ヨーロッパ遠征1:モンブラン4808m登頂+夜間下山訓練(24時間歩行)
- GPS
- 31:44
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 3,108m
- 下り
- 3,785m
コースタイム
- 山行
- 8:18
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 8:22
- 山行
- 17:53
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 18:16
- 山行
- 5:03
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:03
天候 | 7月11日:曇り時々晴れ 7月12日:晴れ時々曇りのち雨 7月13日:雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
7月10日(木曜日):中部国際空港(セントレア)10:30=14:40ヘルシンキ空港16:10=18:10ジュネーブ空港 ジュネーブ18:30=シャモニー20:00(泊) 7月11日(金曜日):ホテル・アルピナ07:00=レズーシュLes Houches=ベルヴェーBellevue08:50=ニーデーグルNid d'Aigle ニーデーグル09:30~テートルース小屋12:50〜クーロワール〜グーテ小屋17:00 7月12日(土曜日)グーテ小屋05:00〜ヴァロ小屋〜モンブラン山頂12:00〜グーテ小屋17:00(泊) グーテ小屋18:00〜ニーデーグル〜ベルヴェー13日05:00=レズーシュ13日08:00=ホテル13日09:00(仮眠) *************************************** 13日〜17日:ツェルマット(ブライトホルン登山) 17日〜22日:グリンデルワルト(メンヒ登山・ユングフラウ登山) 22日〜25日:サースフェー(アラリンホルン登山) 25日〜29日:ツェルマット(マッターホルン登山) 29日〜30日:チューリッヒ 31日:帰国 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今年は雪が多いためテートルース小屋上のクーロワールは雪で埋まっていました。 雪稜自体の難易度はそれほど高いものではありませんが、ガスや悪天の場合はホワイトアウトとなるために危険を伴います。 雪崩の危険はクーロワールが最も危険な場所で、クーロワール以外の場所としてテートルース小屋あたりも注意が必要です。それ以外は大きな心配は必要ないと思われます。 クレバスについては写真で見られるようにコルのあたりにありました。 |
その他周辺情報 | http://www.chamonix.com/welcome,0,en.html ↑シャモニー総合サイト(URLが貼りつかないのでコピペでお願いします!) http://refugedugouter.ffcam.fr/GB_resapublic.html ↑グーテ小屋予約 http://refugeteterousse.ffcam.fr/reservation.html?_lang=GB&_setlang=1 ↑テートルース小屋予約 http://www.chamonix.com/weather,11,en.html ↑シャモニー及びモンブラン天気(URLが貼りつかないのでコピペでお願いします!) http://www.mountain-forecast.com/peaks/Mont-Blanc/forecasts/4807 ↑モンブラン山頂天気 |
写真
感想
7月10日。雨のち曇り。
中部国際空港からフィンエアでヘルシンキ経由でジュネーブ入り。そのままマウンテンドロップスという会社の乗り合いバンでシャモニー入り。
シャモニーではクライミングのワールドカップが開かれていました。日本からジュネーブまでの間、フィンランド上空以外はシベリアもヨーロッパのどこもここも隙間なく全部同じ高さに雲がありました。地球にはすごい水分があると思いました。
7月11日。曇り時々晴れ。
モンブランに登頂するためにホテルから朝食も食べずにチェックアウト。
ホテル前にバス停があるので朝いちばんの7時のバスでレズーシュまで。
レズーシュから朝一のロープウェーと登山電車を乗り継いでニーデーグルまで。
登りだしてすぐに雪が現れアイゼンを装着。落石事故が多い恐怖のクーロワールは雪に埋まっていましたが、私が通過するときに上から黒い物が落ちてきたので見極めて寸前でかわそうか迷いましたが安全な場所にすぐに引き返しました。そしたら落ちてきたのはなんと上で誰かが落とした黒いグローブでした。グーテ小屋の手前はワイヤーもいちぶ雪に埋まっていましたので難易度的には4月に登った西穂高ぐらいな感じでした。
グーテ小屋はびっくりするほど快適な小屋でした。登山者はイギリス人やドイツ人や東欧の人(ルーマニア、スロバキアなど)が多かったです。トイレも快適ですが洗面の水は出ませんでした。
食事は、大皿の料理を皆で分け合うというものでした。水は2リットル5ユーロ(約750円)でした。
7月10日。晴れのち雪のち雨。
朝食が2時だと喜んで寝ていたら起こされて4時だと告げられました。朝食を食べ5時に出発した時は私が先頭でした。足首程度のラッセルでしたので大した事はないと思いましたがこれが大失敗の原因でした。
