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Yamareco

記録ID: 1993317
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

槍→西穂高(新穂高から周回)

2019年08月24日(土) ~ 2019年08月26日(月)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
58:10
距離
32.4km
登り
4,495m
下り
3,400m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
9:53
休憩
0:23
合計
10:16
5:35
5:36
3
5:56
5:56
32
6:28
6:29
39
7:08
7:08
75
8:23
8:24
2
8:26
8:31
66
9:37
9:38
83
11:01
11:03
29
11:32
11:33
56
12:29
12:29
22
12:51
12:56
33
13:29
13:30
6
13:36
13:37
15
13:52
13:53
31
14:24
14:24
56
15:20
15:21
16
15:37
15:38
5
15:43
2日目
山行
10:01
休憩
1:37
合計
11:38
5:10
76
宿泊地
6:26
6:28
74
7:42
7:42
8
7:50
7:50
0
7:50
7:50
9
7:59
7:59
1
8:00
8:21
95
9:56
9:57
22
10:19
10:57
38
11:35
11:36
9
11:45
11:46
82
13:08
13:11
24
13:35
13:51
26
14:17
14:30
79
15:49
15:50
16
16:06
16:06
42
3日目
山行
7:49
休憩
2:23
合計
10:12
5:21
39
6:00
6:02
28
6:30
6:30
16
6:46
6:57
8
7:05
7:44
73
8:57
8:59
22
9:21
9:42
19
10:01
10:03
24
10:27
10:31
39
11:10
11:12
27
11:39
11:41
6
11:47
12:03
31
12:58
13:02
23
13:25
13:27
26
13:53
13:54
11
14:05
14:38
30
15:08
15:09
24
天候 くもりのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
予約できる山小屋
槍平小屋
新穂高温泉登山者用駐車場からスタートです
2019年08月24日 05:35撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 5:35
新穂高温泉登山者用駐車場からスタートです
槍・穂高!
2019年08月24日 05:37撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 5:37
槍・穂高!
穂高平までは順調です
2019年08月24日 06:28撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 6:28
穂高平までは順調です
白出沢はここから上がるのね
2019年08月24日 07:07撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 7:07
白出沢はここから上がるのね
白出沢でおにぎり頬張ります
2019年08月24日 07:12撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 7:12
白出沢でおにぎり頬張ります
北穂が見えました
2019年08月24日 08:27撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 8:27
北穂が見えました
トリカブト
2019年08月24日 09:15撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 9:15
トリカブト
穂高平小屋で偶然友達に逢いました(^^)
2019年08月24日 09:18撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 9:18
穂高平小屋で偶然友達に逢いました(^^)
最後の水場ですね
2019年08月24日 10:15撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 10:15
最後の水場ですね
今日は風も強いし雲も出てるけど、裏銀座が見たいのでここから稜線へ上がります
2019年08月24日 11:02撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 11:02
今日は風も強いし雲も出てるけど、裏銀座が見たいのでここから稜線へ上がります
槍に到着です。
2019年08月24日 12:54撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
3
8/24 12:54
槍に到着です。
本日のお宿。予定より3時間程早いなぁ
2019年08月24日 13:16撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 13:16
本日のお宿。予定より3時間程早いなぁ
槍には行列ができてますねぇ
2019年08月24日 13:21撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/24 13:21
槍には行列ができてますねぇ
もう少し先を目指すことにしましたが、稜線はガスガスで寒いです。
2019年08月24日 14:22撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 14:22
もう少し先を目指すことにしましたが、稜線はガスガスで寒いです。
南岳に到着。ガスは更に濃くなりました
2019年08月24日 15:36撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/24 15:36
南岳に到着。ガスは更に濃くなりました
本日のお宿です。予約無しでしたが、こころよく泊めていただきました
2019年08月24日 15:43撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/24 15:43
本日のお宿です。予約無しでしたが、こころよく泊めていただきました
二日目はいきなり大キレットからスタートです(>_<)
2019年08月25日 05:19撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 5:19
二日目はいきなり大キレットからスタートです(>_<)
難所を越えて一息つきます
2019年08月25日 05:51撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/25 5:51
難所を越えて一息つきます
けど、次はこれね
2019年08月25日 05:51撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 5:51
けど、次はこれね
あんなところに人が居ますよ。そこへ行かなきゃいけないのねぇ・・・
2019年08月25日 05:51撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
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8/25 5:51
あんなところに人が居ますよ。そこへ行かなきゃいけないのねぇ・・・
長谷川ピークの下り(飛騨泣き)は、マジで泣きます(>_<)
2019年08月25日 07:48撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
3
8/25 7:48
長谷川ピークの下り(飛騨泣き)は、マジで泣きます(>_<)
北穂着です。緊張したなぁ。
2019年08月25日 08:26撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/25 8:26
北穂着です。緊張したなぁ。
前穂−奥穂の吊り尾根。早く着いたら行っちゃうか
2019年08月25日 08:33撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
3
8/25 8:33
前穂−奥穂の吊り尾根。早く着いたら行っちゃうか
昨日から歩いてきた縦走路。槍が小さくなってる
2019年08月25日 09:33撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
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8/25 9:33
昨日から歩いてきた縦走路。槍が小さくなってる
涸沢岳
