カッコントーの効果は1日半(双六岳-黒部五郎岳-槍ヶ岳)


- GPS
- 27:47
- 距離
- 55.1km
- 登り
- 4,257m
- 下り
- 4,271m
コースタイム
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 7:28
- 山行
- 9:04
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 9:41
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 4:56
天候 | 晴-曇-雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 双六小屋:当日の予約変更・翌日の連泊ともに対応して頂けました。ただし、予約変更は双六山荘グループの予約センターに自分で電話することになります。部屋は2段ベッドの半個室(カーテンで仕切り)。携帯電話などの充電は、コンセントが空いていたら自由に使えて無料です。携帯電話の電波は、ソフトバンクは小屋で中継しているのでばりばりに入りますが、docomoとauは厳しそうです。ただ、充電と電波については、消灯すると使えなくなりました。水はかなり潤沢にあるようで、宿泊客だけなら当たり前ですが、素通り客も無料で汲めたようです。お手洗いも水洗ですし、水道の水は飲み放題で紙コップも提供して頂けます。連泊すると夕食のメニューは替えて貰えました。お弁当は談話室で食べることもできます。なお、通過客がお手洗いを借りると200円(鏡平も黒部五郎も)。 槍ヶ岳山荘:双六小屋と比べて書きます。さすがにでかい。部屋は枕元に仕切りがあるだけの大部屋(それでも感染症前よりはプライベートスペースは広がっていますが)。寝ている時のマスクは、「自覚に任せます」ということでしたが、正面の男性が部屋の中では常にマスクを顎にしているのがかなり気になりました。双六小屋と違って水が厳しいらしく、お手洗いは水洗ではなくて、ペーパーも捨ててはいけません(前の人が捨ててましたが)。また、歯磨き禁止です(磨いている人も多数いましたが)。携帯電話の電波は、双六同様に、消灯まではソフトバンクはばしばし入ります。充電は、30分をめどに1回だけ使っていいとのことでした。乾燥室はちょっとパワーが弱いように感じました。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
昨年の8月に槍ヶ岳に行こうと思って、宿泊の手配をしたのですが、台風直撃でキャンセル。今年の目標のひとつに、リスケジュールを挙げていました。7月の連休に遠出ができなかったかわりに、今年は4日の休みがあるので、ゆったり日程で計画、というか、宿の手配に出遅れてしまったためにゆったりになってしまいました(その後、キャンセルが出たので、日程を変更することは可能だったのですが、まあいいかと)。かなり特殊な日程のこともあり、他の人には声をかけず、ソロで。
初日。金曜日の仕事を終えた後、2030に橿原を出発。夜に名阪国道を走るのは初めてだと思います。長良川SAでカレーライスを食べて、新穂高に2時前に到着しました。天気予報がもひとつだったせいか、3番の無料駐車場に停めることができました。仮眠後4時にスタートのつもりでしたが、あまり眠れそうにないので、3時にスタート。ヘッデン点けて左俣林道をゆるゆると登っていくと、わさび平小屋のへんで少し明るくなってきました。小池新道を登っていくと、右側に槍・穂高のあたりが次第に茜色に染まっていくのが素晴らしい。さらに、遠くには焼岳が赤々と染まる。凄いなあ凄いなあと思いつつ、鏡池に到着すると、ここから水面に映る槍穂高は期待以上の絶景。
さて、本当は鏡平小屋が初日の予約でした。ここしか取れなかったというのが最初の理由でしたが、寝不足で歩くのなら行程が短い方がいいだろう、また高山病になっても困るし、それから天気予報では11時くらいに雨だったので鏡平なら逃げ込めるだろう、という算段。しかし、8時前に着いてしまうといかにももったいない。小屋の人に相談したら、双六小屋の予約が取れたらキャンセルしていいよと言うことだったので、そのようにさせて頂きました。
というわけで、槍を見ながらかき氷を食べてリスタート。懸念の高山病はさほど重症化せず、それなりに苦しむも稜線へ。ここで荷物をデポして弓折岳山頂へ往復。しかし短いピストンの最中に雨が降り出しました。デポした荷物まで戻ってレインを着込み、双六へ。しかし、到着前に雨はやみました。山荘に着いて、翌日の宿泊の相談。というのも、2日目の予定が黒部五郎小屋だったのですが、それだと2日目が短くなりすぎ。なので、双六小屋連泊にして、荷物をデポして行けないかと。うまく手配できました。
2日目。宿の朝食を食べてから、5時前にスタート。あいにく雲は前日よりは重くなっていましたが、双六だけの中腹からきれいな日の出を見ることができました。その後双六岳-丸山と経由して、三俣蓮華岳へ。このパートでは、この後向かう黒部五郎岳、薬師岳、鷲羽岳のパノラマが素晴らしい。ただ、次第に雲が上がってきて、眺望は悪化傾向。ブロッケン見えるかもと思って少し急いだところもありましたが、うまくいきませんでした。
