【憧れの剱岳・長次郎谷♪雪を背負って登り雪を背負って帰ってきました】長次郎谷〜剱岳〜平蔵谷


- GPS
- 29:06
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 2,663m
- 下り
- 2,781m
コースタイム
- 山行
- 2:07
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 2:18
- 山行
- 10:26
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 12:19
天候 | 【7/20】晴れ時々曇り、剱沢は午後2時から4時くらいまで雨 【7/21】快晴、午後から積雲が湧きたつ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
一番下の称名川沿いの駐車場になりました ケーブルカー、高原バスともに臨時便がどんどん出るので待ち時間なしでした |
コース状況/ 危険箇所等 |
【長次郎谷】 この時期にしては珍しいらしくクレバスはありませんでした。この後雪解けが進むにつれて雪が割れてくるようです。特に熊の岩の左俣は難しくなり直に通行不可になるとのこと 雪渓はアイゼンが効いて登りやすかったですが、12本爪マストです(軽アイゼンでもいけるという人もいるようですが危険です) 行き詰っても引き返すことが難しい雪渓なので(急傾斜)、熊の岩でそこから先を判断した方がいいと思います(とはいえ熊の岩から戻るのも大変ですが) 左俣は滑落=アウト、止められる傾斜ではありません。絶対転ばない歩行技術です。一歩一歩アイゼン、ピッケル確実に効いていること確認して登りました。 【平蔵谷】 傾斜はこちらの方が急傾斜ですが明るく広いので天気さえよければ楽しい雪渓降りです。 ただ雪渓の端っこはクレバスができやすいので注意。特に岩が出ている周辺は雪渓がかなり薄くなっていて踏み抜きに要注意です。 両方の雪渓に言えることですが落石には十分注意。あちこちでガラガラという音が聞こえました。 |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
【1st Day】
午前3時すぎ夜半来の雷雨の音で目が覚めた。山行前に雨の音に起こされるとは幸先が悪い。
朝一番のケーブルカーで上山しようと考えていたが、萎えてしまい二度寝を決め込む。
それでも5時には雨の音もやみ、少しではあるが青空も見えるようになってきた。やはり出かけるとするか、朝一というわけにはいかないがお昼には剣沢に着けるだろう。
海の日の3連休、以前から決めていたルート。自分の中では最高の冒険、長次郎谷を詰めて登る剱岳
緊張感が今までの山行とは比べ物にならない。天候から体のコンディションから山の雪渓の具合まで、一つでも不安があれば決行できない
午前9時、登山にはちょっとあり得ないぐらい遅い時間の立山駅。さすが3連休の中日、駐車場はどこも満杯だ。ぞれでもケーブルカーやバスは臨時便の増発で待たせることはない
大勢の観光客に混じり、でかいザックにピッケル挿した自分。その中に自分と似たようなテント泊ザックに束ねたロープを括り付けた二人組を発見
どこに登るんだろう、ロープ持参ということは剱岳?、それもバリエーションだろうか
どちらのご予定ですかと話しかけると、なんと自分と同じ長次郎谷の予定とのこと、よかったお連れさんがいて
それにしてもロープ持参とはさすがに準備がいい、それに引き替え自分はピッケルにアイゼン、ヘルメットだけ。どう見ても装備不足?
仲間がいたことで大いに勇気づけられたけど、単独では無理なんじゃないか、装備不足なのではないかと不安もよぎる....
今日のヤマテン予報は晴れから雨と目まぐるしく変わる予報。それを裏付けるように大勢の人で賑わう室堂平は時折晴れ間が見える曇り空
アタック予定の明日の天気も気になるところだが、とにかく剣沢へ急ごう。この時期はテン場の雪解けが中途半端で下手すると雪の上に設営ということにもなりかねない
これから登りかえす雷鳥坂の距離と傾斜にいつものことながらうんざりしつつ歩く。そこへPEAKSの表紙になりそうな山ガール、山ボーイのグループが楽しそうに登ってくる。さすが連休の立山だな〜と思ってみていたら
その中のおひとり、うん?見覚えのある方が、yokoさんではあるまいか!
