シャモニー・モンブラン(4)モンブラン(4807m)登頂
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 2,563m
- 下り
- 2,552m
コースタイム
- 山行
- 2:20
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 3:50
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:30
-13:50グーテ小屋(泊)
8/16 2:40グーテ小屋発-4:00ドーム・ド・グーテ-4:00ヴァロ小屋
-6:25モンブラン山頂-7:40ドーム・ド・グーテ-
-8:30-50グーテ小屋-10:20-50テートルース小屋
-12:10ニ・デーグル
天候 | 8/15 晴れ 8/16 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
そこからロープウエーでベルビューまで、さらにニー・デーグルまでケーブルカー。 帰路も同じ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ニー・デーグルからテートルース小屋までは通常の登山道。雪はない。 ・テートルース小屋から少しいったクーロアールは、落石の通り道で危険個所。 素早く通り抜ける必要あり。 ・グーテ小屋までは岩稜帯の登り、この時は雪はなかった。 ・グーテ小屋から先は雪の斜面、アイゼン、ピッケル要 ・プチ・ボスより先は、細い雪稜が多くなる。 |
写真
感想
【山行No217(4)】
8月15日
モンブラン登山のため、シャモニーにやってきて4日目、
いよいよ本番がやってきた。
緊張しているせいか、夜もあまりぐっすり眠れず朝を迎えた。
7:30 シャモニー 発
・ガイドの車に分乗して、出発。今朝は快晴で、幸先よさそう。
7:40-50 レ・ズーシュ(標高=1000m)
・ここよりロープウエー、あっという間に山上に着く。
8:00-10 ベルビュー(標高=1800m)
・ここから、登山電車に乗り換える。電車内は満員状態。
8:20-30 ニ・デーグル(標高=2400m)
・ここからいよいよ登山開始となる。
目の前には氷雪をまとったエギーユ・デ・グーテがそびえる。今日はあそこまで、標高差1400mの登り。
・電車から降りた登山者の群れについて登ってゆく。
道は岩だらけのザラザラした道で、立山あたりの道に似ている。
ガイドが先頭だが、ペースは以外と遅く、息も上がらず余裕あり。
9:30 無人小屋のあるプラトー(気温=10℃)
・ここで問題が発覚。ツアーはガイド3名+参加者7名だが、そのうち参加者のT氏の姿が見当たらない。先に行ったようだとの話もあり、そのまま進むことになった。
・ここから急な岩がちの斜面をジグザグに登ってゆくが、次第に展望も開け、 エギーユ・デ・ミディやシャモニーの町も見えだした。
10:40-12:00 テートルース小屋(標高3100m)
・ここで本日の中間点、昼食休憩となる。
問題のT氏は小屋にもみあたらず、よく見ると先のほうを一人で行っている。
大声で声をかけて呼び戻したが、ガイドの指示に従って行動する、 アルプスの登山の流儀がまったくわかってなく、全員あきれて声もない。
今後T氏とパーティを組むことになっているので、不安な気持ちとなった。
昼食はスパゲティ。モンブランサイズというべきか、量は大盛りだった。
昼食後、ハーネス、アイゼン、ヘルメットを着ける。
12:20-30 クーロアール
・小屋から雪田状のところを100mほど進むと、問題のクーロアールに出た。
噂にたがわず、ほとんど休みなく、落石がゴロゴロと転がってきている。
ガイドの指示に従い、落石が小止みとなったときを見計らって、
急ぎ足で通過する。幅は約20m。
自分は問題なく通過できたが、ツアー仲間のSさん夫妻は、運悪く落石が腕にあたり、打撲したとのこと。お気の毒です。
・クーロアールを通過すると、その先は岩稜帯の登りとなる。
いちおう、ガイドにアンザイレンされているが、難度は穂高の
