槍→西穂高(新穂高から周回)
- GPS
- 58:10
- 距離
- 32.4km
- 登り
- 4,495m
- 下り
- 3,400m
コースタイム
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 10:16
- 山行
- 10:01
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 11:38
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 10:12
天候 | くもりのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(1)
1/25
000地形図(1)
計画書(1)
コンパス(1)
笛(1)
筆記具(1)
保険証(1)
雨具(1)
携帯電話(1)
タオル(1)
着替え(1)
手袋(1)
ヘルメット(1)
防寒着(1)
水(2)
時計(1)
非常食(1)
ファーストエイドキット(1)
医薬品(1)
コンロ(1)
ガス(1)
ツエルト(1)
|
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感想
4年前に登った奥穂から見たジャンダルム。切り立った岩峰の上に立っている人を見て、『凄いなぁ。いつか立てる日が来るかなぁ』と憧れた山。そこへ立つために色々な修行をし、満を持してのトライ日がやってきました。
初日。新穂高ロープウェイ登山者用駐車場に朝着。数台の空きがある程度だったが、停められてラッキーである。準備を済ませ、予定より30分遅れでスタート。今日は槍ヶ岳山荘まで2000mの登りである。この日に備えて7月から高山へ足しげく通い、高所順応はバッチリである。また、今回に合わせて515gのオリジナル軽量ザックも手作りしていた。準備万端である。
天候はあいにくの曇り空だが、気温も低く、汗をかかずに登れそうだと思うことにした。林道脇の枯れ枝を拾って杖にする。白出沢でおにぎりを頬張りながら最初の休憩を取った。独りだとついつい休憩のタイミングを逸する。
昨日までの雨による増水を心配したが、滝谷もスムーズに渡渉できた。
槍平小屋で二つ目のおにぎりを頬張る。ここで偶然にも友人に出会った。彼らは槍平にテントを張って槍をピストンするそうである。
明日小槍へ挑むという二人組の後ろを歩き、予定より1時間早く千丈分岐へ到着。ここから千丈乗越へ上がって西鎌尾根を進む。昨年は裏銀座が綺麗に見えていたのだが、今日は西風が強く寒気も入り込んでいるのでガスの中である。稜線は寒くて思わず一枚羽織る。槍ヶ岳山荘着は12:30。30分遅れのスタートながら、到着は予定より2時間半も早い。最近調子がいいのである(^^)。小槍に張り付いている人を羨ましそうに眺めながら槍の穂先を目指した。登っている最中に雷鳥のつがいを発見。今にも手が届きそうな距離にもかかわらず、彼らはまったく逃げる様子もない。13時前に穂先着。このまま山荘へ行っても時間を持て余すので、南岳まで足を延ばすことにした。そうすれば明日前穂ピストンも可能である。
南岳までの稜線はガスが更に濃く、西風も容赦なく吹き付けるコンディションで体力を奪われる。途中、故郷の高校山岳部に出会い元気をもらった。16時前に南岳山荘着。宿泊予約をしていなかったが、快く泊めて頂き感謝です。
二日目。昨夜はぐっすり眠れたおかげで、体調はすこぶる良い。朝食のハヤシめしを平らげガスの中を出発します。朝露で濡れた岩肌はとても滑りやすく、慎重にクライムダウンで大キレットを下っていきます。体温が上がっていない状況での緊張感溢れる下りは、なかなかのものです。いつもは前にぶら下げている手作りサコッシュは、クライムダウン時の視界を遮ることが分かり、右脇とショルダーストラップの間へ通す。ジャンダルムに向けて練習してきた岩登りやボルダリングの技術がここで活かされる。と言っても、クライムダウンの練習は殆どしていないので、慎重に足を下げ、小さいホールドにつま先を掛け、体重を乗せてグリップしたことを確かめてから手を離す、といった動作を繰り返す。難所を下り切り、『ふぅー』と息を吐く。下に目を向けると大カールの向こうには涸沢の鮮やかなテント群が見えている。昨日頑張って稼いだ標高も、大キレットを300mも下ることで一気に減ってしまった(笑)。腰を下ろして東を向く。常念山脈から降り注ぐ太陽の光がまぶしい。今日は晴れてくれよ(^^)
