北アルプス_新穂高温泉口〜双六岳〜三俣蓮華岳〜槍ヶ岳〜南岳
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- GPS
- 27:10
- 距離
- 45.7km
- 登り
- 3,521m
- 下り
- 3,522m
コースタイム
- 山行
- 4:51
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:01
- 山行
- 8:32
- 休憩
- 2:39
- 合計
- 11:11
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 9:52
天候 | 終始晴れ! |
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過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
8/1(日) 00:30 園家山キャンプ場 着 - (01:00-05:30 仮眠) - 06:00 園家山キャンプ場 発 - 08:30 新穂高温泉登山口 着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高温泉-わさび平小屋;車も通れる林道 小池新道-鏡平山荘;急登ですが、しっかり整備されていて、踏場を躊躇うことなく歩けます 鏡平山荘-双六岳;弓折分岐まで急登 その後、双六小屋まで気持ちのよい稜線歩き 双六小屋から再び登り 山頂付近はなだらかな尾根歩きとなります 双六岳-三俣蓮華岳;こぶを二つほど超えます 三俣蓮華岳-巻道-双六小屋;巻道まで降りて、その後はザレ場や小沢を越えながら巻きます 途中、花がとてもきれいで飽きることはありませんでした 双六小屋-槍ヶ岳(西鎌尾根);樅沢岳まで急な登り その後、こぶがいくつかありますが、巻いていきます やがて、岩場が現れ、ザレ場の急登となります 見た目ほどキツくは感じませんでしたが、見た目ほどと言う話 普通にキツいです 槍ヶ岳-南岳;穂高の岩場を乗り越えていきます 土の道はほぼありません 道案内はしっかりしています 南岳-槍平小屋;急なザレ場の下りから始まって、細尾根→樹林帯と1,000mの激下り 樹林帯に入ってから、足元にさまざまな石が転がっていて下り辛かった 槍平小屋-新穂高温泉口;沢沿いに1,000mの高低差を8kほど使って緩やかに下ります 足元が石が転がっていて歩きづらかった なお、白出沢を超えてからは、林道歩きとなります |
その他周辺情報 | 新穂高温泉中崎山荘;900円 値段はいいが、泉質は確か 硫黄が苦手な私でもゆっくり入れました |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
アクエリアス500mm×2
水600mm
袋ラーメン
カレーメシ
トレイルミックス×3
スティック羊羹×3
チタンカップ(600mm&350mm)
スタンドコジー
バーナー
ガス
箸・スプーン
日本酒500mm×2
ワンカップ焼酎
つまみ(鮭とば/ほやくん/たまくん)
キャップ
レッグアーム
半袖シャツ(夏用)
Tシャツ
雨具(上下)
長パンツ
コンプレッションタイツ
着替え(短パン/肌着/パンツ×3/靴下)
オープンシュラフ
枕
靴
ゲイター
靴下×2
ザック(グレゴリー;ズール35L)
タオル×2
ストック
マスク
時計
iPhone
モバイルバッテリー×3
ヘッドランプ
予備眼鏡
GoPro_HERO9
ドローン_DJI・Mini2
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感想
↑槍ヶ岳山荘から山頂までのアタックの様子です
山を登っている人なら一度は足を踏みしめてみたいという山域,北アルプス
私もそのうちなぁと漠然と思っていましたが,今回、機会あって登ることができました 初めての北アルプス,まったく土地勘もなく,槍ヶ岳や穂高岳,上高地という名前は知っているものの,行く気になって調べたこともないので,ルート取りはもとより,まずは登山口までどのように行くか計画を立てます。
幸い,同行者は100名山をこなしたベテランでしたので,提案に沿って,北穂高温泉から登ることに。そこから小池新道をたどって,双六岳,そこから西鎌尾根を経て,槍ヶ岳を登ることに。
