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Yamareco

記録ID: 205675
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

権現−赤岳お花畑周回 / 天女山P起点

2012年07月10日(火) [日帰り]
 - 拍手
GPS
09:00
距離
17.6km
登り
1,886m
下り
1,904m

コースタイム

日帰り
山行
8:45
休憩
0:15
合計
9:00
9:00
9:00
45
標高2000m標識
9:45
9:45
35
10:20
10:20
40
11:00
11:10
45
11:55
11:55
15
12:10
12:10
70
キレット小屋分岐
13:20
13:25
160
16:05
16:05
55
川俣林道交差
17:00
天女山上駐車場
08:00 天女山上駐車場出発 (標高1530m)
09:00 標高2000m標識
09:20 「ここがいちばんきつい」標識
09:45 前三ツ頭 (標高2364m)
10:20 三ツ頭 (標高2580m)
11:00 権現岳山頂 (標高2715m) −11:10 以上往路所要3時間00分(標高差+1185m)
11:55 ツルネ (標高2550m)
12:10 キレット小屋分岐
13:20 赤岳山頂 (標高2899m) −13:25 以上稜線所要2時間20分(標高差+184m)
13:35 真教寺尾根降下開始
14:40 扇山 (標高2320m)
14:50 牛首山 (標高2280m)
15:30 賽の河原
16:05 川俣林道交差
17:00 天女山上駐車場帰着 以上復路所要3時間35分(標高差-1369m)
    合計所要時間9時間00分。(歩行距離17.6km)
天候 天気/ 曇り(AM8−PM5)。一時濃霧
気温/ 21℃(AM8;天女山)
風 / 終日無風
過去天気図(気象庁) 2012年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
中央道長坂IC出口を左折。500mほど先の「五町田」交差点を左折。その後「高原大橋入口」交差点を左折。
あとは道なりで、天女山入口交差点を直進し、約5分で天女山上駐車場に到着。
長坂ICから所要約20分。
長野方面からでも小淵沢ICからより近いです。
[ルート図(Mapion)]
http://bit.ly/1Q2q98h
コース状況/
危険箇所等
[権現岳登山道]
いたる所に道標、石柱などあり、非常に整備された歩きやすい道。
権現岳直下のみ一部急傾斜と鎖場があるが危ないものではない。

[稜線登山道]
左右が切れ落ちた痩せ尾根部分も両側にハイマツなど密生しているため怖さはない。
キレットから赤岳まではガレ場多く、ハシゴ、鎖の連続。体力がないと登れない。

[真教寺尾根登山道]
稜線から分岐した最初の200mは非常に長い鎖場で一気に降りる。扇山(一部地図では牛首山と表記)からはダラダラの下り。
サンメドウズスキー場最上部から下は笹原の中。
全体に道標、案内板等が少なく不親切な感じを受ける。一層の整備が望まれます。

その他周辺情報 [コンビニ]
「若林」交差点角にローソン。「高原大橋入口」交差点角にセブンイレブン。

[トイレ]
天女山駐車場(展望台)脇に公衆トイレ。

[登山ポスト]
天女山上駐車場から先、登山道脇にあり。

[日帰り入浴]
大泉の「パノラマの湯」
http://panoramanoyu.sakura.ne.jp/
清里「丘の公園」内「天女の湯」
http://www.okanokouen.com/aqua/onsen.html

