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Yamareco

記録ID: 2621628
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

紅葉の見頃を迎えた立山と剱岳登頂

2020年10月03日(土) ~ 2020年10月04日(日)
 - 拍手
ohto その他1人
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
12:52
距離
18.0km
登り
1,796m
下り
1,856m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:34
休憩
2:32
合計
9:06
9:11
7
9:18
3
9:32
5
9:37
9:38
11
9:49
9:50
4
9:54
9:56
88
11:24
11:33
53
12:26
12:44
19
13:03
13:07
41
13:48
13:58
10
14:08
14:15
19
14:34
14:40
4
14:44
15:05
6
15:11
15:14
6
15:20
15:28
4
15:32
15:36
3
15:39
15:57
3
16:00
16:13
9
16:22
16:29
5
16:34
16:38
43
17:21
17:24
17
17:41
17:54
23
2日目
山行
3:07
休憩
0:36
合計
3:43
7:39
7:49
64
8:53
9:00
2
9:02
9:18
10
9:28
9:29
9
9:38
23
10:01
15
10:16
14
10:30
10:32
0
10:32
ゴール地点
天候 3日は曇り時々晴れ、4日は曇り
過去天気図(気象庁) 2020年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
扇沢駅まで自家用車、そこから立山黒部アルペンルートで室堂を往復
コース状況/
危険箇所等
日の入り後に剣山荘〜剱沢キャンプ場に向かう場合はヘッドライトがあっても道に迷いやすいので剱岳への登頂時刻は早めに
その他周辺情報 日帰り温泉 大町温泉郷 湯けむり屋敷 薬師の湯
予約できる山小屋

装備

個人装備
絆創膏 テーピング ミニハサミ 足吊り漢方薬 整腸薬 登山靴 ザック 登山用ストック ヘッドライト 予備電池(ヘッドライト用)2個 テント フットプリント(グランドシート) テントマット シェラフ ヘルメット ヘルメットケース シェラフカバー グローブ GPSウォッチ 登山マップ(山と高原の地図) 登山マップ(スマホ用) 登山計画書 方位磁石 湿度温度計 ココヘリ 登山届 控と提出 レインウエアー登山用 ザックカバー アタックザック(トレラン用) テントライト(LED)充電型 モバイルバッテリー20000mmAh スマートフォン サングラス 水筒(ナルゲン) 水筒(モンテイン450mm) 2本 水汲みボトル 2リットル ダウンウエアー 登山 高機能用フリース バーナー 五徳 クッカー 燃料タンク大 2つ カトラリー(ステン箸 フォークスプーン ナイフ) タオル 雑巾(テント夜露を拭う) ハイドレーション2L 熊鈴 ストックカバー× テントオプション(テントライト他小物置き) シェラフ圧縮バンド シェラフ収納防水ケース 帽子 ネックウォーマー カイロ 着圧タイツ Tシャツ・ズボン パンツ替え2枚 靴下メリノウール ミレー長袖 起毛の登山ズボン ベースレイアー スーパーメリノウール長袖 スーパーメリノウール 半袖 速乾Tシャツ

感想

北アルプスに足を踏み入れて3年目、昨年、槍ヶ岳と奥穂高岳に登頂を果たし、
機も熟して来たところで、今年は劔岳の登頂を目指そうと考えていました。
今年、最も信頼の置ける山友のしゅうさんと、憧れだった日本の最奥地、日本最後の秘境の黒部源流の山々を歩き、次は劔岳にチャレンジしようとシルバーウィークに照準を合わせ、誘ってみたら、ふられてしまいました。
さてどうしようかと、一般登山道では最難関とされる劔岳に、一人で踏み入るのは?と考えているところに、身近にお付き合いのあるラン仲間に登頂を果たした人がいて相談したら、僕が都合が付けばいいですよ!と快く、ガイドを引き受けてくれました。

劔岳に関しては、経験、知識、度胸、季節、天候、体力、機運が揃ったときにチャレンジする山だと考えていたので、天候が悪いときには無理して行くことはやめようと決めていました。シルバーウィークから2週間後、10月3日、日本山岳協会が制定した登山の日(後から知った)に行こうと言うことになり、計画を立てました。

