双六岳〜黒部五郎〜太郎平へと花の尾根を縦走
- GPS
- 67:30
- 距離
- 36.2km
- 登り
- 2,873m
- 下り
- 2,610m
コースタイム
7/20 4:50ワサビ平発-9:20鏡平-9:30弓折分岐-10:40双六小屋
-12:20-40双六岳-13:40丸山-14:00-20三俣蓮華岳-15:30黒部五郎小屋(泊)
7/21 5:30黒部五郎小屋発-8:10-40黒部五郎岳-11:00赤木岳-11:50北の俣岳
-13:30太郎平小屋(泊)
7/22 5:30太郎平小屋発-8:20折立着
天候 | 7/19 晴れのち夕立 7/20 曇りのち晴れ 7/21 晴れのち曇り、霧(夕立) 7/22 晴れ |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り;折立-(バス)->有峰口-(富山地鉄)->富山ー(JR)->大阪 |
コース状況/ 危険箇所等 |
人気コースなので、全面的に問題なし。 下山口の折立にビールがないのが残念。 |
写真
感想
【山行No 291】
※ここ数年の夏山は、北海道などあちこちに行ったが、イマイチの収穫。
よく考えると、ここ何年も夏の北アルプスには行っていない。
残っている百名山の黒部五郎岳を一つの目的にして、ひさびさの夏の北アルプスに、3泊4日で行ってみることにした。
7月19日(木)
・前日の夜に、単身赴任先の新居浜をフェリーで出発。
翌朝早く大阪に到着し、新大阪から新幹線にのり、名古屋を経由し、高山本線にて高山へ。
10:50-11:30 高山
・高山にくるのも久しぶり。ここからバスで新穂高に向かうが、
さすがに夏山シーズン到来とあって、バスは満員だった。
13:00-13:20 新穂高温泉
・ここから登山開始。青空が広がっていて、笠が岳の稜線がすごく高く見える。
林道をぽくぽくと歩くが、さすがに標高も低いし日差しがきつくて暑い!
林道脇にホタルブクロ、アザミなどがパラパラ咲いていた。
14:50 ワサビ平小屋 着
・新築のきれいな小屋だ。着いてしばらくすると夕立が来た。タイミングが良くてラッキー。
・今日の宿泊客は、約35人。
・夕食はヤマメ塩焼きや天ぷらなど結構豪華だった。風呂もあるし良い宿だ。
・夜になり、急にお腹がゴロゴロ言い出し、どうしたことか?
夕食が当たったのか?あるいは途中の水場で飲んだ水のせいか?
トイレに何回も往復し、ちょっと参った。明日はどうなることやら?
7月20日(金)
・早朝4時前には起きたが、お腹の調子もまだ十分良くなっていない感じだし、
少し風邪気味でノドも痛いし、体調はイマイチだなぁ..
朝もトイレに何回かいって、出発も予定より遅くなってしまった。
4:50 ワサビ平発(標高=1400m、気温=15℃)
・体調がイマイチなので、ゆっくりと歩く。
今日は、調子が良ければ黒部五郎の小屋まで行くつもりだが、調子次第では、双六小屋までにする予定で行く。
6:10-20 秩父沢出合
・水を補給する。
夏鳥の声がようやく聞こえてきた。
メボソムシクイ、ルリビタキなどおなじみの夏鳥の声は、夏山の朝を彩る。
6:50-7:00 イタドリヶ原
・花がようやく少しでてきた。サンカヨウ、キヌガサソウ、マイズルソウなどが林床に咲いている。
・途中、オコジョを見た! 小さくて本当にぬいぐるみのようだった。
9:20-30 鏡平(標高=2280m)
・ここから稜線への急登となるが、背後には、雲間に、槍の穂先が鋭く見えて、元気づけられた。
・花もだんだん多くなってきた。コイワカガミ、チングルマ、ミヤマキンポウゲ、
ミヤマスミレ(黄色いスミレ)、ゴゼンタチバナ、クルマユリ、シナノキンバイなどなど..
