鋸岳(バリエーション)〜甲斐駒縦走
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 2,528m
- 下り
- 1,454m
コースタイム
- 山行
- 9:08
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 11:06
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 9:22
天候 | 20日晴れのち雨のち曇り、21日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
戸台〜鋸岳〜甲斐駒ケ岳〜北沢峠 のルートです。中ノ川乗越で幕営しました。 逆ルートだと、六合石室で宿泊できますので、そのほうが快適かもしれません。 ただ、最後の角兵衛沢の下りはガレガレで歩きにくいと思います。 戸台P〜角兵衛出合までは、戸台川の水量や状況によりますが、今回は危険なところはありませんでした。テープも要所要所についています。堰堤を左岸と右岸のどちらから超えるかがポイントです。 角兵衛沢は上部がガレガレで、1歩進んではずるずる落ちるのでかなり神経と脚力を消耗します。逆ルートで下りになると怖いかもしれません。 第1高点から第2高点まではけっこうな雨のためかなり石や土がすべりました。 浮石も多くつかんだ岩もぼろぼろ崩れる(剥離する)ので要注意です。 小ギャップの下り(鎖あり)は、逆層でかつ雨なので、懸垂下降(30mロープ)で降りました。鹿窓の下りは鎖でクライムダウン。 鹿窓ルンゼの下りとルンゼの横断、大ギャップからのルンゼ(ガレ)との合流、その横断、第2高点への登り地点のルートファインディングが核心です。 リボンやテープをよく探してください。 どうやっても歩けないような危険なガレや、藪漕ぎ、登れない草つきなどに出たらルートミスです。 中ノ川乗越から甲斐駒ケ岳までは危険度は下がりますが、樹林帯でルートミスしないように。 明瞭な踏み跡でもまちがっているものがあります。基本尾根線からはずれないように、コンパスで方向を確認してください。ところどころテープもありますが、鋸→甲斐駒ルートでは見つけにくいかもしれません。(逆ルートのほうがみつけやすいかも) 六合石室から甲斐駒への縦走路にでるには、石碑の砂礫地と石室の間の踏み跡に戻り、稜線へあがる横道をみつけます。木にピンクリボンがあります。 私は石室の先に道が続いているのかと思い、ちょっと迷いました。 石室から甲斐駒までは、石も安定してフリクションも効き、鋸岳周辺に比べてかなり登りやすくなります。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
8/20(土)
◆戸台P〜角兵衛沢出合 (約2時間)
出だしは快晴です。戸台P (1160m)〜右岸の広い砂利道を歩きます。最初の堰堤は眺めるだけで通過。
左岸に発電所?のある白石堰堤は、そのまま右岸の砂利道で越えます。(左岸の階段を登っても越えられるようです)
白石堰堤のすぐあとに、第3の堰堤が続きます。これも右岸のまま越えます。
第3の堰堤の左側(右岸)には丸太の階段があり、それを登ります。
今回は、砂利道が草木で覆われてそのまま直進できなかったので、いったん堰の真下におりてから(水量は少なく問題なし)右岸に登り返して通過しました。
第3の堰堤を乗り越すと、幅広の河原に出ます。次の堰堤は左岸(右側)を越えるため、渡れそうなところで川を渡っておきましょう。茶色い堰堤の手前(ピンクのリボンがあるあたり)で左岸の土手にあがります
土手を歩くと、自然に第4の茶色い堰堤(第1号床固)の左岸(右)を越えることになります。
以降、角兵衛沢の出合まで、左岸の樹林帯を踏み跡に従って歩きます。ところどころ途切れいるので、適当に河原におりたり戻ったりして左岸を進みます。
戸台Pから約1時間50分で角兵衛沢出合に到着。「鋸岳登山口 角兵衛沢出合」の白いプレートが木につけられており、木の道標もあります。
河原に、白ペンキ〇印のある黄土色の三角の岩(岩の上にケルンあり)、および木の棒が束ねてやぐら状に組まれているところがあり、そこが渡渉点。靴をぬがずに渡渉できるところを探して渡ります。