[写真]
下の写真のうち主なものは地図上に撮影ポイントが落としてあります。
なお、写真は巾1024pxあります。各写真クリック(巾800px)よりも「スライドショーで見る」か「元サイズ」をクリックして頂いた方が大画像になります。
天女山上駐車場。平日にもかかわらず10台ほどの車がある。
天女山上駐車場。平日にもかかわらず10台ほどの車がある。
歩き始めて数分で天の河原に到着。
歩き始めて数分で天の河原に到着。
頭上の木に咲いていた花。
赤と白があるから「ニシキ(二色)ウツギ」でしょう。
2
頭上の木に咲いていた花。
赤と白があるから「ニシキ(二色)ウツギ」でしょう。
これは「イブキジャコウソウ」だろうか・・。
2
これは「イブキジャコウソウ」だろうか・・。
気持ちのいい樹林帯の道。
気持ちのいい樹林帯の道。
カラマツ林が霧で煙っている。
カラマツ林が霧で煙っている。
定番写真。標高「約」2000mの標識板。
定番写真。標高「約」2000mの標識板。
これも有名な「ここが一番きつい」の標識。
他の標識と合わせて、これらは調布市が設置したものらしい。
1
これも有名な「ここが一番きつい」の標識。
他の標識と合わせて、これらは調布市が設置したものらしい。
「前三ツ頭まで30分」の標識。
「前三ツ頭まで30分」の標識。
一輪だけ咲いていた花。
名前は「タカネグンナイフウロ」か。
2
一輪だけ咲いていた花。
名前は「タカネグンナイフウロ」か。
冬に難儀した吹きさらしの尾根道は気持ちいい展望路に変わっていた。
1
冬に難儀した吹きさらしの尾根道は気持ちいい展望路に変わっていた。
これは「ヨツバシオガマ」。
葉が四枚出ているのでわかる。
(knot様のご指摘)。
1
これは「ヨツバシオガマ」。
葉が四枚出ているのでわかる。
(knot様のご指摘)。
これはハクサンチドリだろう。
2
これはハクサンチドリだろう。
標高2300mの石柱と調布市の「励まし板」
標高2300mの石柱と調布市の「励まし板」
前三ツ頭直下でカモメランに出会えた。
小さいが数株の群生。
1
前三ツ頭直下でカモメランに出会えた。
小さいが数株の群生。
前三ツ頭に着いた!。
去年はここで敗退だったなあ・・・。
前三ツ頭に着いた!。
去年はここで敗退だったなあ・・・。
前三ツ頭の尾根に登れば前方に三ツ頭。
この先は傾斜の緩い道のようだ。
前三ツ頭の尾根に登れば前方に三ツ頭。
この先は傾斜の緩い道のようだ。
足元にかわいい「コメバツガザクラ」。
足元にかわいい「コメバツガザクラ」。
ここで岩のペイントに従って右に進む。
ここで岩のペイントに従って右に進む。
「ウメハタザオ」では。
「ウメハタザオ」では。
これはクロユリかと思ったが、nori3様から「ミヤマハンショウヅル」との教え。感謝です。
これはクロユリかと思ったが、nori3様から「ミヤマハンショウヅル」との教え。感謝です。
観音平方面との分岐点。
観音平方面との分岐点。
標高2580mの三ツ頭山頂。
霧の合間に見えた編笠山(2524m)がすでに眼下だった。
標高2580mの三ツ頭山頂。
霧の合間に見えた編笠山(2524m)がすでに眼下だった。
「ゴゼンタチバナ」二輪。
nori3様のお教えです。感謝!
白いのは花弁ではなく「苞(ほう)」というものだそうな。
「ゴゼンタチバナ」二輪。
nori3様のお教えです。感謝!
白いのは花弁ではなく「苞(ほう)」というものだそうな。
花の中に緑色の斑点があるから「ハクサンシャクナゲ」だろう。
2
花の中に緑色の斑点があるから「ハクサンシャクナゲ」だろう。
イワカガミはもう盛りを終えていた。
これは、珍しくきれいに咲き残っていたもの。
イワカガミはもう盛りを終えていた。
これは、珍しくきれいに咲き残っていたもの。
ガスの動きが速い。ほんの一瞬だけ編笠山が出現。
青年小屋もはっきり見える。
1
ガスの動きが速い。ほんの一瞬だけ編笠山が出現。
青年小屋もはっきり見える。
ミヤマキンポウゲ。
花弁の形が「シナノキンバイ」とは違うと思う・・・。
2
ミヤマキンポウゲ。
花弁の形が「シナノキンバイ」とは違うと思う・・・。
ミヤマシオガマも群生している。