おー,聞いているだけでは,やっぱりよく分からない・・・ 小池新道と双六岳は,録画していたテレビ番組で見た記憶がある。西鎌尾根!?何だか,厳しそうだなぁなんて警戒ばかりが先走っていましたが,それよりも登山口の新穂高温泉まで7時間かかる様子。こりゃあ,夜中に出たって,登りはじめられるのは,昼前になっちゃうなぁと言うことで,車中泊で仮眠を取ることに。
前日夕方6時半に出発。ちょうど高速道路に近い海沿いのキャンプ場が黒部市内にあったので,車中泊組とテント泊組に分かれて仮眠。起きると朝日が登りはじめて,きれいに海を照らしています。
このキャンプ場,地図で見ると,黒部川に沿った見事な扇状地の突端にあって,伏流水が豊富に出ています。ここで,水を汲んで,いざ北穂高温泉に向かって,富山市内を南下します。
先ほどまで海沿いを走っていたのが,あっという間に山の中。道路脇には高山本線が走っています。20年以上前,出張で宇奈月から高山に向かった際,車中から見た風景を思い出しました。
2時間半ほどで新穂高温泉に到着。タイミングよく無料駐車場に停めて,8時30分過ぎ,いよいよ北アルプスに向かって,出発。
急峻な山の向こうにどんな風景が待っているのか,期待が高まります。車も通れる林道を2時間ほど歩くと,わさび平小屋に到着。トマトやキュウリがわき水に浮いていて,思わず水分補給。
ここから,少し歩いて小池新道へ。急登ですが,しっかりした平たい石で整備され,歩きやすい山道です。以前見たテレビ番組で,この道を拓いた小池翁が苦労を重ね整備したとありました。今も,そのお孫さんが山小屋を営み,日々メンテナンスを重ねているとのこと。おかげで,この道を通り,多くの方が山小屋を訪れるようです。歴史ある北アルプスの一端を早くも感じました。
秩父沢で昼食を取り,4時間ほどで鏡平小屋に到着。ぎりぎり雨がぱらついてきたタイミングでした。
増築されたばかりの鏡平小屋は,木の香りが残り,部屋も4人スペースの2段ロフト形式なので,大部屋な感じがまったくありません。
夕食時に外をみると,雲が取れ,穂高連峰の山容が姿を現しました。早速,外に出て,鏡池越しに,逆さ槍を拝山。夕日が照らす大キレットやジャンダルムに高揚しながら,あんなところ本当に登れるのだろうかと緊張が走りました。
2日目,この日は,いよいよ槍ヶ岳へ乗っかるため,早めに出発。ペースも高度もすいすい上げていくと,次々とさまざまな山が姿を現します。
まずは,笠ヶ岳。おー,緑と茶色のコントラストがきれい。槍ヶ岳にも劣らない,見事なとんがり具合。その向こうには,朝雲の間から,焼岳と乗鞍岳が見え始めます。その左手には,穂高の山々。朝のため,逆光(逆に峰の向こう側にある涸沢カールは朝日がしっかり照らされる)ですが,槍ヶ岳も,空に向かって槍がしっかり突き立っています。
さらに進むと双六小屋とその向こうに鷲羽岳も。贅沢な眺めの中,双六小屋に荷物をデポし,双六岳山頂へ。山頂からは,今度は黒部五郎岳や薬師岳,遠く立山も望むことができました。名だたる名峰に圧倒されながら,三俣蓮華岳へ。鷲羽岳や水晶岳,雲ノ平が目の前に。昨日,仮眠した黒部川の源流がすぐそこにあることに感慨を覚えました。
気持ちのお腹がいっぱいになりながら,巻き道を通って,双六小屋へ戻ります。途中,多くの花が咲いていました。
双六小屋で昼食。午前11時半,いよいよ槍ヶ岳に向かって,西鎌尾根を登りはじめます。まずは樅沢岳を登って,尾根の全容を確認。
緑に染まったいくつかのこぶの先に,グレートーンの急登が聳えています。稜線は,ガスに隠れて見えないだけに,一層厳しさが際立っていて,身が引き締まります。多くの登山者がここを登っているのだからと,自分に納得しながら,こぶをこなしていきます。幸い,こぶは巻いていく形で道が整備されていたので,順調に進むことができました。
硫黄岳を脇目に過ぎると,急に緑がなくなり,岩場が現れます。なかなかの急登。時に手を使いながら,超えていくと,千丈乗越に到着。
ここからが,いよいよ登りの本丸。勾配もさらにキツくなり,呼吸も上がりがち。一歩一歩,着実に足場を確認しながら,登ると,目の前に小槍が現れました。昨日,鏡平で見えた小槍がすぐそばにある。ようやく上がってきたなぁと思った瞬間に,ガスが取れ,大槍出現。おー,ついに来た。しばし,感慨に耽りながら,本当に現実なのか,疑いたくなりました。
