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Yamareco

記録ID: 1830407
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

裏銀座~槍ヶ岳

2019年05月01日(水) ~ 2019年05月05日(日)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
98:16
距離
46.1km
登り
3,785m
下り
3,557m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:56
休憩
0:18
合計
6:14
距離 3.8km 登り 1,277m 下り 39m
7:48
7:49
58
8:47
9:03
193
12:16
12:17
91
2日目
山行
3:26
休憩
0:00
合計
3:26
距離 5.0km 登り 466m 下り 140m
3日目
山行
7:43
休憩
1:32
合計
9:15
距離 12.1km 登り 966m 下り 1,286m
5:55
17
6:12
6:17
40
6:57
53
7:50
7:51
51
8:42
8:58
50
9:48
10:06
36
10:42
11:02
45
11:47
12:14
70
13:24
13:27
30
13:57
13:59
71
15:10
4日目
山行
7:42
休憩
2:11
合計
9:53
距離 10.2km 登り 981m 下り 1,531m
6:02
36
6:38
6:47
192
9:59
10:25
125
12:30
12:45
28
13:13
13:31
32
14:03
14:55
49
15:44
15:55
0
15:55
赤沢岩小屋(ババ平)
5日目
山行
3:17
休憩
0:35
合計
3:52
距離 14.9km 登り 71m 下り 560m
5:50
16
赤沢岩小屋(ババ平)
6:06
6:13
66
7:19
7:35
72
8:47
8:59
43
天候 1日目 曇→雨 無風
2日目 雪→晴れ 暴風
3日目 晴れ 強風→微風
4日目 快晴 無風
5日目 快晴 無風
過去天気図(気象庁) 2019年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
■アプローチ
アルピコタクシー信濃大町に車を預け、高瀬ダムまでタクシー8,000円
高瀬ダムへのゲートオープンは6:30

■車の回収
上高地→新島々駅までバス、新島々駅→松本駅まで電車、セットで2,450円
松本駅→信濃大町駅まで電車、670円
信濃大町駅→アルピコタクシーまでタクシー、900円
コース状況/
危険箇所等
■高瀬ダム〜烏帽子小屋
・トレース有り、GW中に既に7~8人入った模様。
・標高100m上げるたびに12から始まる標識の番号が1減る
・6番標識を過ぎた辺りから残雪有り
・雪が緩く埋まるので、スノーシューを使用したメンバーもいた
・電波が通じるのは6番標識付近のみ

■烏帽子小屋(冬季)
・玄関+炊事スペースの他に、3人分のスペース×2
・この日の利用者は、我々+ソロの方1
・利用料2,000円

■烏帽子小屋〜野口五郎小屋
・行程の半分くらいは残雪
・三ッ岳のトラバースでアイゼン装着

■野口五郎小屋(冬季)
・玄関+炊事スペースの他に、6~7人のスペースが2段
・この日の利用者は、我々+ソロの方1
・利用料2,000円

■野口五郎小屋〜水晶小屋
・真砂分岐を過ぎてからほぼ全行程で残雪、アイゼン使用
・東沢乗越の前に際どいトラバースが数箇所有り、雪が緩む前に通過したい
・水晶小屋は冬季利用不可。強風地帯なので幕営の際はご注意を

■水晶小屋〜双六小屋
・ワリモ岳の下りはほぼ残雪無し、アイゼンを外した
・鷲羽岳の登りはほぼ夏道だが、上部に硬い残雪が有り、アイゼン再び装着
・三股山荘で雪が緩んできたのでスノーシュー装着
・三股山荘の冬季小屋は未確認

■双六小屋(冬季)
・3段の空間に最大15人程度収容可か
・この日の利用者は10人強
・通路と最下段の境目が無く濡れやすい
・利用料1,000円

■西鎌尾根
・雪が硬過ぎず緩み過ぎない時間帯に通過したい
・夏道が露出している箇所も多く、岩場をアイゼンで歩く技術が必要
・樅沢岳の次のポコのトラバースが危険
・千丈乗越の前に鎖場2箇所有、前半は雪上歩行でスルー可
・千丈乗越直前のトラバースが危険。雪が固く、落ちたら助からない。後半は岩場に登れる
・最後の雪壁登りは体力勝負。下部を歩く人のため落石しないように注意

■穂先〜上高地
・要アイゼン、ピッケル
・トレース明瞭
・槍沢キャンプ場の利用は10張り程
その他周辺情報 ■食事
・ひさりな食堂 カツカレー 900円 ★★★★★
しっかり煮込んでいてとても甘い。メニューが豊富。

