ジャンダルム(西穂・奥穂高岳・パノラマコース)
- GPS
- 20:47
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 1,779m
- 下り
- 2,435m
コースタイム
- 山行
- 1:11
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 1:14
- 山行
- 7:56
- 休憩
- 2:49
- 合計
- 10:45
- 山行
- 6:57
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 7:44
天候 | 1日目 晴れ時々曇り、2日目 ほぼ快晴、3日目 霧雨のち晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
あずさ号は全席指定になったため、往路は早めに指定席を取ったほうが良い。えきねっと経由で割引が効く場合あり。今回復路は風呂に入る前にバスの指定を確保、時間に合わせてえきねっと経由であずさ指定席を確保。 全席指定になった影響からか、臨時電車が頻繁に出るようになったようなので、最新の時刻表をチェックしたほうが良い。(往路はあずさ1号より出発が早い電車があった) |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高ロープウェイ頂上に登山ポストあり。 西穂高岳〜奥穂高岳は言うまでもなく岩陵帯の破線ルート。特にジャンダルム以降馬ノ背手前までが難しく感じた。 パノラマコースはザレているところ、道が崩壊気味なところがある。要所要所にフィックスロープが張られているが、初心者は避けたほうが無難。 |
その他周辺情報 | 小梨の湯 600円。自動販売機のジュース他、軒並み下界価格なのが素晴らしい。 |
写真
装備
備考 | 他者の落石が頻発するのでヘルメットは必須(当たりそうな場面が2回ほどあった)。カラビナ、テープスリング、補助ロープは持参したが、利用はしなかった。 |
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感想
山岳会入会時から憧れていたジャンダルム。1〜2年目は計画を立てることすら叶わず、3年目は雨天中止。4年目も7月に雨天中止になり、今年もダメかと思っていた頃、「もう一度秋にリベンジしませんか?」とAwaky氏からのお声がけ。調べてみると、確かに9月の日照時間が短くなったなかでも、スケジュール的にはなんとかなりそう。では、是非!と三度目のトライ。
天気予報的には温帯低気圧の動きが気になってはいたものの、「これは間違いないだろう」という絶好のチャンス。初日の天候も最高、西穂山荘への足取りも軽い。ロープウェイから約1時間、到着した山荘は「なんだこりゃ?」っていう大混雑。テン場は全く隙間もないほど埋まり、外のテーブルは宴会中のパーティーで埋まる。布団は3枚で5人(掛け布団は一人1枚)。自炊室で調理の準備をしてると、なんと目の前の人も隣の席もジャンダルムに行くと言い、他にもあちこちの席でジャンダルム狙いという。ジャンダルムってそんなに大量の人が入るルートなのか?と若干焦る。渋滞が気になるものの、やはり明るくならないうちに独標以降に行くのは避けるべきと考え、翌日は4時出発に確定。この日は同じテーブルで話が盛り上がり、翌日の再会を約束して20時に就寝。
二日目、アタックの日。3時に起床したときにはすでに多くの人が出発している。朝食を食べ、予定どおりに4時出発。十六夜月でほどよく明るく、星空の下には雲海が広がる最高の好天。ヘッドライトがつながり、「ここは富士山かよっ」とツッコミたくなる。前の週の不帰キレットでほとんど人に会わなかったのと大違い。こうなると、追い越しやすれ違いが多発、時間をロスするのが気になる。必要なところは時間をしっかりかけつつも、あまり時間ロスはしないようにしないと・・・。
西穂独標で狙いどうりヘッドライトが要らなくなり、いよいよ核心部へ。ルートはしっかりマークされ、そもそも人が多すぎてルーファイがほとんど要らない状況。思っていたよりも鎖も整備されていて、落ち着いて行動すれば十分問題ないように思えた。相棒のAwaky氏も、全く問題ない様子。さすがに鎖場で待ち時間が多々発生したが、さすがにこのルートに来る人が大幅にもたつくこともなく、ちょうど良い休憩程度だった。すれ違いもお互いに声を掛け合い、譲り合ってうまくいっていたように思う。
