槍〜西穂縦走(西鎌尾根、大キレット、ジャンダルム経由)
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- GPS
- 41:29
- 距離
- 52.2km
- 登り
- 5,320m
- 下り
- 4,384m
コースタイム
- 山行
- 8:58
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 10:43
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 3:07
- 合計
- 10:30
- 山行
- 6:59
- 休憩
- 2:46
- 合計
- 9:45
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 4:24
- 合計
- 10:49
新穂高〜双六小屋:6h50m (7h20m)
双六小屋〜三俣山荘(稜線):3h15m (3h)
三俣山荘〜双六小屋(巻道):2h50m (2h20m)
双六小屋〜槍ヶ岳山荘:4h50m (5h25m)
槍ヶ岳山荘〜南岳小屋:3h15m (3h)
南岳小屋〜北穂高岳:2h50m (3h30m)
北穂高岳〜涸沢岳:1h45m (2h15m)
穂高岳山荘〜穂高岳:45m (50m)
穂高岳〜西穂高岳:5h10m (5h50m)
西穂高岳〜西穂口駅:3h (3h10m)
※天狗岩の先、GPSデータが記録されてなかったため、タイムはおおよその時刻を入力しています。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
かねてからの念願の槍〜西穂縦走。難所として有名な大キレットとジャンダルムを通るので、テント泊装備だと体力的にもバランス的にも厳しいので、小屋泊でないと無理、どうせなら両方つなげて、と考えていました。
天気予報を見ていると、どうやら土〜月の天気がよさそう。
当初は友人と別の所に行く計画を進めていましたが、体調不良のため中止になってしまったため、念願だった槍〜西穂を縦走してくることにしました。最初は2泊3日の計画で検討しましたが、すでに槍ヶ岳山荘の土曜の予約が満杯になってしまっていました。
そこで、新穂高から入り、2週間前に疲労で登れなかった三俣蓮華をリベンジするために三俣山荘で1泊、西鎌尾根から槍ヶ岳に登って槍ヶ岳山荘で1泊、大キレットを通過して穂高岳山荘で1泊、それからジャンダルムを越えて西穂高岳まで縦走し、ロープウェイで新穂高に下山する3泊4日の計画としました。
【前日】
・道の駅 奥飛騨温泉郷上宝まで移動し、車中泊。
【1日目】新穂高〜双六岳〜三俣蓮華岳〜三俣山荘(泊)
・朝4時半頃に川沿いの無料駐車場に着くが、すでに満車。鍋平の無料駐車場に回る。きれいなトイレの方がいいと思って道の駅で車中泊したのだが、前夜のうちに駐車場まで来ておけばよかった。
・途中忘れ物に気づいて引き返したりもして、鍋平駐車場の出発は5時半頃。それから30分ほど歩き、新穂高出発は結局6時頃となってしまった。5時出発のつもりがすでに1時間遅れでスタート。空には雲が広がっている。
・ひたすら林道を歩く。わさび平小屋を過ぎると、ようやく登山っぽくなってくる。登山道入口には自転車がデポしてあった。ここに戻ってくるルートなら自転車は便利そう。
・秩父沢出合で水を補給。雲も消えていき、槍ヶ岳も見え始めた。鏡池からの絶景を期待。
・せっかく雲が消えてきたのに、また雲がかかってしまった。鏡池でしばらく待っていると、ちょっとだけ雲の合間から槍ヶ岳を見ることができた。周辺の紅葉も素晴らしい。
・弓折乗越までぐんぐん登る。けっこうしんどい。乗越から双六小屋までは、気持ちの良い稜線歩き。
・双六小屋のテン場は池もあって気持ちよさそう。いつか泊まってみたい。ここから見る鷲羽岳もかっこいい。
・双六岳への登り。すでに疲れ気味で、結構しんどい。
・双六岳の頂上では、絶景を楽しみながら、少しのんびりと休憩。
・丸山〜三俣蓮華岳への稜線歩き。足元のカールが美しい。翌日は巻道コースを歩くのも楽しそう。
・前回登れなかった三俣蓮華岳にも無事到着。雲も多くなってきている。
