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Yamareco

記録ID: 4544386
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

常念岳・蝶ヶ岳

2022年07月30日(土) ~ 2022年07月31日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
15:03
距離
18.3km
登り
2,059m
下り
2,099m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:26
休憩
0:26
合計
4:52
距離 5.6km 登り 1,162m 下り 30m
5:38
11
5:49
55
6:44
6:54
23
7:17
7:19
42
8:01
8:02
73
9:15
9:28
62
10:30
2日目
山行
8:10
休憩
1:37
合計
9:47
距離 12.7km 登り 908m 下り 2,073m
5:56
72
7:08
7:19
8
7:27
7:42
128
9:50
10:08
71
11:19
11:20
5
11:25
11:26
6
11:58
11:59
2
12:01
12:02
2
12:04
12:11
7
12:18
12:23
0
12:23
12:41
8
12:49
12:50
9
12:59
13:03
12
13:15
37
13:52
33
14:25
14:31
39
15:10
15:18
25
15:43
0
15:43
林道終点三股駐車場
天候 初日: 晴れのち雨 2日目: 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2022年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
アルピコ交通の深夜バスで新宿から安曇野穂高下車
一ノ沢まで予約タクシー5,840円約30分
三股林道終点駐車場から予約タクシー6,540円。約30分。
帰りのアルピコ交通バス停は、JR穂高駅から東へ少し行った先にある。
コース状況/
危険箇所等
一ノ沢から常念乗越までのルートで、胸突き八丁から先はしばらく切り立った崖を葛折りに登っていく。「滑落多発」と看板がある。
常念岳から南へ降るルートは、大きな岩がゴロゴロしているところを降る。しかも滑りやすい岩で、降るのに慎重になる必要があり、時間が掛かる。
三股から常念岳に登るルートは岩場もある水場のないロングコースらしく、常念小屋の表にはあまり薦めないことが書いた看板があった。中級レベルらしい。
その他周辺情報 穂高駅前に安曇野ブルワリーあり。1パイント(たぶんUKパイント)1,250円。
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ
キツリフネソウ
シオガマギク
ミヤマシシウド
オニユリ
シモツケソウ
ゴゼンタチバナ
イワブクロ
ライチョウ
シャクナゲ
ハクサンフウロ
ニッコウキスゲ
イワツメクサ
イワギキョウ
キヌガサソウ
力水: 三股から蝶ヶ岳ルートの最後の水場
力水: 三股から蝶ヶ岳ルートの最後の水場

装備

個人装備
マスク グローブ(軍手) 防寒着 雨具(カッパ) 帽子 昼ご飯 行動食 計画書 保険証 携帯 サングラス タオル トレッキングポール カメラ 携帯バッテリー サブバッグ 水1.5L 登山靴を入れる袋 ヘッドランプ 保温性カップ ヘルメット カメラ用充電ケーブル
共同装備
クッカー・ストーブセット 非常食 コンパス 計画書 筆記用具 ガイド地図(ブック) ファーストエイドキット ツェルト