対岸には、1mくらいの大きなケルンがあります。角兵衛沢の入り口(1301m)で、木の赤テープのところから斜面に取付きます。
◆出合〜角兵衛のコル (約4時間30分)
赤テープにしたがって、樹林帯の中を涸沢の左岸や右岸を渡り返してジグザグに登っていきます。途中、木に赤い金属プレートで、「角兵衛1合目」「横岳峠へ」の赤い看板、「大岩小屋へ 1476m」等あり。「大岩小屋へ」のプレートのそばには、赤ペンキで「ノコギリ→」と書かれた岩もあります。
この後も、「角兵衛沢コルへ」「大岩小屋へ」などの看板が続きます。
斜面取付きから1時間15分くらいで、樹林帯から出て視界が開けます。徐々に霧が出て、雨が降ってきました。
上部右手に垂直な絶壁が現れ、これが大岩小屋。このあたりからガレがきつくなり、岩が濡れていると非常にすべりやすいので注意です。
ガレガレの急登を、少しでも歩きやすいところを選んで登ります。
取付きから2時間余で大岩へ。岩壁沿いに右手へ踏み跡を進むと、テントが1張張れる場所と、岩から水が滴っている水場があります。(2232m)
六合石室まで水場がないので、補充していきましょう。
元の場所に戻り、絶壁を左に巻くと長い急登のガレ場。ここからガレはさらに崩れやすくなります。右の草つきルートがあるように見えますが、それもそこそこ悪く、ガレ場を登るかまたは右側の草付を登るかは悩ましいところです。
4足歩行でようやく登りきると角兵衛のコル。大岩から約2時間。
◆角兵衛のコルから第1高点〜小ギャップ〜鹿窓 (約1時間20分)
ここから右の踏み跡を登ると15分ほどで 第1高点(鋸岳 2685m)。
そのまま狭い尾根を進むと、小ギャップの上に出ます。(鎖あり、8mくらい。鎖に残置の細引きあり、懸垂支点にできる。Webに残置カラビナがあるという記載もあるが、このときはなかった。)
かなり垂直の壁で、逆層になっているので、鎖を持ってもクライムダウンは厳しそう。雨で岩が濡れてすべることもあり、懸垂で下降しました。
そのまま対岸の鎖を登り返します。鎖の最上部まで行かずに、途中から左側の草付を歩くと楽。
登りつめたらナイフリッジの岩。これを左側にのりこして甲州側をトラバースします。ナイフリッジの左側には狭い土の足場があるので、1段分そこに降りるかんじです。
ここをトラバースしていくと鹿窓に出ます。 鹿窓をくぐると鎖あり (20m) 。ここは鎖を掴んでのクライムダウンを行いました。距離が長いので、腕力をなくさないように。
この鎖にも懸垂用の残置細引きが、鎖の途中を含めて2,3か所ありますので、懸垂下降も可能です。
(積雪期は、くぐらずに左上をのぼると第3高点、大ギャップの懸垂地点(20m懸垂、懸垂支点2か所と残置細引きあり→懸垂後 右のルンゼを100mほど下る。)
◆鹿窓ルンゼの下降から大ギャップルンゼへ至るトラバース、第2高点まで
(約1時間←ルートミスによるロスタイム除く)
鎖がなくなったところから、降りたルンゼの右手の草付の斜面に踏み跡が続きます。ここからまわりこんでルンゼを下っていきます。木にテープがあるのでそれをたどります。
テープに従って回り込んでいき、最終的にルンゼ中央をトラバースしてルンゼ左側の岩壁に至ります。
(今回は雨で岩が濡れており、このルンゼ中央の横断箇所がナメのスラブと化し、非常に滑りやすかった)
岩壁に沿って、狭いトラバース道をたどります。左の岩角がザックの荷物にあたらないよう注意。
岩壁が終わったところで大ギャップからのガレ(ルンゼ)に合流します。左手に大ギャップが見えます。
(※甲斐駒側から鋸岳に行くルートの場合、このトラバース道がみつけにくいかもしれない)
大ギャップルンゼのガレを横断します。
降りすぎたり登りすぎたりしないこと。おそらく、トラバースした対岸(ルンゼ左岸)からそれほど降りないところに、オレンジのリボンが2個つけられ、赤矢印の書かれた岩があります。(この岩をみつけられずに下ってしまい、かなりロスしました。下りの場合、振り返らないとみつけにくいかもしれません)
