板が出てくると,その先に茶臼小屋が見えてきます。 ○ 茶臼小屋情報 ・ 茶臼小屋には13:15に到着しました。私が到着したときには,テントはまだ3張りほど。小屋のすぐそばに設営できました。 ・ 小屋のトイレは,この山域の他の小屋と同様,便槽をヘリで回収するタイプ。とてもきれいです。水場の水もすごく冷たくておいしいです。テン場からは富士山が望めます。 ・ また,テント設営料500円,缶ビールレギュラー500円と,他の小屋より安い料金設定がうれしかったです。 ・ 茶臼小屋は標高約2,400メートルの高所にある割には,この夜は意外に暖かかったです。シュラフはイスカエア450を使用し,薄手長袖シャツ1枚で寝ましたが,少し暑いくらいでした。 ・ 茶臼小屋周辺は,FOMAは通じませんでした。小屋の方に,稜線なら通じると教えていただき,小屋から稜線まで10分ほど登り,小屋との分岐点で試してみたところ,メール受発信できました。翌日の聖岳山頂では職場に電話をかけてみましたが,きちんと通話できました。ドコモは長野県側に基地局を設置しているのではないかと思われます。 【第2日目】 茶臼小屋〜上河内岳〜南岳〜聖平小屋〜薊畑〜聖岳〜兎岳〜中盛丸山〜百間洞山の家 ○ 茶臼小屋〜上河内岳〜南岳〜聖平小屋 ・ 2日目は,当初,兎岳避難小屋に宿泊するつもりでしたが,できれば水もトイレもありビールも手に入る百間洞山の家まで行きたいと思い,午前1時30分起床,午前3時30分出発としました。 ・ 当然,周囲は真っ暗なので,ヘッドランプの明かりを頼りに,慎重に歩きます。 ・ 昨日メールを発信するために登った稜線分岐点には,3時45分に到着です。ここから稜線を北にたどり,上河内岳山頂を目指します。標識には,上河内岳まで150分との表示がありました。 ・ 真っ暗な登山道を迷わないよう,慎重に進みます。2年前に便ヶ島〜聖平〜上河内岳〜茶臼小屋(幕営)〜光岳〜易老渡と縦走したことがあったので,不安なく歩くことができました。 ・ 亀甲状土を過ぎ,奇岩竹内門の手前付近まで来ると,端正な上河内岳のシルエットが暁の空に浮かび上がってきました。その右奥には,夜明け前の富士山も見えます。あまりの美しさに思わず立ち止まり,カメラにその風景を納めました。 ・ 奇岩竹内門を過ぎる頃には,周囲はすっかり明るくなり,登山道の近くでエサをついばむ,雷鳥の親子を見かけました。 ・ 上河内岳の肩には,05:25に到着しました。ここに荷物を置いて,カメラを手に山頂を目指します。山頂までは6〜7分です。 ・ 上河内岳山頂からの眺めは見事でした。北には,快晴の空の下,南ア南部の三千メートル峰である,聖岳・赤石岳・悪沢岳が目の前に並んでいます。また,南側は,茶臼岳から光岳へと続く稜線に寄り添うように,上河内岳の陰が投影されて,とても印象的です。今回の山行の目的の一つが,この眺めを見ることでしたので,とても感激しました。 ・ 山頂には20分ほど滞在し,写真を撮ったり眺めを堪能した後,肩には06:00に戻って南岳へと向かいます。 ・ 上河内岳から南岳へ向かう稜線は,常に聖岳を見ながらの,素晴らしい展望の道です。また,南岳の南斜面は,タカネマツムシソウやタカネナデシコ,シナノオトギリ,マルバダケブキなどのお花畑となっていて,楽しめます。 ・ 南岳山頂には,06:30に到着。そのまま,聖平小屋へと下ります。この下りは,意外と長く,また崩落した崖のわきを通るなど緊張もします。標識では60分とありましたが,私の足で65分かかりました。 ・ 聖平小屋には,07:35に到着しました。とてもきれいな小屋です。小屋の前は広いテン場になっていて,快適な幕営ができそうです。ここでジュースを購入し,15分の食事休憩としました。 ○ 聖平小屋〜薊畑〜聖岳 ・ 07:50に聖平小屋を出発し,本日の最高峰,聖岳を目指します。空は快晴,どっしりとした山容の聖岳が目の前に見えますが,山頂は遙か遠くです。 ・ 信州側登山口である便ヶ島からのルートと交わる薊畑には,20分ほどで到着。南側には,さきほど歩いてきた茶臼岳〜上河内岳〜南岳の稜線や,聖岳の山頂がよく見えます。そこで休憩していた小屋の方と話を交わしていると,聖平小屋から聖岳をピストンしてきた3名の登山者が降りてきました。皆さん満足そうな良い表情です。ここから山頂までの標高差は600メートル。コースタイムは3時間。気を引き締めて出発です。 ・ 薊畑からの登りは,しばらくは樹林帯の中を歩きます。一面のマルバダケブキのお花畑の中,聖岳の山頂を望みながら高度を稼いでいくと,2,478メートルのピークを過ぎて一度下りとなりますが,すぐに左側がガレた急斜面の登り返しとなり,1時間ほどで,標高2,662メートルの小聖岳山頂に到着です。 ・ 小聖岳の山頂からは,遮るもののない聖岳の巨大な姿が眼前に迫ってきます。このあとの登りに備えて,ここで水分とカロリーを補給していると,一人の登山者が下ってきました。ザックサイドにテントポールをくくりつけているものの,ザック自体は30リットル程度の小型のもので,山の達人といった雰囲気です。 ・ その方は,2日前に広河原から歩き始め,三伏峠,百間洞で宿泊し,今日は兎岳・聖岳を越えてきたというのです。時刻はまだ午前9時過ぎです。ものすごい健脚ですね。装備について尋ねると,シュラフはカバーのみ,宿泊はツエルト利用で,食事の時もガスは使わずアルコール燃料でお湯を沸かすだけという徹底した軽量化を図っているとのこと。若い頃はキスリングに30垓瓩げ拱を担いだこともあったということでしたが,今はこうした軽量化で,驚異的なカモシカ山行を実践されているようです。 ・ 私の方はといえば,カメラ2台に交換レンズ2本,缶ビール2本にフルーツゼリー2個,おいしいレトルト食品,防寒対策としての過剰な衣類などで,登り始めのザック重量は,いつも20圓鯆兇┐討靴泙,ハアハアゼイゼイ喘ぎながらの登山です。山行を安全にスピーディに実現するには,軽量化が必要だなあと納得した次第です。 ・ さて,小聖岳で10分ほど休憩したあとは,いよいよ聖岳山頂へのラストスパートです。といっても,この先には岩場のアップダウンが出てきてスピードは出ません。またその先に量は少ないながらも岩の隙間から水が流れ出している貴重な水場もあります。その水を飲んでみると,あまり飲みたいという感じではありません。なんというか岩の味がするというか。この水は緊急用以外は使う気がしませんでした。 ・ 岩場や水場を過ぎると,ザレたガレキの急斜面となります。ここをジグザグに折り返して登ります。あまりに急なので,何度も足を止めて息を整えます。山頂方向には,吸い込まれそうなほど真っ青な空が広がっています。上空からは真夏の太陽の日差しが照りつけます。でも,さすがに標高3千メートルの空気はさわやかです。足を止めると,汗はすぐに引いていきます。 ・ さて,ようやく傾斜がゆるんで最後の登りを越えると,聖岳山頂標識の前に飛び出しました。時刻は10:45。薊畑から2時間25分でした。テント装備で休憩込みのタイムとしては,まあまあといったところでしょうか。山頂周辺では6名ほどの登山者が思い思いに休憩を取っていました。この時刻になると,ガスが上がってきて,赤石岳や兎岳の山頂は隠れてしまっていますが,この聖岳山頂付近は気持ちの良い晴れ間が広がっています。時間に余裕があれば,昼寝をしたいくらいです。 ・ しかし,今日の宿泊予定地,百間洞まではコースタイムであと5時間近く。ここでゆっくりしているわけにはいきません。奥聖岳も割愛して,10:55に兎岳へ向けて下り始めます。 ○ 聖岳〜兎岳〜中盛丸山〜百間洞山の家 ・ 聖岳から兎岳への縦走路は,聖兎コルまで標高差で400メートル下り,そこから兎岳山頂まで200メートルを登り返すという,アップダウンのきついコースです。最初の下りこそそれほど急ではありませんが,徐々に傾斜を増してきます。そして,前方にガレた崩壊地が現れると,尾根の北側にコースを変え,樹林帯の中を多少のアップダウンを繰り返しながらコルへと下ります。このルートは,樹林帯の中なので,風が抜けず,晴れていると暑いです。兎岳から登ってくる登山者は,皆,きつそうな表情でした。 ・ 聖兎コルには,11:50に到着しました。ここは南側が崩壊した斜面となっていて,足下に注意が必要です。おなかが減ったのと行動時間が8時間を超えて疲れてきたことから,ここで,30分の昼食休憩としました。このコルの北側斜面には,いくつかテントを張れるようなサイトがあります。風も避けられるので,緊急時には助かりますね。 ・ さて,休憩を終え,12:20に兎岳へと歩き始めますが,かなりの急登が続きます。疲れた体と重荷で,きついです。2〜3分ごとに休みながら,少しづつ歩を進め,なんとか13:05に避難小屋分岐に到着。