新穂高〜槍ヶ岳〜南岳〜北穂高岳〜奥穂高岳(穂高岳山荘)〜新穂高
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- GPS
- 23:39
- 距離
- 33.5km
- 登り
- 3,826m
- 下り
- 3,965m
コースタイム
2日目 0510槍平小屋 0720千丈乗越 0830槍ヶ岳山荘0900 0920槍ヶ岳山頂0930 0950槍ヶ岳山荘1010 1110中岳山頂 1230南岳山頂 1230南岳山荘
3日目 0510南岳山荘 0630長谷川ピーク 0810北穂高小屋 0910北穂山頂 1015最低コル 1120涸沢岳山頂 1140穂高岳山荘1230 1410荷継沢 1610穂高平小屋1630 1700ロープウェー駅
天候 | 15日:晴れ時々曇りのち雷雨 16日:晴れのち曇り 17日:晴れのち晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰りは新穂高温泉から鍋平までタクシー(1500円ちょい) ※最終ロープウェイの時間に注意!(油断して乗り遅れました。。。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは左俣林道入口(新穂高の有料駐車場の脇)にあり 【登山道の状況】 新穂高〜槍平小屋:穂高平小屋手前の林道ショートカットの登山道に崩落個所あり 槍平小屋〜槍ヶ岳:危険個所は特になし 槍ヶ岳〜南岳:中岳前後に若干の岩場あり 南岳〜北穂高岳:ほぼ危険個所(ザレた道や浮石に注意) 北穂高岳〜涸沢岳:ほぼ危険個所(浮石に特に注意) 白出沢:急斜面と安定しないゴロタ石+ザレ道での転倒に注意(雪渓もあり) 荷継沢出合〜重太郎橋:ザレた急斜面の細い登山道で鎖場・ハシゴあり、落石にも注意 重太郎橋〜新穂高:危険個所は特になし(前述の穂高平小屋先の林道ショートカットの登山道に崩落個所は注意) |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
大切戸大切戸。
とゆーことで北アルプス!
初日は新穂高から槍平小屋までの裏っかわコース。
何やら当日は全国的に大気が不安定で夕方は雷雨とのことだったのでまあ降るまえにテント張れれば良いかな?ぐらいで出発。
暫くは林道なのでだらだらーっと登ってくと、穂高平小屋へのショートカットがあり、山道に、、、と思ってると穂高平小屋から先はまた林道。延々と白出沢までは砂利道です。なげえ!
徐々に高度を上げていき、滝谷避難小屋を超えて登り感がでてきたなーと思ってると平らな感じになり、槍平到着。
初日は寝不足過ぎたのでテント張ってかき氷を所望した後、ガン寝。夕食をちらっと喰って、ガン寝継続。ホント泥のように眠った。。。
2日目。
寝坊。takezo氏に起こされました。すまぬ。
夕方、夜に結構降ってたのもあり、かなーり結露してたので多少撤収に時間をかけつつ、出発。
やー、睡眠って大事。2日目は調子良かったかも.
テン場で隣に張ってたナイスガイと追いつ追われつな感じで標高を上げてきます。裏っかわなので日もあたらず、ワリと涼しいまま千丈乗越着。
あと一息。。。と一時間ぐらいで槍ヶ岳山荘着。
んむ、やっぱし人多い。
・・・けど槍の方は渋滞、行列って感じでもないなー。
実際、行列だったらスルーしようかと話をしてたんだけども、スイスイ行けそうなのでちょっと休憩した後、ゴー!
スルスルっと登って、頂上も多少スペースがあり、タイミング的にバッチリだった模様。
前回は雲の中二人きりだったなぁ、、、とか思いつつ、リベンジ達成。
槍の先からはどっち見ても行った山行きたい山が目に付くなぁ。
しばし佇んだ後、下降。
本日の幕営地、南岳をめざして出発。
こっから先は北アルプスっぽいというか、いー感じの稜線をフラフラーっと2時間ちょっと。
稜線だけど風も強くないし、天気がホント抜群だったなぁ。
大過なく南岳小屋着。
ここまで追いつ追われつだったナイスガイは槍平にテント張りっぱなしということでここでお別れ。
テント張った後、小屋メシを頂きにいこうかなー、と思ってると、突然テン場にライチョウ襲来!
