静寂の仙塩尾根 仙丈ヶ岳-間ノ岳-北岳
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,739m
- 下り
- 3,245m
コースタイム
2日目 5:41両俣小屋-6:17野呂川越-9:09三峰岳-9:50間ノ岳-10:44中白根山-11:03北岳山荘11:44-12:41北岳13:02-13:14左俣沢分岐-13:21肩ノ小屋-13:35小太郎尾根分岐-草スベリ-14:23白根御池小屋-15:01第2ベンチ-15:15第1ベンチ-15:32大樺沢分岐-15:49広河原
天候 | 16日 雨のち快晴 しかし強風(西風) 17日 高曇り(眺望は良好)ときどき晴れ さらに強風(最大瞬間風速は推定20m/s超) |
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過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
5:05芦安駐車場着 タクシー乗場のある第2駐車場ですら1/3程度の駐車、驚きの空き具合 5:40芦安発ー乗合タクシー(1100円)ー6:25広河原着 空席あり 6:50広河原発ーバス(750円)ー7:20ごろ北沢峠着 空席あり 前日の雨のせいか路上に岩や枝などの障害物があり先導車がいちいち撤去して進むため若干の遅れ 17日 16:10広河原発ー乗合タクシーー16:55芦安着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
《仙塩尾根:仙丈-三峰間》 中間2/3程度は展望のきかない樹林帯。 水場なし。地図によると高望池から長野県側に10分ほど下ると水場があるとのことだが標識見当たらず確認せず。 バリエーションルートというほどではないがそこそこ荒れている。歩行に支障はなし。ところどころ不明瞭な場所があるがたくさんつけられた目印テープを頼りにすれば迷うことはない。ぼーっと歩いてたり、視界不良時は迷うかも。たとえ迷っても尾根伝いに行けばルートに戻れる。 違法テン泊の痕跡は高望池以外にも何カ所か。まあいいけどせめてゴミは持ち帰るべし。 ①前半部:仙丈ヶ岳-野呂川越 多少の登り返しをしながら3000mから2200mまで高度を下げて行く行程。 大仙丈からの岩稜帯はやや急。小ピークがいくつもあるが登り返しはさほどきつくなく比較的楽に歩ける。 横川岳でルートは直角に左に折れる。このため外から仙塩尾根をみたときに特徴のないピークの中で目印になる。 ②野呂川越-両俣小屋 標高差約200m。かなりの急坂のうえに尾根上よりもさらに荒れていてきつい。ルートは不明瞭で目印テープなしでは進めないし倒木丸太の数はさらに増す。小屋番のおっかさんがせっせとチェーンソーで丸太を切ってくれてはいるからなんとか通れるが越さねばならない丸太は数多し。2日目は暗いうちから早出しようと考えていたがヘッデンの明かりだけでは迷うこと必至。計画変更を余儀なくされた。 ③後半部:野呂川越-三峰岳 多少の登り返しをしながら高度を2200から3000まで上げていく登り。三峰までの後半の岩稜帯はこの仙塩尾根コースの一番の難所。特に中間部あたりから三峰までの岩稜帯は鎖場あり崩落箇所あり急登あり、それなりに神経を使わされるが危険というほどではない、強風がなければだが。また前半部にくらべランドマーク的なところがなく現在地を特定しにくいしペースがつかみずらい。想定よりも時間がかかりCTは3時間だがもっと長く考えたほうがいいかも。 《強い西風》 2日とも強風に苦しめられた。特に2日目の風は凄まじく体感温度は0度前後、真冬の低山ぐらいのウェアリングを要した。困ったことに野呂川越から北岳の行程のほとんどは稜線の西側にルートがとられているため樹林帯以外はまともに風をくらい続けた。特に北岳山荘から北岳の登りでは強風にあおられることたびたびで、耐風姿勢で足止めされることも。逆に東側にいれば全く風の影響はなし。