ここに荷物を置いて,30〜40メートルほど西側にある兎岳避難小屋を見に行きます。 ・ 小屋の外観は,かなり荒廃していてとても使用に耐えられないような感じですが,ドアを開けて中を覗くと,とてもきれいな内装になっていました。昨年,内部を改修して利用できるようにしたというネットの情報を見ていたのですが,それは事実でした。内部は天井と壁がプラスティックの波板で覆われ,床もプラスティック製の板が敷かれています。広さは8畳ほどでしょうか。これなら快適そうです。ただし,ドアは完全には閉まらないので,石で動かないように固定する必要があります。 ・ また,避難小屋の前にはテントサイトがあって,大型テントなら2張り,小型でも3〜4張りは可能だと思います。 ・ さて,分岐に戻って荷物を担ぎ,兎岳山頂を目指します。山頂までは10分少々です。晴れていれば素晴らしい展望が期待できるはずですが,残念ながらガス。聖岳から歩いてきたルートも見えません。でも,山頂付近には大きな株のタカネビランジやイブキジャコウソウなどが咲いていて,私の目を楽しませてくれました。 ・ 兎岳から本日の宿泊予定地の百間洞までは,コースタイムで2時間40分ほど。これなら,休憩を多めにとっても,17:00までには着けそうです。雨や雷の心配も無さそうだったので,疲れてはいましたが,ここは頑張って百間洞まで足を伸ばして,明日以降の行程を短縮することにしました。もちろん,ビールも飲みたかったので。 ・ 次のピーク小兎岳をめざし,13:30に兎岳山頂を出発します。最初は150メートルの急な下りで,そこから80メートルの緩い登り返しとなります。最初のピークに達してから30メートルほど下ると,小兎岳南側直下に,大型テントが3張りは張れそうな平坦なテントサイトがあります。東海フォレストのマップでは,ここは緊急用のテントサイトとして表示がなされています。すぐ東側には水場の表示。水場は見ていませんが,かなりの水量の沢音がしていましたので,水も確保できると思います。西側は灌木帯となっていて風も避けられる,絶好のテントサイトですね。 ・ さて,小兎岳を過ぎると,中盛丸山との鞍部まで,また100メートルほどの下りとなります。そしてそこから170メートルの登り返しです。これはきつかった。すでに行動開始から10時間近く。体はクタクタです。1時間ほどかけて,どうにか中盛丸山の山頂に達しますが,さすがに疲れました。ここで持参したフルーツゼリーでカロリー補給です。おいしかった〜!体が生き返るようです。フルーツの甘みが染み渡ります。多少重くても,こういう食料は持ち歩きたいものですね。 ・ フルーツゼリーで元気が出て,中盛丸山からの下りは調子が出てきました。樹林帯のトラバースルートをサクサク下り,途中で4人パーティを追い越して16:15に百間洞山の家に到着です。 ・ テントの受付をお願いすると,なんとまだ3人目とのこと。小屋に一番近い沢沿いの3つのうち2のサイトにテント設営できました。そのあとは,沢で体の汗を拭き,小屋で購入したサントリープレミアムモルツ500CC(800円)2本を沢で冷やしてビールタイム!ほどよく冷えたビールの味は格別でした。 ・ その晩は,昨日と同様,とても暖かく,シュラフの中で薄手長袖シャツ一枚でも暑いくらいでした。 ○ 百間洞山の家情報 ・ ここの夕食は,揚げたてのトンカツだそうです。私がビールを購入しに行ったときも,トンカツの香ばしい匂いがしていました。一度に6人分しか提供できないので,食堂利用は交代だそうです。 ・ テント料金は一人600円,缶ビールは350CCが600円,500CCが800円で,プレミアムビールも値段は同じです。 ・ トイレは水洗でとてもきれい。一定時間ごとに水が流れる仕組みです。 ・ 小屋わきに流れる沢は,飲料には適さないということですが,とても冷たく,タオルを水に浸して絞ろうとすると,手が切れるくらいに冷たく感じます。ビールを冷やすには最適です。 ・ 山に囲まれているので,携帯電話は通じないと思います(確認していません)。兎岳〜中盛丸山の稜線はFOMAが通じます。 【第3日目】 百間洞テン場〜百間平〜赤石岳〜大聖寺平〜荒川小屋〜中岳避難小屋 ○ 百間洞テン場〜百間平〜赤石岳 ・ 本日の予定は,赤石岳まで登ったあと,荒川小屋で昼食,そのあとお花畑を楽しみながら中岳避難小屋泊まりの8時間コース。昨日,百間洞まで歩いたおかげで,今日明日の行程がずいぶんと楽になりました。