ぴょこぴょこ歩いての登場、親1羽、子4羽の縦隊で、テン場を縦断して行きました。
付近の方々総出で撮影隊会と相成りました。
暫し和んだ後、小屋メシ。
昨日寝過ぎたせいで昼寝気分にもなれず、小説を読んで午後を過ごしましたが、やー、もうガッスガス。夕方は晴れず。メシ喰って就寝。
・・・草木も眠る丑三つ時(ホントは丑1刻あたり)、トイレに向かうついでに星空観測。
夜は満天でした。多少風があり寒いなか30分程過ごして再就寝。
3日目。
雲はそれほどなかったけど、かかり方が悪くて日の出に時間がかかりそうだったので、諦めて出発。
いきなり大キレットというなかなかステキプラン。
今回の目的だったこともあり、ここは一つ気合い入れてきましょう。
いっきなし激下り。
けっこうザレてて、それ自体が怖いというか、石蹴っ飛ばして先行の人にあたりはしないかとか、そんなのが気になります。。。ということで下りは距離とって大分ゆっくり目で行きました。
とはいえ結構ハシゴで高度を稼げるからか、すんなり下に行き着ける感じ。
長谷川ピークまでは、それほどでも、、、と思ってたけど、長谷川ピークから北穂間はヤバかった。
一般登山道ってなんだっけ?みたいな。というか、道って?というとこまで到達しそうな勢いのルート。満喫致しました、ハイ。
長谷川ピークを超えて最後の登り辺りまでは行き交う人もなく、なかなかいいタイミングで通過できたかも。
北穂高小屋でちっと休憩。
Tシャツのデザインにヤラレて購入&着替え。
ちょうどヘリが荷揚げをするタイミング、とのことでついでに観察してたら1時間も停滞してたり。
さて涸沢岳へゴー!
ここから涸沢岳のルートは逆ルートで通過したこともあるので多少は気が楽、、とはいえここも結構危険ですよね、と。大キレットと比べてどうか、と、言われると同程度には危険なんじゃないかと思いますねぇ。
大キレットも逆ルートのが厳しそうですが。
この間もあまり人とのすれ違いに時間を取られずにイケました。調子いいなぁ。
お昼時に穂高岳小屋着。
メシ&休憩。
元々、ここで一泊→翌朝奥穂→下山予定にしてたのでゴール気分だったんだけども、明日って帰省ラッシュピークじゃん?てことでそのまま下山。白出沢へゴーだ!
裏っかわに回って下山ルートを、、、んむーこれは厳しそう。
登って来る人もいらさるけど、ちょっと登る気にならなさそうなルート。見下ろす限り岩がゴロゴロ。
斜度も結構あって、多分見える範囲で1000メートルぐらい下る感じ?
ざっくりざっくり下っていって、途中雪渓があるけども脇をまけたので、雪上には立たず。
みなさんそんな感じでしたね。
で、地形図上では白出大滝のちょっと手前ぐらいで右岸側の山中へ。
けっこうここまでで足に来てたのか、ここから川に合流するまでが結構キツかったかも。
川を渡るポイントで水補給&洗顔。やー、冷たくて気持ちよかった。
その後はまた木々の間を通って行く感じだけども、ここまでの道に比べて断然歩きやすいのでガシガシ進んで白出沢小屋着。
あとは林道コースなのでざっくりざっくり進んで穂高平小屋着。
かき氷を頂き、残りルートを踏破。
17時にロープウェー駅着。
やー、下り、キツかった。
今回、前々から買おうか迷っていたヘルメットを購入、持参していったんだけども、そんなに違和感なく被って行動できたかも。
結構ヘルメット被ってる人多かったし、被ってみると当然、みたいな感覚かも。
行動中は晴れっぱなしだったし、風もあんまし吹かなかったし、人で渋滞、みたいなのもなかったし、バッチリ山行!て感じ。やー、おつかれさまでしたー。
今年の夏の山行はどうしようかと、、、
代休溜まってるし、いっちょいつもより長めの山行で行きますか!