ザイテングラート程度で、特に難しくは感じない。
登山者が行列となっていて時々つっかえるので、待ちの小休止も多く、急な登りの連続にしては疲れもなく快調に登れた。
頭上には目指すグーテ小屋が見えていて、徐々に近づいてくる。
13:50 グーテ小屋 着(標高=3810m)
・思ったよりも快調に、今日の目的地につけた。
エギーユ・デ・グーテ山頂部に立つ山小屋。
小屋は外壁が金属製(ジュラルミン?)で、内部は思ったほど広くはない。トイレは小屋の外にある。
すでに登山客がかなり多いが、我々は予約しているので、ベットが確保できた。
・予約していない人たちだろうか?夕方には食堂の床や、階段まで人で
あふれかえっていた。
・到着後は、小屋の中で休憩して過ごす。
・ガイドの説明だと、「脈拍は100以上だと高山病の兆しでまずい」とのことだが、自分はちょうど100で、少し頭も重い。
「高山病予防のため水をたくさん飲め、1日4Lが基準だ! 」とガイドがいうので、持参した水をできるだけ飲むようにした。
・夕食は18時から、スープ、マカロニ、肉の煮つけたような料理で、それぞれ大量だった。味もまずまず良い。
・夕食後はすることもなく、すぐ寝床で横になる。が、人が多いせいか、小屋内は結構暑苦しく、またぺちゃくちゃと話し声もうるさくて、なかなか寝付けなかった。
・夜中にトイレに起きて外に出ると、外は満点の星空が広がっていた。
アタック日和になりそう。。
8月16日(水)
1:50 起床
・あまり寝た感じはしないが、時間がきまっているので全員一斉に起床。
がやがやと急に小屋内がうるさくなり、夜中とは思えない雰囲気。
一晩寝たせいで、昨日の頭痛もすっきりなくなっており、体調は良好。 逆に他のメンバーで頭痛がする人もいた
・パンとコーヒーの朝食(夜食?)をあわただしく食べ、外にでてアイゼン、ハーネスを着装する。アウターはゴアテックスの雨具上下。
着けるものを着けてしまうと、ザックのなかは、小屋で入れてもらった紅茶入りの水筒、セーター、非常用品だけで、荷物は軽い。
今回はカメラも軽量化のため、一眼レフはふもとにおいてきて、「写るんデス」にしている。
2:40 グーテ小屋 発(気温=-4℃)
・気温は低いが、風は弱く、満天の星空には月がでているだけで雲もなく、絶好のアタック日和。・・これなら山頂までいけるかな?
・パーティは、ガイドがチリーで、あとはT氏と自分の3名パーティ。
・固く締まった雪面を、アイゼンをザクザク言わせながら登高する。
月明かりで山の姿もぼんやり見えるし、トレースははっきりしている。
前方にも後方にも登山者のヘッドランプが見える。
・道は、小屋直上のエギーユ・デ・グーテ山頂部に登り、その後はわりと平坦。その後、ドーム・ド・グーテの大斜面をジグザグに登ってゆく。
4:00-05 ドーム・ド・グーテ(4304m)
・今回は、体調、天候次第ではここまでで終了でもいいか、と覚悟していたが、案外速く、かつ楽にこのピークまでこれた。残りは、約500mの登りだ。
・アルプス流なんだろうが、休憩は立ち休み5分のみ。水筒の紅茶を飲む。
4:40 ヴァロ小屋(4360m、気温=-7℃)
・ここでも少し立ち休み。少し西風が出てきた。
・ここから先は、また急な雪の斜面をジグザグに登ってゆく。
・グラン・ボスらしきピークを越えたが、あまりはっきりしたピークではなかった。
5:20-25 プチ・ボス(標高=4547m)
・ヴァロ小屋よりこちら、風が出てきて体が芯から冷えてきた。
ガイドのチリーに行って、ストップしてもらい、セーターを着る。
ガイドに「セーターを着たい」と英語で言うが、なかなか言いたいことが伝わらず、少し困った。
・この先、登路は、細い雪稜となり、急な階段を上っているような感じとなる。
トレースははっきりしているし、空も明るくなってきたので、
別に怖いとも思わずズンズンと進んだが、もし風がもっと強かったら
怖い場所かもしれない。
雪稜はいつ果てるとも知らず、長々と続き、「天国への長い階段」
というイメージが浮かぶ。しかし山頂に近づくのがうれしくて、いい感じ。
6:25-35 モンブラン山頂(標高=4807、気温=-7℃)
・ついに・・・ やったぁ !!