■温泉
・湯々庵 枇杷の湯 800円 ★★★☆☆
営業開始が早く、混雑していた。離れの露天風呂に入り忘れた。休憩所有り

・大町温泉郷 薬師の湯 500円 ★★★★★
アルピコタクシーで割引券がもらえる。庭園風の広い露天風呂、サウナ、休憩所有り。これで500円は安い。
始まりの地
発電量は黒部ダムの4倍で、水が青いのは温泉成分由来らしい
2019年05月01日 07:00撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
1
5/1 7:00
始まりの地
発電量は黒部ダムの4倍で、水が青いのは温泉成分由来らしい
以後、写真無し
6番標識を過ぎると本降りになった
2019年05月01日 07:44撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5/1 7:44
以後、写真無し
6番標識を過ぎると本降りになった
2日目、三ッ岳トラバース中

空が雲に覆い隠されたとしても、その裏では必ず太陽が輝いている
2019年05月02日 07:41撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
1
5/2 7:41
2日目、三ッ岳トラバース中

空が雲に覆い隠されたとしても、その裏では必ず太陽が輝いている
烏帽子岳の勇姿

そして、我らの歩んだ道に後光が差す
2019年05月02日 09:37撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5
5/2 9:37
烏帽子岳の勇姿

そして、我らの歩んだ道に後光が差す
目線ください
2019年05月02日 09:38撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
4
5/2 9:38
目線ください
悠然と鎮座する野口五郎岳
2019年05月02日 09:44撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
4
5/2 9:44
悠然と鎮座する野口五郎岳
散歩に来たら、すっかり晴れ渡っていた
爆風なのは変わらず
2019年05月02日 14:45撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
10
5/2 14:45
散歩に来たら、すっかり晴れ渡っていた
爆風なのは変わらず
小屋の強風対策が凄まじい
遠くは餓鬼岳・唐沢岳とかか?
2019年05月02日 15:01撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
3
5/2 15:01
小屋の強風対策が凄まじい
遠くは餓鬼岳・唐沢岳とかか?
3日目
赤と青の狭間
2019年05月03日 05:10撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
7
5/3 5:10
3日目
赤と青の狭間
この広い世界で
僕の居場所はどこなのだろうか
2019年05月03日 06:07撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
8
5/3 6:07
この広い世界で
僕の居場所はどこなのだろうか
今日歩く尾根
難しそうな所がいくつか
2019年05月03日 06:19撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
3
5/3 6:19
今日歩く尾根
難しそうな所がいくつか
のっぺりした野口五郎岳のような山があるから、尖った山々が映える
2019年05月03日 07:18撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
4
5/3 7:18
のっぺりした野口五郎岳のような山があるから、尖った山々が映える
ワリモ・鷲羽岳へ
2019年05月03日 09:00撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
7
5/3 9:00
ワリモ・鷲羽岳へ
鷲羽岳の登り
ほぼ夏道
2019年05月03日 10:08撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
4
5/3 10:08
鷲羽岳の登り
ほぼ夏道
巨大な薬師岳

この胸を貫く高揚感は
3000mの空の色を見たものにしか知り得ない
2019年05月03日 09:25撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
7
5/3 9:25
巨大な薬師岳

この胸を貫く高揚感は
3000mの空の色を見たものにしか知り得ない
歩いてきた稜線を一望
2019年05月03日 11:02撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
6
5/3 11:02
歩いてきた稜線を一望
大雪原
視界不良時は注意
2019年05月03日 11:31撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
3
5/3 11:31
大雪原
視界不良時は注意
雲を引き裂く鷲羽岳
2019年05月03日 11:40撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
4
5/3 11:40
雲を引き裂く鷲羽岳
三俣蓮華岳
疲れているからこそ、トラバースではなく敢えて直登
2019年05月03日 12:26撮影 by  NIKON D3300, NIKON CORPORATION
3
5/3 12:26
三俣蓮華岳
疲れているからこそ、トラバースではなく敢えて直登
黒部源流を背負う
2019年05月03日 12:31撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
6
5/3 12:31
黒部源流を背負う
笠ヶ岳スカイライン
2019年05月03日 13:30撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5
5/3 13:30
笠ヶ岳スカイライン
双六岳は巻く
ここの平坦歩きは本当にシンドかった
2019年05月03日 14:02撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
2
5/3 14:02
双六岳は巻く
ここの平坦歩きは本当にシンドかった
本日の宿
2019年05月03日 15:12撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
2
5/3 15:12
本日の宿
4日目

目の前の全てが ぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
2019年05月04日 05:31撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
12
5/4 5:31
4日目