と言うことで、一昨年は視界ゼロだった槍のリベンジと、
去年の穂高縦走で来年は槍から穂高に来ると自分に宣言した大キレットを。
水曜日仕事からの深夜東京出発、途中の諏訪湖SAで仮眠し、新穂高着は8時。
流石にほぼ徹夜のため、初日は槍平小屋まで。
最初はロープウェイでいきなり下山。そして左俣林道を登り始めます。
林道をちょっと進むとショートカット道の入り口が。
ま、ショートカットと聞けば入らずにはいられないでしょ。
と、ショートカットの急登道に入ると、まだ体が重荷に慣れてないのと寝不足もあり、
いきなり息が上がります。
う〜ん、これは登りは普通に林道を歩いた方が楽なんじゃ?と思いつつ、
ショートカット道は全て使って穂高平小屋に到着。
まだ流石に疲れるほどではないので通過通過。
林道をさらにしばらく進んでようやく白出小屋に到着。
休憩してるとここまで歩きに来たというご年配の方が到着されてしばし談笑。
さて、休んでるとうっかり寝てしまいそうなので、息も整ったところで出発出発。
登山道に入り滝谷避難小屋を通過して、木々に囲まれた気持ちの良い登山道を
さらにズンズン進むと、右手に南沢が見えてきます。
槍平小屋は南沢の畔にあったはずと思ってウキウキと歩きますが、これが意外に着きません。。。
川の水音も大きくなり15分ほど歩くとようやく木の向こうに槍平小屋が見えてきました。
早速テントの受付を済ませて、zi-kenとかき氷を注文。
かき氷の尖り具合が槍の穂先に見えるのは、
槍登山を明日に控えた浮かれた心が起こさせた錯覚ではないはずっ!
一口パクリと行くと、甘さと冷たさが融けながら喉の奥に通り抜けていきます。
あ〜、うまい!!一気に食って頭がキーンとするのを楽しみます。
さて、明日からの本格的な行程に備えて寝ますか。
と思ったら、テントが暑すぎて眠れない。。。
仕方ないので、テントの外でボーっとして過ごします。
日が陰った隙にとテントに入るも、また日差しが。。。
午後早めに雷雨が来ると思ってたんですが、意外に持ちましたね。
結局、晩御飯までは若干うつらうつらするのが精いっぱいでした。
zi-kenと晩御飯を食べながら、明日の出発時間をどうするか、
槍が空いているのは何時頃か?なんて話してていると、雨が当たり出しました。
テントに撤収し、強まる雨音と雷の音にビビりつつ食事を終え、眠りに着きました。
2日目、3:00に起きると満点の星空。
zi-kenが起きる気配がないので、テントの結露を拭いたりしながら
山の中での夜明けをまったり過ごします。
さて、着替えて飯を食ってと、と、そろそろzi-kenを起こしますかねと。
そんなこんなで予定より1時間ほど遅れて出発しますが
まぁ、今回は槍穂縦走に備えて、元々十分余裕を持った計画にしてるので
特に焦りもなく飛騨沢の登山道をゆっくり登って行きます。
最終水場のあたりから傾斜が急になってきます。
さらに上がって行くと、千丈乗越と飛騨乗越との分岐に着きます。
休憩している方にどっちに行くの?と聞かれますが、
もちろん早く稜線に出たい自分たちは千丈乗越しかないっす。
途中、飛騨乗越の道が見えますが、あっちはザレ場で日が当たってかなり暑そう。
一方、千丈乗越への道は急登だけどまだ日陰、さらに登山道脇のお花が癒してくれます。
こっちで正解と思いつつ、テン場でご近所だったお兄さんと抜きつ抜かれつで登って行きます。
千丈乗越に着く頃には日も当たり始めました。
見上げると、ちょうど槍と太陽が重なりダイヤモンド槍が!
ますますこっちで正解でした♪
西鎌尾根を進み、程なく槍ヶ岳に到着。
穂先の様子はと見ると、意外に空いてます。ラッキー。
槍ヶ岳山荘の気持ちのいいテラスでちょっと早めの昼ごはんを取ると、
腹ごなしに穂先へ、途中これと言った渋滞もなくすんなり頂上着。
いやー、見える見える。前回は真っ白で何も見えなかった頂上ですが、
今日はそこまで遥か遠くは見えないものの360度全部見えます。
穂先をお腹いっぱい満喫し、南岳へ出発します。
眺めの良いテン場を過ぎて若干のアップダウンで大喰岳をさくっと通過し
中岳はそこそこの急登、さらに進んで南岳に到着!
