巻機山/割引沢〜三沢
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 1,060m
- 下り
- 1,044m
天候 | 曇り時々陽射し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・50台程度駐車可 ・トイレ、水場、登山届ポストあり ・休日は駐車場代500円 ・テント禁止 ・関越自動車道/塩沢石打ICを出て左折。道なりに真っ直ぐ走り早川交差点を 右折し国道291を登って清水集落内の巻機山登山口案内を左折。 約10分で桜坂駐車場。紅葉の始まるこれからの休日は早朝から満車が予想。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■割引沢〜ヌクビ沢1210m二俣 ・登山地図には巻機山のいちルートとして一般登山道となっていますが グチョグチョ泥、沢の徒渉、釜のヘツリ、滝の高巻きなどあり 一般登山ハイカーには難しい沢登りルートです。 靴はむしろ濡れてもOKでヌメリでもある程度フリクションの利く 渓流シューズの方がよいでしょう。 〆坂駐車場奥に進むとすぐに井戸尾根ルートとの分岐点。 左の割引沢方面へ進むと部分的にぬかるみがあり早速足がドロヌチャ状態。 左に山小屋風の家屋を2件見送り、笹が刈り払いされた登山道をゆるやかに 登っていきます。 細い沢状を渡りすぐに分岐標識。右は避難道、左が本道の割引沢ルートです。 左に進むと少々急な下降を経て割引沢河原に下り、登山道は沢を徒渉して 反対側の藪の中に伸びています。 我々はここから一旦登山道を離れ沢の中を進みます。 標高860mで右から2段5m滝で出合う支流の手前から釜とナメ滝が次々に 現れ最初のきれいなセクションが続きます。 最初の釜は残置ロープの架かった左(右岸)を容易に巻きます。 続けて釜+トイ状3×12mは左バンドをトラバース、 釜+1.5×3m、釜+5×10mと続き、次の釜+2段6×12mは左の ややヌメリのあるスラブバンドをトラバースします。 このスラブバンドには黒い残置ロープがありますが、切れていたり、 支点のボルトはゆるんでいますので使わないように慎重に足を置きます。 2条V字2×4mを越えると2段10×15m滝、その上は小さくヒョングリ した流れと10×20mウォータースライダー状の滝となっています。 この辺が吹上の滝と言われているところでしょう。 2段10×15m滝は左手の草斜面を登り一旦登山道に上がって、 少し先から弱点を滝の落ち口に根曲がりブッシュ頼りに下ります。 幅広2m、2条2×4m、3×5m、岩間を流れる4×10mと小滝を越すと 急な正面から3本の細い流れが合わさってきます。 登山道は本流沿い左手をこの3本の流れを横断するように赤ペンキマークと トラロープでトラバースしながら付けられています。標高940〜950m辺り。 3箘沢は北から南東に向きを変え3段(上段は3条)25×40mはあろう アイガメの滝がどーんと姿を現します。 登るとなると少し時間も架かりそうなので、左手に巻くように付けられた 巻き道である登山道を登ります。 落ち口を右下に見ながら沢に戻れそうな場所を探しますが、なかなかないので そのまま登山道を進めば1030m辺りで沢に下り、再び沢中を歩きます。 1070mで割引沢とヌクビ沢の二俣。水量比1:1で岩に赤ペンキでそれぞれ 矢印と沢名が記されていました。右のヌクビ沢へ進みます。 登山道は左岸に付けられており、1110mで出だしで分かれた避難道と合流。 1130mで右手から水量比5:1の崩壊気味の支流を合わせると20×50mナメ帯と 釜を持った2段7×12m滝。布干岩でしょうね。 さらにゴーロを進んで1210m三沢(みくらさわ、みつくらさわ)との二俣で 水量比はやはり1:1です。 左手のヌクビ沢には落差20mありそうな行者の滝が架かり登山道サインの 赤ペンキは滝の右手に付けられていました。 一見20mもなさそうに見えますが、見えない上部にも滝の流れは続いており、 また落差というものは見た目よりも実際はあるものです。 測量を仕事でやったことがある人ならこの感覚はわかると思いますが。 ■三沢(1210m出合〜ニセ巻機山直下) けΔ了姻沢に入ると長さ30m近くあるトイ状の流れの先に2段15m滝。 左のグズグズしたバンド状から落ち口に抜けます。(卦蕁檗 1260mで15m滝。1280mで2段15m滝。 ともに左から小さく巻き上がりました。(卦蕁次 しばらく小滝混じえたナメ帯が続き、米子沢が大ナメならばこちらは小ナメです。 途中に左壁が柱状の3m滝があり、右コーナーまたはそれより中央寄りを 卦蕁櫃捻曚┐討います。 1340mでこの沢の二俣となり水量比は1:2。 左俣には2段20m滝(下からは10mくらいにしか見えないが)が架かり 巻機山の南にある避難小屋あたりに急峻に上がっています。 右俣には今までで一番取り付きにくそうな2条15m滝。 テイクオフがハイステップでおまけにスタンスにもヌメリがあるし曇天の シャワーになりそうなので直登止めました。 