ミヤマシオガマも群生している。
ようやく前方に権現が見えて来たぞ。
その高さに圧倒されそうになる。
2
ようやく前方に権現が見えて来たぞ。
その高さに圧倒されそうになる。
ハクサンイチゲはいたる所で満開状態。
今が一番の見頃だ。
2
ハクサンイチゲはいたる所で満開状態。
今が一番の見頃だ。
こちらは葉っぱの形から「ミヤマキンバイ」かと・・。
自信ほとんどなし。
3
こちらは葉っぱの形から「ミヤマキンバイ」かと・・。
自信ほとんどなし。
これが有名なスコップ。思わず拝んじゃいそうだった。
1
これが有名なスコップ。思わず拝んじゃいそうだった。
これは食虫植物の「ムシトリスミレ」。
(knot様より)。
名前はスミレでもスミレの種類ではない。
2
これは食虫植物の「ムシトリスミレ」。
(knot様より)。
名前はスミレでもスミレの種類ではない。
山頂直下、唯一の鎖場。大したことありません。
(夏だから言えること)。
山頂直下、唯一の鎖場。大したことありません。
(夏だから言えること)。
権現の岩峰とハクサンイチゲのツーショット。
1
権現の岩峰とハクサンイチゲのツーショット。
いよいよ山頂が近づいてきた。
登山者がたくさんいるようだ。
1
いよいよ山頂が近づいてきた。
登山者がたくさんいるようだ。
権現岳山頂、檜峰神社の祠。なぜか「北野天神」とかのお札が。
権現岳山頂、檜峰神社の祠。なぜか「北野天神」とかのお札が。
これも山頂周辺のハクサンイチゲ群落。
これも山頂周辺のハクサンイチゲ群落。
権現を過ぎて主稜線コースに向かう。
すぐに眼下に権現小屋。
1
権現を過ぎて主稜線コースに向かう。
すぐに眼下に権現小屋。
100mほどで主稜線との交差。
道標の向こうに権現岳があるはずなのだが、濃いガスでもう見えない。
100mほどで主稜線との交差。
道標の向こうに権現岳があるはずなのだが、濃いガスでもう見えない。
これが「源治梯子」。長い!!。でも怖くない。
冬にここを下る気にはなれない。
6
これが「源治梯子」。長い!!。でも怖くない。
冬にここを下る気にはなれない。
ミヤマシオガマ大乱舞。
1
ミヤマシオガマ大乱舞。
トンボの羽のような四枚花弁は「クモマナズナ」と思う。
2
トンボの羽のような四枚花弁は「クモマナズナ」と思う。
初めて見た「イワベンケイ」。
6
初めて見た「イワベンケイ」。
葉っぱからして、ツガザクラかと。
3
葉っぱからして、ツガザクラかと。
前方は2672mのピーク(旭岳)かな?。
前方は2672mのピーク(旭岳)かな?。
正体不明のもの。植物?、キノコ?、カビ?
正体不明のもの。植物?、キノコ?、カビ?
ツルネのピークに到達。
「出合小屋」の名がなつかしいような(^^)。
ツルネのピークに到達。
「出合小屋」の名がなつかしいような(^^)。
ピークの岩峰の右側に東稜コースの入口。
棒二本で明示されている。
ピークの岩峰の右側に東稜コースの入口。
棒二本で明示されている。
NAV-Uで確認。幸い稜線上は障害物無く順調に位置確認できた。
1
NAV-Uで確認。幸い稜線上は障害物無く順調に位置確認できた。
キレット小屋への分岐。
ほぼ一番の鞍部地点。
キレット小屋への分岐。
ほぼ一番の鞍部地点。
前方は2504mピークに向かうすごい登り返し。
前方は2504mピークに向かうすごい登り返し。
2504mピークの先は、一面のガレ場の連続。
鎖を頼りによじ登る。
2
2504mピークの先は、一面のガレ場の連続。
鎖を頼りによじ登る。
奇岩林立。あとで地図を見直したら、この辺は「天狗尾根」との合流部らしい。
1
奇岩林立。あとで地図を見直したら、この辺は「天狗尾根」との合流部らしい。
梯子の上から見下ろすと、文字通りの「崖っぷち」!
2
梯子の上から見下ろすと、文字通りの「崖っぷち」!
鎖、梯子、鎖の連続攻撃に息も絶え絶えだ。
高度のせいかボーッとすることも。
しかし集中力を切らすと危ない。
鎖、梯子、鎖の連続攻撃に息も絶え絶えだ。
高度のせいかボーッとすることも。
しかし集中力を切らすと危ない。
これはハクサンイチゲではない。
「チョウノスケソウ」。
2