山の天気アプリで一週間前から欠かすことなくチェックを続け、概ね天候が荒れることがないことを判断して前日の金曜深夜0時に出発しました。
高速は順調に走り抜け、安曇野インターで降りたあと、コンビニに立ち寄りトイレ、朝飯を購入、扇沢を目指します。

そして、このあと、ビックリしたことがありました。途中、扇沢駐車場に向かう45号線で熊が横切ったのです。左から右に勢いよく走り抜けて行きました。車にぶつかることなく、あっという間に通り過ぎたので事なきを得ました。

立山黒部アルペンルートの長野側、玄関口の扇沢駅には3時半前後には到着し、駅真下の有料駐車場に駐車しました。まる二日間駐車しても3000円ですし
扇沢のチケット売り場を往復しながら交代で列で並ぶことを考えたら、無料駐車場
ではなく、真下の有料駐車場に止めるべきです。

立山黒部アルペンルートのチケットは前もってWeb販売で購入することができる
ようです。そんなシステムがあるのを知ったのは出発当日で、すでに当日券のみの
販売に切り変わっていました。天候が保証されていないのでやはり、当日券がベターなのかもしれません。
室堂を9時に到着して、9時10分に登山を開始したかったので、朝一番の始発7時30分に乗るにはどうしたら乗れるか? を考えていました。
たぶん、ここに待っている人たちは全員同じことを考えていることでしょう。

駐車場に止める前に駅前を車で通過したときには、駅前のベンチに寝袋に包まれて
寝ている人が数人いて、行列はありませんでした。

車で目覚ましをかけて仮眠することにしたのですが、やはり、気になるのは、順番待ち。気になると、二人でウトウトしながらも寝むれずに相方が車から出て、偵察に! 有料駐車場から駅に上がる階段脇にトイレがありますが、そのトイレに行く人はいても、ザックを背負って駅前に向かう人はいませんでした。

5時30分、始発の2時間前、駅前にザックを置いて順番待ちすることにしました。
券売所からはすでに順番待ちの列が!出来ていました。ところが、相方の機転は素晴らしく、偵察に行った際に、エアクッションの座布団をすでに行列に並ばせていました。そのおかげで、並んでいる人で数えると50番目くらい、恐らく、並び役以外のお仲間を足すと我々の前には100人以上はいるだろうことは予想されました。

二人のザックをエアクッションと入れ替えた後
本当に瞬く間に、後続に行列が出来始め、あっという間に折り返して2列になっていました。最終的には3列になっていましたが、この混雑の原因は、Go Toキャンペーンと紅葉を楽しみたい一般客が混ざったからだと言うのが後々わかりました。

二人で行列に並んでいる必要もないので、40分交代で、並ぶことに。ここで、また相方のタイムリーな機転が功を奏すことに、一つのザックをバス乗り場の改札前に移し順番待ちし、私が二人分のチケットを購入してバス乗り場に移動するという連携により、始発バスの改札前で7,8番目まで順位を繰り上げることに成功しました。

そこから、関電トンネル電気バスに乗り、黒部ダムに到着しダムを歩いているうちに後続を引き離して、先頭に立ち、黒部湖から黒部平までのトンネルのケーブルカーでは一番二番で乗車することが出来ました。

その後、黒部平から大観峰までのロープウエイでは眺めの良い特等席に腰掛け、色づき始めた立山連峰や後立山連峰の山々を、眺め紅葉を鑑賞しながらの乗車でした。最後の立山トンネルトロリーバスでは2番目のバスでしたが、予定通り9時に到着することが出来ました。

室堂駅から外に出ると、主峰雄山、大汝山、富士の折立の稜線がしっかりと確認できるほど視界良好でした。ただ鑑賞する間もなく立山玉殿の湧水で水を補給。

山の天気予報では、本日よりは翌日のほうが、上り坂でったのですが、室堂についてからどうしようか?考えようと言うことでしたが、相方の判断でとりあえず、劔岳方面に向かおうということになり出発しました。

事前に私の方で、弾丸登山で室堂から劔岳という強行軍を想定して、ヤマプラで行程をトレースしたのですが、どうやっても劔岳登頂後の剣沢キャンプ場到着が19時30分頃になってしまう想定だったのでどれだけ時間を稼げるかにかかっていました。