目の前の全てが ぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
人生とは、終わらない斜面を歩むこと
2019年05月04日 06:13撮影 by  NIKON D3300, NIKON CORPORATION
4
5/4 6:13
人生とは、終わらない斜面を歩むこと
西鎌尾根と槍ヶ岳
命を刈り取る形をしている
2019年05月04日 06:48撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
7
5/4 6:48
西鎌尾根と槍ヶ岳
命を刈り取る形をしている
樅沢岳を過ぎて最初のピーク(一番左)のトラバースがやや怖い
2019年05月04日 07:01撮影 by  NIKON D3300, NIKON CORPORATION
8
5/4 7:01
樅沢岳を過ぎて最初のピーク(一番左)のトラバースがやや怖い
青い空を共に行こうよ
2019年05月04日 07:31撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
4
5/4 7:31
青い空を共に行こうよ
岩と雪の白黒コントラストが鋭い
2019年05月04日 08:42撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5
5/4 8:42
岩と雪の白黒コントラストが鋭い
太陽が眩しいとつぶやきながら
潤んでく瞳をごまかす
2019年05月04日 08:52撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
6
5/4 8:52
太陽が眩しいとつぶやきながら
潤んでく瞳をごまかす
千丈乗越前の落ちたら助からない区間
赤線がトラバース、黄色線が岩登り
2019年05月04日 09:17撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
2
5/4 9:17
千丈乗越前の落ちたら助からない区間
赤線がトラバース、黄色線が岩登り
まだ中の層が固く、慎重にトラバース
2019年05月04日 09:22撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
2
5/4 9:22
まだ中の層が固く、慎重にトラバース
千丈乗越から槍を捉える
2019年05月04日 10:25撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
3
5/4 10:25
千丈乗越から槍を捉える
最後のふくらはぎブレイキング大雪渓登り
2019年05月04日 11:05撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
3
5/4 11:05
最後のふくらはぎブレイキング大雪渓登り
言葉は、いらない
2019年05月04日 12:16撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5
5/4 12:16
言葉は、いらない
槍沢から登ってくる行列
2019年05月04日 12:31撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
3
5/4 12:31
槍沢から登ってくる行列
登山、それは、憧れを追い求め一歩を踏み出すこと
2019年05月04日 13:20撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
8
5/4 13:20
登山、それは、憧れを追い求め一歩を踏み出すこと
歩いてきた道1
西鎌尾根~鷲羽岳
2019年05月04日 13:24撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
8
5/4 13:24
歩いてきた道1
西鎌尾根~鷲羽岳
歩いてきた道2
鷲羽岳~烏帽子岳
2019年05月04日 13:25撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
8
5/4 13:25
歩いてきた道2
鷲羽岳~烏帽子岳
岐阜の槍ヶ岳
2019年05月04日 13:25撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5
5/4 13:25
岐阜の槍ヶ岳
日本一とんがりコーンが映える場所らしい
2019年05月04日 14:15撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
6
5/4 14:15
日本一とんがりコーンが映える場所らしい
爆速下りで槍沢キャンプ場へ
2019年05月04日 15:47撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
1
5/4 15:47
爆速下りで槍沢キャンプ場へ
5日目、上高地へ駆け下り、グランドフィナーレ
2019年05月05日 09:34撮影 by  PENTAX K-50 , PENTAX
5
5/5 9:34
5日目、上高地へ駆け下り、グランドフィナーレ

装備

個人装備
■行動食の消費<br />カロリーメイト 4箱<br />クリーム玄米ブラン 2袋<br />チョコえいようかん 9個<br />アミノバイタル 6個<br />プロテインバー 6個<br /><br />■その他食料の消費<br />コンビニのパン 2?C

感想

0日目
この日は強雨予報。タクシーの予約時間直前まで天気予報とにらめっこして議論し、出発を明日に延期。朝マック、温泉、カツカレーで長野を楽しむ。当日に空いていた安い旅館が衝撃的なボロさで印象に残った。hia氏お手製のタイ鍋とビールで平成最後の晩餐会を楽しみ、21時には就寝。

1日目 4.2km, +1350m, -150m
この日は曇りのち雨予報。タクシー運転手のダム雑学などを聞きながら、高瀬ダムへ。対岸の尖った山の斜面が崩壊する音をBGMに、ブナ立て尾根を黙々と登る。6番標識付近でhia氏が人生の一大事の電話をした後、雨が降り出す。そこからは修行。雨の登山はいつぶりだろうか。ズボズボも加速してゆく。シンドくなってきたことろ、予定通りの時間に烏帽子小屋に到着。テントを張って荷物を乾かしながら、みんなでポトフを喰らい、菊水(日本酒)と知多ウィスキーで晩酌。

2日目 5.2km, +500m, -120m
終日爆風予報、朝は濃霧。水晶小屋まで行くつもりだったが、冬季利用は不可なので幕営するしかない。だがとてもテントを張れる風速ではない。結局、野口五郎小屋に宿泊することとなった。午前中に到着したので、とても時間がある。二段目の氷雪を除去してテントを無理矢理設営した後、火器で暖をとったり濡れたものを乾かしたりしながら、ブルブルして過ごす。夕方になるとすっかり晴れ渡ったので、野口五郎岳まで散歩に行った。吹っ飛ばされそうな程風が強かったが、蒼天の元に広がる荘厳な山々を見て、胸に高揚感と不安がこみ上げる。15時過ぎにはパスタを作り始め、18時前には就寝。

