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Yamareco

記録ID: 4806215
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

【追悼山行】約束の伊藤新道〜裏銀座、370日目の再訪

2022年10月14日(金) ~ 2022年10月16日(日)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
27:07
距離
48.0km
登り
3,434m
下り
3,211m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
2:25
休憩
0:00
合計
2:25
距離 11.4km 登り 354m 下り 89m
2日目
山行
11:21
休憩
1:09
合計
12:30
距離 16.4km 登り 1,733m 下り 499m
3:58
55
4:53
12
5:05
5:06
24
5:30
5:59
23
6:22
6:23
41
7:04
7:05
30
7:35
7:36
40
8:16
8:17
50
9:07
9:28
34
10:02
74
赤沢出合
11:16
11:17
73
12:30
30
第一庭園
13:00
39
かぶり岩
13:39
18
伊藤新道分岐
13:57
14:00
80
15:20
15:21
22
15:43
15:51
8
15:59
16:00
28
16:28
3日目
山行
10:37
休憩
1:17
合計
11:54
距離 20.1km 登り 1,346m 下り 2,623m
4:30
76
5:46
6:07
35
6:42
6:44
17
7:01
37
7:38
7:39
32
8:11
8:20
30
8:50
9:01
31
9:32
73
10:45
10:46
38
11:24
11:29
19
11:48
11:59
114
14:01
14:14
31
14:45
51
15:36
18
15:54
15:56
13
16:09
16:10
10
16:24
高瀬ダム
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2022年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
〜11/6 7:00-17:00は七倉山荘〜高瀬ダム間をタクシー運行中、2400円くらい
高瀬ダムの最終は七倉ダム発より15分早いので注意
タクシー無線でブナ立尾根を下ってくる登山者がいるかどうか、タクシー客からの情報を元に連絡を取り合ってくれている
それ以外の時間帯、時期は七倉ダムから5.5kmちょっと徒歩。上り1.5h、下り1h15mくらい
https://kanko-omachi.gr.jp/access/bus-taxi/
コース状況/
危険箇所等
※伊藤新道はバリエーションルートなので、天候等によって状況は千変万化します

・総評
湯俣川は昨年よりは水量が多かったが、ロープは一度も使用しなかった。
裏銀座ルートは長く、水晶小屋、野口五郎小屋、鳥帽子小屋ともクローズしているこの時期、三俣山荘から先で水の補給場所がないため、水をたくさん持つ必要がある。我々は2人パーティで5L持ち、1L弱余った。

・伊藤新道
沢靴はラバーソール。フェルトでも良さそうだが、苔はないし、河原歩きが多いので、足への負担を考えればラバーソールが妥当と考える。
新第一吊橋(旧第一吊橋)までは渡渉なく右岸(上流から見て右)を遡行、噴湯丘に寄ると、渡渉を2度することになる。増水していないのであれば、ガンダム岩までは登山靴でも可能。
新第一吊橋から左岸に渡り、ガンダム岩へ。ガンダム岩は、昨年の遭難事故を受けたものと思われる鉄製のホチキス型の手すりが岩の上流側、下流側に設置されていた。FIXロープが岩の上と下の水流の両方に設置されていた。
新第二吊橋(旧第三吊橋)までは、渡渉回数は少ない。「雨天時勇気を持って引き返せ」の岩のすぐ手前に新第二吊橋が設置されている。川面からかなり高い位置にある。私は吊橋を渡らずに腰まで水に浸かってヘツった後、吊橋の15mほど上流の流れが緩めのところを渡渉した。
旧第四吊橋跡には川面から離れた高い位置にワイヤーが掛かっており、往時の難所であったことが伺えるが、現在は開けておりその右岸がビバーク適地。この先から渡渉回数が増える。
新第三吊橋(旧第五吊橋)を右岸から左岸に渡りすぐがビバーク適地。その先に小さなケルンが積んであり、そこから赤沢出合いまでの高巻きルートに入り、沢ゾーンは終了。登山口に履き替えて良い。このまま赤沢出合いまで沢ルートを遡行する人も結構いる。
高巻きルートはかなり急で滑るところもあり、油断は禁物。赤沢出合いに向かって急な下り。赤沢を渡渉するのは、よほど増水しない限りは濡れることはない。
赤沢出合いから展望台までの間は荒れており、一部は崩落しているが、マーキングはある。標高差300mの急登でかなり消耗する。体力的にはこのルートの核心。
展望台から先はほぼ一般ルート並で、庭園から先は鷲羽岳の山腹の脇を進む、眺望の開けた好ルート。