これはハクサンイチゲではない。
「チョウノスケソウ」。
鮮烈ブルーの「ミヤマオダマキ」。
4
鮮烈ブルーの「ミヤマオダマキ」。
真教寺尾根の分岐を過ぎ、赤岳山頂直下の最後の梯子。
真教寺尾根の分岐を過ぎ、赤岳山頂直下の最後の梯子。
ついに登頂!。さすが一等三角点標石はでかい。
これ90kgあるとのこと。
人力で担ぎ上げた昔の人の苦労が思いやられる。
4
ついに登頂!。さすが一等三角点標石はでかい。
これ90kgあるとのこと。
人力で担ぎ上げた昔の人の苦労が思いやられる。
下山開始してすぐの崖にお花畑。
高度感満点の空中庭園だ。
3
下山開始してすぐの崖にお花畑。
高度感満点の空中庭園だ。
梯子を下りて真教寺尾根分岐を望む。
ほんの十数m先だがガスっている。
梯子を下りて真教寺尾根分岐を望む。
ほんの十数m先だがガスっている。
これが分岐点の道標。「牛首山へ2時間」とのこと。
これが分岐点の道標。「牛首山へ2時間」とのこと。
真教寺尾根は初っぱなから鎖、鎖の急降下。
やっと鎖が終わったと思ったら標高2700と。一気に200m近く鎖で降りるのだ。
真教寺尾根は初っぱなから鎖、鎖の急降下。
やっと鎖が終わったと思ったら標高2700と。一気に200m近く鎖で降りるのだ。
その先は、対照的に緩勾配。なかなか高度が下がっていかないのがもどかしい。
ここは2316mピーク手前。
その先は、対照的に緩勾配。なかなか高度が下がっていかないのがもどかしい。
ここは2316mピーク手前。
ここも小さなピーク。こんな風にアップダウンを繰り返す。
ここも小さなピーク。こんな風にアップダウンを繰り返す。
「扇山」という標識が転がっている。
地形図等にはない山だ。
ここも標高約2320m
「扇山」という標識が転がっている。
地形図等にはない山だ。
ここも標高約2320m
ここが牛首山。三角点あり。
登山道が東に顕著に折れるのでもわかる。
ここが牛首山。三角点あり。
登山道が東に顕著に折れるのでもわかる。
下界に降りてきたら一瞬いい天気!。
本日一番の見晴らし。
画面中央の渓谷が川俣川。芝生状に見えるのは、いまから突っ切る予定の県営牧場。
3
下界に降りてきたら一瞬いい天気!。
本日一番の見晴らし。
画面中央の渓谷が川俣川。芝生状に見えるのは、いまから突っ切る予定の県営牧場。
登山道脇がけっこうな断崖。
2
登山道脇がけっこうな断崖。
樹林の先の方にポツンとスキーリフト乗り場現る。
ザンメドウズの上級コース頂部だ。
樹林の先の方にポツンとスキーリフト乗り場現る。
ザンメドウズの上級コース頂部だ。
スキー場近くは、こんな笹原になる。
道は明瞭なので「藪こぎ」にはならない。
スキー場近くは、こんな笹原になる。
道は明瞭なので「藪こぎ」にはならない。
この広場が「賽の河原」だそうな。
この広場が「賽の河原」だそうな。
道が分岐しているが、ここは右に進む。
道が分岐しているが、ここは右に進む。
リフト乗り場の横を通過。
リフト乗り場の横を通過。
丈の低い笹原の中を快速で下っていく。
1
丈の低い笹原の中を快速で下っていく。
やがて川俣林道との交差部手前に。
この「石段」を降りれば林道。
やがて川俣林道との交差部手前に。
この「石段」を降りれば林道。
林道交差に立つ道標。「天女山」の方向に向かう。
林道交差に立つ道標。「天女山」の方向に向かう。
道に水が流れはじめ、水量が増してきた。
こりゃ、道じゃなくて沢だね。
道に水が流れはじめ、水量が増してきた。
こりゃ、道じゃなくて沢だね。
「沢」は川俣川に注ぐ。この先で崖崩れのため、迂回路が作られていた。で、渡河はここかい(^^)。
「沢」は川俣川に注ぐ。この先で崖崩れのため、迂回路が作られていた。で、渡河はここかい(^^)。
川俣川を渡って登ると県営八ヶ岳牧場の中を突っ切る道に。
1
川俣川を渡って登ると県営八ヶ岳牧場の中を突っ切る道に。
北の方、おそらく赤岳。奇岩は大天狗か?
2
北の方、おそらく赤岳。奇岩は大天狗か?
さらに進むと牛さん登場。カメラを向けたら警戒していた。すみません(^^)。
1
さらに進むと牛さん登場。カメラを向けたら警戒していた。すみません(^^)。