初めての室堂、立山で、ブラタモリやYouTubeなどで予習していたので、周囲をキョロキョロしながら、あれが雄山か、あれが一の越か、これがミクリガ池か、これが地獄谷か、という感じで前に歩を進めていきました。

歩いていくと、地獄谷火山監視小屋付近に差し掛かると、別山の左脇あたりにはみ出して見えるギザギザした山が見えてきました。まさしく、劔岳の前劔もしっかりと確認出来ます。

やはり、存在感と威圧感のある山だと実感しました。昔は死の山と言われ、人を容易に寄せつけなかった理由がよくわかりました。

一二週間前にトイレ待ち1時間で、ニュースになっていた雷鳥沢キャンプ場に到着。
流石に、行列はなく、空いてました。

そこから2700m劔御前小舎まで、約500mほど高度を上げなければならないので、
ちょっとお腹に入れようと、ルート脇にあったベンチに腰掛け小休止しました。

そこから浄土沢にかかっている木の一本橋を渡り、雷鳥坂から雷鳥沢キャンプ場の色とりどりのテントと紅葉の景色を楽しみながら、1歩1歩踏みしめながら、ゆっくりと登っていき、劔御前小舎を通過しました。

劔御前小舎から、二股に別れた道の左側を通り、10分ほど歩くと剣山荘へ向かう道とそこから、劔御前、劔岳山頂へとつながる稜線がくっきりと確認でき、威風堂々とそこに存在感を示し、陽の光を浴び、燦然と輝く劔岳の姿を視界にとらえながら歩を進めていきました。

想像していたイメージでは暗く黒々とした岩肌感でしたが、この目で見ると以外と下の部分は緑色で上部は黒いというよりは、岩肌は白く見えました。

剣山荘に到着したのは12時26分
荷物をデポしたかったので、小屋の中に入り、先に、山頂に向かうとしたら、何時頃までが目安ですか?と聞くと、警察からは11時までと言われています。と
友人が今から出発したらどうなんですか?とあらためて質問すると、それはわかりませんという表情をして、自己責任でお願いします。と言われました。

荷物は預ってもらえるのでしょうか?と聞くと、宿泊の方ですか?と聞かれ、そうでないと答えると、うちではそうゆうのはやっていないんですけどと言われました。
外の軒下の適当なところなら、置いても構いませんが、責任は持てないと言われました。

友人は、「明日は地震で食べることもできないかもしれない、美味しいものは先に食べる派」と劔方面に向かう道のりで話しながら、本日の登頂をしようとやる気満々でした。ちなみに私は「美味しいものは最後」に頂きたい派(笑)なんですけど、

彼に押されるように、二人で踏ん切りを付けて行ってみようか、ということになり、アタックザックに必要な荷物を詰めて急いで準備しました。

私はこの日のために、ハーネスとセルフビレイを購入していたので、ヘルメットを含めて急いで装着、貴重品、行動食、水、レインウェア、ココヘリを付け替えて手袋を付けました。盗難対策のためにダイヤル式ロックを持っていたので、2つのザックの持ち手部分を通してベンチ脇にデポして、出発しました。

私達の前に、男性一人が「行かれるんですか?」
「私も行こうと思って!初めてですか?」と声をかけられ、私は2回目ですと友人が答えてました。

普通の山なら、このように声をかけることもないのかもしれませんが、やはり、時間帯も遅く、一人だと、不安な気持ちも抱き、他人の一人でも、行動を共にする人がいたほうが安心する心理なんだろうなあと、考えていました。他にも何人か、少し前に、出発していました。

大きいザックから、アタックザックになり、軽量化したので、二人とも水をえた魚のように、ペースアップ! ただ、友人のペースは、更に上を行くスピード、普段、ランニング仲間として一緒に走っているのですが、チーム内で上位を争う速さで、走力もあれば、心肺能力も高い人で、ついていくのが、やっと。少しペースを落としてもらいながら、どんな難所が、目の前に現れるのだろうとドキドキしながら登りました。