・裏銀座縦走路
朝から三俣山荘から鷲羽岳までの標高差400mアップはかなり堪える。
水晶小屋までは比較的穏やかなルート。
水晶岳の頂上周囲はやや岩っぽい。
水晶小屋〜真砂岳分岐は赤い砂地のルートで滑りやすく急な下り。
真砂岳分岐を過ぎると野口五郎岳まで白い砂地のルートで歩きやすくなる。
野口五郎岳頂上直下は文字通りゴーロ帯だが、それ以降は烏帽子小屋まで歩きやすい。
ブナ立尾根は北アルプスで最も急な尾根だがよく整備されており、例えば谷川の西黒尾根などに比べると非常に下りやすい。
その他周辺情報 ・携帯電波(docomo)
伊藤新道は、電波の反射でごく一部入ることがあるが(昨年の事故時、ガンダム岩から通報している)、ほぼ入らないと考えるべき
稜線上は概ね入るが、三俣山荘周囲は、山荘もテン場も圏外
ブナ立尾根はうっすら入るが電話は繋がりにくい。タクシーを呼ぶ際は6番の札のところが電波が入る。

・入浴
七倉山荘の日帰り入浴が18時までに上がれば入れる
その他周辺に日帰り入浴は数か所ある

・食事
大町市内はそれほど多くないのと、営業終了時間が早い
大町商店街の「大寿」
池田町の「しもさと」
旧豊科町の「穂の香」
が比較的安価で美味
予約できる山小屋
七倉山荘
金曜の夜、仕事後に七倉ダムまでアプローチし、スタート
金曜の夜、仕事後に七倉ダムまでアプローチし、スタート
1時間10分で高瀬ダム。テン泊装備の割にはいいペース。
1
1時間10分で高瀬ダム。テン泊装備の割にはいいペース。
23時過ぎ、名無避難小屋に到着し、仮眠。
1
23時過ぎ、名無避難小屋に到着し、仮眠。
翌朝、晴嵐荘へ。この50分というのはなかなかシビア。
1
翌朝、晴嵐荘へ。この50分というのはなかなかシビア。
湯俣山荘は営業再開のため着々と準備中。
湯俣山荘は営業再開のため着々と準備中。
晴嵐荘で水を補給。
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晴嵐荘で水を補給。
水俣川を渡る。今どき、登山ブームでもここから北鎌尾根へアプローチする人は稀だろう。
水俣川を渡る。今どき、登山ブームでもここから北鎌尾根へアプローチする人は稀だろう。
山の神で祈る。安全にできますように。
1
山の神で祈る。安全にできますように。
噴湯丘前で朝焼け。
1
噴湯丘前で朝焼け。
1年間、待ちに待ち続けた日。緊張の面持ち。
2
1年間、待ちに待ち続けた日。緊張の面持ち。
昨年よりも人工物が増えている。
2
昨年よりも人工物が増えている。
第一吊橋までは右岸をひたすら進む。昨年より水量やや多かったが、第一吊橋まで一度も水に浸からず。
第一吊橋までは右岸をひたすら進む。昨年より水量やや多かったが、第一吊橋まで一度も水に浸からず。
第一吊橋が見えてきた。
第一吊橋が見えてきた。
事故現場、ガンダム岩。私が立っているところから1時の方向の上にある黒い岩がその場所。
6
事故現場、ガンダム岩。私が立っているところから1時の方向の上にある黒い岩がその場所。
左の赤い花2種が私たちが手向けたもの。その前にも手向けてくださった方がおられたよう。故人が好きだったというワインを捧げる。
11
左の赤い花2種が私たちが手向けたもの。その前にも手向けてくださった方がおられたよう。故人が好きだったというワインを捧げる。
ガンダム岩本体には手すりとFIXロープが張られていた。マウンテンワークス社の方が設置したそう。
8
ガンダム岩本体には手すりとFIXロープが張られていた。マウンテンワークス社の方が設置したそう。
ガンダム岩は、よほど増水していなければ真下をくぐるのがベスト。沢登りは水線からできるだけ離れないことが原則。離れるなら安全確保が第一。私はザックが大きいため、引っかかりそうになりながら岩下の際をくぐる。
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ガンダム岩は、よほど増水していなければ真下をくぐるのがベスト。沢登りは水線からできるだけ離れないことが原則。離れるなら安全確保が第一。私はザックが大きいため、引っかかりそうになりながら岩下の際をくぐる。
同行者(159cm)も腰上まで浸かりながらくぐる。
5
同行者(159cm)も腰上まで浸かりながらくぐる。
ガンダム岩の上流側にも手すりが設置されていた。増水時は手すりを使えば乗り越えられるようになっており、昨年の事故を受けて設置したものと思われる。深謝したい。
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ガンダム岩の上流側にも手すりが設置されていた。増水時は手すりを使えば乗り越えられるようになっており、昨年の事故を受けて設置したものと思われる。深謝したい。
その先は、しばらく左岸。
その先は、しばらく左岸。
ステップ板があるが水量が少なく、使用することはなかった。
ステップ板があるが水量が少なく、使用することはなかった。
古いロープ。ここから高巻くこともあったのだろう。
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古いロープ。ここから高巻くこともあったのだろう。
渡渉ポイント。微妙に目印がある。
渡渉ポイント。微妙に目印がある。
次第に青空が見えてくる。
次第に青空が見えてくる。
しばらくは穏やかな河原歩き。
しばらくは穏やかな河原歩き。
謎の黒い物体。
新第二吊橋。この部分だけが狭くなっていることがわかる。
新第二吊橋。この部分だけが狭くなっていることがわかる。
故・伊藤正一氏が書いた「引き返す勇気を 雨天の時」の有名な岩。