感想

梅雨の中休みになりそうな火曜日。冬以来ご無沙汰だった八ヶ岳を目指すことにします。しかし、どの山に行こう?
ずっと温めてきたプランは観音平から権現岳を目指すもの。でもこの時期だし、今の自分ならもう少し欲張りができそうな気がする・・・。
そこで権現岳・赤岳周回を思いつきました。最初に赤岳を目指して敗退するといやなので時計回りの周回とします。赤岳はちょっと手に余るかもしれないけど、その時はツルネから東稜を降下すればいいじゃん、とエスケープルートも用意します。
そうなると起点は天女山、この時期はゲート前ではなく山頂駐車場まで行けるのでお徳!。
で、赤岳から真教寺尾根を降りた場合、どうやって起点に戻ればいいのか?。
例によってまた手抜きルートを考えますが、今回はどう思案してもいいルートがない。結局県営牧場内を突っ切るしかありません。

天女山駐車場から出発したのは8時ちょうど。16時には帰着したいので、この時点で「上り3.5+稜線2+下り2.5」と皮算用しました。でも牧場横断だけでも小一時間はかかりそうで、これは我ながら無理のある計算です。
で、「上り3.5+稜線2」のところで多少なりとも貯金して下りに回そうなどと考えつつ歩きました。

道は前回歩いた道ですが、ラッセルしながら苦労した道と同じとは思えない景色。また所要時間もなんとも驚くほど短く登っていきます。こりゃいいや・・・。
前三ツ頭から先は初対面の道ですが問題も無し。快調です。
ところが三ツ頭を越えたあたりから誤算発生!。
足元にいろんな高山植物が現れて観察・撮影するのに時間がかかります。撮影はかがんだりほとんど腹ばいになってするのだからなおのこと。

それでも、この時点では、まだ高をくくっていて、存分に写真を撮ったりして花を楽しみながら進みます。
そうこうして権現岳に着いたのが11:00ちょうど。きっかり3時間です。30分貯金だ!
権現岳山頂は狭くてゆっくりもできないので、ここは速攻稜線に向かいます。
稜線の東を見れば雄大な赤岳が・・・、見えない。見えません。ガスガスです。
そうなると勢い視線は足元に集中。源治梯子を降りながらも斜面に咲いた花に眼が行き、レンズを向けますが離れているのでうまく撮れない・・・。
途中だけど梯子から降りちゃおうか、なんて考えますが、いやいやそんなヒマはないぞ、と。

それでもイワベンケイやチョウノスケソウなんて今までヤマレコでしか会えなかった花々が現れるとどうしても道草になります。
ツルネに着いて時計を見るとすでに稜線歩き1時間ほど。
まずいです。まだ稜線の1/3位しか歩けていません。しかもこの先キレット越えもある。

ここで予定のエスケープとするか・・・、と思案しますが、もう勢いが付いているのでやめる気になりません。赤岳いくぞ!ってなもんです。

ここから新兵器のナビを取り出して自分の位置を確認しながらエンジンをかけて歩きます。
やがて目の前に大鞍部、キレットが現れ、その深さに呆然。沢の音さえ聞こえてきます。まさか稜線で沢越え?。そりゃないよね。でもそれくらい深いです。