一番目の鎖場が登場! まず、購入したオートロック式のカラビナが、ちゃんと鎖に掛けられるのか?不安だったので、確かめてみました。
鎖の繋目部分の向きを合わせて掛けると大丈夫なことを確かめました。

まあ、最初の方の鎖場は、序の口ですが
慣らし運転のように三点支持を確かめながらクリアしていきました。
YouTubeで難所は何度も予習してきていたのですが、いざ、その場に立ってみると感覚が違うんだろうなあと思っていました。

嫌だなあと思っていた前劔の門とその前の金属製のブリッジが、近づいてきました。
ここは、その手前のところから、稜線の岩壁の右側と左側で往路復路で道が別れるのですが、友人が、道を間違えそうだったので行きはこっちだよと伝えました。

友人は、5年くらい前に来ているわりには、詳細なコースはあまり覚えていないと話してました。友人にとってみたら、どうって事が無いような難所だったのでしょう。

私にとっては、しっかりと目に焼きつかせるためにYouTubeを見まくりましたので、前剱の門は手に取るように把握していました。

友人が、前回来たときには、風がめちゃくちゃ強かったので、鉄のブリッジを渡るのが怖かったと話していましたが、今日は、風はそこまでないので心配はいりませんでした。
前剱の門はブリッジを渡り、渡ったあとにすぐに正面の鎖をまず掴みます。
そこですぐに掴む理由は、ブリッジを渡ったところは立つスペースが小さく、
両側が切れ落ちているからです。

友人が劔の門にさしかかろうとしていたので、動画を撮影するのでちょっと
待つように話しスタンバイしてもらいました。

撮影開始、難なく、スムーズにブリッジを渡り、そこから、鎖を掴むと、最初の岩の足場にステップし、そこから一段上のステップに上がり、そこから鎖を掴まずに忍者のようにトラバースしていきました。

思わず、「ちょっと鎖を掴んでよ」と言ってしまうほど、見ている方が恐ろしくなる進み方をしていました。友人は安全な場所まで移動して、今度は友人がカメラを構えて動画撮影開始です。

ブリッジに載ると、動画では30cmくらいしか無いように見えていたのが、4〜50cmある感覚でしたが、やはり幅は30cmのようですが

以外と思ったよりも広いじゃんと思わず声が出ました。そしてブリッジを難なく渡り、鎖を掴むと右側の崖下が視界に入ってきましたが、ここでも動画では、
50〜100mの崖下のイメージでしたが、ここも見た目は30〜50メートルくらいの感覚でした。せっかくこの日のためにハーネスとセルフビレイ用として、ペツルのデュアルコネクトアジャストにオートロック式カラビナを腰に巻いてきたので、まず、鎖にカラビナをかけて、右にトラバースしようとカラビナを右に滑らそうとしたら、
摩擦抵抗というか、引っかかり感があって真横にずらすのに苦慮しました。

友人からも「いらない! いらない!かえって危ない 引っ張られるよ!」って声をかけられましたが、高度感も恐怖も感じなかったので、カラビナを外して、鎖場を掴みながら、右下の崖下をのぞきながらトラバースして、そこから、左上に巻いて難なく登っていきクリアしました。

その後、歩いていくと、前の3人組に平蔵の頭で追いつきました。平蔵の頭は、まず、鎖を掴みながら杭に足を載せて真上に3〜4メートルくらい、よじ登り、岩壁のてっぺんを体の向きを変えながら、狭いステップに足を載せて、岩壁を乗り越えて行きます。向こう側の岩壁斜面は下りになっていて一般的な降り方は壁に正対して、鎖に掴みながら足下を確かめながら降りていく要領なのですが、友人は、これまた、驚きの下り方で、平蔵の頭の下りをものの見事にあっという間に下っていきました。

それはどんな方法かと言えば、登り方面の平蔵の頭の下りは、見た目ほど、斜度はなく、雨でも降って滑らなければ、下まで滑落してなんてことはなさそうです。

友人は、お尻を岩につけて?つくかつかないかくらいで、滑り台を滑っていくイメージで下っていったのです。なるほどと思いました。私も同じ要領で下ると簡単におりることが出来ました。

