(過去レコ)荒川三山〜赤石岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 32.4km
- 登り
- 3,394m
- 下り
- 3,378m
コースタイム
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 12:30
天候 | 13日=晴れ 14日=晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2004年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ゲートから歩き、七釜橋を渡り、二つのトンネルをくぐり、林道終点から左岸の河原へ降りる。 山と高原地図(2007年版)には、”橋の下流側で右岸の河原へ降りる”と書かれている。 各地点の標高 湯折ゲート=約1070m 渡渉開始地点=約1090m 広河原(避難)小屋=約1450m(大聖寺平まで急登) 大聖寺平=約2720m 渡渉のち急登という点で、幌尻岳やカムエクへのルートと共通している。 復路で数えたら渡渉回数は12回だった。 |
その他周辺情報 |
写真
感想
12日から15日まで勤務先はお盆休み。
天気さえ良ければ、山小屋も道路も混むのを覚悟して、山へ行くことにしていた。
山小屋一泊で、赤石〜悪沢へ一般的な椹島から登るには畑一ダムを真夜中に通過しなければならない。
多分、(ゲートを開けるキーの番号を知っている)釣り人の車が入るだろうから、それに便乗させて貰うことを考えていたが、入るかどうか、そして乗せてくれるかどうかは確実ではない。
大鹿村役場に聞けば、小渋川沿いのルートは最近雨が降っていないので入れると思いますとのこと。電話に出た男性が、「私もずっと以前に行ったことがあります」と。
椹島からは畑一ダム始発のリムジンバスでも一泊二日は無理だが、小渋川からは可能である。
尚、今回この山を選んだのは前回行った時に天気が悪くて、全く展望が得られなかったからである。
湯折ゲートに着き、車のヘッドライトで登山靴に履き替え、3:15スタート。
上空は満天の星空、天気予報では13日は晴れ、14日は曇り時々晴れとのことだったが、二日間とも少しだけ雲はあったが快晴に近い好天だった。
林道をゆっくり歩いて小渋川に架かる橋を渡り、トンネル出口で車道終点から河原へ降りる。
4:20、まだ真っ暗で渡渉はとてもできない。左岸の急斜面の山の中へ入ると長いロープが引いてあった。踏み跡がはっきりしないので、河原へ降りて夜明けを待つ。
渓流釣りをやっていた時のウェーダーに履き替え、4:55渡渉開始。
広い河原で流れ込む滝は高山ノ滝だけで、水量さえ少なければ歩きやすい。
河原の中で、水面に沈んでいる岩の部分が、色の濃い部分と薄い部分があり、薄い部分は直近の増水を示している。荒川小屋に着いた時、最近雨が降ったのかどうか聞いたら、昨日の夕立で増水したのでしょうと言う。あと10cmほど水位が高かったら、流れも速くなるので渡渉は危険だったかもしれない。
広河原小屋へ着くまでに小さな高巻きが一回あった。
小屋の手前で60代と思われる単独行の男性が降りてきた。
携帯で花の写真を撮っていると下(下流側)から上がって来る人が見えた。両手にストックを持った若い人だったが、私が途中で10分ほど休んでいる時に追い抜かれた。
避難小屋の近くで、河原から樹林帯に入る所で登山靴に履き替え、ウェーダーは岩陰の他の登山者からは見えない所にデポした。
避難小屋7:00通過、数分間平坦な林を歩いたのち、後は急登の連続だった。
渡渉の後の急登と言い、幌尻岳のルートとそっくりだった。
8:40から10分間休んでおにぎりを食す。船窪の表示がある所が9:25、荒川前岳の大崩壊地の凄まじさを目の当たりにする。
針葉樹林帯を抜けてダケカンバ帯、更にハイマツ帯を上がって、やがて山腹を巻くような緩やかな上りとなり、10:05大聖寺平に着く。
荒川前岳の奥に広大な悪沢岳がそびえ、その息をのむ山容にあらためて南アルプスの山の大きさを見せつけられた。
当初の予定は赤石岳に登り、荒川小屋に泊まって、明日悪沢岳に登る予定だったが、予想より早かったので、今日悪沢岳、明日赤石岳に変更する。その方が早い時間に下山できるから。
荒川小屋に10:30に着き、本日一番乗りで宿泊手続き後、デイパックにカメラ・水・おにぎりを入れ替えて悪沢岳へ向かう。
ザックがすっかり軽くなり、前を行く登山者を次々と追い抜く。
中岳11:45で5分休み、悪沢岳とのコルに向かって緩やかに下り、コルから悪沢岳へはかなりの急登だった。
今日もまた軽い高山病の症状が出て、小屋で寝るまでずっと軽い頭痛だった。
荒川小屋から前岳に至る大きな斜面は、色とりどりの花が満開で気持ちが安らぐ。