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故・伊藤正一氏が書いた「引き返す勇気を 雨天の時」の有名な岩。
新第二吊橋はかなり高い位置にかかっている。このことから、増水時は相当高いところまで水位が上がることが推察できる。
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新第二吊橋はかなり高い位置にかかっている。このことから、増水時は相当高いところまで水位が上がることが推察できる。
川面から撮る。
私はそのままヘツる。水量は少ない。
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私はそのままヘツる。水量は少ない。
そして渡渉。
ここからは穏やか。
ここからは穏やか。
旧第四吊橋跡。ワイヤーだけ残っている。この位置にあるということは、以前は相当高い位置まで水位が上がっていたのだろうが、現在は広い河原でビバーク適地。
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旧第四吊橋跡。ワイヤーだけ残っている。この位置にあるということは、以前は相当高い位置まで水位が上がっていたのだろうが、現在は広い河原でビバーク適地。
写真だと大きさが伝わりにくいが、巨岩が崩れて寄りかかっているだけの状態。いつ倒れてもおかしくない。
写真だと大きさが伝わりにくいが、巨岩が崩れて寄りかかっているだけの状態。いつ倒れてもおかしくない。
沢登りというより川歩きの様相。
沢登りというより川歩きの様相。
狭小地はやや水の流れが早くなる。
狭小地はやや水の流れが早くなる。
膝上のヘツり。
身長が低い人のほうがやや不利。
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身長が低い人のほうがやや不利。
対岸に水がないからといって、安易に渡渉しないほうが却ってよいことが少なくない。
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対岸に水がないからといって、安易に渡渉しないほうが却ってよいことが少なくない。
こうして流れが淀んでいるところがある。渡渉時は水の動きを見極めるのが大事。
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こうして流れが淀んでいるところがある。渡渉時は水の動きを見極めるのが大事。
稜線が見えてきた。
稜線が見えてきた。
新第三吊橋。
私は渡渉。同行者は渡る。前日にかかったばかりで、第一や第二に比べると揺れが少なかったとのこと
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私は渡渉。同行者は渡る。前日にかかったばかりで、第一や第二に比べると揺れが少なかったとのこと
新第三吊橋を渡ってすぐに佇むケルン。ここから赤沢出合いまでは川から離れて高巻く。
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新第三吊橋を渡ってすぐに佇むケルン。ここから赤沢出合いまでは川から離れて高巻く。
折れた看板。昔から高巻きルートが使われていたのだろう。
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折れた看板。昔から高巻きルートが使われていたのだろう。
高巻きから見る新第三吊橋
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高巻きから見る新第三吊橋
高巻くと紅葉真っ盛り。
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高巻くと紅葉真っ盛り。
川沿いを歩くのも楽しそう。
川沿いを歩くのも楽しそう。
こんな痩せた場所もあり
こんな痩せた場所もあり
向こうの常念山脈も見えてきた
2
向こうの常念山脈も見えてきた
白い砂地。滑る。
2
白い砂地。滑る。
赤沢に向かって下る。
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赤沢に向かって下る。
対岸にパーティがいて、手を降ってくださった。
3
対岸にパーティがいて、手を降ってくださった。
なかなか荒れた下り。
なかなか荒れた下り。
対岸を登るのもなかなか大変。
1
対岸を登るのもなかなか大変。
展望台までは結構荒れていて、非常に急登。体力的な核心。
展望台までは結構荒れていて、非常に急登。体力的な核心。
唐沢岳方面
マーキングは明瞭だが足元はよくない。
マーキングは明瞭だが足元はよくない。
硫黄尾根が見えると心が躍る。
硫黄尾根が見えると心が躍る。
硫黄尾根の隙間から槍様。
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硫黄尾根の隙間から槍様。
荒れ荒れ。
素晴らしい紅葉
展望台。ここから先は一般登山道並。ようやく核心が終わった。
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展望台。ここから先は一般登山道並。ようやく核心が終わった。
これから歩く方を見る。結構疲労困憊なkun_pu氏。テン泊装備で荷物が重いからなあ。
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これから歩く方を見る。結構疲労困憊なkun_pu氏。テン泊装備で荷物が重いからなあ。
