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Yamareco

記録ID: 336687
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無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

曲り沢-チロロ岳・西峰

2013年08月14日(水) [日帰り]
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GPS
08:58
距離
9.1km
登り
1,412m
下り
1,410m

コースタイム

登山口 0515-32
取水ダム 0544
曲り沢1015m 0623-32
梯子 0638
1145m二股 0652
尾根乗越 0738-51
二ノ沢1500m二股0816-26
コル 0858-0910
チロロ岳 0939-55
コル 1016
西峰分岐 1019
西峰 1049-1100
西峰分岐 1120
二ノ沢1435m湧水1151-1213
尾根乗越 1222
曲り沢1250m 1243-50
1145m二股 1259
梯子 1312
曲り沢930m小滝 1351休
曲り沢820m 1409休
取水ダム 1420
登山口 1430
天候 曇りのち晴れ。気温やや高い
過去天気図(気象庁) 2013年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
R274より林道12km。開放されており未舗装だが路面はまあまあ。
駐車スペース十分。仮設トイレあり。
コース状況/
危険箇所等
入林届入れは林道ゲート入口(R274より1km位)にあり。
曲り沢は全般に水量あり、飛び石渡渉無数。二ノ沢はほぼ涸れ沢。
トータルでは多分登山靴より沢の足まわりが有利。
西峰含め、目印、ロープ等そこそこあり。
ヒグマの痕跡は気づかず。鹿の糞はあり。マダニの付着なし。

曲り沢最下流は蛇紋岩の転石が多い。
曲り沢最下流は蛇紋岩の転石が多い。
ひしゃげたハシゴは不安定だが、有用
ひしゃげたハシゴは不安定だが、有用
ミソガワソウだと思います
ミソガワソウだと思います
右にはいるとしばらくナメ状で快適
右にはいるとしばらくナメ状で快適
オオバミゾホウヅキ
オオバミゾホウヅキ
シナノキンバイ
シナノキンバイ
ヨツバシオガマ
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
ウコンウツギは久しぶり
ウコンウツギは久しぶり
振り返るといつの間にか下層雲の上に出ていた
振り返るといつの間にか下層雲の上に出ていた
お花畑を登っていく
お花畑を登っていく
エゾノレイジンソウ
エゾノレイジンソウ
西峰側の斜面に絡んでいく
西峰側の斜面に絡んでいく
タカネイバラ
エゾウサギギク
ヨツバシオガマ
チロロ主峰を見上げる
チロロ主峰を見上げる
魅力の十分の一も伝えられない..
魅力の十分の一も伝えられない..
エゾツツジ
ウメバチソウ(コル近くに多数)
ウメバチソウ(コル近くに多数)
コルに着きました
コルに着きました
向こう側の日高北部主稜線が初めて見える。左端がピパイロ
向こう側の日高北部主稜線が初めて見える。左端がピパイロ
左1967峰、右奥が戸蔦別〜幌尻
左1967峰、右奥が戸蔦別〜幌尻
オオイワツメクサだと思います
オオイワツメクサだと思います
タカネイブキボウフウでしょうか?。これもチロロ主峰側にだけあった
タカネイブキボウフウでしょうか?。これもチロロ主峰側にだけあった
ピパイロから幌尻まで。左奥が伏美岳だと思います
ピパイロから幌尻まで。左奥が伏美岳だと思います
チロロ山頂
山頂東、ルベシベ山へ続く稜線
山頂東、ルベシベ山へ続く稜線
コルへ引き返す。奥は西峰
コルへ引き返す。奥は西峰
1967峰引っ張って
ピパイロ岳引っ張って
ピパイロ岳引っ張って
北日高の重鎮2つ
イワブクロはチロロ主峰側にだけあった
イワブクロはチロロ主峰側にだけあった
コバイケイソウの実です
コバイケイソウの実です
西峰への登り口。コルから3分くらいです。
西峰への登り口。コルから3分くらいです。
イワオトギリ
ウスユキトウヒレンでしょうね、多分
ウスユキトウヒレンでしょうね、多分
シロウマアサツキ
シロウマアサツキ
ムカゴトラノオ
チシマギキョウ
花は主峰より西峰が圧倒的に多い
花は主峰より西峰が圧倒的に多い
チシマヒョウタンボクの実。多数あり。
面白いし、おいしそうにも見えたが、戻ってから調べると毒草らしい
チシマヒョウタンボクの実。多数あり。
面白いし、おいしそうにも見えたが、戻ってから調べると毒草らしい
エゾオヤマノリンドウ
エゾオヤマノリンドウ
西峰は標識無し
トカチフウロは西峰山頂から沢床まで分布
トカチフウロは西峰山頂から沢床まで分布
ハクサンチドリはこの一輪だけだったと思います
ハクサンチドリはこの一輪だけだったと思います
シモツケソウですね
シモツケソウですね
いきなり飛んで取水ダム間近。Tシャツの袖にとまって2分ほども動かず。
おじさんの汗、おいしいですか?
いきなり飛んで取水ダム間近。Tシャツの袖にとまって2分ほども動かず。
おじさんの汗、おいしいですか?