・この、雪に覆われた丸っこい、白い山頂に、ついに着いた。
・標準コースタイム5時間のところ、結局4時間弱で着けた。
・風が強くてゆっくりとは休めなかったが、写真をとり、四周を見渡して感慨にふけった。
・東には遠く、マッターホルン、ベルナーオーバーラントの山々、南はグランパラディーソあたりか、イタリアの雪山も見える。その他、名も知らないアルプスの山々が、すべて眼下に見える。
・ちょうど山頂に立った頃が日の出だった。残念ながらあまり朝焼けはなかった。
・名残惜しいが、約10分の休憩でさっそく下山。
・下りは急な雪稜を、続々と登ってくる登山者ときわどくすれ違いながら、ガイドのチリーの指示(Don't Stop)に従い、先頭で駆けるように下る。
・途中で同じグループのパーティとすれ違う。他のメンバーには本格的な山岳会のメンバーもいるのに、グループ内で先頭で登頂できるとは思いもよらなかった。
7:40 ドーム・ド・グーテ
・ここまで来ると、風も弱まり、日も差してきて、暖かくなってきた。
上空は少し巻雲がでてきているが天候は悪化する感じではない。
・ここから危険な場所もないので、トコトコと下る。
西側には、ビオナセイ針峰が美しい姿を見せている。
ガイドのチリーは「ビオセナイ針峰は、この山群で、最も美しい雪稜の一つだ」と説明してくれた。
8:20-50 グーテ小屋
・帰りは意外と早く、2時間弱で戻ってきた。
・往復6時間の登高で、少し疲れた感じもあるが、それでも、大仕事を果たした安心感が、体中に満ち溢れている。
・小屋でコーヒーを頼み、ちょっとゆっくりした。
・小屋に預けていたヘルメットなどの荷物を受けとり、再び下山開始。
・朝も早いので人は少なく、どんどんと岩稜をくだるが、落石をださないようには慎重にした。
10:00-10 クーロアール
・朝なのにすでに落石が多い。頭大の石も、ロケットのように飛んできて、ちょっと怖く、ガイドも慎重になってなかなか通過できない。落石が小止みとなったところを見計らってかけるように通過した。
10:20-50 テートルース小屋
・小屋の少し先で、アンザイレンははずし、緊張した登攀がようやく終わった。
・ガイドも、ほっとしたようで、やけにのんびりしているので、自分も岩の上でのんびりした。
・ここから先は岩のゴロゴロした道を下ってゆく。プラブーツでは岩がゴロゴロした道は、結構歩きにくい。
・すれ違うハイカーに「自分はモンブランに登ってきたゾ」と言いたいような、ちょっとハイな気分。
12:10-25 ニ・デーグル
・ここで、行動時間10時間の、本日の登山はようやく終了。
ガイドに、「ビールを飲もうか?」と提案したが、下で飲もうということになった。
・電車からはビオナセイ針峰が大きく見える。
今朝がた、この山を眼下に見下ろしていたということが信じられないような気がした。
・ベルビューで、ロープウエーに乗り換え、下界に降りる。
13:10-50 レ・ズーシュ
・駅前のカフェで、ようやくビールにありつく。
乾杯はフランス語で「Sonte」(ソンテ)
「山を降りてからのビールは美味しい」などと片言の英語で会話しながら、充実した気分を味わった。
・シャモニーには車で移動。
14:00 シャモニー着
・シャモニーのホテルに帰って、シャワーを浴びたあと、ツアーグループの中のY氏とともに、ロープウエーで、モンブランの対岸のブレヴァンにいった。
・今朝がた登頂したはずのモンブランは、対岸に大きくそびえており、
自分は今日、あそこに登頂したのか? と不思議な感じがした。
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