三俣蓮華岳の山頂をゲットしてから、黒部五郎へ。しかし、このパートはなかなか辛いものでした。だんだん下っていって、「これを登り返すのか」と。特に、黒部五郎小屋手前の急坂がきつい。はるか眼下に小屋が見えて、そこまで降りてから、眼前に聳える五郎岳に登り、さらに戻ってくると、考えただけで気が重い。まあ、なんとか小屋まで降りて、ここからは素直にカールルートで山頂を目指します。カールを抜けた後、予想していたことですが、登りがきつかったです。しかも、この辺まで来ると黒部五郎の山頂は雲で覆われていて・・・ なんとか登頂しましたが、山頂の眺望はあまりよくなかったです。
ここから、来た道を引き返して双六小屋に戻るのですが、途中から雨が降り出し、三俣蓮華岳に着く頃にはしっかりとレインハイク。出かける時には、「体力が残っていたら鷲羽岳も」とか舐めたことを考えていましたが、この雨に遭遇してその気持ちは雲散しました。三俣蓮華から双六小屋までは巻き道を通ったのですが、巻き道といっても長いし疲れました。行きはそれほど長い印象がなかったのに、何故かなあ。
結論から言えば。双六で連泊したのは大正解でした。黒部五郎の往復が結構削られるものがあり、これをフルロードで歩いたら消耗は相当だっただろうし、特に3日目の予定がそのまま槍ヶ岳まで行くはずであり、あの悪天候を考えればやらなくてよかったと。また、小さなトレラン用バックパックだったので、レインの下に背負うことができたのも正解でした。
天気予報では午前中はましで午後から崩れるという感じでした。朝食はお弁当を談話室で食べ、ヘッデン点けてスタート。まだこの時間に歩いている人はあまりいません。空は曇っており、日の出を見るどころではありませんが、樅沢岳のあたりで雲が流れていくと、青空が出て、さらに一瞬だけ太陽が。上層雲はかかっていなさそうだから、雲が流れたらいろいろ見えるのではないかと思ったのですが・・・甘かったです。
その後ぽつぽつと雨が降り出したので、レインを着込みました。すぐに雨足が強くなってきましたし、眺望はずっと悪いまま。「槍どーん」を期待していましたが、結局この日以降槍ヶ岳を見ることはありませんでした。かわりに、ライチョウが。初日・2日目は、探してもよくわからなかったのに、道の上を歩いているんだもの。
左俣乗越から次第に歩みが遅くなり、ようやく千丈乗越に着きますが、ここではかなり風が強くなっていて、西鎌尾根では南から吹く風に飛ばされて北に落ちないように苦心しました。また、既に靴の浸水は始まっていて、ぐしょぐしょ言いながら槍ヶ岳山荘到着。荷物を置いて、ヘルメットを被って山頂へ。眼鏡が曇ってちょっと怖い。山頂は誰もおらず、ひとりで写真を撮って山荘に戻りました。眺望もなくて、本当に「行っただけ」。
最初、このまま降りてしまおうかとも思っていましたが、靴の浸水で心が折れて、予定通り宿泊。乾燥室は大混雑。後から来る人、皆さん足が濡れてます。早く着きましたが、ずっと寝ていたような気がします。槍ヶ岳山荘は焼きたてパンを売っていると言うことでしたが、どこで売ってたのかな? プリンが焼けたというアナウンスのことでしょうか。
翌日も風が強いという予報で、夜間も風の音がびゅーびゅー。無事な下山を真剣に考え出します。最初は飛騨乗越から下りるつもりでしたが、どうせ眺望はないに等しいし、それなら行きに歩いて道もわかっていて、なおかつコースタイムの短い千丈乗越経由に変更。乾燥室は夜間ボイラーが止まっていたような気もして、靴はじっとり湿っていましたが、靴下を履いたら肌にはあまり感じませんでした。
しかし、千丈乗越までの30分はなかなかスリリング。前日以上に風が強く、北側に岩壁がある所はいいのですが、そうでないところを通過する時は少し胸騒ぎがしました。幸いなことに雨はほとんど降っていなかったので、浸水はせず。その後真っ白な景色の中を淡々と下山。槍平山荘から先も、永遠に続くのではないかと思えるガレ場を乗り越え乗り越え。ようやく林道に出たと思ったら、ここで雨が降り始めました。実は最初からレインの上下とフリースを着たまま降りており、途中あまりの暑さにレインの上とフリースを脱いでいたのですが、下は履いたままだったのが正解。上を再度羽織っている間に、かなりの大雨になってしまいました。しかし、ここまで降るのを待ってくれたのもカッコントーのおかげか。途中、この天気の中でも登ってくる人と10人あまりすれ違いました。
下山後、中崎山荘で温泉に入って、ざる蕎麦を食べ、4時間半かけて京都に戻りました。せっかくの槍ヶ岳ですが、2日目の朝までは見ることができるも、それ以降は登頂したのに見ることができず、不完全燃焼でしたが、無事下山できたので良しとします。こないだ金剛山に行った時、「青空を願って」カッコントーをやったと書きましたが、今回の4日は全て雨でもおかしくなかったところ、少なくとも2日目の前半まではそれなりにいいお天気でした。これも御利益でしょうか?
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