2019年08月25日 10:03撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/25 10:03
涸沢岳
前穂はかっちょえぇなぁ
2019年08月25日 10:14撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
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8/25 10:14
前穂はかっちょえぇなぁ
ジャンダルムが姿を見せました
2019年08月25日 10:19撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/25 10:19
ジャンダルムが姿を見せました
穂高岳山荘着。宿泊予約をしてから前穂へ出かけます
2019年08月25日 10:21撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 10:21
穂高岳山荘着。宿泊予約をしてから前穂へ出かけます
奥穂着。帰りも寄るので、今はスルー
2019年08月25日 11:35撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/25 11:35
奥穂着。帰りも寄るので、今はスルー
岳沢が綺麗に見えてます
2019年08月25日 12:24撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 12:24
岳沢が綺麗に見えてます
紀美子平へザックをデポして前穂を目指します
2019年08月25日 13:10撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 13:10
紀美子平へザックをデポして前穂を目指します
明神岳への稜線は浮石だらけです
2019年08月25日 13:41撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 13:41
明神岳への稜線は浮石だらけです
前穂着
2019年08月25日 13:45撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
3
8/25 13:45
前穂着
ここに置いてあったピンクの袋を警察へ届けました。心当たりの人は警察へ紛失届を出してください。
2019年08月25日 14:29撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 14:29
ここに置いてあったピンクの袋を警察へ届けました。心当たりの人は警察へ紛失届を出してください。
雷鳥見つけた!
昨日も槍で夫婦の雷鳥を見たんだよ
2019年08月25日 15:17撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/25 15:17
雷鳥見つけた!
昨日も槍で夫婦の雷鳥を見たんだよ
本日2回目の奥穂。疲れました・・
2019年08月25日 16:09撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/25 16:09
本日2回目の奥穂。疲れました・・
三日目にしてやっとの快晴!
2019年08月26日 05:14撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
3
8/26 5:14
三日目にしてやっとの快晴!
昨日までの縦走路。槍があんなに遠くに見えます
2019年08月26日 06:01撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
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8/26 6:01
昨日までの縦走路。槍があんなに遠くに見えます
今日の縦走路。いよいよジャンダルムですねぇ
2019年08月26日 06:04撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/26 6:04
今日の縦走路。いよいよジャンダルムですねぇ
その前に、この旅最高難所の馬の背。下り始めが最高に怖かった・・
2019年08月26日 06:24撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
4
8/26 6:24
その前に、この旅最高難所の馬の背。下り始めが最高に怖かった・・
振り向けばジャン
2019年08月26日 06:28撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
5
8/26 6:28
振り向けばジャン
ジャンダルム着。4年前に奥穂から見た憧れの場所にようやく立てました!
2019年08月26日 07:17撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
5
8/26 7:17
ジャンダルム着。4年前に奥穂から見た憧れの場所にようやく立てました!
西穂側から見たらそんなに険しくないんだけどね
2019年08月26日 07:37撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/26 7:37
西穂側から見たらそんなに険しくないんだけどね
ジャンダルムを越えたら後は楽!なのかと思ってたけど、まだまだこんな場所が続きます
2019年08月26日 07:47撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
4
8/26 7:47
ジャンダルムを越えたら後は楽!なのかと思ってたけど、まだまだこんな場所が続きます
2019年08月26日 08:49撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/26 8:49
笠ヶ岳が近くに見えてきた
2019年08月26日 08:49撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/26 8:49
笠ヶ岳が近くに見えてきた
天狗の頭からの槍。
2019年08月26日 09:25撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/26 9:25
天狗の頭からの槍。
逆層スラブはクサリを持てば大丈夫です
2019年08月26日 10:00撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
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8/26 10:00
逆層スラブはクサリを持てば大丈夫です
間ノ岳。岩々過ぎて道標を建てられないのかな。
遠くに見えるは西穂ですか?
2019年08月26日 10:29撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/26 10:29
間ノ岳。岩々過ぎて道標を建てられないのかな。
遠くに見えるは西穂ですか?
間ノ岳の下りは浮石だらけでした。前後に人が居なくてよかったけど、かなり神経を使いました
2019年08月26日 10:48撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/26 10:48
間ノ岳の下りは浮石だらけでした。前後に人が居なくてよかったけど、かなり神経を使いました
これは西穂?と思って登ってみたら違ってました(>_<)
2019年08月26日 11:02撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
8/26 11:02
これは西穂?と思って登ってみたら違ってました(>_<)
そんなことを繰り返すこと5回。ようやく西穂が見えました。
2019年08月26日 11:39撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/26 11:39
そんなことを繰り返すこと5回。ようやく西穂が見えました。
西穂着!疲れたぁ
2019年08月26日 11:49撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
2
8/26 11:49
西穂着!疲れたぁ
チャンピオンピーク。西穂からの下りも慎重に
2019年08月26日 12:30撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/26 12:30
チャンピオンピーク。西穂からの下りも慎重に
ピラミッドピーク。だいぶ下ってきました
2019年08月26日 12:52撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
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8/26 12:52
ピラミッドピーク。だいぶ下ってきました
西穂山荘着。お疲れさまでした。
2019年08月26日 14:11撮影 by  iPhone 6 Plus, Apple
1
8/26 14:11
西穂山荘着。お疲れさまでした。
撮影機器:

装備

個人装備
ヘッドランプ(1) 予備電池(1) 1/25 000地形図(1) 計画書(1) コンパス(1) 笛(1) 筆記具(1) 保険証(1) 雨具(1) 携帯電話(1) タオル(1) 着替え(1) 手袋(1) ヘルメット(1) 防寒着(1) 水(2) 時計(1) 非常食(1) ファーストエイドキット(1) 医薬品(1) コンロ(1) ガス(1) ツエルト(1)

感想

4年前に登った奥穂から見たジャンダルム。切り立った岩峰の上に立っている人を見て、『凄いなぁ。いつか立てる日が来るかなぁ』と憧れた山。そこへ立つために色々な修行をし、満を持してのトライ日がやってきました。
初日。新穂高ロープウェイ登山者用駐車場に朝着。数台の空きがある程度だったが、停められてラッキーである。準備を済ませ、予定より30分遅れでスタート。今日は槍ヶ岳山荘まで2000mの登りである。この日に備えて7月から高山へ足しげく通い、高所順応はバッチリである。また、今回に合わせて515gのオリジナル軽量ザックも手作りしていた。準備万端である。
天候はあいにくの曇り空だが、気温も低く、汗をかかずに登れそうだと思うことにした。林道脇の枯れ枝を拾って杖にする。白出沢でおにぎりを頬張りながら最初の休憩を取った。独りだとついつい休憩のタイミングを逸する。
昨日までの雨による増水を心配したが、滝谷もスムーズに渡渉できた。
槍平小屋で二つ目のおにぎりを頬張る。ここで偶然にも友人に出会った。彼らは槍平にテントを張って槍をピストンするそうである。
明日小槍へ挑むという二人組の後ろを歩き、予定より1時間早く千丈分岐へ到着。ここから千丈乗越へ上がって西鎌尾根を進む。昨年は裏銀座が綺麗に見えていたのだが、今日は西風が強く寒気も入り込んでいるのでガスの中である。稜線は寒くて思わず一枚羽織る。槍ヶ岳山荘着は12:30。30分遅れのスタートながら、到着は予定より2時間半も早い。最近調子がいいのである(^^)。小槍に張り付いている人を羨ましそうに眺めながら槍の穂先を目指した。登っている最中に雷鳥のつがいを発見。今にも手が届きそうな距離にもかかわらず、彼らはまったく逃げる様子もない。13時前に穂先着。このまま山荘へ行っても時間を持て余すので、南岳まで足を延ばすことにした。そうすれば明日前穂ピストンも可能である。
南岳までの稜線はガスが更に濃く、西風も容赦なく吹き付けるコンディションで体力を奪われる。途中、故郷の高校山岳部に出会い元気をもらった。16時前に南岳山荘着。宿泊予約をしていなかったが、快く泊めて頂き感謝です。

