北ノ俣岳 〜飛越新道はワイルドでした〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 1,408m
- 下り
- 1,388m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛騨古川より国道41号線、471号線で神岡町。 神岡町から県道484号線で飛越トンネルへ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
神岡町から飛越トンネルまでは、多少狭い部分がありますが路面状態は良く問題ありません。 |
その他周辺情報 | 割石温泉は月曜日が定休日。 なので流葉温泉に行きました。 |
写真
感想
当初テン泊で飛越新道から黒部五郎、雲の平周回を計画していたのですが、体調不良で頭痛がひどくなり、北ノ俣岳ピストンとなってしまいました。
6日土曜日は移動日にして飛騨清美ICから、飛騨古川、神岡町を経由し夕方に飛越トンネル前に到着、夕食を済ませて20時ごろから就寝しようとしたのですが、気温が高かったせいかうまく寝付けず、22時すぎからようやくウトウトしたのですが、寝たり起きたりで熟睡できませんでした。
朝3時に起きると満点の星空になっており、台風が近づいていたことから天候を心配していたのですが杞憂だったようです。
夜半に車が1台到着されたようですが、まだ就寝中のようです。
寝不足でぼんやりしながらクマ鈴を付けてスタート、北ノ俣岳までCT6時間の昇りになります。
最初笹ヤブの中を上るのですが、朝露で水浸しになりながら標高を上げていきます。都合5日間の食料とテン泊装備が20垓瓩になっておりスピードが上がりません。
30分ほどで最初の標識を過ぎ、電力線の巡視路を過ぎてからアップダウンが続き、神岡新道との分岐まで3時間かかりました。
ここで大休止を取り水分補給と行動食を食べ登りに備えます。
辺鄙な飛越新道でこの時間だと前後に歩く人はなく一人きりで、周囲も真っ暗ですが不思議と怖さはありませんでした。
分岐からはアップダウンはあるものの傾斜は緩み気味、代わりに泥濘が所々現れ
これを避けるのに苦労します。
みなさんのレコにもありましたが、登山道の真ん中に普通に水芭蕉が生えてます。
登山道というより湿地や沼に近い状態のところもあり、歩きずらいことこの上なく、勝手に「泥濘ロード」と名付けました。
また、泥濘ロードには丸太の輪切りが埋め込まれており足場が作られているのですが、これがやたら滑ります。それもリカバリが効かないほど激しく‥。
私は重荷のせいもあり、危うくスッ転びそうになりましたが何とかヒザを突き持ちこたえました。ここで転倒すると悲惨なことになります。
この丸太の足場は上から荷重をかけるだけにしてください。荷重が鉛直方向から少しでもズレるとフリクションが一気に失われ、これでもかというくらい滑ります。
そんなこんなで泥濘を避けつつ寺地山に上り詰めたあたりから明るくなり風も通りだしました。
周囲も樹林の丈が短くなり見通しが効いてきます。所々樹林が消え草地が現れ高度感が増してきます。
樹林が切れだしたあたりから右手に稜線が見えだし思わず「あっ、稜線」と独り言が出てしまいます。
そうするうちに北ノ俣岳避難小屋との分岐に到着です。
ここから上部は這松の低灌木と草原だけになり視界が一気に開け稜線が一望できます。
ここでザックをおろし大休止しつつ、避難小屋の水場で水を補給します。
ついでに小屋の内部を覗くと8帖ほどの板張りで、奥の扉の向こうに手洗いも完備しています。清掃も行き届いており小奇麗な感じです。
分岐で腰を下ろし朝食を食べていると、ホシガラスがやってきてギャーギャー鳴いています。ひとしきり鳴いた後どっかに飛んでいきました。縄張りを主張していたのかもしれません。
この時点で若干頭痛と吐き気があったのですが、とりあえず北ノ俣岳までは行こうと昇りはじめます。
最初は木道が敷かれておりこれを上っていきますが、所々鎹が抜け木が固定されておらず、ガタついたり完全に木道が崩壊している部分もあり、踏む前に探りながら登る必要があります。
池塘を過ぎたあたりで木道も終わり、深く抉れた登山道が続くあたりから二つほど肩を越えると稜線上のピークが見えてきます。
何とかここを上り切った途端、目前に北アルプスの主峰群の大展望が一気に広がり、思わず声が出ます。
西から薬師、赤牛、水晶、ワリモ、鷲羽、三俣、五郎が見渡せ、間から後立山や槍も見えます。
太郎平や薬師から見た光景とまた少し違っていますが、ここからも角度が違って見ごたえがあります。
上り詰めたピークから前方には縦走路の木道が左右に走っており、左は太郎平や薬師方面から、右は五郎や三俣方面から往来する人々が通過されています。
北ノ俣岳は縦走路を右手、南に15分程度行ったところにあり、のんびりピークに向かいます。
西側からガスが上がってきますが、稜線にぶつかって消えるため水晶側は終始晴れ渡り最高の縦走路歩きです。
北ノ俣岳ピークでは往来の人々が足を止め展望に見入ったり、腰を下ろして食事をされたりで賑わっており、自分もここで腰を下ろし大休止です。
結局約1時間ほどピークにいたのですが、頭痛は治らずひどくなっている感じもしたので、周回はあきらめ一旦避難小屋に下り宿泊することにしました。
そうと決まれば下りは小一時間なので、頭痛をやりすごしながらのんびりメールをしたり展望を楽しみ、15時前に避難小屋に入りました。
小屋ではすることもないので、ラジオを聴きながらマットの上でうたた寝をしたり、ごはんを焚いて食事をしたりしてのんびり過ごしていると、夕方に年配の男性が入ってこられました。
この方は岐阜から来られ明日薬師に登る予定で今晩宿泊されるとの事。
日曜日だったのでたぶん一人で宿泊だと思っていたところ、思わぬ話相手ができました。日が暮れた7時頃に就寝するまで、山にまつわる話を色々させていただき楽しく過ごせました。ありがとうございました。
翌朝は3時頃一旦手洗いに起き、寝なおした後4時に起床。
今朝も快晴の様子で同室の方は5時すぎに出発されました。
自分は昨日より調子は良くなりましたが、まだ本調子ではなく五郎岳まで行けなくもなかったのですが、明日以降で体調不良に陥ると帰れなくなるため下山することにしました。
食事をし荷物を整え小屋の中を掃き掃除し戸締りをして6時に小屋を後にします。
外に出て稜線を見上げると晴れ渡っており、結構迷いましたが下山することにします。下界も晴れておりやっと天候も夏の安定期に入ったようです。
ここからは順調に下りをこなし9時半すぎに登山口到着。
帰りは道の駅宙ドーム・神岡で食事と家族にお土産を買い、割石温泉に立ち寄りましたが月曜は定休日だったため、国道41号線沿いの流葉温泉に浸かり帰宅しました。
予定通り周回出来なかった点は残念でしたが、静かでワイルドな飛越新道を体験出来た事と北アルの主峰群を眺めることができ、殊の外満足な山旅でした。
おわり
コメント
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秋の山行、楽しみです🎵
はい、奥大日から間近に見える剣、見てみたい。
雲の平、楽しんできて下さい。
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