下って南岳小屋で早速テントを受付と。
と、用紙に明日は奥穂高まで行って最終下山地を新穂高と書くと、
小屋の人が、「新穂高って奥穂高からどのコースで新穂高まで行きます?」と聞いてきます。
「白出沢ですけど。」と言うと、やっぱりみたいな顔をして「白出沢!?アイゼンは持ってますか?」と。
「まだ急斜面に雪渓が残ってるって聞いてるので軽アイゼンとストックを持ってきてます。」と言うと、
「3日前の岐阜のパトロールの話だと、まだ200mの雪渓が残っていて逃げ場は無いらしいよ。
10本以上のアイゼンとピッケルが必要なんで!軽アイゼンじゃだめですよ!」
と、『この素人が山を舐めてるのか!』とでも言いたいような、口調で言ってきます。
本当は、むしろアイゼンなくても行けるんじゃないかと思ってたのですがそれは置いておいて、
「いや、穂高岳山荘のHPの情報も見てますし、ヤマレコで最近の記録を調べて、
自分たちなら軽アイゼンで行けると判断してます。」と言うと、
ヤマレコなんて素人のネットの情報があてになるか、と言いたい様な口ぶりで、
「それはいつの情報です?こっちは3日前の岐阜のパトロールの情報ですよ。」と言ってきました。
「8月10日前後の情報です。」と言うと、
「8月10日?3日前の岐阜のパトロールがアイゼンとピッケルが必要と言っているのに、そんな情報全然ダメじゃないですか」と。
自分は雪渓の写真もあるヤマレコの情報を真偽不明の怪しい情報と決めてかかったようなその言い方に、もうムっとして、
公式情報なんて、老若男女全て一絡げにして、発信者が責任を問われないように
目一杯安全目に倒したような情報を自分たちに適用するのは過剰だと反論しようとしましたが、
zi-kenが、明日、穂高岳山荘に泊る予定なのでそこでもう一度聞きますと言うと
その小屋の人は、自分の言葉に素直に従わない自分たちになにやら不満そうでしたが、
「それならそうしてください。」と吐き捨てるように言いました。
まぁ、本人も言い過ぎたのかと思ったのか、一応最後に後ろから、
「本当に危ないから、穂高岳山荘で聞いて下さいね。」と聞こえてきたのがせめてもの救いですが。。。
必ず雪渓の真ん中を下る前提であれば、軽アイゼンだと転倒のリスクがあり、
転倒すればピッケルがないと滑落停止ができないという論理で
10本以上のアイゼンとピッケルが必要と言うのが公式情報なのはとても理解できますし
小屋の人も事故を防ぎたいという気持ちで言ってくれてるのは十分に分かるのですが、
各種の情報を全て総合して十分に検討した上での登山者の判断に対して
「危険なので注意して降りて、できれば危ないのでルートの変更も考えて下さいね。」
と言うぐらいならまだ分かりますが、必要以上に強圧的で過剰な干渉と感じてしまいました。
南岳小屋自体はテン場も広く、トイレも綺麗でいい小屋でしたが、
かなり南岳小屋の印象が悪くなってしまい残念でした。
(あくまでも個人的な印象です)
、、、さて、気を取り直してテントを設営していると、zi-kenが雷鳥がいるぞ〜!と。
見ると、雷鳥の親子がテン場に現れ、みんなカメラを持って撮影してます。
おおお、自分もカメラを持って撮影に参加します。
子供の雷鳥がピヨピヨ鳴きながら、ぴょんぴょん岩の上を跳ねて歩き、
後ろから母雷鳥が続いて行きます。うわー、カワイイ。
一瞬で去って行ってしまいましたが、心が和みました。
さて、明日の核心ルートに備えて寝ることにします。
3日目、3:30起床。
難所を前に入念な準備をと、トイレに行ったり荷物を詰め直したりしていると5時になってしまいました。
いよいよ、念願の大キレットに向けての出発に、緊張していつもより動悸が早くなるのを感じます。
朝日を見ようと集まった人々の横を通って、まずは獅子鼻岩を登ります。
灰色の雲の隙間からようやく顔を出した朝焼けの空をバックに、
常念山脈やその向こうの八ヶ岳、南アルプスや富士山のシルエットが見えます。
獅子鼻岩を越え、最初は、ザレた急斜面の細い道を滑らないように慎重に進みます。
朝イチで体が温まってないのと重荷に体が慣れてないので
いつも以上にゆっくり歩くようにしました。
ハシゴを下って、最低鞍部まで降りて行きます。
と、ここで一息つき、ここまでは、それほど嫌な感じはしません。
前に聳える長谷川ピークの登りが始まり、ここからがいよいよ核心です。
登りの方が得意なので、比較的すんなりと長谷川ピークのてっぺんに付いてまた一息。
Hピークとのペイントとその正面には要塞のように聳え立つ北穂高岳が見えます。
右手には朝日に照らされた笠ヶ岳が、左には梓川の谷の向こうに
モノトーンのシルエットから、だんだん緑と白の色味が付いてきた常念山脈が見えます。
大キレットのど真ん中からの景色に嘆息を漏らしていると
