北沢峠〜甲斐駒ヶ岳〜鋸岳〜戸台
- GPS
- 12:11
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 1,986m
- 下り
- 2,948m
コースタイム
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 12:09
実際の距離は18〜20km程度だと思います。
天候 | 快晴→晴れ&ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
●徒歩:戸台駐車場〜戸台大橋バス停(約1km/15分程度) ●バス:戸台大橋〜北沢峠(1170円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●北沢峠〜甲斐駒ヶ岳(仙水峠経由) 北沢峠から広河原方面に下り、長衛小屋(旧北沢駒仙小屋)を経由して しばらく沢沿いのルートを進むと仙水小屋へと至ります。 仙水小屋から樹林帯を進むとやがて岩ゴロの道へと変わり 駒津峰と栗沢山の鞍部である仙水峠へと至ります。 仙水峠から駒津峰までは高低差およそ500m弱。 樹林帯を登り標高2700m付近で森林限界を超えるとほどなく駒津峰に到着。 ここで双児山からのルートと合流します。 駒津峰からいったん鞍部まで下りほどなく直登ルートと巻道ルートの分岐があります。 直登ルートはこの分岐をまっすぐ進み、岩稜帯の尾根登りが始まります。 標高2900m付近から足元は花崗岩の中の砂礫帯へと変わり甲斐駒ヶ岳山頂へと至ります。 ●甲斐駒ヶ岳〜三ッ頭 急坂を下り砂礫とハイマツ帯と岩場の稜線を進みますが、 ほぼ稜線を忠実に辿って徐々に高度を下げていきます。 甲斐駒山頂からの下り出しが少しわかりづらいかもしれません。 2750m付近で岩壁を10mほどクサリに頼って下る箇所があります。 このクサリ場を過ぎてさらに標高差200mほど下ると六合目石室小屋が眼下に見えます。 六合目石室小屋を過ぎると森林限界を下回り樹林帯に突入します。 西側が切り立った稜線を進み小ピークを2つ通過して三ッ頭へと至ります。 山頂から少し下ったところに鋸岳方面と烏帽子岳方面への分岐道標があります。 ●三ッ頭〜鋸岳(第2高点) 三ッ頭から鬱蒼とした樹林帯の中をほぼ稜線上に高低差50mほど下り、 鞍部から高低差80mほど急登し熊ノ沢ノ頭へと至ります。 熊ノ沢ノ頭から中ノ川乗越までは進行方向左手が切れ落ちた急坂を 高低差120mほどを急降下。中ノ川乗越からは樹林帯から急にガレ場へと変わります。 中ノ川乗越から第2高点まではマーキングもなく、 どこを登るのかすぐに分かりませんでしたが、 じっくり観察すると正面のガレた涸沢を直登するようです。 登り始めると消えかけたマーキングが残った岩があったり、 うっすらと踏み跡が残っており、ガレ沢の左岸側を進んで行きます。 下部はガレが激しく難儀しましたが、中間部の草付からは多少登りやすくなります。 草付を過ぎると進行方向右手の岩峰を見送り尾根に取り付くとほどなく第2高点に到着です。 第2高点は鉄剣が立つのみで道標などはありません。 ●鋸岳(第2高点)〜鋸岳(第1高点) 第2高点より南西に延びる尾根に向かって下り、 途中から山腹を巻くように灌木帯を高低差150mほど急降下して 大ギャップルンゼまで下ります。 ガレたルンゼ内を左岸から右岸へと渡り、10〜20mほど右岸に沿ってさらに下ります。 その後、岩壁の基部にあるバンドを渡り、鹿ノ窓ルンゼへ移動します。 鹿ノ窓ルンゼはルンゼ内を直登することもできますが、 右岸まで渡ると草付に踏み跡が付いていて、こちらから回り込む方が安全。 上部でルンゼに戻りクサリの末端へと至ります。 このクサリに沿って岩場を上部まで登り稜線の戸台川側(長野側)から 鹿ノ窓をくぐって中ノ川側(山梨側)へ出ます。 