なので,起床は03:30と比較的のんびりです。 ・ 昨夜は,疲れもあってぐっすりと寝られました。沢が近くにあると,沢音が雑音を消し去ってくれるのがありがたいですね。起床すると今日も快晴の天気。いつものお茶漬けで朝食を済ませ,小屋まで足を運んで水の調達とトイレを済ませて,05:25に出発です。 ・ 最初は百間平まで標高差約300メートルの登りです。最上部のテン場を過ぎると,すぐに岩ゴロのガレ場の登りとなりますが,登るにつれて足下の岩が小さくなり,歩きやすくなってきます。傾斜もそれほどきつくなく,一定なので登りやすいです。 ・ 西には昨日歩いた兎岳から中盛丸山,さらには大沢岳へと続く稜線を眺める展望のコースなので,眺めを楽しみながら歩くことができます。また,左手には,中央アルプスや伊那谷が見えて,なかなか展望の良いところです。 ・ 登り始めて50分ほどすると,急に傾斜が緩み,台地状の一角に出ます。そこから2〜3分で百間平の標識に到着しました。進行方向には,巨大な黒い山塊が立ちはだかっています。これから登る赤石岳です。このあたりは,なんとなく北アルプスの雲ノ平と黒岳(水晶岳)に似た印象ですね。広い台地状の高原で,ルートには高山植物帯に立ち入らないよう,ロープも張られています。 ・ 百間平で水分補給のため5分ほど休憩してから,馬の背の稜線を歩き,赤石岳を目指します。進行方向右手後方には,昨日登った聖岳が見えます。実に堂々とした山容です。南アルプスの縦走は,ひとつひとつ巨大な山体を乗り越えながら歩き続ける醍醐味が素晴らしいですね。これほどのダイナミックな眺めは,他の山域では味わえないと思います。 ・ 07:13,馬の背から赤石岳の西側大斜面の登りに取り付きます。ここは,岩の斜面を30度ほどの角度でトラバースするように登る,効率の良い登山路となっています。この時間帯は,日陰になっていて涼しいのが助かります。午後の日射しの強い時間帯では,体力をかなり消耗させられるのではないでしょうか。 ・ 20分ほど登ると,「赤石避難小屋 0.7辧30分」の標識が立つ地点に出ます。ガレキの岩の斜面はここまでで終わり,この先はザレた登山道に変わります。上部の岩場は,まるで大伽藍のように岩の尾根が登山道を取り囲み,真っ青な青空の下,太陽の光と陰が神秘的な雰囲気さえ感じさせます。 ・ 標識のあった場所から,さらに200メートルほど標高を稼ぐと,山頂稜線に出ますが,赤石岳山頂までは,まだ結構な距離があります。せっかくなので,直接山頂を目指さず,まずは稜線西側のピークに行ってみました。ここからは,ガレキの斜面の先に,百間平が広がり,その向こうに聖岳から大沢岳に連なる稜線が一望のもと,ここでしか見られない山岳パノラマの景色が広がります。 ・ 今日は時間に余裕があるので,ここで少し休憩のあと赤石避難小屋には08:20頃到着しました。すぐそばに山頂がありますが,まずは小屋でビール(600円)を調達。7年ぶりの赤石岳山頂に乾杯です!。晴天のもと,のんびりとビールを味わいました。そして小屋の周囲を歩いて景色を楽しみます。南には,雲海を従えた富士山,北には小赤石岳の先に荒川三山,西には聖岳。実に贅沢な景色です。 ・ 避難小屋から赤石岳山頂までは目と鼻の先,歩いて3〜4分です。08:35ようやく赤石岳山頂に到着しました。山頂には,すでに10人ほどの登山者が休んでいましたが,多くは,東尾根との分岐に荷物を置いてきた登山者のようです。私のような大型ザックを携えた方はいませんでした。やはり,この山域は小屋泊まりで縦走する登山者が多いようですね。 ・ 赤石岳山頂に立つと,素晴らしい展望が開けますが,残念ながら,悪沢岳山頂がガスに隠れています。荒川三山の先には,塩見岳や遠く仙丈ヶ岳まで見えているのに。でも,数多くの山々を望むことができて,これ以上は贅沢というものでしょうね。ガスも上がってきたので,09:00に山頂をあとにし,小赤石岳へと歩き始めました。 ○ 赤石岳〜大聖寺平〜荒川小屋〜中岳避難小屋 ・ 赤石岳山頂から10分ほど下ると,東尾根との分岐となり,赤石岳を往復する登山者のザックがたくさんデポしてありました。ここから振り返った赤石岳は,実に堂々とした素晴らしい姿です。東側に広がるカールは優美な曲線を描き,残雪と共に赤石岳を飾っています。「登ってきて良かったなあ」そんな思いが自然とわき上がります。 ・ 分岐から標高3,081メートルの小赤石岳山頂までは,20分弱の登りです。ここまで来ると,いつの間にかガスが出てきて,周囲の展望が無くなりました。でも,登山道には,ハクサンイチゲやシナノキンバイ,ハクサンチドリなどさまざまな高山植物が咲いていて楽しめます。 ・ 標高3,030メートルの小赤石岳の肩を過ぎると,大聖寺平まで標高差330メートルのザレた下りの急斜面となります。大聖寺平には,10:23に到着しました。ネットの情報で,ここはFOMAが通じるとのことでしたので,とりあえず順調である旨,家人にメールを送りました。受信感度は3本立っていて,通信には何の問題もありませんでした。携帯のメールは苦手で,送信するまでに10分以上かかってしまいましたが,その間にも,荒川小屋方面から赤石岳へと向かう登山者が10人以上登っていきます。ここはさすがに南ア南部のメジャールートですね。 ・ 大聖寺平から荒川小屋へは,斜面のトラバースを歩く楽なコース。30分ほどで荒川小屋に到着です。ここには,広いテン場と冷たい水場があり,一度はテン泊してみたい場所です。小屋も広く清潔で,スイカ(一切れ300円)まで売っていました。ここでもビールを調達。サントリープレミアムモルツ500CCが800円です。このままではぬるいので,水場近くのベンチに移動して,ラーメン昼食の準備をしながら,ビールを水場の冷たい水で冷やします。 ・ ラーメンは,中華三昧を持参。これにタマゴやネギなどを加え,そろそろ食べ頃という時に,冷えたビールを頂きます。これがまたウマイ!青空の下,冷たいビールはたまりませんね。それに,ラーメンによく合うこと。このあとは,2時間の登りだけなので,ここで1時間20分も昼食休憩してしまいました。 ・ 12:30になって,さすがにそろそろ出発です。本日の宿泊は中岳避難小屋。水が無いところなので,ここで水2.5リットルを持ち,さらにアミノバイタルウォーター1リットルを加えます。ずっしりと重くなったザックを背負って避難小屋を目指します。実は30分ほど歩くと水場があり,水を汲むことができるのですが,面倒なので荒川小屋で水を汲みました。この日も水場は十分な水量が出ていましたので,こちらで水を補給しても良いと思います。 ・ 荒川中岳への稜線の途中には,南ア南部最大のお花畑があります。7年前に荒川三山〜赤石岳を縦走した時,このお花畑を見てすごく感動しました。ぜひまた見てみたい。今回の縦走の目的の一つが,このお花畑でした。そして期待に違わず,素晴らしい花々でした。 ・ 水場を過ぎて30分ほどでしょうか。中岳への登りの途中から,ハクサンイチゲとシナノキンバイの大群落が広がります。さらに,クロユリ,コイワカガミ,ヨツバシオガマ,イワベンケイなども混じって,それはそれは素敵な花の楽園です。稜線から下りてきたオバサマグループも,大騒ぎです。なかなか足が前に進みません。クロユリの群落の前では「お兄さん,ここにクロユリが咲いているわよ。みてみて!」と大はしゃぎです。(誰がお兄さんなのか?は不明です) ・ ということで,私もたっぷり時間をかけて花々を楽しみながら,登っていきました。そして14:15に稜線分岐に到着です。周囲はガスで覆われ,展望はありませんでしたが,高山裏避難小屋へと下るルートははっきりと見えます。前岳山頂までの標高差400メートルを登降するのは大変でしょうね。 ・ ガスの中,荒川中岳山頂には14:25に到着し,中岳避難小屋には14:30に到着です。小屋に入って管理人さんに宿泊をお願いし,混み具合を聞くと「この小屋は混みません。今日の宿泊は3〜4人ですね。」とのこと。私がテント主体なのは,混雑した小屋に泊まりたくないのが理由なので,これを聞いた時はホッとしました。実際,その日の宿泊者は私を含めて4人でした。 ・ この小屋のロケーションは,赤石避難小屋と共に,南ア南部では最高の場所にありますね。とにかく標高3,060メートルの稜線上にあり,目の前に悪沢岳,南には富士山が丸見え。歩いて5分の中岳からは,赤石岳や南ア北部も良い眺めです。 ○ 中岳避難小屋情報 ・ 小屋宿泊料金は4,500円でした。寝具付きは+500円。水はペットボトルを販売していますが,天水は無料で分けてもらえます。調理用ならば,天水で十分だと思います。 ・ 1階は板の間の休憩スペースです。テーブルが置いてあって,そこで煮炊きができます。