12:40悪沢岳登頂。前回、4年前の9月上旬に来た時は雨で展望どころではなかったが、今回は360度の素晴らしい展望。槍〜穂高も小さいながらはっきり見え、ガスはどの山にも全く掛からず。中央アルプスには僅かに雲が掛かっていた。木曾駒と宝剣は見えにくかったが、空木岳と南駒は見えた。
間ノ岳が大きく、北岳はそれに隠されていて肉眼では識別できなかった。
中央アルプスの背後に御嶽山、その南には特徴のある恵那山が雲上に浮かんでいた。
聖岳から赤石岳を見た時、赤石岳の南尾根が、巨像を正面から見る印象だったが、悪沢岳から見てもとてつもなく大きなどっしりした山に見える。特に小赤石岳から北北東に延びる大きな尾根は綺麗で、端正な形である。
日本百名山ということで大勢の登山者が先行しているだろうと思っていたが、意外にも私が登頂した時は2〜3人だけ。山頂には50分いたが、一時的に10人くらいいたこともあった。先を急ぐ必要がないのでじっくりと展望を楽しむことができた。
中央アルプスの麓の駒ケ根市街も俯瞰することができ、筆舌に尽くせぬ素晴らしい展望だった。
携帯の電波は荒川小屋周辺だけで入り、山頂では動き回っても通じなかった。
荒川前岳から三伏峠経由で塩見岳に至るルートは、写真ではなかなか見る機会がないが、こうして実際に眺めていると縦走することを前提として又来たくなる。
赤石岳から聖岳に至るルートが見えた時も同じ思いであった。
富士山はずっと見えていたが、下界はずっと雲に埋め尽くされていた。
いつまでも、いついつまでも眺めていたい気の遠くなるような山岳展望だったが、13:30下ることにした。
誰もいなくなった山頂は静けさと寂しさが交錯する複雑な空間だったが、展望を独占する心の余裕はあまり感じなかった。
中岳14:15で、行きと同じく帰りも5分の小休止。南岳には14:30に着き、20分休む。大崩壊地には短い区間だがロープが張られ、真下は見下ろせない。後何十年〜何百年後には、大崩壊地はどうなっているのだろうか…
15:40荒川小屋に戻り、350mlの泡の立つ水を持参したピーナッツで飲む。【※】
夕食は4時からと言われていたが、実際は4時半からだった。
16人で満席になる狭い食堂で、30分単位で入れ替えだった。
18時過ぎ、頭痛の薬と睡眠導入剤を服用し、入眠する。
標高2500mに位置する荒川小屋は陽が落ちてからは寒く、夜、寝袋と毛布だけでは寒くて夜中に目を覚ます。
午前2時過ぎ、周りのざわつきと寒さで目が覚めたが、眠剤が効いていたのか、その後も浅い眠りの中にいて、3時半ごろに起きる。朝食は4時からだった。
朝食後、便意を全く感じず、身支度をして4:35小屋を後にする。外はライト無しで歩けるようになったばかりだった。ライトを点けて先に出た人を追い抜き、5:00大聖寺平に着く。
赤石岳へはデイパックに入れ替えて行くつもりだったが、少しも暑さは感じないし、面倒なのでそのままのザックで行く。重いザックで少々急ぎ足で歩いたので、寒さは全く感じず。小赤石岳5:50、赤石登頂6:10だった。
昨日は雲の掛かることが多かった中央アルプスだが、今朝は全く雲がなく、恵那山も麓から山頂までよく見える。槍〜穂高連峰だけ雲に隠され、富士山は雲海に浮かんでいて、こんな光景は多分初めてではないかと思う。
大菩薩から秩父連山まで、昨日は雲海に沈んでいた山々も今朝はよく見えている。
百諒燭呂修量召猟未蝓⊃燭段燭蕕淵董璽屮訃の高原に見えた。
北に大聖寺平、東に富士見平を従え、高台の上に建つピラミッドという感じの大きな山で、その頂点に立っていると、他の山の場合でもそうだが、周辺の山の方が高く見える錯覚に陥る。
山頂で便意を催し、眼下の避難小屋のトイレに入る。赤石岳でも50分いて、7:00下山することにした。
小赤石7:20、最後の3000m峰からの展望を10分間楽しむ。
二日間ともパーフェクトに近い天候に恵まれ、思い残すことのない山行となった。
山で死ぬのは絶対嫌だが、もういつ死んでもいいとさえ思う満足感だった。
大聖寺平8:00通過、ここから広河原小屋を目指して急降下となる。船窪8:30着、大崩壊地を眺めながら10分間小休止。広河原小屋10:10、今日 大聖寺平以降で行き会ったのは船窪の上で単独行の一人だけ。昨日の登りでは下る人5人とスライド。
河原でウェーダーに履き替えたりして10:15から20分休憩。
12回の渡渉で林道終点下の河原には12:10着、ここでも20分休む。
河原を吹き抜ける涼風は爽やか、山行の充実感に酔い痴れ、松川IC→八王子ICを高速走行し、18時丁度に無事帰宅した。
【※】2014年10月、肝機能不良と診断され、アルコールはドクターストップ
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