鹿ノ窓のルンゼはホールドやスタンスがしっかりしているので danyamaはクサリを使うことなく登ることができました(komemameは使用)。 鹿ノ窓を通過して稜線の山梨側の岩場を登るとすぐに小ギャップへと至ります。 小ギャップの第2高点側にはクサリが付いていますが、 このクサリを使う必要はなく脇の草付を下れば問題ありませんでした。 小ギャップの底から第1高点側はほぼ垂直の岩壁に付けられたクサリを登ります。 こちらもdanyamaはフリーで登ることができましたが下る場合は クサリを使って懸垂する必要がありそうです。 小ギャップを通過すると稜線上もうひと登りして第1高点に到着です。 ●鋸岳(第1高点)〜角兵衛沢渡渉点 第1高点より三角点ピークとの鞍部である角兵衛沢ノ頭まで120mほど下ります。 ここから稜線を外れて角兵衛沢を下ります。 角兵衛沢は極悪。超ガレガレで滑りまくり。大きな石の上に乗っても余裕で動きます。 自打球ではなく自落石(自分で落とした石が自分に当たる)しまくり。 途中樹林帯に逃げることができる箇所も何箇所かありましたが、 標高1800m付近までは落石を起こしながらのガレ場の下りになります。 その後、樹林帯に入るとピンクテープが頻繁に付いていて追いかけながら下ると 角兵衛沢渡渉点へと至ります。 ●角兵衛沢渡渉点〜戸台 角兵衛沢渡渉点から戸台川の左岸に渡る箇所で靴を濡らさずに渡れそうなところを 探すのに時間がかかり20分ほどロス。 danyamaはジャンプで靴を濡らさずに渡れましたが、komemameは靴を濡らしながら渡渉。 戸台川の河原歩きは前半は基本左岸を進み、後半は右岸を進みます。 第2堰堤前後で2〜3回渡渉がありましたが、靴を濡らすほどではありませんでした。 |
写真
感想
鋸岳は2年前に釜無川から登りましたが、その時は第1高点止まり。
次に登る時は第2高点を絡めて鋸岳のおいしいところを歩きたいなぁと。
せっかくだから甲斐駒ヶ岳から縦走して稜線をつなげようということで
ちょっとラクさせてもらい北沢峠からのスタートとしました。
5時過ぎに仙流荘の前を通るとすでにバス待ちの大行列。
バスに乗れるか心配しながら、戸台の駐車場にクルマを止めて、
1kmほど来た道を戻って戸台大橋のバス停に到着。
バス停には係の方がいて、仙流荘に連絡を入れてくれました。
「一番早く2人が乗れるバスは1人は補助席、
もう1人は乗降口ドアの段差に座る形になっちゃうけどそれでもいい?」とのこと。
早く北沢峠に着きたいのでこのバスに乗りましたが、
横向きで小一時間揺られ続けているとちょっと気持ち悪くなりました。
北沢峠に到着してバスから降りるとビックリ。寒い!
ダウンを着込んでる人もいます。
そんな中、ひとりだけ半袖なものだから歯がガチガチ鳴り始め、
カラダを暖めるために先を急ぎます。
まずは仙水峠経由で甲斐駒ヶ岳へ。
甲斐駒には年に1回ほどのペースで登ってますが、ここのところは黒戸尾根ばかり。
久しぶりに北沢峠から登りました。景色はこちらの方がいいんだな。
山頂から鋸への縦走路に入ると、
これまでの喧騒が嘘のように静かな稜線歩きとなります。
鋸岳まで出会ったのは3組ほど。
去年歩いた時はガスってしまったので、
今回は爽快な気分で六合目岩小屋まで歩くことができました。
中ノ川乗越から核心部に入りますが、第2高点に向けてのルートがわかりません。
尾根筋を進むものという先入観が強くて、
目の前のガレ沢を直登するなんて思ってもみませんでした。
下部はガレガレで難儀しましたが上に登るにつれて歩きやすくなり、
あっさりと第2高点へと至りました。
第2高点〜大ギャップ〜鹿ノ窓〜小ギャップも、
ひと昔前と比べると手が入っているのでしょうか、
注意すれば難しい箇所もなく、
鹿ノ窓直下も小ギャップもクサリを使わず登れるくらい。
とにかくタイヘンだったのが角兵衛沢の下り。極悪だったな。