2階が寝床となっており,両手を使ってハシゴで上がるので,貴重品や飲み物などを入れるサブザックがあると便利です。 ・ この小屋は混雑することはあまり無いということです。ただし,7月の海の日の3連休と8月のお盆の時期は例外で,定員30名のところ50名が宿泊したことがあって,大変だったと管理人さんが言っていました。 ・ 小屋では,レトルトの食事の提供をしていました。料金はよく分かりません。 ・ 標高が高い場所にあるため,さすがに寒いです。朝方の気温は摂氏2度まで下がりました。この縦走で初めてフリースとダウンジャケットが役に立ちました。 ・ 私の泊まったときには,悪沢岳山頂から朝日が昇ってきました。時刻は05:19。悪沢岳と富士山の組み合わせがとても絵になると思いました。 ・ 小屋の中でFOMAのメール送信ができました。 【第4日目】 中岳避難小屋〜悪沢岳〜丸山〜千枚岳〜千枚小屋〜見晴台〜さわら島 ○ 中岳避難小屋〜悪沢岳〜丸山〜千枚岳 ・ いよいよ本日が縦走最終日です。03:30に腕時計のアラームで起床しました。2階の窓から悪沢岳の方向を見ると,東の空が明るくなっています。夜明け前の悪沢岳と富士山の写真を撮ろうと,カメラを持って外に出ました。真夏といってもここは標高3,060メートルの稜線。寒いです。外の気温は摂氏2度。フリースの上に薄手のダウンジャケットを着て寒さをしのぎました。 ・ 04:15 まだ日の出までには1時間もありますが,東の空が赤く染まり,悪沢岳と富士山のシルエットが浮かび上がってきます。上空には三日月が白く輝いています。神々しいまでの荘厳な眺めです。小屋の前のベンチにベルトで一脚を固定し,レリーズケーブルでカメラのシャッターを切りました。 ・ 何枚か写真を撮ったあと,小屋に戻ると,他の宿泊客も皆さん起き出して,それぞれ食事をしたり出発の準備をしたり。私も,お茶漬けの朝食です。そのあと,荷物をザックにまとめて,日の出の写真を撮るために再び外へ。05:19に悪沢岳山頂から朝日が昇ってきました。この時期だけに見られる朝日だそうです。皆さんと一緒にカメラのシャッターを切りました。 ・ 日の出の写真のあとは,空身で中岳山頂を往復です。山頂からは,北には塩見岳や仙丈ヶ岳など南ア北部の山々,南には巨大な赤石岳の姿がはっきりと見えます。本日も快晴です。管理人さんにお礼を言って小屋を出発したのは06:05になっていました。 ・ 中岳避難小屋から悪沢岳に向かうルートは,痩せた馬の背の鞍部まで130メートルほど下ってから,山頂まで岩場を約200メートル登り返します。登りの途中には,ニセピークがあって騙されますが,そこから振り返った中岳の眺めはなかなか素晴らしいです。 ・ 悪沢岳山頂には,07:00に到着しました。避難小屋からは55分かかりました。標高は3,141メートル。南ア南部の最高峰です。山頂は岩が堆積していて,広々としています。もちろん眺めはバッチリです。南東側には,岩だらけのルートの先に丸山への下りが良く見えています。そしてその先には,富士山の端正な姿。この先,千枚岳まで,富士山の姿を望みながらの下りとなります。 ・ 山頂には10人ほどの登山者がいて,歓声を上げています。頼まれてカメラのシャッターを押したりしながら,15分ほど休憩した後,07:15に山頂をあとにしました。ここからは岩稜地帯を下ります。大きな岩を越えながら歩いていると,次々に登山者が登ってきました。千枚小屋に宿泊した方たちのようです。 ・ 岩稜地帯を過ぎると,丸山を経て千枚岳手前の尾根道までは,のんびりした散歩道のような歩きやすいルートになります。丸山山頂には07:40に到着。振り返ると,大きな悪沢岳の姿が実に雄大で立派です。 ・ 千枚岳手前の尾根道を下っていくと,途中から険しい岩場の道に変わります。周囲にはタカネビランジやタカネナデシコなどの花々がたくさん咲いていて目を楽しませてくれますが,気を抜くと転落するような場所がありますので,注意しましょう。特に,山頂手前の垂直に近い岩場の登りは,ストックを持っていると三点確保が難しいので,たたんでザックサイドに収納しておきましょう。ここは足を踏み外すとそのまま下まで一気に落ちてしまうようなイヤなところです。 ・ 千枚岳山頂には,08:20に到着しました。テント装備の登山者が二人休んでいました。話をすると,昨晩は千枚小屋でテン泊し,今日は荒川小屋だそうです。赤石岳を越えて,できれば聖岳まで足を伸ばしたいと言っていたので,この先のルートの状況について話をしました。 ○ 千枚岳〜千枚小屋〜見晴台〜さわら島 ・ 08:25に山頂を出発し,千枚小屋を目指します。山頂直下に赤石岳や悪沢岳を一望できる場所があったので,そこで写真を撮り,その後はダケカンバの林の中を下ります。マンノー沢の頭からのルートを左に分け,お花畑を通過すると,08:55千枚小屋に到着しました。 ・ 千枚小屋は昨年6月に全焼してしまい,今はプレハブ営業をしています。この西隣に「月光荘」という木造2階建ての別棟があり,ここを宿泊用に使用しているようです。テン場は従来どおり使えます。トイレや水場もきれいです。プレハブ小屋手前のテーブルで15分の休憩としました。フルーツゼリーとバウムクーヘンでカロリー補給をし,アミノバイタルで水分補給です。 ・ 時刻は午前9時を回っています。さわら島から畑薙ダムへのバスは,午後は13:00と14:00の2本となっていますが,千枚小屋からさわら島までのコースタイムは5時間45分。最終バスには間に合いそうにありません。でも指導標には4時間と書いてあります。できれば最終バスに乗りたかったので,休憩も早々に09:10に千枚小屋を出発しました。 ・ このコースはだらだらした傾斜の緩い道が続くので,なかなか標高が稼げません。それでも,駒鳥池を過ぎ,快調に飛ばして10:05には見晴台に到着。ここまで1時間弱です。地図のコースタイムが2時間半なので,このペースなら,バスに間に合いそう。 ・ このあと,唯一の水場である清水平には10:40に到着。さらに小石下の先の林道を11:45に横切り,13:00発のバスに間に合うかもと期待がふくらみます。ところが,そこから先が地図のルートと違いました。マップでは沢沿いを歩くようなコースとなっていますが,私が歩いたのは,送電線の鉄塔が建つ,標高1,437メートルのピークを越えるコース。そのため,90メートル以上の登り返しとなり,かなり時間がかかりました。私のコース取りの間違いなのか,それともそういうルートに変更になったのか? ・ とにかく余分なアップダウンがあったため,滝見橋の登山口に着いたのは12:51となり,さわら島13:00発のバスは諦めました。ここからは林道を10分ほど歩き,さわら島ロッジに到着したのは13:03でした。13:00発のバスはまだ発車していませんでしたが,お腹が減っていたのでレストハウスでお昼を食べることにしました。 ・ 結局,最終バスはこの日出発時刻が変更され,14:30発となり,実際には10分ほどさらに遅れて出発です。それでも沼平には15:30に到着しました。このあと荷物を車に積んで,新しくなった赤石温泉白樺荘(500円)で汗を流してから帰りました。 ○ さわら島情報 ・ レストハウスではチキンカレー(700円)を食べましたが,とてもおいしかったです。そのほかのメニューとしてはそば・うどんがありました。生ビールは600円です。 ・ レストハウス前の芝生の広場がテン場となっています。とても広々としていて気持ちよいところです。トイレと一体となった自炊棟が整備されていて,快適に使えそうです。 ・ 登山小屋は広くて快適そうです。水場も目の前。ビールはトイレ兼自炊棟に自動販売機があります。風呂も入れるようなので,自炊の用意があればロッジよりもリーズナブルです。 |
写真
横窪沢小屋。とても清潔な小屋でした。小屋前で,オニギリを食べていたところ,小屋の奥さんにお茶をご馳走していただきました。緑茶の甘みがおいしかったです。ご主人とはこれから登るコースの話で盛り上がって,結局30分も休憩してしまいました。小屋の皆さんのご親切,とても心にしみました。ありがとうございました。
樺段で28名の小学生とその引率者の団体に出会いました。横窪沢小屋に泊まり,本日快晴の茶臼岳に登頂したとのこと。昨日はあの畑薙大吊橋を渡ったそうです。小学生でも渡れるのですから,大人は「怖い」なんて言っていられないですね。
茶臼岳です。茶臼小屋では携帯電話は通じないですが,10分ほど歩いて稜線に出れば,FOMAが通じると聞き,稜線まで登り,家人にメールしました。その後,ガスが急速に晴れてきて,茶臼岳が見えました。
09:16 小聖岳に到着。ここで,百間洞から歩いてきたという,ツエルト縦走の方と会いました。シュラフは使わずカバーのみとするなどの徹底した軽量化で,広河原〜三伏峠〜百間洞を2日で歩き,本日は3日目だそうです。すごい超人もいるものですね。