左の藪の界尾根も急であまり登る気にもなれないので、右の僅かな水を落とす 窪を上部の灌木まで上がり、上流方向に笹薮と根曲がり灌木を跨いだりしながら トラバースしますが、足元もズルズルで下が一見急に見えたので、落ち口よりも 5mほど上流辺りで根曲がり灌木に捨て縄スリングをダブルガースヒッチで スライドしないよう固定しロープスケール20m弱の懸垂下降しました。 残置はしたくなかったのですが、雪国特有の根曲がり灌木に直接ロープを架ける わけにはいかず致し方なしです。 下りてすぐに壁状6m滝。左コーナーを卦蕁檗 続く2段5mは右コーナーで越え、次の4mはやはり右コーナーを卦蕁櫃 越えます。 期待以上に滝が続くので個人的遡行感度はよしよし。 ズの中から僅かな水量で出合う不明瞭な支流を都度確認しながら、1530mで 奥の二俣。水量比は1:1ですが、もう水はどちらもショボショボです。 左沢には平岩状の2段2m小滝。右沢に進みます。 すると何やら急なゴルジュっぽい形状になり、ここから数mの滝が連続します。 左上にスラブ状棚を幾つか架ける僅かな水を落とす流れをやり過ごせば5m滝。 ほぼ流芯を卦蘢度のクライミング、ややヌメリあり。 トイ状7mも流芯をヌメリの薄いポイントを確認しながら。やや細かく卦蕁棔 右側カンテ壁状5m、卦蕁 少しあいて次の5m(卦蕁次砲魃曚垢函CS状6m滝が行く手を塞ぎます。 中央のスタンスにヌメリがあり最初は躊躇したのですが、ハーケン1枚と カム1本決めて直登しました。 水量は少ないのですがちょっとシャワーになりながらハーケン打ったので 曇天の濡れ鼠でちょっと寒くなりました。 続けて出てくる3mはヌメリのある右クラックにつま先ジャムして突破し 身体の安定したところで後続をボディブレイスビレイしました。 ハーケンは後続に回収してもらいました。 このCS6mはヌメリとシャワーがなければ卦蘊々でしょうが、元蕕曚匹 クライミングです。 続く2m(左、卦蕁次法3m(右コーナー、ステミング卦蕁棔砲任茲Δ笋 滝から解放され谷は開けてきました。 λ榲は1670mで右からの窪みを詰め最短距離で登山道に出たかったのですが 笹薮と灌木帯でもしかしたら時間が架かる可能性もあるだろうと、ガレ流路が 明瞭な開けた斜面を詰め、1780m辺りから井戸尾根登山道に向け腰程度の 笹漕ぎを南に向けこなし、約5分で登山道に出ました。 あとは時々熊臭がする井戸尾根を下降して終了しました。 開放的なビューポイントを幾つか有する割引沢とヌクビ沢、滝が続く三沢と いろいろな要素が詰まった良い渓でした。 割引沢〜ヌクビ沢:遡行グレード 1級 三沢までつなげば:遡行グレード 2級 備考:当日の河川水位情報 清水 0.21m ■マウントファーム沢登り講習 http://mt-farm.info/ |
その他周辺情報 | ■入浴 金城の里 巻機山方面に行くときはいつもお世話になるお風呂。 営業時間21:00(受付は20:30)までで¥320と安い。 洗い場は8基(男湯)、露天はなし、シャンプーやドライヤーはあり。 巻機山登山口の清水集落から国道291号を下り、早川交差点も通り過ぎて 魚野川の橋を渡ってすぐに看板のところを左折し約200mの左手。 |
写真
感想
割引沢、ヌクビ沢、三クラ沢とそれぞれ見所のある遡行でした。
目の前の滝や岩だけでなく、全体を通して、どこで振り返っても美しい見返り美人でもある沢でした。
割引沢とヌクビ沢は登山道になっているそうですが、今回行ってみてびっくり、本当に沢登りでした。
ちょっと渡渉とかじゃなくて、しっかりヘツリみたいな。
私は父とも山に行きますが、ハイカーの父は連れて行きたくないです。
巻機山にも一緒に登ったのですが、その時は井戸尾根コース選んでおいてよかったなと思いました。
見所。
割引沢 : アイガメの滝が壮観
ヌクビ沢 : つるんとした布干岩がいい
三クラ沢 : 滝が連続、まさかの巻きから懸垂、ロープで確保するプチ登攀まであった
持っていけばよかったもの。
その1、ちょっとヌメるので、タワシ。
その2、まさかの懸垂下降が出てきてもいいように、捨て縄。
その3、計画書になくても沢屋なら個人装備の、バイル。
おまけ。
沢というのは誰と行くかが重要だ。
一昨年の米子沢の記録にも似たことが記されている。
技術や経験もさることながら、当然のことだけれど、メンバーの相性はとっても大事だと個人的に思っている。
相性って何か。要は心の動きがシンクロするかだと思う。
楽しいとか、キレイだとか、すごい
といった明の心の動きを臆することなく話すことができるか
同時に
ここはちょっと怖いとか、疲れたとか、お腹すいたとか、
ともすると明よりもさらに言いにくくなってしまう暗もきちんと伝えられるか
言われた方も、その人の感性や状態にすっと寄り添うことができるか。
そんな仲間に出会えれば、そんな仲間と遡行できれば、
沢は何倍も輝き、何倍も楽しくなると信じている。
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