思わず、段ボールを使って土手を滑り降りる感覚で、子供みたい!って
笑ってしまいました。
友人いわく、鎖を掴みながら、一歩一歩足下を確かめながら降りていくのは面倒くさいと話していました。このあっという間の下り場面を動画におさめれば良かった。

そして、下山側の平蔵の頭の登りの人と、すれ違い
カニのタテバイ方面に進みます。タテバイ手前にも、ちょっと緊張感を感じる鎖場の登り降りがありましたが、友人が親切に三点支持を意識させようと声をかけてくれながら、クリアしていきました。

そして、あれが視界に入ってきました。何度もイメージトレーニングしてきた、
カニのタテバイが現れました。

友人が、どうする?先に行く?それとも後に行く?と聞かれました。先程の3人組が、取り付こうとしているところでした。
友人に先に行って余裕があったら、足場の確認、指示をお願いします。
と伝えました。

その時、後ろから、ちょっと待ってください!
と大きな声で男の人が近寄ってくるじゃありませんか、「すみません。私、一人で来ているのでタテバイで写真を撮ってもらえませんか?」と言われました。思わず、張りつめた緊張感がほどけて、気持ちが少し楽になったような感じがしました。

一枚撮影してあげて、その後、我々二人も、お返しと言わんばかりにタテバイの前に並んで記念撮影してもらいましたが、カニのタテバイをバック(背景)に撮ってよかったです。

岩と雪の殿堂とよばれる剱岳を象徴する難所中の難所カニのタテバイ、氷河に削り取られた山容、不整列にも山道として山頂まで導くように揃っているとは言えない岩のアンジュレーション。
誰がここを登山コースと決め、杭を打ち、鎖を設置したのだろうと感慨深く考えたのはあとの話ですが岩壁の角度と高度感が、いい記念写真になりました。

友人が、では行くよ! と声をかけて、左側から
右に向かって岩にとりつきます。鎖、岩を掴みながら、三点支持を意識して!と
声をかけながら、あっという間にタテバイの中間地点まで一気に登っていきました。

鎖がかけられている杭のワンスパン分、前の友人と最低でも間隔を空けなきゃと思う間もなく、とにかく登るのが早い友人。私はこの友人と登るときに意識したことは、友人は走るのも歩くのも登るのもハイペースな人。いや、自分がノロイのかもしれないが、彼のペースに引っ張られて転倒、滑落、怪我がないように自分のペースを守り一歩一歩、ワンステップワンステップを確実に安全に登ることを特に意識して登るように心がけました。

タテバイも同様ですが、あまり、考えながらグズグズ登るのも危ないですが、岩や杭の足場があるところは足の力を極力利用して高度を上げ、足場が安定していないところは、鎖や岩を掴んで上半身の力を利用して這い上がるイメージでよじ登ります。

友人は、すでに足場の広い岩棚に登り切り、右側の安全地帯から、私の登りを見守りながら、的確な指示を出してくれています。

タテバイは、私のイメージで言うと、下半分から2/3程度までは、角度も垂直ではなく、70度くらいかなあと。勿論、70度でも垂直と危険度はなんら変わりません。前半は足場と杭があり、高所恐怖症さえ無ければ問題なく登れます。
やはり、最後の1/3部分は杭と、ちょっとした岩の凹凸に足をかけて、左手で鎖をしっかりと掴んで真上に体を引き上げる必要がありました。

岩棚の上に上がる前までに、下にいる写真を撮ってあげた方がゆっくりと登って来ていましたが、やはり、下を覗くと、高度感を感じます。

あともう少しだと思って、広い岩棚にせり上がり鎖を掴んだ瞬間、安堵感を感じました。  Youtubeで何度も見てきたが、広い岩棚にあがったところで、たいがい
の方は、怖い! もう来たくない! 1回でいいや!とつぶやく人が多い。
ここでよじ登った瞬間に私も同じことを思いました。本当にあるあるでした!