時差ボケと高度順応をしていないこともありましたが途中でバテてしまいました。天気は雲の上のために下のシャモニーの街にいる人には信じられないような晴れでした。
この日は20人ぐらいの登山者でしたが、結局恥ずかしながら私が最後に登頂しました。
登頂3分前に雲行きが悪くなり、登頂すぐに下山開始したものの、その後ほぼホワイトアウト。トレースが見にくくGPSがなければアウトな状態でした。
かなり下山に苦労しましたが、グーテ小屋に近づいた頃から天気が回復。小屋に泊まろうとも思いましたが訓練のため夜間下山を決断。小屋の人に訓練をする旨を伝え何事があってもいいように水と行動食を買いました。ポテチやチョコレートだけでしたが40ユーロ(6000円ぐらい)もして顔が引きつり笑いになりました。
小屋にいたフランス山岳会の一人のおじさんとサッカーのワールドカップの話をしていたのですが、彼は、「シャモニーまで最低でも6時間はかかるな」と言いましたが、私は「もっとかかると予想している」と答えました。私がホテルに電話を入れたかったのでそのフランス山岳会の人に「携帯はどこでつながるのか?」と聞いたら、「どこもつながらない。ニーデーグルの駅でも電波が届かない」という答えが返ってきたので少しガッカリしました。
このモンブラン山行で仲良くなったスロバキア人の一人が、「私たちはテートルース小屋の所にテントを張っている。余裕があるので泊まればいい。遠慮することはない」と言ってくれましたが、丁重に断わらせてもらいました。彼はこのヨーロッパ遠征で5本の指に入る良い人間でした。
18時に小屋を出発。
登ってきたときとは違ってワイヤーがかなり出ていたのでワイヤーに捕まりながらの下山はすばやくできました。それでもスロバキアグループの上級の人たちの下山スピードは素晴らしいものがありました。ピッケルも使わずにストックだけで雪の斜面をスタスタと降りていくのを見て力の差を感じました。
恐怖のクーロワールにきた時、さすがにクーロワールを渡るときは雪崩の心配があったので状況を見極めるために少し待機していたら、後から例の良いスロバキアの男たちが来て「ロープで確保してあげるから」と言ってくれましたが、時間がかかると思ってこれまた丁寧に断らせてもらいました。
私がクーロワールを素早く渡ると、逆に彼らが雪崩に巻きこまれるのを心配して彼らの行動を見ておりましたが、問題なさそうなので手を振って別れました。彼の名前は聞くことはありませんでしたが、小屋にいる時からいい男だと思っていた通り、最後までいい男でした。
テートルース小屋を少し下った場所が小ピークになっていたので試しにドコモの携帯を開いてみたら電波がつながったのでホテルに「どんなに朝になっても行くからレイトチェックインを受け付けてくれ」とお願いしておきました。そしたら、「私たちは24時間チェックインです」という答えだったので、「分かっている。そのために私はあなたのホテルを選んだ」とお世辞を言ってから電話を切りました。ホテルはアルピナですが、5,6年前にも一週間ほど滞在したことがありますが、色々な面でオススメじゃないにしても、場所や24時間という点などがあるために選んでしまう面があるホテルです。
下りだす時は天気は最初は曇りだったもののテートルース小屋あたりから雨時々曇りといった感じでした。
雪があるときはトレースをたどれば良いのですが雪が消えるあたりの最後のルートあたりから非常に難しいルートファインィングになり膨大な時間を浪費しました。昼間なら全く問題ないでしょうかヘッドランプをつけた状態では厳しい状態でした。
ルート的には雪崩の心配はありませんでしたが周りの谷でときどき大きな音で雪崩が発生していました。
GPSを見ながら足跡を探しますが見つからなかったり、見つかってもすぐに消えてしまって時間ばかり浪費しました。
やっとの思いで登山電車の駅に着いたときにはヘロヘロバテバテでした。雨に濡れ、こういう時に疲労凍死が起こるんだろうと思いました。でも、食料を食べ水を飲んでいると体から湯気が出てきます。その湯気を見ているとまだまだ自分にはエネルギーがあるのを感じました。ちなみに、この登山電車の駅ニーデーグルでもドコモの電波は通じました。グーテ小屋にいたフランス山岳会の人の言うことはあてにならないと思いました。
電車のトンネルの中でビバークしようと思いましたがホテルの風呂に入りたい思いが強く登山電車の道を歩いて、ロープウェイの上の駅に着いたのは朝の5時でした。
この時点で24時間の行動時間でした。心身ボロボロになりました。
ロープウェイが動き出すのを待ちホテルに着いたのは朝の9時。
「この時間でもチェックインするつもりですか?」とホテルのフロントが冷やかしたので、「レイトチェックアウトしてください」と午後2時までチェックアウトを伸ばしてもらい念願の風呂に入ってから爆睡。ただ、そのまま寝たままの状態になるのを心配して1時間したら起きてしまいました。その後、電車でスイスのツェルマットに入りました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-489648.html
↑ヨーロッパ遠征2:ブライトホルン4164m登頂(+前日ヘルンリ稜偵察)
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