キレット鞍部から前方を見れば屏風のようなピークがそそり立ってます。
しかもそのあたりから足元はひどいガレ場と化しました。
もろい岩の上は歩きにくいこと、また急斜面の岩場は息が上がります。
そして次々に現れる鎖と梯子、どこも一歩間違えれば命に関わりそうな場所ばかり。
今度のピークが山頂かと思うと違う。何度も騙されます。
赤岳到着13時と目論んでいたのに一向に着きません。そして20分遅れで登頂。
う〜ん。貯金はたいちゃったが、まずまずとするか・・。

休憩したいところですが、頭の中で読めない牧場横断の時間が気になります。
先を急ぎ、今度は真教寺尾根を降下。
こちらは降りたとたんに鎖、鎖。というか一本の鎖が長い!5、60mもありそうなのが次々と来ます。
でも降下の効率がいいや、ってんで快調に下ります。
急降下の鎖が終わってナビを見ると標高2700m。もう200mほども降りました。しめしめ。
でもその先は真反対でした。標高2300mほどの高さで大小のピークをアップダウンしていて一向に下がっていかないのです。
やがて牛首山のピークを過ぎると道の向きも変わり、前方のスキー場リフト乗り場を目標に一気に降下しました。

スキー場のリフトを左に見ながら川俣川に平行に下り、やがて川俣林道と交差。ここまでが、いわば「下り2.5時間」の胸算用でした。しかしすでに貯金はおろか帰着目標の16時さえ過ぎています。
牧場横断ルートは牧場内は気持ちの良い散策道。牛にも出会えて楽しいのですが、何筋もの沢越えがあり、その度の小さなアップダウンが疲れた足にこたえます。
しかも最後に駐車場に向かっての舗装道路歩きがきつい。こんなことなら車は下のゲート前に置くんだった、など後の祭りです。
この周回コースなら車二台でつなぐか、単独行なら自転車デポなど対策を考えた方がよさそう。
結局、予定より1時間超過の17時に帰着となりました。くたびれた・・・。



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コメント

間違ってたら、ごめんなさい
こんにちは、pasocomさん。

とりあえず、分かるものから。


>これ、ミヤマシオガマか。
葉っぱが四つなのでヨツバシオガマ。

>どなたかお助けを
ムシトリスミレ。園芸種とは大分違う。八ヶ岳では結構みることができる。食虫植物。
2012/7/11 18:16
RE;knot様/花の名前をありがとうございます
早速のコメントありがとうございました。
「ヨツバシオガマ」は、なるほど葉の付き方に着目する必要があるのですね。
同じ「シオガマ」でもそんな違いがあるとは・・・。
「ムシトリスミレ」に至っては、教えていただいたからこそ、なるほどと。まったく手がかりありませんでした。
きれいな花ながら、これで食虫植物とは恐れ入ります。
花弁にさわってみれば特徴がわかったのかもしれませんね。
いつも本当にありがとうございます。おかげさまで私もそこそこわかるようになってきたと自負してはいるのですが。
今後ともよろしくお願い致します。
2012/7/11 20:43
ニアミス?
日付もコースも微妙に違いますが、今日編笠山〜権現岳で
八ヶ岳デビューしてきました。
これから山行記録起草しますが権現岳近辺はpasocomさん
レコ参照ってことにしようかな♪

初めて間近で見た赤岳にびびっちゃいました。
あの尾根歩かれたんですね〜。
すごい。
2012/7/11 21:38
懐かしい
天女山からの権現、私も冬に登りました。
けっこうな急登に、夏は辛そうだなーと思いながら登りました。懐かしい 
お写真拝見して「雪が無いとこうなるんだ〜」としみじみしてしまいました。

また編笠→キレット小屋泊→赤岳→硫黄→美濃戸というのが学生時代の定番ルートだったので、
私の中で「八ヶ岳」といって頭に浮かぶ風景はまさに写真56枚目。懐かしい◆

しかし八ヶ岳は花の種類が豊富ですね。誤算もうなずけます。
「カモメラン」、私も見てみたい〜。
2012/7/11 22:08
おどろき :-o
さすがpasocomさまらしい
一番難しい尾根から初登頂ですか
ロングコース御苦労さまでした。
私も今年予定していたコースです。
稜線と高山植物楽しまれたようでなにより。
カモメランとの遭遇率高いですね。
24) はゴゼンタチバナかと。