長谷川ピークの登りに差し掛かり、再び緊張感に襲われる。ナイフリッジの稜線を信州側から飛騨側へ越えるところで緊張はMAXに。これがグレードEか・・・ってことは明日のジャンダルムはこれ以上ってことね(>_<)。たぶん無理だなぁ・・・
北穂への登りもなかなかの緊張感。友人から『大キレットは行けるよ(^^)』と簡単に言われ、『そんなものなの?』と簡単に考えていたが、下りも登りも結構厳しかったですよ。
北穂高小屋で大休止をとった。コーヒーを沸かし、前穂までの時間を見積りながらパンをかじる。何組かのクライマーが準備をしていた。ペットボトルに水を分けてもらう。500mlのペットボトルは、購入すると300円だが、空のペットボトルに天水を分けてもらうのは100円で済む。ゴミも増えないし良い方法である。
涸沢岳までのキレットもなかなかの手応えだった。
穂高岳山荘の肩から、明日挑むジャンダルムが姿を見せていた。『お前大丈夫か?』と言われているようであった。
11時、穂高岳山荘で宿泊手続きを終え、前穂へ向かう。奥穂への登りで緊張した4年前の記憶が蘇るが、今回はそんなに難しいとは思わなかった。これが4年間の成果かぁ(^^)
奥穂山頂は人で賑わっていたが、帰りも通るので列に並ばずスルーする。
前穂までの吊り尾根で、岳沢から上がってきた人と何度もすれ違う。ガスが切れた瞬間に見える大正池がとても印象的な風景だ。吊り尾根は下って登るものだと思っていたが、コルから先は紀美子平までトラバースなので、帰りは300mの登りが待っているのかぁと少し落胆する。あまりペースアップできないまま紀美子平へ到着。ザックをデポして登りにかかる。20分程で山頂に到着し、昨日歩いてきた稜線を眺めるもガスで見えない。このまま上高地へ下ればバスに間に合うなぁ、という弱気の虫を封じ込め紀美子平へ戻った。「今日はどこから来ましたか?」と問いかけられたので、『昨日新穂から槍経由で南岳まで行き、今日は大キレットを越えて穂高岳山荘まで。時間が余ったので前穂ピストンできるなぁってことで、ここまで来ちゃいました(笑)』と答えると、「時間が余って前穂ピストンするって・・・、ドMですねぇ(笑)」と言われた。確かにそうかもしれない。計画段階では、槍から前穂か、槍から西穂かのいずれかで悩んでいたが、今日前穂まで来たことで二泊三日で全〇穂を踏破できることになったのだ。
紀美子平の道標でザックを拾い出発しようと思っていた矢先、道標の根元にあるピンクの袋に目が行った。『これ忘れていませんか?』と先ほどのパーティーに声を掛けたら、「私たちが着いた時から置いてありました」とのこと。先日西穂で私の時計を届けてくれた親切な人を思い出し、自分も届けようと決心。ザックに入れたがそこそこ重い、、。歩き始めると後ろに引っ張られる感じだったので、途中でパッキングをし直す始末だ。もう15時を過ぎていたのですれ違う人も殆ど居らず、ガスが濃くなる中、独りトボトボと家路(山荘)を急ぐ。途中またしても雷鳥に出会う。二日間で三羽目と、なかなかの高確率である。
奥穂までの登りは急登ではないが、疲れが出ている体にはなかなか辛い。やっと山頂に着いた頃には、ガスの影響もあってそこそこ暗くなっていた。眺望も無し。山頂に居た青年に写真を撮ってもらい、下り始めた。穂高岳山荘が見えた辺りで上から呼ばれた。先ほどの青年だ。「オコジョ居ましたよ!」。駆け寄ってきて写真を見せてくれた。
山荘に到着し、晩ご飯を作っていたら隣の人が声をかけてくれた。彼も明日、初めてのジャンダルムへ挑むとのこと。目の前のグループは、今日ジャンダルムを越えてきたのだと言う。山を始めたきっかけや、今まで登った山のことを話し合いながら楽しい夕げを過ごした。メジャールートのソロ山行は、色んな人と話せるので一人ぼっちで寂しくなることは無い(^^)
三日目へ続く・・・
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