飛越新道からの黒部五郎〜三俣山荘での再会〜
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- GPS
- 26:50
- 距離
- 45.8km
- 登り
- 3,582m
- 下り
- 3,565m
コースタイム
- 山行
- 12:14
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 13:17
- 山行
- 12:22
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 13:25
天候 | 1日目:晴 2日目:曇り時々小雨→暴風&豪雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・神岡の町から駐車場へのアクセスは大規模林道高山大山線(双六〜瀬戸線)と県道484号線があるようだが、484はハイパーカミオカンデのアクセス杭道掘削工事をしているとかで、工事車両が多いらしい。夜中に通行する分には関係ないかもしれないが。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
‥仍蓋〜寺地山〜避難小屋・・・最初の方はまだいいが、標高を上げて傾斜の緩い所が多くなると例の泥沼がこれでもかと出てくる。よほど晴れの日が続いた後でもない限り、普通の登山靴ではアウトです。 ※対策※ a・長靴(避難小屋にデポ、或いは全行程) b・カッパの足(避難小屋にデポ) c・パドルシューズ(避難小屋にデポ、或いは全行程) これらのいずれかになると思います。 避難小屋〜神岡新道分岐・・・斜めになった木道が設置されているが、崩壊している箇所多し。雨の日は100%滑るので怖くて乗れない。木道脇の高山植物帯が登山道になってしまっている。 木道終了後はガリー状に深くえぐられた登山道となるが、ここも殆ど脇を通行することになる。 神岡新道分岐〜三俣山荘・・・遮るもののない絶景を展望しつつ歩けるが、地図で見た以上にアップダウンが激しいと思った。稜線上は晴れれば天国だが、荒天時は地獄へと豹変する。 |
その他周辺情報 | 割石温泉・・・大人410円。単純硫黄泉。内湯のみ。洗い場にはボディーソープはあったがシャンプーはなかった。ドライヤーも見当たらなかった(見つけられなかっただけかも)。循環しているようだが、薬剤臭さはなかった(後で調べたら、かけ流し併用との事)。程よい温度で長く入浴でき気持ちがいい。リピートしたい温泉。 |
写真
装備
MYアイテム |
重量:-kg
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感想
いつかは行こう、飛越新道。と思いながら何年経ったか。
ところが、tottokotoさんから今年は折立起点で雲ノ平〜黒部五郎を3泊4日でぐるっと回る計画と聞き、全行程は無理だが、三俣山荘〜神岡新道分岐間はご一緒したいなという事で、嘗てからの計画が漸く実現。お会いするのは何年ぶりか。2019年の8月からだから3年ぶりだ。
天気は1日目が完全に晴。2日目が昼前からポツポツ雨が降る予報だった。
午前1時くらいに登山口駐車場に到着。狭い車の中で少しの間仮眠。ダラダラしていたら、夜が白けてきて出発が遅くなってしまった。山の端から大きなオリオン座が昇ってきた。
登山開始。最初のうちは標高を上げる感じで登って行くが、暫くすると傾斜が緩い箇所が多くなる。こういう所には、飛越新道名物のドロドロ沼が点在する。
人形山でドロドロには免疫が付いていたが、飛越新道は避けようのない沼も多く、更にハード。
沼対策として、今回は「カッパの足・トレイル」を使用した。靴の上から薄手の長靴みたいなのを履くタイプ。使用感としては、歩き心地・履き心地とも良く、効果抜群と言えた。靴の後ろの部分がファスナーなので、完全防水という訳にはいかないが。
カッパの足を避難小屋にデポして、沼とはおさらば。崩壊した木道、ガリー状になった登山道が続いて歩きにくいが、なんとか稜線へ。瞬間、目の前に雲ノ平〜水晶〜鷲羽〜槍の大展望。どんなに疲れていても、これを見たら疲れが飛ばない訳はない。
稜線の絶景に喜んだはいいものの、ここまで6時間も掛かってしまい、果たして三俣まで到達できるのか、皆さんと再会できるのか不安になってしまった。
寝不足で立ち止まりながらウトウトしつつも先を急いだ。写真もあまり撮れなかったので残念であった。
山小屋に延着の連絡を入れつつ、18時到着。すぐに夕食。食後、tottokotoさん達と再会を喜び話し合ったのも束の間、完全に電池切れですぐに就寝となった。毎度山小屋では寝つけないのだが、今日ばかりは一瞬で眠りに落ちた。