何より怖かったのは、他者が起こす落石。少なくとも、三回危ない目に遭った。1回は小粒の石がクライムダウン中の私に向かい(Awaky氏いわく、スレスレ)、もう一回は当たりそうだったのでとっさに避け、極めつけは「ここ外れますよ」と後ろの人に伝えたのにも関わらず、その人が20cm四方はある岩を落としてしまう・・・自分で事故を起こすよりもよっぽどもらい事故のほうが発生しそう。
ひたすら気の張る岩陵帯を越えていき、ついにジャンダルムの全体が見える。そして、ついに天使との対面。目の前には奥穂高岳がそびえ、青空が広がる。最高の好天で来られたのは、本当に運が良かったとしか言いようがない。
ここからが、ホントの核心。馬の背の怖さは聞いていたけど、技術的にはジャンダルムから馬ノ背前までの下りが一番難しかったように思う。ここってところに鎖がなく、捨て縄付きのハーケンが残っているのも納得。馬ノ背も噂どおりの高度感。これは確かに下りは厳しい。そしてついに、奥穂高岳到着。長年の憧れのルートを、自分がCLとして踏破できた達成感で心が満たされた。
奥穂山頂からの下りは沢山の人。さすがに三連休だなーと思ってたら、なんと山荘前にハシゴ待ち行列。2年前にも大行列ができたとは聞いてたけど、14時近くてもまだ登ってくる団体もいたりして、行列はなかなか進まない。なんと通過までに1時間待ち。当初は「今日のうちに涸沢まで降りようか?」と話をしていたものの、最終日も天候に問題なさそうだし、予定通り穂高岳山荘に宿泊。前日に西穂山荘であった3人とも無事に再会、祝勝会!ビールもいただき、Awaky氏からケーキの差し入れに舌鼓を打ち、最高の気分。ついつい記念に手拭いまで購入してしまった。
最終日。前夜は布団1つに2人。一番入り口側の壁際で、頭は一晩中蹴られるわ、壁に挟まるわでまともに眠れない。寝れた時間があったのかどうかも怪しいまま起床。予報では引き続き晴天が続くはずだったけど、朝から霧雨が降っている。単に雲の中にいるだけで、すぐに止みそうとは思いつつ、明るくなるのを待ってから出発。シメシメになった岩を触って、「これが昨日だったら無理だったな・・・」と思う。
ザイデングラードは2012年に来た時には「これはコワイ、テン泊装備だったらムリ」と思っていたものの、2度目の今回は「あれ?こんなだったっけ?」と拍子抜けする。途中からパノラマコースに入り、涸沢に着くころには天候も回復してくる。これなら大丈夫そうと、パノラマコースにこのまま入ることを決定。
パノラマコースも、ずっと通りたいと思いつつも何故か縁がなかったコース。確かに横尾経由に比べて登りもあるし、あちこちザレてるところ、岩場、崩落気味の箇所などがあって危険度は高いと思う。横尾経由のひたすらの水平歩行を思うと、ここまで変化があり、かつ人も少なくて楽しめるコースだとは思わなかった。ぜひまだ再訪して、今度は屏風の頭まで行ってみたいところ。
徳沢では自分の中のマストのソフトクリームをいただき、上高地BTでバスとあずさを確保してから小梨の湯へ。帰りのあずさではビールに焼き鳥、おやきでプチ宴会。すっかり酔って爆睡の帰路。
今回は三度目の正直で、最高のコンディションで念願を叶えられて、本当に良かった。去年の時点では自信を持って「行ける」という確信が持てなかったけど、この一年、ジムや沢登り、岩稜帯の山行で徐々にスキルを上げていけて、自信を持って臨むことができたような気がする。この一年間でいろいろと面倒を見てくださった山岳会の皆様に感謝。そして、一緒に夢をかなえさせてくれたAwakyさんに本当に感謝!です。
【備忘録】
・今回、テント泊ではないのに12kgは重すぎる気がする。ロープやガチャ類があるものの、もう少し削るべきなような。暑いことは想定できたから、ポットは大きいもの1つを共同装備にすべきだった。二日目の夕食を鍋を汚さずできるものにすれば、鍋も1つ減らせた。本番系の山行は、事前にしっかり意識合わせをして、パーティー全体の重量を少なくするようにすることも重要だと認識。
・今回は行動食はちょうどよい量だった。賞味期限短い系は、メロンパンスティック、ランチパックツナ、豆デニッシュ、蒸しケーキ。ただ、パン類は数が多くなると重いので、もう少し軽いものに置き換えるべきか・・・
・パスタ茹でに失敗。水が多すぎて水分を吸いきってくれなかったのがドロドロの原因な気がする。少し少なめに茹ではじめて、あとで足りない分お湯を足せばいいかも。
・二日目、水は2300mlほど持参。500mlほど余ったけど、予備を考えればこれくらいでちょうど良かったかな。
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