13:08 兎岳避難小屋。当初は,ここに泊まろうかと考えていたが,まだ時間があるので,百間洞を目指すことにした。それにしてもコルから兎岳避難小屋分岐までの登り返しは,バテバテとなり,45分もかかってしまった。本日のメインである聖岳を登って安心したのと,午前3時半からの長時間歩行の疲れがきたのが原因だろう。
「ビールってこんなにおいしいの?」というほどの感動を味わいながら,飲み干しました。ちなみに私は缶から直接飲むことはせず,必ずチタンカップに入れてから飲みます。これで格段に旨くなります。
水場近くのテーブルで中華三昧のランチタイム。時間はたっぷりあるので,1時間20分も休憩しました。小屋で買ったプレミアムモルツ500CC(800円)を,水場の冷たい水で冷やして飲みました。うまかった〜!なんだかビール三昧の山旅です。
今夜の夕食は,無印の「ごはんにかける豚味噌炸醤」と海藻サラダ&みそ汁。なかなかおいしかったです。もちろん食事の前にアサヒスーパードライの500CCを2本購入して飲みました。本日は,朝・昼・晩とビール付き!登山が目的なのかビールが目的なのか・・・答えは両方です!
翌朝04:15。中岳避難小屋から見た,夜明け前の悪沢岳と富士山のシルエットです。避難小屋は標高3,060メートルの稜線上に立っているだけに,素晴らしい眺めです。でも寒かった。この朝の気温は摂氏2度だったそうです。ダウンジャケットが活躍しました。
13:03 さわら島ロッジに到着。13:00発のバスはまだ発車していませんでしたが,お腹が減っていたのでロッジでカレーライスを食べ,最終バス(通常14:00発ですが,このときは30分遅れの14:30発となりました)に乗りました。
撮影機器:
感想
・ 荒川三山や赤石岳は7年前に2泊3日でテント縦走をしています。聖岳は4年前の秋に日帰り登頂し,上河内岳〜茶臼岳〜光岳は3年前の秋に1泊2日でテント縦走をしています。このように,南ア南部の主なピークはすでに登ったことがあったのですが,最深部ともいえる赤石岳〜兎岳〜聖岳を縦走していないことが,ずっと心残りでした。そこで,今回,畑薙大吊橋をスタート地点とし,茶臼小屋〜上河内岳〜聖岳〜赤石岳〜悪沢岳と縦走し,さわら島に下山する南ア南部のゴールデンコースを歩くことにしました。
・ 2泊目を兎岳避難小屋泊とすることで,3泊4日の日程を組みましたが,結果的に百間洞まで足を伸ばせたので,3日目以降の日程がずいぶんと楽になりました。
・ 天候にも恵まれ,素晴らしい展望を満喫することができました。このコースは,テント縦走でこそ,達成感がみなぎる素晴らしいコースです。ぜひ皆さんもトライしてみて下さい。
・ このエリアは山が深く,携帯電話での通信は困難と思っていたのですが,信州側との境界の稜線では,ほとんどの場所でドコモのFOMAが通じるようです。時代が変わりましたね。聖岳の山頂からは,職場の部下に仕事の状況確認をすることができました。本当はしたくなかったけど。
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チシマギキョウ
コイワカガミ
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ミヤママンネングサ
りきまる


















突然お邪魔致します、質問コーナーの方から引き寄せられてきました。
写真、どれもこれも素晴らしいですね!!(>▽<)
思わずお気に入り登録させて頂きました。
(題名は『素晴らしすぎる南アルプス縦走』です。)
山も空も緑も花も。。あんなすごい景色を見たら、私は絶対叫んでます(笑)
山小屋やルートの説明もとても参考になりました。
南アルプス、まだ一度も行った事ないのですが、いつか絶対行こうと思いました。
すごいレポを見せて頂きました、有難うございました〜!(^▽^)
ittiさん
コメントへの返信が遅れ、申し訳ありません。
私の拙い登山記録を気に入って頂けたようで、とてもうれしいです。
南アルプスは、重厚長大な稜線歩きが魅力的です。
そしてこのコースは,テント縦走でこそ,達成感がみなぎる素晴らしいコースです。
いつか挑戦してみてくださいね。
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