3日目 11.3km, +790m, -1130m
この日は晴れで、だんだん風が弱くなる予報。4時半出発予定だったが、起床時点で爆風だったので、出発を1時間遅らせた。4時過ぎに起きて、朝飯にフルグラ+粉ミルクにお湯をかけて食べた。美味い。6時前に歩き始めると、徐々に微風になってきた。これは行ける。真砂岳辺りでアイゼンを装着し、雪が緩む前に水晶小屋まで急ぐ。途中の際どい箇所は、対岸から来たPTのトレースを参考にさせていただき、無事に通過。ありがとうございました。時間的に水晶岳は割愛し、鷲羽岳、三股山荘まではテンポ良く通過。ここからだんだんキツくなってくる。前2日はそれほど歩いていないが、重い荷物と寒い山小屋泊で体力を消耗していたのだろう。僕はエアマットに漏れが発生し、毎日寒くて寝不足だった。双六岳のトラバース以降は、かなり辛かった。9時間行動なのに、こんなにダメージを受けるとは、情けない。双六小屋は人が多く、暖かかった。この日はメンバー全員がかなり疲弊しており、口数も少ない。明日、西鎌尾根を突破できるか不安になり、行くかどうか議論になった。パスタを食べ、19時半に就寝。

4日目 11.2km, +940m, -1680m
無風快晴予報。槍ヶ岳に行く行かないで、早朝から揉める。他人の家庭状況を配慮できなかった僕が悪い。僕のように、現実が辛く面倒な人付き合いから逃れたいが故に山に来ており、できる限り長く山にいたい人ばかりではないのだ。視野が狭かった。結局、こんな晴天の日に挑戦しないわけにはいかないという結論に落ち着き、とりあえず出発。雪が硬すぎず緩みすぎずの時間帯に通過しようとのことで、6時前発。樅沢岳頂上では事故現場に出くわす。ご冥福をお祈りします。
ここからの西鎌尾根が、今回の山行の核心部。危ないトラバースが多数有り。僕はこういう危ない場所を通過すると、必要以上に力を入れてしまうのか、ものすごく疲弊する。臆病者故に仕方ないのかもしれないが、このハンデを含めても余裕で突破できるように体を鍛えねば。千丈乗越に着くと一安心、朝作ったアルファ米を食べつつ大休止。最後の大雪渓登りはステップ作りを完全に2人に任せていたにも関わらず、僕は最後尾でふくらはぎが爆発しかけていた。情けない。蒼天と眩い太陽に力をもらい、なんとか突破。目の前にそびえ立つ穂先を目の当たりにしたときは、感無量だった。槍ヶ岳初登頂がGW裏銀座という人はなかなかいないだろう。穂先へ行き北アの奥深さを実感し、自分的には新鮮な巨大山小屋を見学し、CCレモンでエネルギーチャージした。いつかここから日の出を見たいものだ。その後は、転がり落ちるように槍沢へ。途中、行動不能になった方のヘリでの救助現場に遭遇。小屋かキャンプ場か迷った挙句、欲望に打ち勝ちテント泊を決意。安堵と達成感のせいか、皆ほがらかであった。余ったアルファ米を2個食べて、20時ごろに就寝。が、漏れ有りエアマットでは雪の地冷えに耐えられず、私はほとんど眠れなかった。ありがたいことにhia氏が途中でマットを交換してくれたので、2時間弱の睡眠を確保。エアマットは引退する。

5日目 13.7km, +100m, -800m
無風快晴予報。下山のみなのがもったいないくらいの好天だ。早いバスに乗るため、6時発。下山のみの最終日にして初めて予定通りに準備が終わった。雪が硬くアイゼンで歩行、距離が長く地味に辛い。途中にステキな小屋がたくさんあったので、いつかまた来た際には見学ないし泊まりたい。黙々と3時間半歩き、長旅のグランドフィナーレだ。バスの中では隣の人と話していたが、ドッと疲れがきて後半は爆睡してしまった。その後、車窓からの眺めがステキな電車を乗り継ぎ、コンビニ飯を食らってる内に信濃大町駅に到着。マシンガントークのタクシー運転手に連れられ、始まりの地、アルピコタクシーへ。薬師の湯へ入り、高崎駅で打ち上げをして解散。


予定通りに進まなかったりで色々あった山行だったが、完遂できて良かった。2月の遠征やら今回やら、こんなに胸の熱くなる山行に忙しい合間を縫って一緒に行ってくれる仲間がいるなんて、僕はとても恵まれている。大切にしていきたい。目を閉じてみれば皆の笑顔、笑い声。それが今一番の宝物。

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