ほぼ同時刻に南岳を出発し、途中、抜きつ抜かれつしてきた
南岳小屋のテン場でご近所さんだったお兄さんが追いついてきました。
長谷川ピークからの下りを、一挙手一投足どこに置くかを考えながら慎重に進みます。
さらに進むと行く手に太い鎖が掛かったナイフリッジが見えます。
足は何処に置くのかな?と鎖の下を見ると、足場はすり減って角の丸くなった
足の幅一つ分、15センチちょうどぐらいしかありません。
若干の冷や汗を感じつつさらに進みます。
ステップの付いた岩場を下り、木の桟道を越えるとA沢のコルに着いてまた一息。。。
ここからは登りになり、鎖やステップを活用しながら飛騨泣きを登ります。
さらに太い鎖とステップで整備された、滑りやすそうな岩場のトラバースが続きます。
気の抜けない難所の連続に、もしも鎖やステップが無かったらと思うと、
テン泊装備の重荷ではとても越えられる気がしません。
岩を登ると滝谷展望台に出ました。北穂を見上げ、あともう少しです。
ちょっと進むと北穂まで200mのペイントがあります。
200mという数字を見て、平地ならば2分もあれば通過できるとは思えるのですが
この状況で200mと書かれてあとどのぐらいなのか、この状況でとても頭の中では換算できません。。。
ともかく、あとは北穂小屋まで登るだけです。
北穂高小屋での冷たいジュースと思いながら、鎖や梯子を駆使して標高を上げます。
気が逸るので、サクサク登っていこうとするのですが、
息が切れてしまい、ひと鎖越えると息を整え、ひとハシゴ登ると息を整えで登って行きます。
最後のハシゴを登ると、小屋の建物を背に携帯をいじっている女性が見えます。
着いた!着いた!!着いた!!!着いた!!!!と思いながら斜面を登ります。
トンっと、小屋の平地へ一歩。ついに、北穂高小屋に到着しました。
先に登っていたzi-kenがテラスのベンチに座っていました。
いやー、ヤバかったね。とお互いの無事を喜び合います。
さて、冷たいジュースでもと売店に行くと、
ジュースは全て売り切れて、ジャワティ(無糖)と牛乳しかないとのこと。
ジュースなんてあんなに賞味期限長いのに、そんなことあるのかと。。。
しょうがないので、水を買ってスポーツドリンクを作ることに。
と、お姉さんに1L分の代金200円と200mlほど水が残った2Lの水筒を渡すと、サービスでか満タンにしてくれました。
水が貴重なこの場所で捨てるわけにもいかず、まだこれから奥穂まで歩くのに
1kgのウェイトを背負う羽目に。。。
荷揚げのヘリを見たりしてしばらく休んですると、
南岳小屋のテン場でご近所さんだったお兄さんが到着し、健闘をたたえ合います。
さ、休養十分で奥穂に向けて出発です。
ここは去年反対から来てるので、大体感覚は分かっていますが、
大キレットに比べて、安心して休める箇所が少なく、
浮石が多いので気が抜けないという点を考えると、
難易度は大キレットといい勝負だと思います。
ザレた道を進んで北穂高岳の南峰を巻いて進み、
涸沢に下る南稜との分岐からテン場を横目に縦走路に入って行きます。
岩場を下ると右手の方にクライマーが岩場を登っているのが見えました。
これが滝谷ドームでしょうか?うひゃーカッコいいと思いながら先に進み、
ここからトラバース地帯に入っていきます。
下を見ると滝谷側が切れ落ち、高度感が半端ない。
先に進むと最低鞍部の涸沢のコルに着きます。
ちょっと一息して右下を見ると、初日の宿泊地の槍平小屋が遥か下に見えます。
左下には涸沢が見え、荷揚げのヘリが爆音を響かせながらピストン輸送しているのが見えます。
亀岩を登り後ろを振り返ると、北穂の陰からそっと見守ってくれてるように槍ヶ岳が見えます。
さらに進んで涸沢槍の手前の鎖とハシゴを登ります。
涸沢槍からもう一つピークを越えたコルの先で先行したzi-kenが待っていました。
あとは涸沢岳の登りのみ。ここからはzi-kenと連なりながら進みます。
前回は下りだったのであまり楽な気はしませんでしたが、
今回は登りなのでやっぱり気分が楽です。
たくさんの鎖とハシゴを登って行くと、もう涸沢岳の山頂は目の前です。
山頂に着くと、穂高岳山荘から登ってきた軽装な登山者がいっぱいいます。
もう難所は終わったんだと思うとほっとする反面、
大キレットと北穂〜奥穂の危険な稜線(正確には白出のコルまでだけど)を
歩き切れた嬉しさが込み上げてきます。
涸沢岳から槍ヶ岳まで自分たちの歩いてきた岩の縦走路を眺めます。
難所が多かったせいか、自分としては槍ヶ岳からかなりの時間を歩いた気がするのに、
槍ヶ岳は思いのほか近くに見えるのがちょっと不思議な感覚です。
ひとまず、穂高岳山荘でお昼ご飯を食べることに。
カレーとコーラを頼んで乾杯しようとしたら、
荷揚げしたばかりなのでまだ冷えてませんがいいですか?と。
ここでもかいっ!