人間の頭よりひと回りもふた回りも大きな石でも足を乗せると平気で転がります。
人がいないことをいいことに落石メーカーと化してズルズル滑り降りますが、
一向にガレが終わる気配がなく途中からウンザリ。
樹林帯まで下ってフカフカの登山道を歩ける嬉しさといったら。
角兵衛沢がここまでヒドイとは予想だにせず、存外に時間がかかってしまい、
最後は日暮れとの競争になりそうになりそう。
さらに角兵衛沢の渡渉点でkomemameがなかなか対岸に移れません。
上流に行ったり下流に行ったり右往左往しているのを
対岸で眺めて待ってるうちに20分ほど時間が過ぎます。
本人、最後はジャブジャブ渡ってきましたが(笑)
暗い中、目印の少ない戸台川のだだっ広い河原歩きはイヤでしたが、
一度歩いていたこともあり、その時の記憶を手繰りながら、
なんとか迷うことなく19時過ぎに駐車場に無事到着。
土曜日でよかったな。
なぜだか先週の荒沢岳の筋肉痛が
一週間もつづき、前日までうっすら痛かった。
これは体が重そうだって覚悟していましたが、
やっぱり重かった。
足首の痛いのも気になったので、
気合を入れて機能性タイツを履いて歩いてきました。
(↑ほんとに気合入れないとキツくて履きたくない、てか履けない…やば。笑)
この日は先週と打って変わって、涼しい一日でした。
朝はじっとしてたら、歯がガチガチしそうな勢いでした。
当然日が差し、歩いていればたっぷり汗はかきますが、
そよそよと吹く風が気持ちが良い。
いよいよ秋本番です。
甲斐駒ケ岳まではゆるりと歩きやすい道、
さすがのメジャールート、人も賑わっておりました。
山頂からは人の気配がなくなり、秋の山を堪能〜♪
途中ほやほやの熊らしきフンが落ちていたので、ちょっと怖かった。。
この日熊鈴を忘れてしまったので、
danyamaと無駄に大声張り上げて歩きました。
それはそれで楽しく、疲れや少し頭が痛かったのが治りました。
しゃべっていると息は切れるけど、気分転換になって良い。
鋸岳は以前にも違うルートできていますが、
鎖場とかけっこう怖いイメージ。
遠くから垂直に上から下まで長い鎖が伝っているのが見えて、
あんなところ、行けるかなーとか思ったりしましたが、
目の前まできてみると、意外と平気なのでした。
はたから見ていると怖い、あるいはイヤな人なのに、
仲良くなってみると意外と良い人だった、まさにそれ。
何事もお近づきになってみること、経験してみるって大切なのだなぁ、
と、思ったり。
とはいえまだ良く知らない人(場所)なので、
いきなり心を100%許すわけにもいきません。ここは慎重に、慎重に。
第一高点まではなんとなくのイメージがあったけど、
そこから先は未知の世界。
想像以上にすごかった。
今回いちばんたいへんだったかもしれません。
苦手なガレ場がとにかくガレまくっていて、
雪でもないのにシリセードできてしまうくらいです。
でも雪ではないので、危険きわまりない。
そして道が途中不明瞭で、少し手こずりました。
手こずりながらも、danyamaと喋りながら下っていたら、
どこからか「オーイ」と呼び声。
思わず「なに〜!?」って返事をしてしまいましたが、
返事は返ってこず。いったいどこから聞こえてきたの?
明瞭で明らかにこちらに向かって発したものと思われる。
が、人の気配はなし。もちろんdanyamaではありません。
と、『黒部の山賊』の「オーイ」を思い出して、
…ひぃ!恐怖〜!!!今日イチこわい、こわーいんですけどーーー!
danyamaまでも「“オーイ”って返事してたらやばかったかもね」、
「山中にひきずり込まれて帰ってこれなかったかもよ」
とか言うもんだから、背中ゾゾゾーってきました。
あれはいったい何だったのでしょう。
角兵衞沢に降りてきたら、テントを張って宴会している人が何人かいて、
ほっとひと安心しました、、
が、
今振り返ると、この人たちほんとうにこの世に実在する人???