第一庭園。ひろびろ。
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第一庭園。ひろびろ。
チングルマ。
庭園を過ぎると景色がよくなり、三俣山荘に向かって歩く足取りも軽くなる。
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庭園を過ぎると景色がよくなり、三俣山荘に向かって歩く足取りも軽くなる。
ずっと展望。
かぶり岩。
かぶり岩
かぶり岩と槍。
やや崩落、安全に通過。
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やや崩落、安全に通過。
ダケカン林
やっと稜線が見えてきた。
やっと稜線が見えてきた。
たどってきた道を振りかえる
2
たどってきた道を振りかえる
双六と三俣蓮華。あとちょっと。
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双六と三俣蓮華。あとちょっと。
小屋の手前でらいてう!!まさか晴天時に会えるとは。
2
小屋の手前でらいてう!!まさか晴天時に会えるとは。
こちらは冬毛に生え変わろうとするらいてう。
2
こちらは冬毛に生え変わろうとするらいてう。
やっと三俣山荘着。
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やっと三俣山荘着。
鷲羽。四半世紀前に訪れて以来だが、当時の記憶がはっきりするほど、鮮烈な印象がある山だ。
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鷲羽。四半世紀前に訪れて以来だが、当時の記憶がはっきりするほど、鮮烈な印象がある山だ。
休む前に三俣蓮華岳へ。四半世紀ぶり。かなり消耗していたが、行かないと後悔すると思ったので。
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休む前に三俣蓮華岳へ。四半世紀ぶり。かなり消耗していたが、行かないと後悔すると思ったので。
槍から何から一望。
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槍から何から一望。
ぬれものを干す。
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ぬれものを干す。
翌朝。さらば、伊藤新道。また。
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翌朝。さらば、伊藤新道。また。
鷲羽登頂。四半世紀ぶり。
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鷲羽登頂。四半世紀ぶり。
鷲羽池と槍たち。
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鷲羽池と槍たち。
ご来光。
焼とか乗鞍とか笠とか。
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焼とか乗鞍とか笠とか。
水晶方面。
パノラマ。
雲ノ平とか黒部五郎とか。
2
雲ノ平とか黒部五郎とか。
ワリモ岳頂上、最高標高点の下に道標があるのは、八ヶ岳の権現岳と似ている。
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ワリモ岳頂上、最高標高点の下に道標があるのは、八ヶ岳の権現岳と似ている。
池はちょっと凍っていた。
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池はちょっと凍っていた。
鷲羽、ワリモを背に歩く。裏銀座の静かで大きい様相。
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鷲羽、ワリモを背に歩く。裏銀座の静かで大きい様相。
水晶小屋。もう営業は終わっていた。
水晶小屋。もう営業は終わっていた。
水晶の頂上周囲はやや岩岩している
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水晶の頂上周囲はやや岩岩している
水晶岳。これまた四半世紀ぶり。看板は多分四半世紀以上前から変わっていなさそう。
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水晶岳。これまた四半世紀ぶり。看板は多分四半世紀以上前から変わっていなさそう。
これからゆく野口五郎方面。結構ゴツゴツしている
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これからゆく野口五郎方面。結構ゴツゴツしている
東沢。上ノ廊下から上がったパーティが下りでよく使うルート。奥に立山三山、剱、後立山連峰が一望。
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東沢。上ノ廊下から上がったパーティが下りでよく使うルート。奥に立山三山、剱、後立山連峰が一望。
野口五郎と五郎池。
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野口五郎と五郎池。
白い砂地の特徴的な山。静かで良い山。
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白い砂地の特徴的な山。静かで良い山。