9:30-40 弓折分岐(標高=2560m、気温=18℃)
・ようやく稜線にたどり着いて一安心。
ここからは起伏の少ない尾根歩きとなる。早朝に出ていた雲も消えていったので、いい感じだ。
・稜線は花も多い。ハクサンイチゲが特に多く、ほかに、シナノキンバイ、テガタチドリ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、
シラネニンジン、ハクサンシャクナゲ、ミヤマダイモンジソウ、ミヤマリンドウ、コケモモ、クロユリなど。、、
ここまでですでに29種を見たことになる。
・ずんずん進むと、双六小屋の向こうに、鷲羽岳、水晶岳のどっしりした姿が見えてきて、
いよいよ北アルプス中央部に来たな、という実感がする。
10:40-11:00 双六小屋(標高=約2600m)
・だいぶ青空が広がってきて、今日は夏山にしてはなかなか良い天気になった。
小屋でものんびりと、屋根に布団を干している。
・ここまでワサビ平から6時間弱で到着でき、まだ余裕があるので、当初の予定通り、黒部五郎小屋まで行くことに決定。
・ここから双六岳へと、急な道を直登する。
人影は以外と少なく、風が渡る音だけが響き、なんとなく、奥山を感じさせる道だった。
12:20-40 双六岳山頂(標高=2860m)
・山頂には素晴らしい大展望が待っていた。360度の展望。
特に、槍ヶ岳から北鎌尾根あたりの険しい姿が、丸っこい双六岳の山頂部と対照的で、素晴らしい。
明日の目標である黒部五郎岳も、ずっしりと重い姿を見せている。
水晶岳や鷲羽岳、遠くには立山あたりも見え、山の世界に居ることを実感する。
・鳥はイワヒバリやカヤクグリが、さえずりながら飛び回って、夏山を謳歌している。アマツバメも風を切りながら飛び回っている。
・ここからは、三俣蓮華岳まで尾根筋を、稜線漫歩の気分で歩く。
この稜線も花が多く、花の図鑑で調べながら歩くので、なかなか足がはかどらない。
ハクサンイチゲ(多し)、キバナシャクナゲ、ハクサンチドリ、タカネヤハズハハコ、ミヤマダイコンソウ、
キンポウゲ、イワカガミ、チングルマ、イワツメクサ、ミヤマシオガマなど、、
ここまで累計で37種の花を見たことになる。
13:40 丸山
・三俣蓮華岳の手前の小ピークだが、地図で見ると、標高は三俣蓮華より高い。
14:00-20 三俣蓮華岳(標高=2840m)
・この山頂に立つのは、たしか9年ぶり。前回と同じように、青空、白い雲、緑の山々が迎えてくれた。
爽やかに風が吹き抜けるのさえも、前回と同じようだ。・・山は変わらないなぁ・・・
・ここから黒部五郎小屋へのコルへと下る。
道はしっかりしているが、行き交う人も少なく、静かな道。
雲が昼ごろよりむしろ少なくなり、夏の日差しがジリジリ照り付けて暑い。
下りは標高差が約500mもあり、最後はさすがにバテ気味だった。
15:30 黒部五郎小屋 着(標高=2350m)
・小さい小屋かと予想していたが、新しい棟が増築されているようで、以外と大きな小屋だった。
今日の泊り客は約90人、布団は3人で2枚という程度。
・さすがに北アルプス最奥部の小屋だけあって、初心者風の人は少なく、ベテランばかりのよう。
隣で話しているのを、聞くともなく聞いていると、剣岳から8日間かけてここまでやってきて、さらに槍ヶ岳に向かうオジサンとか、
太郎平からやってきて、明日は野口五郎岳方面へ人とか、結構な縦走をやる人ばかりだ。
それにしても若い人が少なく、40代になった自分が最年少だった。
・夕食は、この付近の定番なのか、また天ぷらだった。今日はお腹の調子も回復して、ほっとした。
・夜中、トイレに起きたついでに、外に出てみた。
すごい星空だ!天の川もくっきり見えているし、星は、数が多すぎて星座の形もむしろ解りにくいくらい。
宇宙のなかに一人立っているような、不思議な感覚がした。
7月21日(土)
5:30 黒部五郎小屋 発
・昨日頑張ってここまで来たので、今日は黒部五郎岳を越えて、太郎平まで半日コース。少し遅めの出発となった。
・黒部五郎岳へとさっそくカール沿いに向かう。
途中の流れで水を約1.5L補給する。
7:20-30 カール底入口
・ここから見るカールは、中央アルプスの千畳敷カールにちょっと似ている。
お花畑と残雪、それに花崗岩の白い岩肌のコントラストが美しい。
千畳敷と違い、人影がまばらなのはうれしい。
沢音とイワヒバリの泣き声だけが響く、天上の楽園といった感じ。
・カール壁の登りは、急ではあるが、花が続くので、そう疲れる感じはなかった。
8:10-40 黒部五郎岳(標高=2840m)
・これで百名山は94個目となるが、久しぶりに満足感のある百名山だ。
四周の展望も素晴らしく、特に黒部源流を取り巻く薬師岳、水晶岳、雲の平の眺めは、