感想

 さて今日は。
 一ノ沢から常念小屋に登り、常念岳・蝶ヶ岳と稜線を歩いて三股へ降りてくる計画。ギリギリまでscw予測詳細を見て、初日は午後雨が降って常念岳には登れないことを覚悟して、詳細78で日曜の午後早目に下山を始めれば、2日目も雨を避けられると判断、決行を決めた。
 バスは新宿臨時バス停から。去年を省みて、中程の席を予約。残念ながら、ぼくの隣には知らない人が座っていた。斜め右の席は2席とも空席。いよいよ走り出す段になり、運転手に移動しても良いかと尋ねると、良いと言う。その方がお互いに広く使えるし良いだろう。
 買い込んでいた缶ビールを呑んで寝ようとするがなかなか寝付けない。パーキングの休憩では2回とも降りて背を伸ばし。ゴミを捨ててトイレ。
 少し眠った。と思ったら、真っ暗な中を穂高駅に到着。
 駅前でトイレやら、荷のまとめやら、自販機でお茶やら。ふと見ると、自販機に何匹か小さな蛙が張り付いている。自販機の光で逆光になり、蛙のシルエット。何だか奇妙だった。光に寄ってきたのか光で暖かいのか。
 支度をしていると、予約していたタクシーがいた。5時に乗り込み、一ノ沢へ向かう。30分ほど掛かったろうか。第一交通はクレジットカードが使えると予め確認済み。が、一ノ沢は電波が届かず使えない。で、当然コンパスに登山届提出もできず。稜線に上がってから出すことにした。
 歩き始めると鳥居があり、立派な神木が現れた。山の神だという。
 沢筋を登っていき、所々、いや結構道が沢になっているところを登っていく。
 大滝を過ぎ、胸突き八丁に到着。少し休憩。ここから急な階段で、看板に、滑落多発と書いてある。心して登り始める。つづら折りの階段でどんどん高度を上げていき、確かに脚を踏み外せば滑落事故になるなと思った。ヤマレコで計画を作る時、滑落事故が集中していたのはここのことだと思った。
 先を歩いていると、崖側に張ってある簡易なロープが揺れる。後ろを歩いている連れが掴まって歩いているのに気づいた。崖側に寄って歩くことになるし、もし落ちても頼りにならないロープ。掴まらない方が良いと促す。
 最後の水場を過ぎ、休憩ベンチが現れた。3番目の最終ベンチで休憩。と、女性ハイカーも休憩に入り、暫し歓談。聞くと地元の人だという。羨ましい。今日は同じ常念小屋泊まりとか。
 雨に振られないうちにと先に経つ。程なく常念乗越。穂高連峰から槍ヶ岳の稜線が美しい。山小屋に入る前に景色を眺めながらお昼のおにぎり。味噌汁にコーヒー。
 ちょっと降りて常念小屋。そこに張り紙や立て看板があり、三股へのルートは岩場があり、水場がなく、中級コースだとか。もしも常念岳から三股へのルートを降りるつもりなら、山小屋の人に相談するように、と注意書きが。知らなんだ。最初はそのルートを降りるつもりだったし、次にはそのルートを登ってくることを考えていた。最後になって、初日の行動時間が短く標高差も小さい一ノ沢ルートを登ることにした。その選択は間違っていなかったと思う。しかし、山と高原地図では岩場があって中級レベルとはわからない。ヤマレコの計画段階での難易度もBだし。そういえば、最初に常念小屋に電話して予約した時、どこから登ってくるかと聞いて来て、三股から登ると言ったら、水場がない長いコースだからそのつもりで気をつけるようにと注意があった。今思うと、Web予約でなくて電話予約だから、聞いて注意することができるのではないかと思う。
 手続きをして荷を置き、scwチェック。やはり午後は雨雲が掛かる予測。初日の常念岳は諦めて、ビールを所望。冷えたロング缶がうまい。穂高岳槍ヶ岳が見える食堂で眺めながら飲んでいる、と、雨が降って来た。やはり登らないで正解だった。と、結構本降りに近くなってくる。部屋に戻ってちょっと横になっていると、かなり激しく降って来た。館内放送で、乾燥室に服を掛けている人は取り込んで欲しいと連絡事項。大雨でこれから入ってくる登山客が雨具を干すスペースを空けて欲しい、と。やっぱり初日は山小屋でのんびりしてよかった。
 夕食は2部制。受付をした時、今日は満室の予定だから、荷物は廊下に出しておくようにと言っていた。封筒タイプの寝袋が用意してあり、それを広げたら目一杯の広さ。食事も2部制になるはずだ。ご飯をお代わりして部屋に戻ると、隣がまだ来ていない。ぼくの足元の側も空き。結局そこには人が来ず、余裕を持ってザックを置いておくことができた。
 夕陽の時間は雨が上がった。夜目が覚めた時も夜空は晴れていて星がよく見えた。高見石小屋で教えてもらったのに、カシオペアしかわからなかった。
 戻って寝付けないと思っているうちにウトウトした。
 夜が開けて朝ご飯。当然お代わり。どんどん人が経っていく。経つ前に大はしておかないと。
 さて2日目。本番。山と高原地図の標準コースタイム通り、1時間40分かかった。三股への分岐辺りでライチョウがいるらしいと耳にしてちょっと休憩したけれど。
 常念岳の山頂は岩だらけで。あまり沢山の人が立っていられるような場所でなく。ちゃっちゃと写真を撮って祠のある場所を降りる。
 連れのゴム弓を撮り、早々に蝶ヶ岳へ向かうことにした。かなり降るのが見て取れた。その先は稜線歩きの比較的なだらかな尾根筋に見えた。それは遠くから眺めたからであって、実際はとんでもなく違ったことを後で思い知る。
 常念岳からの下りは苦労した。何せ岩陵帯で、しかも岩が大きいのと、岩がなぜか滑るのとで慎重に降りなければならず、精神的にも肉体的にも消耗した。ここは標準タイムよりも時間が掛かったと思う。2512ピークまで来て反対側から来た人にこの先を尋ねる。先は樹林帯で、しかし昨日の雨でかぬかるみ。それはそれで歩きづらいはず。でもまぁ、来し方を眺めた時に、これを逆に登るとなると挫けそうだと連れと笑った。いずれ別の嗤いが出てくるとは知らずに。
 ニッコウキスゲの咲く2592ピークにまで来た時、その先だいぶ下り、そしてあれに登るのかぁ、と蝶槍を眺めた。コルに降り切ると、かなり上を向く。あれかぁ、あれに登るのかぁ、というのが実感。計画より1時間出発を早めたにも拘らず、標準コースタイムよりも時間がかかり、貯金を半分使い果たしていた。
 歩みを続けていれば、いつかは頂上に着くもの。蝶槍からは、少し歩きやすいガレ場に変わり。横尾へ降りる分城先で今回の山行2度目のライチョウを発見。



 あとは蝶ヶ岳まで一気に。と言っても、蝶ヶ岳ヒュッテから山頂までは、拍子抜けするくらいなだらかですぐ近くだった。
 蝶ヶ岳からの眺めは、穂高岳槍ヶ岳の稜線は雲が掛かっていた。ぼくらが歩いた稜線のみ晴れていた。



 湯を沸かしていると時間を消費すると考え、昼は蝶ヶ岳ヒュッテのカレーにした。
 結局予測は外れ、雨雲は掛からず降りて来れた。けれども可能な限りのスピードで、タクシー予約時刻にちょうどピッタリだった。
 思えば、一ノ沢の胸突八丁からの滑落多発域で、寝不足だったのに無事に通過できたこと、常念岳から蝶ヶ岳への縦走で脚を使い果たしてしまったのに、下山時に幸いにもトラブルがなかったことはラッキーだった。次回の改善点として、北アルプスの岩陵帯にはシャンクの入った靴を履き、標準コースタイムよりも余裕を持った計画にし、もっとゆっくり歩くことが肝要と考えた。
 穂高駅前でクラフトビールを飲んで帰りの高速バスを待っていると、雨が降ってきた。すぐに本降りになり、大雨になった。バスの出発時刻になっても止む気配がない。雨具を取り出してバス停に。バスの下にザックを入れず、座席に濡れたものを上げずフロアに置いておけば、ザックを客室に入れて良いと運転手。助かった。
 いや、この雨が下山時に降って来なくて本当に良かった。これも単なるラッキーだった。

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