61.北岳「空より高く」
- GPS
- 32:00
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 1,714m
- 下り
- 207m
コースタイム
天候 | 一日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
甲府駅から広河原まで山梨交通バスを利用。 運賃は2000円だか、うち100円は利用者協力金が含まれている。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:分岐から白根御池小屋、草スベリを経て小太郎尾根分岐までは急登が続くので、ハッキリいって、体力勝負です。 草スベリからはお花畑が広がる斜面を登っていきます。 登山ポストの有無:僕は広河原インフォメーションセンターで登山届を出しました。 下山後の温泉情報:次の間ノ岳の稿を参照して下さい。 |
写真
感想
第61座 空より高く
いよいよ、この時がやって来た。南アルプスの白峰三山縦走登山の時が!
長期の縦走登山は2008年の盆休みに北アルプスの黒部五郎岳、水晶岳、薬師岳を縦走した以来だが、この時は全て小屋泊だったので、テントなどを担いでの長距離の縦走は、少なくても遭難からの復帰後は初めてである。ここのところ、体重が減っていないし、あまりの暑さにランニングやトレーニングをやっていなかったので、不安が大きかった。
数日前から、パッキングを始め、三日分の食料を入れたら、久々の出番となる60リットルザックはパンパンに膨れ上がっていた。旅立ちの朝に体重計にザックを乗せて量ったら、20キロもあった。そんなに重いザックを背負って登れるのか? 大丈夫か! 俺! そんな思いを抱きながら自宅から木曽川駅までの約5.5キロの道を、そのザックを背負いながら自転車のペダルを必死に漕いで走った。
今回の山旅も青春18きっぷを利用する。名古屋から中央本線で塩尻までいき、甲府に向かうのだが、連絡良く順調に昼に甲府に着いてしまった。駅構内の立ち食いそば屋でそばを食った後、12時発の広河原行きのバスに乗った。乗客は10人程度で、ゆったりと座ることが出来た。
広河原に着くと、近くにある広河原インフォメーションセンターで情報収集と登山届を提出。長い吊橋を渡って、広河原小屋に着いた。ここで幕営する手続きを済ませて、幕営地の空いたスペースにテントを張った。その後に小屋で缶ビールを買って、テントの前で飲んでいたら、夕立が激しく降って来た。テントの中に避難して、テントの中で飲んでいた。間もなくして、夕立が止んだので、またテントの外に出て、夕食作りを始めた。
結局この日は、日没と共に就寝したのだが、8月12日の起床時間は4時だった。天気は晴天無風。しかし、朝食を作って食べたり、テント撤収に時間がかかって、やっと出発出来るようになったのは6時55分だった。このスタートの遅さが後々まで響くことになろうとは、当時の僕は知る由もなかった。
白根御池小屋分岐からは、途中で山小屋があるという理由で、白根御池小屋から、草スベリを登って稜線に出るコースを選択。分岐からは登山道の坂が急勾配になって苦しい。60リットルザックには水が計4リットルも入っているので重量は24キロになっているはず。
登山道に苦しむというよりは、その重さに苦しんだという表現が合っているのかも知れない。
9時30分に白根御池小屋に到着。この小屋は新築されて数年の小屋で、清潔そうな小屋であった。僕はここで水を飲んで、喉の渇きを潤した。今考えれば、自由に水が飲める山小屋って大門沢小屋までないんだよなと思った。だから、しっかりと南アルプスの天然水を思い存分に飲んだ。再び歩き始め、白根お池を見て、緑色に輝く草スベリの斜面を見上げたら、点々と人の姿が確認出来た。
「ここを登るの?」
絶句した。
僕も草スベリの斜面に取り付いた。直登、つづら折とだんだん高度を上げていく。この頃から、高山植物がたくさん咲いていて、撮影のため立ち止まって、ゆっくりと登った。
この頃になると、北岳から降りて来る登山者とすれ違うようになって、お互いに挨拶した後、頑張って下さいねと付け加えていう登山者もいて、僕も、よし、頑張ろうと登り続けた。
小太郎尾根分岐まで登ると、鳳凰三山や甲斐駒が姿を表した。ここからは稜線歩きとなる。途中、岩稜をよじ登るところもあるが、そんな難しいところではなかったが、度重なる急登の連続で疲れていたので、北岳山荘ではなく、北岳肩ノ小屋で幕営しようかなぁ〜と考え始めていた。
13時5分、肩ノ小屋に着いた。この時点で標高は3000メートルを達し、2008年9月に登った仙丈ヶ岳以来の3000メートル越えとなった。この時点で、北岳山荘までたどり着くのに時間がかかるなと判断した僕は、即座にここで幕営することを決断。小屋で幕営の手続きを済ませて、仙丈ヶ岳がよく見える場所にテントを張った。若干地面が傾いているが・・・・。
テントを張った後、登れる時に北岳山頂を登ったほうがいいのではないかと思って、空荷に近い格好で13時50分に山頂に向かって出発した。空荷になったとはいえ、今まで登って来た疲労が蓄積して、思ったように足が進まなった。14時35分に山頂に到着! 日本で二番目に高い山を登り切ったんだ! 万歳三唱をしたのはいうまでもなかった。三角点踏みや記念撮影をした後、景色を眺めると、鳳凰三山、甲斐駒、仙丈ヶ岳がそびえて、まさに役者は揃った状態。ただ、富士山は雲に隠れて見えなかったが・・・・。
肩ノ小屋に戻って、生ビールを飲もうと、小屋前のベンチで座っていたら、若い作業員がヘリが来るから小屋の中で飲んでくれと注意され、小屋の中へ避難。さっきからヘリが往復しているのは、小屋の増築のための生コンクリートを運んでいたためだったのだ。小屋のストーブの前で生ビールを味わった。その後にテントに戻ったが、段々、気温が下がって寒くなるのを感じた。僕はフリースとダウンジャケットを着込んで、夕食作りに入った。
夕食を食って、トイレのついでに缶ビールを買って、飲みながら夕空を眺めていたのだが、曇っていて、落陽を見ることが出来なかった。日没後になると寒さはさらに厳しくなった。少なくても10℃以下はあるはずだ。こちらは、さらに防風のために雨具のジャケットを羽織ったが、それでも寒かった。数日前は35℃以上のところに住んでいたのに、寒さに震えるなんて想像が出来ないよなと思った。
日没後は、何もやることがなくなったので、寝ることにしたが、標高が高いところで過ごして興奮状態にあるのか、殆ど寝ることが出来なかった。
間ノ岳に続く・・・・
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