セルフビレイを取らずに鎖をつたって友人のいる安全なスペースにトラバースするのですが、ここを通過する際にも、友人は、そこにまず座ってから、岩のステップに足を置いてから、ここの安全スペースに来るように支持してくれました。

鎖もかけられており、難なく通過できると判断できるところでも、危ないところは潜んでおり、2回目に登る人と初めて登る人では気づくポイントの差が出ると感じました。確かに座ってからステップすると確実に進めると感じました。
間違いのないルートファインディングとリスクの少ない登り方は大事ですね。

皆さん、ご存知ですか?
カニのタテバイは、この垂直に近い岩壁部分だけではなく、この上まで続いているのです。ただ、高度感はなく、難易度はカニのタテバイの核心部分とは雲泥の差です。

下山時刻を考えるとのんびりはしていられません。友人も先を急ぎ、姿が見えなくなるほどでしたが、一つ一つ先に進んでは、登り方を解説してくれます。登る方向を指し示し、あともう少しで山頂だよと声をかけてくれました。

私のイメージでは、すぐに山頂に到着のイメージでしたが、カニのたてばい部分が
終わった後からは、難易度は低くなりましたが、両足を岩の側面にかけて登る部分もあったり、思ったよりは、山頂まで少し時間がかかりました。山頂の祠が見えてきて
せっかくだから一人ひとり山頂に向かう動画を撮影しようと、友人が山頂に歩いていく動画を撮影し、友人が山頂に着いたら逆に私が山頂に向かって登っていくシーンを
動画におさめてくれました。
山頂に着いたときは、やったー! 念願の剱岳に登頂できた!という嬉しい
気持ちと、肩の荷が降りて少し安心できました。
私たちの前を行っていた男女3人のパーティーは、祠の前で、剱人のTシャツを着て
前を向いたり、後ろを向いたりしながら、何度も記念撮影を繰り返し撮っていました。もう何枚も撮影している感じでしたが、我々にも、その場を譲ってもらい、
私たちも後から来た方に色々なポーズで撮影してもらいました。
我々が撮り終わると、また、男女3人はまた祠の前で様々なポーズをとり、撮影を繰り返していました。私たちは剱岳山頂から眺められる360度のパノラマを堪能しながら、360度向きを変えながら、薬師岳の方角、槍ヶ岳、別山尾根の方角など
写真におさめると、日の入り時間が迫ってきます、夕陽も傾いており
山頂であまりに長い時間を過ごしているのは危険です。急いで下山しなければと
下山し始めました。

残るは最後の難所カニのヨコバイです。相方が先に進み、安全な位置に進むまで
私も上から待機して見守ります。まさにカニが横にカニ歩きするこの難所
相方は横歩きするスタート地点に両足を置き足場を確保してから、
どうぞと声をかけてくれました。
せっかく持ってきたセルフビレイのカラビナを右側の岩場に斜め下方向にかかる
鎖にまずはかけて安全を確保してから、ヨコバイの最初に右足を置くステップ部分
の岩場が見える位置までゆっくりと右手で鎖を掴みながら下降していきます。

その場に立った時の印象としては、YOUTUBEでは足を置くスペースが少ないのでは
ないか? という印象が強かったが、核心部分の赤矢印ペイントが見える位置まで
降りていくときには実際にステップはちゃんとあったというのが率直の感想です。
カラビナも斜めにかかる鎖ですから、自然と自重で1スパン分すべり落ちていきます。右足を置かなければならない赤ペイントが付いた岩に足を置くのは何度も
イメージしていましたので、迷うことなく右足を下に降ろしてから、左足を
降ろして足場を確保し、カラビナを次の1スパン分の鎖にかけてから横に移動
していきました。ヨコバイの足をスライドさせるスペースは、岩を砕いて作った
のでしょうか。そのスペースに両足を入れて安全を確保してから、下を覗き込むと
思っていたよりも高度感を感じませんでした。イメージでは50mくらい落差が
ある印象でしたが、実際の見た目は20〜30mくらいの高さではないかと思います。岩壁の角度も垂直ではなく、少し前傾するくらいの角度です。
勿論、落下すれば助かりません。

尚、カラビナを架けたまま横歩きしていくと、鎖の繋ぎ目があるので
一度だけカラビナを架け替えしなければなりませんのでご注意を!
そこだけは面倒くさい印象です。渋滞がまったく無いという条件で
絶対、鎖から手を離さない自信があって、足場を確保しているのなら
カラビナをかけない場合はあっという間にヨコバイを通過することができるで
しょう。でも渋滞が慢性的で、カニのヨコバイで待たされるような状況だったら
自分の安全確保用に腰にハーネスとセルフビレイコードを携帯していたほうが
安全確保になると思います。