2日目。朝5時の時点で既に小雨がパラついている。天気の悪化が早まっているのか。槍の上にも怪しいレンズ雲が何層も出来ていた。
西の空もそれほど暗くはないので楽観的に考えていたら、黒部五郎の肩の辺りで雨風が強くなった。何とか山頂を往復して先を急いだが、この先の稜線上はガスの中ひたすら暴風と豪雨との戦いだった。雨だけならまだしも、風によって徐々に体温が奪われるのが分かる。体が動かなくなっていくのが分かる。
「こういう何でもない所で行動不能による遭難ってやっぱりあるんだなぁ」
と思いつつ、気力を振り絞って歩いた。
黒部五郎下〜北ノ俣岳間は、往路はすんなり歩いた印象だったが、この復路はいつになっても着かず、何度登り返しても着かず、かなり精神的に参った。
神岡新道分岐で皆さんと別れ、私は稜線を外れた。暫くは風が強かったが、標高を落とすほど弱まっていき、助かったと思った。ガリー状の登山道は滝や渓流のようになっていて、殆ど沢登り(下り?)状態だった。
避難小屋でカッパの足を回収し、行動食を取る。
「そろそろ雨止んでくれないかな〜」
と思っていたら、逆に激しくなり気が滅入った。
土砂降りの中、寺地山を越えたが、もはやどこが沼でどこが固い地面か判別できないくらいだった。相変わらず登山道は急流だったので、水に浸かっていない場所を探しつつ足を置いたが、逆にスリップして何度も転んでしまった。寧ろ流れの中の方が足場が安全であった(沼は除く)。
この飛越新道も延々と続くアップダウンがあり、いくら下ってもまた登り返すので一向に標高が下がらず精神的に参ってきた。標識に「登山口まで30分」とあったので喜んだが、普通の足では無茶な時間だった。
道中ひたすら土砂降りだったが、時折雨がやむことがあって喜んだのも束の間、今度はブヨが大量に発生して追い払うのに難儀。一か所吸血され腫れてしまった。
18時30分、ようやく下山。真っ暗になる前に下山できて安堵。もう、完全燃焼だった。
さすがに下界は雨降ってないかなと思ってたら、ニュースを見てびっくり。大雨警報が出ているではないか。入山時の予報では全くそんな雰囲気無かったのに・・・。
レインウェアを着ていたが体がズブ濡れになったので、温泉で温まって体力を回復して帰宅した。
今回はいろいろと反省点の多い山行となった。
コメント
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本当に本当にお疲れ様でした。
想定してた以上に登山道激流で大変なことになっていたんですね。
心折れそうになるの切にわかります。
カッパの足良さそうですね。
ブヨ対策オニヤンマ君良さそうですよ。
私は、トラロープの切れ端下げてました。
ブヨには、刺されなかったのですが大量の蚊に襲われ結局ネット被っておりました。
何はともあれ暗闇になる前に無事下山できてよかったです。
※私は、後日足首が痛くなり整体で診てもらいましたら疲労捻挫になっておりました。
ありがとうございます。
大変でしたが、これも良い経験となりました・・、という事にしておきます(笑)。
オニヤンマ君ですが、実はパラコードで自作したのをザックに下げていたのですが、レインカバーをその上から付けていたため、残念ながら効力を発揮することができませんでした😖
私も去年はトラロープで適当に作ったものを下げていて効果を感じたので、今年、youtubeを見ながらちゃんとしたのを自作してみました。
今回は膝が痛いのにちょっと無理して登ったものですから、下山後も治りが遅くて歩くのも億劫です。多分、腸脛靭帯炎だと思うので、明日にでもスポーツ専門のクリニックで見てもらうつもりです。
北ノ俣でドロドロな人は飛越新道から、綺麗な人は太郎からと判別できますね(笑)。
また自分も北ノ俣〜黒イ領農で風雨に吹かれ最後はカールで雷にみまわれるなど、本当に大変だったことがあります。生きた心地しませんでした。debunekoyamaさんもさぞ大変だったと思います。長距離山行お疲れさまでした。
ほんとに分かり易い判別法ですね(笑)。
やはり森林限界以上の稜線は天候次第で別世界になってしまうので怖いですね。特に雷は身を隠す場所がないと音を聞いただけでゾッとします。
今回は、いつもならば何とか行けると思ったペースで計画を立てていましたが、膝痛、寝不足、食欲不振など重なったためかかなりの時間オーバーでした。
せっかくの景色を見る余裕もあまりなかったので、やはり計画はムリしちゃいけないと今更ながら思った次第です。
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