野口五郎岳。もちろん、歌手の野口五郎の芸名の由来となった山。
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野口五郎岳。もちろん、歌手の野口五郎の芸名の由来となった山。
野口五郎岳からのパノラマ。
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野口五郎岳からのパノラマ。
南から見ると穏やかな形の野口五郎も、北から見るとゴロゴロしており、この山名の由来となっている。
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南から見ると穏やかな形の野口五郎も、北から見るとゴロゴロしており、この山名の由来となっている。
野口五郎小屋。営業終了している。
2
野口五郎小屋。営業終了している。
ここから先はあるきやすくなる。烏帽子、針ノ木、後立山まで一望。
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ここから先はあるきやすくなる。烏帽子、針ノ木、後立山まで一望。
三ツ岳の下、ちょうど野口五郎と烏帽子小屋の中間点のよう
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三ツ岳の下、ちょうど野口五郎と烏帽子小屋の中間点のよう
イルカみたい。
水晶〜野口五郎は全く異なる穏やかな様相。裏銀座の醍醐味。
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水晶〜野口五郎は全く異なる穏やかな様相。裏銀座の醍醐味。
ゴールの高瀬ダムがやっと見えてきた。
3
ゴールの高瀬ダムがやっと見えてきた。
烏帽子岳。。。手前ではなく奥のとんがりです。
2
烏帽子岳。。。手前ではなく奥のとんがりです。
烏帽子のテン場。小屋から一番遠いこのひょうたん池の前のテン場、超快適そう。
3
烏帽子のテン場。小屋から一番遠いこのひょうたん池の前のテン場、超快適そう。
鳥帽子小屋。営業終了後。
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鳥帽子小屋。営業終了後。
さあ、とうとうブナ立尾根を下るぞ。
さあ、とうとうブナ立尾根を下るぞ。
幻想的な南沢岳、不動岳、船窪岳、針ノ木岳など。
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幻想的な南沢岳、不動岳、船窪岳、針ノ木岳など。
ブナ立尾根は1〜12まで番号が振ってあり、上から1番。
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ブナ立尾根は1〜12まで番号が振ってあり、上から1番。
なかなかの紅葉。
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なかなかの紅葉。
タヌキ岩。2番?札なし。
タヌキ岩。2番?札なし。
2208三角点。4番。3番は見つけられず。
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2208三角点。4番。3番は見つけられず。
6番は中間点。広く休憩適地。
6番は中間点。広く休憩適地。
樹林の間から不動岳かな?急登を大急ぎで下る。タクシーのリミットは16時45分。
樹林の間から不動岳かな?急登を大急ぎで下る。タクシーのリミットは16時45分。
ごんだ落し
ごんだ落しは9番。
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ごんだ落しは9番。
11番。あとちょっと!
11番。あとちょっと!
ブナタテ、という古い看板が見えたらまもなく終了。
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ブナタテ、という古い看板が見えたらまもなく終了。
階段ルートを過ぎるとあとちょっと!
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階段ルートを過ぎるとあとちょっと!
12番でブナ立尾根は終了!急だったけれどよく整備されていた。
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12番でブナ立尾根は終了!急だったけれどよく整備されていた。
濁沢にかかる橋を渡る。
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濁沢にかかる橋を渡る。
砂地を歩く
濁沢のテン場、今年も休業。
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濁沢のテン場、今年も休業。
吊り橋を渡って。。。
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吊り橋を渡って。。。
トンネルをくぐって。。。
2
トンネルをくぐって。。。
トンネルをでて。。。
2
トンネルをでて。。。
長かった追悼山行もとうとう終わり。
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長かった追悼山行もとうとう終わり。
最後は高瀬ブルーが我々を出迎えてくれた。
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最後は高瀬ブルーが我々を出迎えてくれた。