私たちが通過した時間帯は16時前なので、前後に行列はなく、渋滞していなかった
ので、慌てることもなく、ヨコバイの難所で、のんびり安全確保練習しながら通過
することができました。

カニのヨコバイを通過後、平蔵の頭の登り、画像を遠くから見ると、高度感
ありそうで怖いのですが、いざ、その場に立つと角度も急ではないので
怖くはありません。帰りの平蔵の頭の登りは、L字に登っていきます。
往路で下ってくる人と交差しないように、ずらしている感じです。
傾斜もたいしたことはないので、なんなく平蔵の頭を超えると向こう側は
確か、記憶では鎖で降りていく感じだったと記憶しています。

そして、前剱の門の帰りがどうなっていたか?が気になっていました。
それが13番目の鎖場の前剱の門で目の前に立ちはだかるように聳え立って
待っていましたが、そこを慎重によじ登りクリアしたので、ほぼ危険な難所は
終了です。

剣山荘には17時41分くらいに到着しました。かろうじて真っ暗にならずに済みましたが、アタックザックを片付けて、大きなザックを背負ったところで真っ暗になってしまいました。そこからヘッドライトを点灯して、剱沢キャンプ場に向かいます。
目と鼻の先にあるとは言っても、周囲は真っ暗で、スマートホンも電池が無い
状態でしたので、道案内もできないまま、方角だけを頼りに向かいました。
山道の岩に黄色の矢印でペイントされた目印を頼りに向かうのですが、それがわかりずらかった。周囲が真っ暗になると方向感覚もなくなってしまうのかと
実感しました。
連れも、前を行く人の後を追う形で付いていったそうだが、室堂をスタートしてから
9時間以上経過すると、さすがに疲れもピークになって、キャンプ場を目の前に
して一度、私は座り込んでしまいましたが、ちょっと休憩後、また歩き始めて
18時17分に剱沢キャンプ場に到着しました。
勿論、外は真っ暗で、寒い! 真っ暗な中でテントを設営しなければならない。
やっとのとこ、テントを設営して、食事の支度をしました。
剱沢キャンプ場の管理事務所はこの時期すでに撤収していましたので、幕営料は
無料ですが、水の確保が出来ないだろうと思っていました。

いくらか水はあったので、シュウマイを蒸し、ゆで卵を友人と分け合って
ビールで乾杯しました。その後、連れはそのまま、睡魔に襲われてすぐに眠りに
ついたそうです。私は、しばらく、つまみをほう張ってから、しばらくして眠りに
つきました。

翌朝、3時頃に目が覚め、温かい味噌汁や飲み物を摂り、英気を養ってから
テント内で後片付けをしていました。連れはぐっすりと眠っているようです。
外は真っ暗で天気は、わかりませんでしたが、非常に風も強く、気温も
一桁台の気温でした。恐らく体感温度は0度以下であろうと
山頂では体感温度は間違いなく氷点下になっている可能性がありました。

結果的に昨日、剱に登頂しておいてよかったです。
3時頃から、周囲では剱に向かう人たちがヘッドライトを点灯して山頂に向かって
いきます。風も強く、小雪が少し舞っているようにも見えましたので、冠雪
ということも想定しなければなりませんでしたので恐らくは断念して撤退しようと
考えている人もいるだろうと思いました。
行くか?行くまいか? 非常に判断は難しいと思いました。
何かの記事かテレビでだったか、剣山荘のご主人のコメントを思い出しました。
確か、言葉は違いますが「数日の滞在期間で好天を狙って簡単に登れる山ではない。
この場所に余裕をもって訪れることの出来る人が登頂のチャンスを得る。」
みたいだったかと思います。だから我々は昨日のうちに、登頂できたことは
ラッキーだったのかもしれない。