二日目。昨夜はぐっすり眠れたおかげで、体調はすこぶる良い。朝食のハヤシめしを平らげガスの中を出発します。朝露で濡れた岩肌はとても滑りやすく、慎重にクライムダウンで大キレットを下っていきます。体温が上がっていない状況での緊張感溢れる下りは、なかなかのものです。いつもは前にぶら下げている手作りサコッシュは、クライムダウン時の視界を遮ることが分かり、右脇とショルダーストラップの間へ通す。ジャンダルムに向けて練習してきた岩登りやボルダリングの技術がここで活かされる。と言っても、クライムダウンの練習は殆どしていないので、慎重に足を下げ、小さいホールドにつま先を掛け、体重を乗せてグリップしたことを確かめてから手を離す、といった動作を繰り返す。難所を下り切り、『ふぅー』と息を吐く。下に目を向けると大カールの向こうには涸沢の鮮やかなテント群が見えている。昨日頑張って稼いだ標高も、大キレットを300mも下ることで一気に減ってしまった(笑)。腰を下ろして東を向く。常念山脈から降り注ぐ太陽の光がまぶしい。今日は晴れてくれよ(^^)
長谷川ピークの登りに差し掛かり、再び緊張感に襲われる。ナイフリッジの稜線を信州側から飛騨側へ越えるところで緊張はMAXに。これがグレードEか・・・ってことは明日のジャンダルムはこれ以上ってことね(>_<)。たぶん無理だなぁ・・・
北穂への登りもなかなかの緊張感。友人から『大キレットは行けるよ(^^)』と簡単に言われ、『そんなものなの?』と簡単に考えていたが、下りも登りも結構厳しかったですよ。
北穂高小屋で大休止をとった。コーヒーを沸かし、前穂までの時間を見積りながらパンをかじる。何組かのクライマーが準備をしていた。ペットボトルに水を分けてもらう。500mlのペットボトルは、購入すると300円だが、空のペットボトルに天水を分けてもらうのは100円で済む。ゴミも増えないし良い方法である。
涸沢岳までのキレットもなかなかの手応えだった。
穂高岳山荘の肩から、明日挑むジャンダルムが姿を見せていた。『お前大丈夫か?』と言われているようであった。
11時、穂高岳山荘で宿泊手続きを終え、前穂へ向かう。奥穂への登りで緊張した4年前の記憶が蘇るが、今回はそんなに難しいとは思わなかった。これが4年間の成果かぁ(^^)
奥穂山頂は人で賑わっていたが、帰りも通るので列に並ばずスルーする。
前穂までの吊り尾根で、岳沢から上がってきた人と何度もすれ違う。ガスが切れた瞬間に見える大正池がとても印象的な風景だ。吊り尾根は下って登るものだと思っていたが、コルから先は紀美子平までトラバースなので、帰りは300mの登りが待っているのかぁと少し落胆する。あまりペースアップできないまま紀美子平へ到着。ザックをデポして登りにかかる。20分程で山頂に到着し、昨日歩いてきた稜線を眺めるもガスで見えない。このまま上高地へ下ればバスに間に合うなぁ、という弱気の虫を封じ込め紀美子平へ戻った。「今日はどこから来ましたか?」と問いかけられたので、『昨日新穂から槍経由で南岳まで行き、今日は大キレットを越えて穂高岳山荘まで。時間が余ったので前穂ピストンできるなぁってことで、ここまで来ちゃいました(笑)』と答えると、「時間が余って前穂ピストンするって・・・、ドMですねぇ(笑)」と言われた。確かにそうかもしれない。計画段階では、槍から前穂か、槍から西穂かのいずれかで悩んでいたが、今日前穂まで来たことで二泊三日で全〇穂を踏破できることになったのだ。
紀美子平の道標でザックを拾い出発しようと思っていた矢先、道標の根元にあるピンクの袋に目が行った。『これ忘れていませんか?』と先ほどのパーティーに声を掛けたら、「私たちが着いた時から置いてありました」とのこと。先日西穂で私の時計を届けてくれた親切な人を思い出し、自分も届けようと決心。ザックに入れたがそこそこ重い、、。歩き始めると後ろに引っ張られる感じだったので、途中でパッキングをし直す始末だ。もう15時を過ぎていたのですれ違う人も殆ど居らず、ガスが濃くなる中、独りトボトボと家路(山荘)を急ぐ。途中またしても雷鳥に出会う。二日間で三羽目と、なかなかの高確率である。
奥穂までの登りは急登ではないが、疲れが出ている体にはなかなか辛い。やっと山頂に着いた頃には、ガスの影響もあってそこそこ暗くなっていた。眺望も無し。山頂に居た青年に写真を撮ってもらい、下り始めた。穂高岳山荘が見えた辺りで上から呼ばれた。先ほどの青年だ。「オコジョ居ましたよ!」。駆け寄ってきて写真を見せてくれた。
山荘に到着し、晩ご飯を作っていたら隣の人が声をかけてくれた。彼も明日、初めてのジャンダルムへ挑むとのこと。目の前のグループは、今日ジャンダルムを越えてきたのだと言う。山を始めたきっかけや、今まで登った山のことを話し合いながら楽しい夕げを過ごした。メジャールートのソロ山行は、色んな人と話せるので一人ぼっちで寂しくなることは無い(^^)

三日目へ続く・・・

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この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
新穂高を起点に奥飛騨を一回り
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
技術レベル
4/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
新穂高〜上高地
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5

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