さすがに奥深い山の中といった感じ。
雪渓の沢音、青空から降り注ぐ夏の日差し、やはり北アルプスは良いなぁ、と再認識させられる。
気持ちの良い山頂なので、少し長居した。
・ここからは少しガラガラの道を下る。標高差約300m。
・今回は、スピード重視のため、新しく買った軽登山靴(Aku)を履いてきたが、ちょっと足首回りが柔らかすぎるのか、
かえって足に負担がかかる感じがある。靴下をもう一枚重ねてみる。
10:00-10 中俣乗越
・また花がパラパラでてきた。チシマギギョウ、ミヤマキンバイ、ハクサンシャクナゲ、チングルマ、
ダイコンソウ、ハクサンイチゲ、トウヤクリンドウ、ゴゼンタチバナ、コケモモなど。、、
・黒部五郎岳への登りまでは登山者が少なく静かな山だったが、この付近より、対向の登山者が増えてきた。
北アルプス最奥部にしては以外と多く100人以上はすれ違った。
11:00-11:10 赤木岳
・地図上は名前があるが、ピークらしくないピーク。
・このピークを過ぎたころから、急に霧が湧いてきて、見通しがあまりなくなった。
日差しが弱まって少し涼しくなったので、むしろ助かる感じ。
この付近は、ハイマツが多く、花は少なくなった。
・途中で、沢登りの格好をした若者3人組みに追い抜かれた。おそらく黒部源流の赤木沢を登ってきたのだろう。
短パン姿で、足も速いパーティ、この山行中初めての、若者のパーティだった。
11:50-12:00 北の俣岳(標高=2660m、気温=20℃)
・雲がかかっていて涼しいが展望はあまりない山頂。
眼下の赤木平あたりが良い感じに見えている。
・北の俣岳から太郎山を越えて行く縦走路は、ゆるやかでのびのびした、プロムナード風の道。
再びお花畑が出てきたが、どれも結構、規模が大きく、
ハクサンイチゲ、チングルマ、ミヤマキンバイを中心とした大群落を形成していた。
・太郎山を越え、太郎平に近づくと、ニッコウキスゲもパラパラでてきた。
13:30 太郎平小屋 着
・さすがに太郎平小屋の場所は、東西南北の十字路になっていることもあり、小屋の規模も結構大きいし、それにまして登山客も多い。
この時間ですでに100名ほどいた(最終的には130人の宿泊、布団は1人に1枚の割り当て)。
・荷物を部屋においてから、山行中ガマンしていたビールを買い、さっそく飲み干す。
充実した山行だったので、ビールもひときわ美味しかった。
・夕食後には、夕焼けがあるかな?と思い、外に出てみたが、逆に、急に夕立がやってきて、夕焼けは見れなかった。
7月21日(日)
・5時前に外に出ると、昨日にまして上天気の朝で、
薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳が、一望のもとに広がっている。
山ならではの、さわやかな朝のすてきな朝のパノラマだった。
5:30 太郎平小屋 発
・今日は折立に降りて帰るだけの日。下りの最初は、のびやかな草原の下りで、
前方には富山平野も望めるし、遠くには白山もうっすら見えていた。
また、2196ピーク付近からは、前山の向こうに、剣岳、大日岳がはるかに見えた。
槍ヶ岳を望む場所から登り始め、ここまで、はるばると長く縦走したな、と思う。
7:00 三角点ピーク
・ここから先は、樹林帯の中の急な下りとなる。花もない。
鳥の声は、メボソムシクイ、センダイムシクイ、カラ類、コマドリ、ウグイス、ミソサザイ、ホトトギス、カケスなど
・今日も登りの人は結構多い、対向者はだいたい100人程度はいた。
8:20-9:20 折立登山口 着(標高=1365m)
・ようやく長い縦走も終了。
バスの時間より1時間前に到着できたが、すでにバスは来ており、バス待ちの行列もできている。
出発30分前にはすでに満車状態になった。
待ち時間を利用して、体の汗を拭き、新しいシャツに着替えてスッキリ。
それにしても、ここにはビールが売ってないのは、ちょっと残念!
10:20-52 有峰口駅
・このバスはここで終点。ここから富山地鉄電車に乗り換える。
立山からの電車も午前中というのに、結構混んでいた。
11;40-12:06 JR富山駅
・切符を買って、ばたばたとホームにでて行列に並んでいると、すぐ近くに、知り合いの顔を見かけて、びっくりした。
大阪の知り合いのパーティで、立山、大日岳に行ってきたとの頃、向こうもびっくりしていた。
以外と山の世界も狭いもんだ!
・大阪へ帰る電車のなかでは、その大阪のパーティとともにビールを飲みながらの昼食、山の話も弾んで、楽しい帰路だった。
16時には大阪の自宅に帰着。
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