・分岐まで下りる。そこから見るカールがとても美しい。翌朝はここで日の出を見ることに決めた。
・小屋までもう少しの所で、突然雷鳴がなり始める。小屋に着いたのは、16時を少し過ぎてしまった。受付を済ます。部屋はすいていた。1泊夕食付で11,500円。
・晩飯はシチュー。おいしかった。
・雲が広がっていて、夕日を楽しむことはできなかった。
・夜、タバコを吸いに外にでるが、かなり寒い。
【2日目】三俣山荘〜双六小屋〜槍ヶ岳山荘(泊)
・4時起床のつもりでいたが、早朝から普通の声で雑談している人のせいで、早くから起きてしまった。早く出発してもしょうがないので、自炊場でお湯を沸かしてコーヒーを飲みながら時間をつぶす。
・分岐で日の出を見るために、5時頃出発。朝もやっぱり寒い。
・5時40分頃、日の出。思った通り、カールが赤く染まる。とてもきれい。
・巻道を行く。カールが美しい。後半はハイマツの中の小道。
・双六小屋で水をもらって、槍ヶ岳に向かう。
・樅沢岳、左俣岳などのアップダウンを繰り返しながらの縦走路。景色もよく、とても気持ちがいい。
・最後には急登。かなりきつい。セスナが飛び回っている。
・槍ヶ岳山荘に到着。1泊夕食付で11,500円。
・部屋で荷物を整理していると、同室の人から声をかけられ、一緒に穂先に登ることになった。
・穂先へは、特に怖い思いもせずに、普通に慎重に登れた。
・頂上からは大絶景。まず1本。景色を楽しみながらしばらくのんびりと過ごす。あまりにも気持ちよく、2時間近くも居座ってしまった。それにしても、北アルプスだと午後になるとどこかしらは雲が沸いてくるのに、雲が全然ない。運がいい。
・小屋に戻って自販機でビールを購入。500ml缶800円。今度は小屋の脇で飲む。東鎌尾根の途中の休憩、頂上で一緒だったおばちゃん4人組と一緒に飲む。かなりにぎやかなおばちゃんたちで、楽しかった。
・晩飯は中華プレート。おいしかった。今回はビール350ml×4本持ってきた。最後のビールを飲み、荷物も軽くなって大キレットへの準備万端整う。
・食後、外に出ると空が赤く染まっている。夕日を楽しむ。
・談話室でお酒を飲もうと思ったら、飲酒禁止。キッチン槍のテーブルでしばらく飲む。
【3日目】槍ヶ岳山荘〜南岳〜大キレット〜北穂高岳〜穂高岳山荘(泊)
・4時起床。自炊場でお湯を沸かしてコーヒーを飲む。
・5時出発。前日ほど寒くなくて、ほっとする。
・大喰岳頂上で日の出を見る。
・稜線歩きを楽しみながら、中岳、南岳へ。これで日本3000m峰21座全座達成。
・南岳の頂上でヘルメットをかぶり、トレッキングポールをザックにくくりつけ、大キレットへの準備を済ます。最後に南岳小屋でトイレを借りる。どんどん緊張が高まっていく。
・展望台から大キレットを見る。これからすごい所に入っていくのだと、改めて実感する。
・ひたすら下る。
・切り立った稜線を歩き、長谷川ピークを登る。ちょっと疲れてきたので登り切ったら一休みできるかと思ったら、そんな場所ではなかった。高度感があり、かなり怖い。ちょっと悩みながら慎重に下る。
・今度は北穂への登り。真正面に壁があるが、一見登れるようには見えない。近づいてよく見てみると、ちゃんとマークがしてあり、厳しい所には鎖もある。
・飛騨泣きも、取りつく前はかなり難しそうに見えたが、しっかりと鎖や足場が設置してあって難しくはない。ただ、高度感は半端ではないので、怖い。
・急な道を登りきると、北穂高小屋。ここまで来るとほっとする。
・絶景テラスでカレーライス(900円)を頂く。コーラ(300円)も飲む。本当はここに泊まってこのテラスでビールを飲みたかった。
・救助隊の人が上がってくる。登山中ヘリが長い時間飛び回っていたので、何があったのか聞いてみると、しばらく前に飛騨泣きで滑落事故があり、見に来たとのこと。
・北穂を下る。思ったより険しい。
・涸沢岳への登りも全体的に高度感がある。1箇所怖い所もあった。別の登山者とも話したのだが、いい条件で通過するだけなら、大キレットよりも北穂高岳〜涸沢岳の方が難易度が高いのではないか。
・涸沢岳で絶景を楽しむ。少し雲が湧いてくる。
・穂高岳山荘。1泊夕食付で11,800円。クレジットカードや電子マネーでの支払いもできる。ビックリ。