剱沢キャンプ場から剱は真っ暗でせいぜいシルエットくらいは確認できるようでした。ヘッドライトの明かりが、ポツン、ポツンと山頂に向かっているのが確認
できます。ここで、自撮り棒を持参したので、ハイパーラプス動画を撮ってみよう
と近くにある岩場にセッティングして約30分間撮影してみましたら、早い雲の
流れと、少しづつ明るくなって剱岳のシルエットが見え始め、完全に夜明けとなり
剱岳の姿が見えるようになる面白い映像が撮れました。

連れも目覚め、本日の行動スケジュールを相談しました。
気温も低く、空はガスって眺望も期待できない。午後から室堂も雨模様の予報だった。今日は天候が悪いので剱沢から室堂迄直行することにしました。
もし、室堂で天候が好天し、雄山からの眺望が良さそうなら、荷物を室堂に
デポして雄山を目指すことにしました。
剱沢から、剣御前小屋に立ち寄り、連れが剱岳のTシャツを売っているよ!
と教えてくれた。ノースフェイスで5,000円。
剱沢小屋で販売している剱人のTシャツはすでに売り切れになっていると聞いた。
剣御前小屋ではベースが黒で緑色の字で剱岳と書いてあるTシャツが恰好よかった
のでそれを記念に購入することにした。

雷鳥沢キャンプ場に立ち寄ろうということになり、雷鳥沢ヒュッテに立ち寄り
行動食を食べ、水を補給した。連れが、コーラ飲む?と聞かれ、どうしたの?
と聞いたら、持ってきたのを忘れていたんだとか。ラッキー!ご馳走!
山で頂く、コカ・コーラは格別にうまい! ありがとうございました。

そして、雷鳥沢から急な階段を登って、地獄谷のあたりで、硫黄まじりの
ガスが噴出していて、急に喉が痛くなった。連れも同様の症状を訴えていたので
間違いなく有毒なガスだろう。

連れは、次第に歩くスピードが早くなり、100〜200mくらいの差が出来た。
天気も悪いし、あとは雷鳥探ししか楽しみはない。
彼は、雷鳥探しが得意だ。確かに山に出かけると雷鳥をだいたい見つけて写真に
おさめてくることが多い。どうやって探すんだ?と聞くと、雷鳥の気持ちになって、雷鳥が通りやすいハイ松などの、茂みの獣道を、右見て左見て首を振って探すんだとか。雷鳥は何度も茂みから出たり入ったりして餌を探したり、天敵の状況を監視している。自然と歩いたところは、踏み跡になるので、見つけやすいんだとか。
本当かどうか?わからないが、なんとなく信用できる。
みくりが池温泉が近づいてきたところで、雷鳥を彼は見つけた。
彼の眼力で見つけたわけではなく、別の登山客が何かを凝視している姿を見て
雷鳥ですか?と聞いたら、雷鳥だった。後から追いついた私にも雷鳥の存在を
教えてくれた。つがいの夫婦で、メスは冬毛に生え変わりつつあった。
ちょっと顔を出したところで自分も視界に捉えることができたが、すぐに巣に
引っ込んでしまった。

そこからは、みくりが池周辺を散策しながら雷鳥探しに没頭した。
室堂迄の道のりを遠巻きに周回しながら向かって、それからの雷鳥は見つけられなかった。   最後、二人で立山の石碑で記念撮影をした。

室堂でお土産をとホテル立山の売店に立ち寄ったら、ホテル立山限定の
白エビせんべいが旨いというので、購入した。そこで販売していた酒屋のご主人が
このせんべいはここでしか売っていないし、本当においしいよ!と教えてくれた。
連れもそれを聞いて購入していた。

室堂から、帰路も、タイミングよく、電気バスに乗車出来た。そこからの
乗り継ぎも順調に出来て、途中、大観峰からのロープウェイでは強めの雨が
降っていた。我々は室堂でも、ちょうど雨がパラついてきたね!と話しているうちに
室堂に到着し、雨に濡れずに済んだ。晴れ男二人組。
黒部ダムに着いたら、その雨がやんでいた。なんてラッキーな晴れ男なんだろう。

無事に扇沢に到着し、そこから車で日帰り温泉 大町温泉郷 湯けむり屋敷
薬師の湯に浸かってから、大町駅前のこってり系のラーメン屋に立ち寄り
帰宅の途についた。

今回、剱岳登山ガイドを買って出てくれた友人に感謝したい。


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