ゆっくりタバコも吸えた。 《両俣小屋》 今回の山行の楽しみのひとつだった。 小屋番の星さんの人柄にひかれて訪れる登山客が多いと聞いていたが、得心。 一見ぶっきらぼうだがとても温かみがありまた気配りがすごい。まさに山小屋のお母さんといった感じ。 怒られても嫌な感じがまったくない。 山小屋は野呂川沿いの谷間に立地し深山の静かな周囲の雰囲気もよく、内部も昔ながらの山小屋というか田舎のおばあちゃんちといった風情でもほのぼのとしていてすごく居心地がよかった。 今回は私の他に同じ八王子市から来られたご夫婦1組の計3人。 山岳会で出会ったというお二人もいい方たちだった。特にご主人は山のキャリアが長く、いろいろと参考になるお話をしていただいた。 もっといろいろとお話を聞きたかったのだが疲れと焼酎で早々に寝てしまい残念なことをした。 3人でこたつに入って、もう山小屋を閉めるので、とタダで頂いた大量の焼酎をお湯割りでいただきながら山談義。すっかり癒されました。 猫がいるのも猫好きの私にはたまらない。全部で3匹。 一人で切り盛りされている。ご飯を炊く都合上15時までに着いてほしいということらしい。 迷惑をかけないようになるべく15時までに到着すべし。 また是非訪れたい。 《その他》 北岳から両俣小屋への左俣沢コースは情報通り通行不可だが分岐点には表示なし(見落としたかも?) ここが使えればもっとゆとりがあったのに・・・ 大樺沢コースはやはり閉鎖のまま。今シーズンの復旧はないか。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
9月の連休に白峰三山縦走を計画していたが台風でおじゃんに。
前週の三連休は山に行けたのは1日だけで黒戸尾根ピストンを計画していたのだが寝坊しておじゃんに。
有休がとれて今度こそ南アに!
人が少ない、という言葉に魅かれて最近仙塩尾根が気になってしょうがなかったので、
1泊2日ではハードと思いつつも数少ない仙塩尾根の記録を吟味して行けると判断。決行した。
2日目の天候が悪かったら両俣小屋からそのまま林道経由で広河原にエスケープするつもりで。
果たして仙塩尾根は本当に人が少なかった、っていうか全く誰にも会わなかった。
仙塩尾根どころか仙丈から北岳肩ノ小屋まで山小屋以外では誰一人会うことがなかった。
仙塩尾根はまだしもいくらシーズンオフの平日とはいえそれなりの好天の南アメジャールートなのに!
ちなみに北岳の16日の宿泊者は15人だったそうだ。
仙塩尾根は期待通り静かで山深い雰囲気が素晴らしかった。適度に荒れたルートもよかったし、眺望がきくところは南ア北部の主峰を眺めながらの気持ちのいいハイクだったし、樹林帯は深山ムードにどっぷり浸れた。
大変満足だった。
しかし、今回の行程はゆとりがなさすぎた。
特に2日目。
時間に追われての山行で気持ちにゆとりがなかったし素晴らしい景色をながめながらゆっくり飲むつもりだったコーヒーも結局飲まずじまい。私は山頂でゆっくりしたい人なのだが今回は慌ただしく山頂をハントしただけだった。いつも帰りに寄る温泉も時間が遅いのでスルーした。強風にあおられて体力も消耗し最後の北岳の登りは足がパンパンで本当にしんどかった。この行程について両俣小屋と北岳小屋の小屋番はどちらもいい顔をしなかった。それまでの私のタイムをわかった上でも。彼ら山のプロからすると無謀な計画なのだ。山行計画は可能かどうかではなく、安全かどうかが重要なのだと彼らは言いたかったのだと思う。安全マージンをとれよと。タイムトライアル的な山行は私の望むところではないし、コーヒーが飲めてゆっくり景色を眺めて帰りに温泉に浸かれる程度のゆとりを持てるようにしたい。
...ただねえ、なかなか時間がとれないんですよね〜。山熱と山に行ける限られた時間との折り合いをつけるのが、なかなか難しい。
認めたくないものだな、ばかさゆえの過ちというものを。
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