感想

チロロは2001年7月末に一度計画したが、鍵を受け取りに森林管理署のポストに行くと、
登山者が書いたらしき「林道崩壊により通行不能」の掲示があり、撤退。
以降気にかかりはしたが、ぐずぐずしているうちに2年ほど経ち、やがて北海道を
離れてしまった。
最近、林道が開放されたという情報もあり、久しぶりに思い出してリベンジを試みた。
日高の山はなんと10年ぶりである。

借りた車にETC車載機がなく、割引にならないのが痛いが、高速が延び、札幌から
2時間少々で登山口に着く。誰もいない。曇り。午後に天気は西から崩れはじめる予報だが、
このあたりは何とかもつとのではないかと踏んでいる。
虫が多く、スズメバチも巡回してくるので、準備は車の中でした。
最初、北電の取水ダム管理道を15分位歩き、沢に入る。そこそこ傾斜がある沢で、
蛇紋岩の転石もちらほら目に付く。目印、ロープ等、まずまず整備されているほうだと思う。(沢登りとして見た場合の話だが..)
一時間強の所に右岸にひしゃげた梯子がある。やや不安定だが、現時点では左岸を
行くより、この梯子を使った方が安全だろう。
さらに15分ほど行くと1145mの二股になり、狭い右に入るとしばらくナメ状になっていて、
滑りもせず快適。
やがて、水が涸れ、尾根を乗越す。かつて曲り沢右俣の上流だった部分を二ノ沢が
争奪したような地形になっているので、比高わずか50m程、緩く下るとすぐに二ノ沢。
こちらの水はすぐに伏流する。鹿の糞が若干。融け残った残雪がわずかにあった。
雨がポツポツ落ちてきたが、縁起をかついで(w、かなり早めにザックカバーをしたのが
奏功したのか、すぐに止み、青空すら見えてきた。そして、標高1500mの二股を右にはいると、
間もなくキスミレ(総称)、オオバミゾホオズキ等を手始めに、お花畑が始まった。
モミジカラマツ、シナノキンバイ、ヨツバシオガマ、トカチフウロ、ミヤマキンポウゲ、
ウコンウツギ、レイジンソウ、シモツケソウ等、素晴らしい。
さらに登ると、沢の西側の斜面に絡む道となり、タカネイバラ、ミヤマオグルマ、
エゾツツジ、ウメバチソウ、ハクサンチドリなどもあった。
ヒグマの多い場所だと聞いていたが、その痕跡はなかったと思う。というか、
花に見とれて、そんなことを忘れているうちにコルに着いた。
ピパイロから幌尻に至る日高北部の主稜線がよく見える。1967峰がその中央にあり、
とても目立つ。
コルからチロロ山頂にかけては概ね膝下のハイマツの平凡な植生。イワブクロが目立つ位で、
あと実を付けたウラシマツツジとガンコウランが少しあった。わかり難くはないが、
一見すると踏跡もなにもないように見える位にハイマツがかぶっている。
短パン姿でこの山に来る人は居ないと思うが、そんな人がいたらここで敗退もあり得るかも。
三角点と山名標のあるチロロ山頂からの展望も良く、日高の山を独り占めする気分は最高。

引き返して、コルへ向かう。西峰の蛇紋岩の露頭が目立つ。コルから数分で左上に向かう
ピンクテープがあるので従うと、間もなくその蛇紋岩の露頭の一つに絡んで登っていく。
花は、下のお花畑の上部のものに加え、イワオトギリ、エゾシオガマ、ウスユキトウヒレン、
ムカゴトラノオ、エゾオヤマノリンドウ、チシマギキョウ、シロウマアサツキの他、
終わったコバイケイソウあり、チシマヒョウタンボクとクロマメノキが
これでもかと言うほど実っている。
西峰は東西に長い頂稜で、その全てがお花畑と言ってよく、チロロ(主峰)とは好対照。
花見の時期としてはもう少し早いほうが良いのだろうが、十分堪能できた。

さて、分岐まで戻り、お花畑を下る。
西峰往復の間に天気はさらに回復し、日も射してきたので気温が上がり、暑い。
フェルト底の靴では泥道の下りで踏ん張りが効かず、尻餅をついて泥だらけになる。
おまけに、スズメバチがしつこく纏わりつく。あまりにもしつこいし、一瞬とまった時に、
目がアブのように見えた(ような気がした)ので、アカウシアブだったかもしれない。
(羽音で区別できるという人もいるが、私は聞き分けられない)
このアブだかハチだかに二ノ沢を下る間中、延々と付きまとわれる。幸い、アカウシアブが
吸血するという背中側は帽子の後側の日除け等でほぼ防御されているが、落ち着かない。
二ノ沢から離れる手前の湧水(冷たくておいしい)の所で、防虫スプレーを周りの岩にまで
振りまいて、やっと休憩した。
コルを越えて曲り沢へ下る。標高は下がり、好天下で時間が経過するのだから気温は
加速度的に上がる。こちらは水流があるのでまだ良いが、ぼーっとしてきた頭で下りの沢の
ルートファインディングをするのもなかなか大変だった。
小滝の副水流で頭を冷やしたあと、少しまったりしよう等と思うものなら、そう言う時に限って、
すかさずまたアブだかハチだかが意地悪く飛んできたりする。
そんなこんなで、曲り沢の区間に関しては登りとほぼ同じ時間を要し、ヘロヘロになって、登山口に。
結局誰にも会わなかったが、林道入口のノートによれば、この日は、
難峰といわれる春別岳に登った方がいたようだ。

ともあれ、日高の名峰を、良い時期の好天下に登れた。とても満足だった。

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