恐れていた途中の渋滞もなく、ここまで予想以上にスムーズに来れてしまったので
予定を早めて今日中に下山することに。
予定通り、件の白出沢ルートを下山します。
穂高岳山荘から見下ろすと、思わずおおーとなり、言われるだけあって急斜面です。
大きな岩がゴロゴロとしている斜面を下りて行きます。
なんというか、コースが非常に分かりにくい。
一応、ペイントはあるのですが、間隔が結構空いてるので、
目安程度にして、平らそうで安定してそうなルートを選んで通って行きます。
日が当たってもの凄く暑い中をザクザク下って行きます。
さて、件の雪渓が近づいて来ました。
自分がヤマレコの情報で得た通り、雪渓の右側は融けが進みつつあります。
先行の何グループかを見ていると、みんな雪渓を避けて右に右にと進んで行きます。
すぐ前の12本アイゼンをザックに付けた若者も雪渓を避けて右に右に、
もちろん、自分たちも右に右にと進んで行きます。
雪渓が融けたばかりのせいなのか、右側は石があまり安定していない場所もあり、
足元に気を付けながら進みます。また、崖上からの落石にも気を付けて進みます。
途中、ちょっと雪渓をストックで突いてみましたが、表面2,3cmぐらいは削れるものの中は結構堅めでした。
さて、雪渓の最も幅の広い部分に差し掛かりました。
写真を見ても分かる通り、ここは数mですが完全に右側の斜面をトラバースする必要があります。
また、表面の小石や土が崩れやすい感じで注意が必要です。
さらに下って荷継沢出合で荷継沢を横切って登山道に入ります。
こっから先は幅が狭いうえに滑りやすい道が続き、
大キレットとは別のジャンルでかなりデンジャーでした。
重太郎橋まで来ると道がだいぶ普通の登山道になります。
結構な距離をタッタカタッタカ下ってようやく白出小屋到着。
ここまで来ればあとは林道下ってゴールなんですが、林道が長い。。。
途中、穂高平小屋で氷の幟の誘惑に駆られて小休止。
さらに下って、新穂高温泉到着!お疲れ様でしたー!のはずが、
え、ロープウェイって最終16:30なの!?
当初は翌日のお昼過ぎに降りてくる予定だったから全然気にしてなかった。。。
と、しょうがなくロープウェイの駅前に止まってたタクシーの運転手さんに声を掛けますが
迎車とのことで乗れず、じゃあ電話で呼ぶか〜と思っていたら無線で近くにいるタクシーを呼んでくれたようで
あと5分ぐらいで来ますよーと。お、じゃあ待ちますか。
と座って待っていたら、さっきのお客さん待ちの運転手さんが近づいてきてしばしの談笑。
そうこうする間にタクシーも来て、今度こそ本当にお疲れ様でしたー!
(この後、東京の自宅に着いたのはAM1時を回っていました。。。)
天気にも恵まれ、トラブルもなく大満足の3日間でした。
コメント
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始めてコメント差し上げます。
白出アイゼンコント、楽しませて頂きました。
また、たまに覗きにきます。
しばらくヤマレコ見ていなかったもので、コメント気づくのが遅れました。すいません。
アイゼンの件は、楽しんで頂けて何よりです。
あまりに彼の方のゴリ押しが強く、家に帰ってからも若干モヤモヤしてたのでちょっと書いてしまいましたが、自分も真正面から反論しないで軽く躱しておけば良かったなと反省してます。。。
今後ともよろしくお願いします
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