この頃、かなりしっかりとした雨となり、ルンゼのスラブはナメ滝のようになっていました。ホールドにしていた左右の岩からも水がしたたり落ちて、レインウェアの手首に入ってきます。
この岩をまわりこんで登ります。
左の岩壁に沿って登るのではなく、右の草付(樹林帯?)の踏み跡を登っていきます。
踏み跡は次第に左に曲がり、ガレ場となり、剣のある第2高点に到着です。 (2878m)
◆第2高点から中ノ川乗越まで (約1時間)
第2高点から東へハイマツ、下草の踏み跡をたどります。途中、木に「中の川越へ」の白い金属プレートあり。
踏み跡に従ってさらにガレ場のルンゼをどんどん下降すると、やがて広いルンゼに行き当たります。ここが中ノ川乗越であり、右手(南側)に下っている幅広のルンゼ(ガレ)が熊穴沢です。
下降してきた道を見上げると、長いガレの急斜面。逆ルートだと、ここを登らなければなりません。
中ノ川乗越には赤字で「中ノ川」と書かれた岩がありますが、字が薄くて見えにくい。
この岩の北側に、テントが1張くらい張れる場所があります。たぶん他にも数張可能な場所がありそうです。
私はここから甲斐駒ケ岳方面に少し(5〜10m?)登った右手に、テント1〜2張程度の平坦地があり、そちらで幕営しました。 コルよりも平坦でなかなか良い幕営地です。
夜には雨もやみ、星も出てきました。 南東の高い位置には仙丈小屋の明かりも見えます。
靴も靴下もズボンの裾もびしょびしょでしたが、風もなく寒くもなく、なかなか良い幕営でした。
8/21(日)
◆中ノ川乗越から三つ頭(約1時間)〜六合石室まで(約1時間10分)
幕営地からは樹林帯の急登の踏み跡を登ります。
三ツ頭までは危険なところはありません。
三ツ頭分岐に烏帽子岳との分岐の道標あり。甲斐駒ケ岳方向に進みます。
ここから六合石室までは、樹林帯の踏み跡とところどころにある木のテープを追います。
テープは要所要所にありますが、間違った方向に進む踏み跡もあるので、尾根線からはずれて下るような踏み跡には入らないように注意してください。
テープ、リボンは、甲斐駒→鋸方向の縦走向けにつけられている場合が多いように思います。
鋸→甲斐駒ルートの場合、分岐点ではなく、少し先にテープがついていることが多いので、先までよく見ることが重要。
石碑のある砂礫地にでると、六合石室はもうすぐです。(5分くらい)
砂礫地の先は再び樹林帯になりますが、樹林帯に入る手前の右側(南側)のハイマツに白テープと踏み跡があります。これが水場への道。踏み跡あり。
けっこう急な道のようです。
砂礫地を通過し、再び樹林帯を進むと六合石室脇にでます。広く、石つくりの堅牢な石室です。ここ道は行き止まりとなります。
ここから甲斐駒ケ岳方面へ進むには、来た道を少し戻らなければならなりません。
砂礫地と石室の間の道に、木にピンクのリボンが重ね付けされている箇所があり、そこから北側に登る踏み跡があります。石室からルートに戻るには、このT字路に戻り、北側の踏み跡を登ります。
◆六合石室から甲斐駒ケ岳まで(約1時間50分)
T字路から登ると石室の上部の尾根に出ます。大きな岩々を越えますが、鋸岳周辺と違い、徐々に花崗岩の岩となって、浮石も少なく歩きやすくなります。
石室から30~40分ほどで、長い鎖の急登があります。鎖をつかまないと厳しいかもしれません。また、下りの場合はいやらしそう。
これを登り切ったら右手へ。この後、鎖のある岩場のトラバースもありますが、ここは容易で問題ありません。
甲斐駒ケ岳までは、ひたすら踏み跡を登ります。踏み跡は複数に分岐するので、ケルンなどでルートを選ぶこと。
祠のある山頂がみえてから、さらに登るとようやく甲斐駒ケ岳の頂上です。
山頂に出たところには、「鋸岳(要注意)5時間40分」と書かれた木の道標があります。
甲斐駒ケ岳から鋸岳に行く場合は、この道標の示す先の狭いハイマツの踏み跡を下ればよいのですが、踏み跡は上からは非常にわかりにくいので、よく見て探さなければなりません。
◆甲斐駒ケ岳から北沢峠 (約2時間40分)
あとは一般登山道を下ります。
摩利支天分岐、六方石、駒津峰、双児山経由で北沢峠に下山。
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