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル タイツ ズボン 靴下 防寒着 雨具 ゲイター 日よけ帽子 着替え 予備靴ひも ザック ザックカバー サブザック 行動食 非常食 飲料 ハイドレーション ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック ナイフ カメラ ポール テント テントマット シェラフ ヘルメット ロープ ハーネス 確保機 ロックカラビナ カラビナ クイックドロー スリング ロープスリング セルフビレイランヤード 渓流シューズ

感想

昨年秋、伊藤新道で遭難事故が起こった。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4754847.html

私は、そのパーティの一員として事故に立ち会い、パーティ唯一の医療従事者として、山岳医療を学んだ者として、わずかながらの知識や経験を駆使し、要救助者の処置等をできる限り行なったが、残念ながら帰らぬ人となった。その後、パーティ間の調整、警察や病院への事故報告書の提出、故人のご遺族の対応などを引き受け、数ヶ月の間、慌ただしい日々を送った。ご遺族には、故人に事故現場より先の景色を見ていただくために伊藤新道を再度遡行する、と約束し、以来1年間、そのことだけを考えて、心身の鍛錬に努めてきた。

今年の夏は、実に雨が多かった。毎週末のように繰り返される雨。私は北岳や編笠山、日向山で山岳医療パトロール活動に携わっているため、毎週のように山に入ってきたが、とにかく雨が繰り返された。あたかも故人に「まだまだこんなものではない」と試練を与えられているのではないか、と重苦しい気持ちになったが、天候は誰にでも等しく与えられた条件だった。別に私が特別に与えられた試練ではない。だから、毎週毎週の悪天候の予報に暗い気持ちになりながらも耐えた。


そして、とうとうその日がやってきた。
本当は故人の命日に合わせて前週に遡行する予定だったが、やはり悪天候で、湯俣川は増水しているとのことで叶わず、今回を逃すとその後は私事により訪れる時間が取れないため、まさしく今回が最後のチャンスだった。

天気予報は転々と変化し、ようやっと雨天にならない確証を得たのは出発の2日前。それでも天はどのような悪戯をするかと、その時になるまで信じることができなかった。
果たして、当日は曇天という予報が良い方向に外れ、今年の夏山シーズンで最も好天に恵まれた。

事故現場で花を手向け、線香をあげ、故人が好きだったワインを捧げた。そのとき、故人と親交があったという高名なガイドが通りかかり、話しかけてくださった。一緒に黙祷しながら、ガイドは涙を拭っていた。

事故現場を通過しても、伊藤新道を遡行しきるまでは少しも気を抜けなかった。そして、「昨年と同じ条件」で遡行することが故人への手向けになると考えた私は、三俣山荘の方々やマウンテンワークス社などのご関係各位が素晴らしい心意気で掛けてくださった3つの新しい吊橋を渡らず、人工物も一切使用せずに湯俣川のあるがままの姿を受け入れた。それが正しかったかどうかは今でもわからないが、百戦錬磨のクライマーだった故人なら、きっと同じようにしていたと思う。

故人を追憶し続け、ご遺族に向かい続け、自分自身にも向き合い続けた1年間。
故人が最後に最高の山の姿を私たちに見せてくれた。そして新たな出会いをくれた。

故人が喪われたことは、どのような事実によっても変わることはなく、ご遺族の心の悼みが消えることもない。私の眼前で消えようとする生命の炎を目の当たりにして、医療従事者であろうがほぼ全くの無力だったという事実が、今回の伊藤新道遡行を完遂したことで上書きされることもない。

だからこそ、今シーズンは山岳遭難事故の予防のための活動を粉骨砕身の気持ちで行なってきたし、今後も変わらず続けてゆく。そして、ご遺族とも、自分とも向き合い続ける。
それが、私にできることだ。
それのみが、私にできることだ。

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