・ビール(500nl缶 800円)を買って、外で絶景を楽しみながら飲む。
・晩飯はハンバーグなど。またビールを購入。ここもおいしかった。
・晩飯後に外に出ると、日の入りには間に合わなかったが、空が劇的に赤く染まっていた。美しい。
・食後、他の登山者と話しながら飲んでいたらい、持ってきたウィスキーも空けてしまった。
【4日目】穂高岳山荘〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳〜西穂山荘〜西穂高口駅(下山)
・3時半に起床し、コーヒーを飲んで少しのんびり。4時30分出発。
・奥穂頂上で日の出を見る。風も出てきて寒い。
・あまり寒いと体が縮こまって危ないので、少し暖かくなるのを待とうかと思ったが、風向きが変わっていい場所がない。歩いた方が体が暖まると思い出発。やっぱり緊張する。
・最初の難所、馬の背。怖かった。おまけに岩の隙間に靴がひっかかってしまい、はまる。やっぱり、こういったナイフリッジ状の所がすごく苦手。軽めの高所恐怖症であることを、改めて実感する。
・ジャンダルムへ向かうが、やはり高度感がある所が多い。
・ジャンダルムでは、間違って直登コースで登ってしまった。ホールド、スタンス十分にあり難しいわけではないが、高度感が半端ではなかった。これを下ると思うと、かなり怖い。
・無事、ジャンダルム頂上到着。めったに自分入りの写真は撮らないが、ここは別格。他の登山者に撮ってもらう。
・他の登山者の話だと、もっと楽なルートで登れるそうだ。反省。十分にコースを理解していなかった。皆さん、ユーチューブの動画で予習しているみたい。本で読んだことだと記憶も薄れてしまっていて、よく覚えていなかった。直登コースの下るとなると、かなり厳しい。あれを下らないで済んで、本当によかった。
・その後も天狗の頭、間ノ岳と越えていく。途中、変哲もない岩の上を歩くのが怖い。先に行った登山者は二足歩行で進んでいったが、私は怖い。四つん這いになって進む。やっぱり高所恐怖症。
・西穂高岳頂上に無事到着。やっぱりここまで来るとほっとする。ここでも1時間以上、のんびりと過ごす。
・西穂高岳からの下りも楽ではない。それなりに険しい所が続く。でも、これまでのコースと比べると全然楽。油断しないようにだけ、気を付けながら下っていく。
・独標を過ぎると、おだやかな気持ちのいい道に。
・西穂山荘もいい所。実は、ここにもう1泊して焼岳を登ってから帰る計画もあったけれど、もう十分に満足。焼岳はまた別の機会。西穂山荘には、冬泊まってみたい。
・樹林の中の道をロープウェイ駅へ。最後に展望台からの景色を楽しむ。
・車は鍋平に駐車しているので、しらかば平駅まで。1600円+荷物200円。
・駅から駐車場までが結構遠い。
・下山後の温泉は深山荘の河原の露天風呂。500円。新穂高での下山後は毎回ここだが、いつ来ても気持ちがいい。
無事、大キレット、ジャンダルムを通過して、槍〜西穂の縦走を完了することができました。
元沢屋としては、一般ルートなのだから何とかなるだろうと軽く見ていた所もあっために、下調べも不十分で、ジャンダルムでは直登コースを行ってしまうのなどのミスもありました。十分に反省しなければならない点だと思っています。
途中特に怖かった箇所として、長谷川ピーク南側、飛騨泣き、涸沢岳登りでの鎖場1箇所、馬の背、ジャンダルムの直登コースが挙げられますが、他の箇所でも高度感があって普通に怖かった箇所は何か所もあります。
ルート中にはペイントが多くあり、難しい箇所は鎖やはしご、足場などでしっかりと整備してありました。ちゃんと整備されていなければ、私には無理なコースだったと思います。コースを開拓してくれた先輩方、コースを整備して下さっている方々、万一の時に協力してくれる救助隊の方々に、改めて感謝の念が湧いてきます。
今回は晴天続きの日々でした。今回安全に登山できたのも天気のおかげでもあります。
素晴らしい天気の中、遠くまで展望が開け、紅葉も美しく、また毎日のように日の出、夕日を楽しむことができました。他の登山者との会話もとても楽しかったです。今までの登山経験の中でも、とても印象に残る山行でした。
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