登りもすごい早いですね、私のトレランより早いですよ
藪こぎないと、驚きに早さでなんですね。
2012/7/12 8:56
RE;mmg様
「北アルプスデビュー」の前に「八ヶ岳デビュー」が控えていたのですね。
「間近で見た赤岳にびびっちゃった」とは、当日の天気はよかったのでしょうか。
前日、私の時はまったくのガス状態で、赤岳に登ったのに、驚く無かれ、まったく赤岳の姿を見ずじまいなのでした。
尾根歩きでもガスの中に次のピークが徐々に現れてくるという感じで、展望はゼロ。
おかげで鳳凰に続いての花メインのレコとなった次第です。

そういうわけで、mmg様のレコ(特に写真)、とても楽しみです。
いつものような傑作コメントも、もちろん待ってますよ。
2012/7/12 9:48
RE;yokowv様
コメントありがとうございます。
覚えていますとも、yokowv様のレコ「権現岳にマイッタ」ですね。
私はといえば「このレコにマイッタ」なのでした。
>山の悔しさは山で晴らす。
ちゃんとした山屋にならないと。
(引用させていただきます)
はちょっとした衝撃だった。すごいな、と。

私にとってのyokowv様の印象はあのレコが強すぎて、つい「yokowv様らしくない花レコで。」などと言ってしまうのでした。

改めてyokowv様のレコを見直せば、「雪があるとこうなるんだ〜」と驚き。同じ山に見えません。
でも、夏の花いっぱい八ヶ岳は本当に見に行く価値ありです。ぜひご自身の眼でご堪能下さい。
2012/7/12 10:00
RE;nori3様
今回も花の名を教えて頂いてしまいました。いつもありがとうございます。
「ゴゼンタチバナ」さっそく調べて見ると、思った通り白いのは花弁ではなく「苞(ほう)」というものだそうで。
「ゴゼン」は白山の「御前峰」から名付けられたとか。
高山植物には「ハクサンチドリ」「ハクサンイチゲ」などあるのに、さらに「白山」なのですね。驚きました。

歩く速さ、自分で考えるに「欲張り」なのでしょう。限られた時間内で最大限楽しみたい、そう思うと花を愛でながら、それを補うために必死で歩く。
ツルネで降りようかと迷ったときに結局赤岳に向かっている自分に「我ながら欲張りだな。」と苦笑いでした。

その先、赤岳まであんな難コースだと知っていれば撤退していたかも。
「一番難しい尾根から」だったのですか。
知らぬが仏、とはこのことでした(^^)。
2012/7/12 10:10
pascomさん、こんにちわ。
翌日、同じようなコースをあるいたものです。わからなかった花の名前、いくつか参照させていただきました。ありがとうございました。

ちなみに私は、美し森から天女山入口まで、自転車を使いもどりました。
2012/7/12 13:40
RE;totoro_san様
コメントありがとうございます。
さっそくtotoro_san様のレコを拝見いたしましたが、ほとんど同じコースを歩かれたのですね。
同じようなことを考えられた方がいらっしゃったことに驚きました。
さらに私が後から考えた「自転車デポ」まで、すでに実行されており、最後天女山ゲートに自転車を置いて登山道を上るなど芸が細かい!すごいです。

水曜日は本当に天気良かったのですね。写真を拝見し、うらやましいこと。
私は、自分の足元以外は他の山など一切見えない状態でしたので、まるで眼をふさがれて登ったようなもの。
totoro_san様の写真を見ても自分がどのルートで赤岳に登ったのかまるでわからないのです。

しかし、何事もすべてOKではないようで、20mの強風だったとのこと。
前日は終日無風でおだやかでしたから、稜線歩きでも汗をかきながらでした。
どちらがよかったやら、わかりませんね。
まあ、私にとっては初挑戦の赤岳に登れた訳なので展望なくても良しとしましょう。

totoro_san様とは似たようなホームグラウンドのようで。今後も同じようなニアミスあるやも知れませんがよろしくお願いいたします。
2012/7/12 16:15
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