稜線に乗り,槍ヶ岳山荘到着。稜線の向こうには,常念岳や大天井岳など表銀座の山々を望むことができました。ですが,肝心の槍ヶ岳は,またガスに隠れてしまい,なかなか姿を拝むことができません。
しばし,展望ベンチで休憩していると,ガスが取れ,槍ヶ岳出現。登っている人も少なく,今がチャンスかも。本当は,翌朝に登るつもりでしたが,急遽登ることを決め,ヘルメット装着。100mほどの高低差ですが,案内や足場もしっかりしており,高度感に不安にならないのと3点支持を確保していれば,安心して登れます。
午後4時前,槍ヶ岳登頂。山頂は20畳ほどの広さしかなく,この瞬間に登ることが許された感じがして,本当に嬉しかった。
20分ほど滞在して,槍ヶ岳山荘に下山。ビールを飲みながら,山々を眺めるのは気持ちよかった。しかしながら,実はあんまりビールがおいしく感じません。どうも高山病にかかった様子。朝,鏡平小屋を出て,弓折分岐まで急登を登った際,時折頭痛がしたので,昨晩飲み過ぎたのかなと思っていましたが,時計についている心拍機能を見ると,明らかに数値がいつもより20ほど高い。夕食を食べると,眠くなったので,即就寝。夜中12時頃,ふと目が覚めると,寝汗とともに少し吐き気も。こりゃあ,まずいなぁと思っていたら,便意を感じたので,トイレに。事を済ますと、何とだいぶすっきりした感じに。そのまま,また寝て,翌朝には,心拍数も落ち着いて,頭痛も取れていました。
はじめて,3,000mの環境におかれて,身体がびっくりしたのだと思います。この様子だと,富士山は登れないのかもなぁ。
朝4時過ぎに起きて,外を見ると,雲海とともに朝日が槍ヶ岳を照らしています。早速外へ。風もなく,それほど寒さは感じなかったので,朝食時間の5時ぎりぎりまで,いろいろ眺めていました。特に,登ってきた西鎌尾根や双六岳,三俣蓮華岳を一望できたのは,感激でした。あわせて,ブロッケン現象まで見ることができて,ブロッケン,雲海,朝焼け,高山病と3,000m級ならではの事象を堪能した1泊となりました。
3日目、この日は大キレットを見に、南岳まで穂高連峰を進み、そこから南岳新道の高低差1,000mを激下り下山の予定
グレー一色の道を大喰岳、中岳とこなし、南岳へ
途中、振り返るたびに槍ヶ岳が天を突き刺しています その向こうには、北アルプスの山々が控え、とにかく絵のような風景 何度も振り返っては、感激するので、なかなか歩が進みませんでした
午前8時過ぎようやく、南岳到着 目の前に、城郭のような奥穂高岳が聳えています
そして直下にえぐられたような稜線が
これが、大キレットか! まさに稜線に開けられた窓のようです 切戸とはよく言ったものだ 不思議とビビるというより挑戦してみたい気持ちの方が勝っていた気がします いつか行けるかなぁ
さて、天国のような稜線歩きもここまで、名残惜しいですが、下山です
穂高の峰を急降下する南岳新道は、やはりかなりの勾配 時には峰の突端に向けて進む道もあって、なかなかの高度感ですが、足元がしっかりしているので、それほど怖さは感じずに降りることができました ただ、樹林帯に入ってからは、岩と木の根のミックスの道で足元を取られやすく、歩きづらかった
午後12時過ぎに槍平小屋到着 昼食を取って、ここから新穂高温泉まで沢沿いに下山します
槍平小屋の標高が2,000m 新穂高温泉が1,000mですから、1,000m下ることになりますが、結構な距離があるので、勾配はほぼ感じません
ただ、南岳新道の樹林帯と同様に岩と木の根のミックスの道で、これまた歩きづらい
小池新道とは大違いだなぁ と言うかそれだけ、整備されているということかと改めて、小池翁の功績に敬意を表しながら、とにかく下って白出沢出会いまできました
ここからは車も入れるくらいの林道 歩きづらくはないですが、長い
結局、白出沢まで1時間、白出沢から新穂高温泉まで1時間半歩き続け、16時前にようやく下山
3日間で46km、高低差4,100mの充実した山行となりました
多くの名峰を目の当たりにし、まだまだ登りたい山があるなぁと
山の向き合い方が少し変わったような気がします
また、必ず登りに来ます
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