ほんとにこわかったから、いまだ疑ってしまう・・。
さて、
そしてこの日2番目に苦戦したのが、
角兵衞沢の渡渉。
Danyamaひょいひょいと早々に渡って行ってしまったのに
私は渡れる気がまったくしなくて、
上流へ戻ってみたり、下流の方にいってみたり、ウロウロ・・
かれこれ30分くらい経っていたのではないかと思う。
これじゃぁ、ほんとに日が暮れちゃう、
気持ちが急いてきてしまい、もう帰るだけだし、いいや!と、
じゃぶじゃぶ川の中に入り渡りました。
思った以上に水は冷たくて、少し後悔しましたが、
その後も何回も渡渉があったので、それからは何のためらいもなく
じゃぶじゃぶいきました。
最後はタイムリミットであたりは真っ暗ななか歩くことになりましたが、
雲の隙間から見える月が明るく道を照らしてくれていました。
今までも2度下山が暗くなってしまったことがあるけど、
決まって月が明るく照らしてくれている。
これは私にとって何よりもの安心感につながります。
変化もある道で気を引き締めたり、
ときには身の凍る(までいかないが)気分転換があったりと、
ずいぶん長い一日だったなぁ。
おつかれさまでした。
おしまい。
コメント
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鋸は、2回行ってますが、いつも鹿窓の下で間違ってます。8月には、途中で敗退しています。秋の鋸を同じルートで行ってみようと思ってます。参考になりました。
hagakureさん
こんにちは。
秋の鋸いいですね!
ほんのわずかですが、紅葉進みはじめている様子でしたので、
あと少ししたらすごい景色が堪能できそう
レコ参考になりましたら嬉しいです
コメントありがとうございました。
相変わらず、ご夫婦ともにお元気な登山、続けられていますね。
鋸は、先月、仲間たちと行きましたが、やはり、角兵衛沢のくだりには辟易しました。河原歩きは、冬にも何度か歩いているから、荷も軽い分、気になりませんでしたが、あのガレの下りはかないませんねぇ。また鋸には行きたいのですが、ルートを考えなくては、です。
どうか、また安全に登り続けてくださいね。
devilmanさん
こんにちは。お久しぶりです!
devilmanさん最近レコあがらないな〜って思ったら、
たくさんいろいろな山に行かれているんですね
すごいです!うらやましい〜
角兵衛沢の下り
ここはほんとイヤになっちゃいました〜っもうたくさん!!って感じです。
ここは二度といきたくない、、、
けど、鋸は楽しかったから、また行きたい〜、
ルート再考しないとですねーーー。
これからもお互い安全登山たのしみましょう
レコ見ていただいてありがとうございました!
これはまずいですね
正に「黒部の山賊」そのものじゃ無いですか
もし返事していたら今頃は・・・・・。
まあ、ご無事でなりよりでした。
それにしても、角兵衛沢そんなに荒れてますか?
もう何年も行っていないのですが、岳沢から天狗のコルに登るのと同じ程度のガレ具合だと認識していました。
やっぱり崩壊が進んでいるのですね。
ちょっと遅く出て戸台の河原でビバーク。翌日、角兵衛沢から熊ノ穴沢を回るコースが好きなんですが、そんな状態だと私にはもう登れないかもしれませんね
最近あちこちの山で崩壊が進み、昔よく登ったコースが廃道になるパターンが増えてきた様で、寂しい限りです。
話戻りますが、「黒部の山賊」系の体験、私もこの夏しました。
黒部五郎岳の稜線ルートで「謎の女性」に会って挨拶をしたのですが、後から写真を見るとどこにも写っていませんでした・・・。
色々な事があるから、山は楽しいですね
次のレコも楽しみに待ってます。
yamayaさん
角兵衛沢、、登りではなんとかなりそうですけど、
下りは、私の技術では追いつきませんでした
謎の女性、めっちゃ怖いじゃないですか〜、ひょえーーー
写真に写っていないって
コレ系はちょー苦手なもんで、、山では経験したくないです、
楽しいなんておもえませんよーーー、こういう話には目も耳も塞ぎたい!
「黒部の山賊」読んだときも、しばらく怖かった。
忘れかけていたのに、急に鮮明に思い出してしまいましたぁ
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