思わず握手&記念撮影。お互いヤマレコでは顔出ししてるのでわかりました。顔出しNGだったらわからないもんね。
今日は雷鳥沢でまったりテント泊とのこと。いいなぁ、それもいいなぁ、温泉入って生ビール。一瞬、ここにテント張っちゃおうかとの思いがよぎる
いかんいかん(ブルブル)、今回は長次郎谷、それも単独で登りつめるのだ
yokoさんとお互いの安全登山を祈りつつ、自分は雷鳥沢へと降りそして雷鳥坂を登り返す。テント泊装備はいつもながら堪える。汗をかきかき、時折流れくる涼風に後押しされながら別山乗越、そして剣沢へ
別山乗越から雪渓を歩く、今年は残雪豊富で一部夏道が出ている以外は大部分が雪渓だ
そして気になる剣沢のテン場が見えてきた。既に15張くらいはあるだろうか、山岳警備隊の詰所の裏にそこだけ雪の融けた狭いスペース
少し急ぎ足で到着すると、ちょうど撤収を終えた方が帰ろうとしているところだった。おかげで平らで広いスペースを確保、とりあえずは一安心
テント張ってまったり過ごす、これで剱が見えりゃ最高なんだけど分厚い雲の中。雲だけならまだいいけどそのうち雨が降ってきた。
雨は1〜2時間くらいで止んだけど、明日のアタックにまたまた不安の虫が....大丈夫か?と不安を抱きつつメシ食って就寝
【2nd Day】
夜中に天気が気になって目を覚ますと午後11時、外を見ると剱岳は完全に雲の中、この天候じゃアタックは中止にしようか
なんて考えながらもう一度シュラフに潜り込む
午前2時、ガチャガチャという金属がこすれあう音で再び目が覚める。この天気なのにみなさんすごいな、とテントめくると嘘のような星空
星空の中、剱岳が黒いシルエットで浮かび上がっている、なんてすばらしい、アタック日に好天に恵まれるとは点の記と同じシチュエーションではないか
そそくさとパンだけの朝食を済ませ、サブザックに行動食、水、レインウェアなどを詰め込む
ヘルメットのベルトを締めると気合いが入る。さて出発だ、時間は午前3時、別山尾根からの人たちよりはかなり早い時間だが一旦大きく下ってから登り返すので時間は余計に見ておいた方がいい
真っ暗な中、独りで剣沢雪渓に降りていく、暗い底なしの谷、長次郎谷出合までは剣沢キャンプ場から標高差で530m降る。そして今度は剱岳の絶頂に向けて雪渓を1010m登る、ある意味超マニアックなルートなのだ
長次郎谷出合には4時20分に到着、ここで小休止し行動食と水を口にする。ここからがいよいよ長次郎谷、柴崎芳太郎ら陸地測量部の一行が未踏の頂上を目指したルートに自分も足を踏み入れるのだ
ピッケルを持ち、アイゼンバンドを締めなおし、自分の頬っぺたはたいて気合いを入れ直す
まだ暗い中、長次郎谷の登り返しが始まった。最初のうちは傾斜もそれほど強くはない。はるか遠くにヘッデンが3つ瞬いている。先行者がいるようでひとまず安心する。
谷が左にカーブすると前方に大きな岩が見えてきた。なるほどあれが有名な熊の岩か、あれを右に回り込んで一旦熊の岩の台地に上がるのがセオリー
熊の岩の左俣から上がることもできるが、雪渓が急でクレバスが早い時期で割れるので一般的ではないと山岳警備隊に教わった
ただ、今年は雪渓の状態がすこぶるよくて、クレバスもまだ発生しておらず状況によっては左俣からも上がれるかもしれないと...
遠目にも左股にクレバスはできていない。先行者はまっすぐ左股に取りついたようだ。自分はどうする?左股の方が長次郎のコルに出るには最短ルートだ
とはいえ、左股がいつもベストコンディションとは限らない、ここは初心者らしくセオリー通りに熊の岩の右から回り込むことにしよう
熊の岩の右まで回り込みふと周囲を見回すと、あまりにも非日常的な絶景に息をのむ。右には八ツ峰が屹立し左には源次郎尾根が急峻に切れ落ちている
自分はなんてすごいところに立っているんだろう。早くこの悪場を通過してしまいたいという思いと、いつまでもこの絶景に身を置いていたいという思いが交錯する
熊の岩の台地で小休止、再びアイゼンバンドを締め直し左股に向けてトラバースする。トラバースといっても真横ではなく左に斜上していく感じだ
前方を注意深く観察する。見る限りクレバスはなさそうだ。左俣に取りついてからが傾斜が最もきつく40度とも言われている
雪の状態はすこぶる良くて、アイゼンの歯がよく効いて登りやすい。ブログには軽アイゼンで登ったなんて記録もあるようだが、前爪のありがたさを痛感した
朝日を受けてめちゃめちゃ明るい雪渓をひたすら登る。ふと前方を見上げると先行者がアイゼンを外しているのが確認できた。あそこがコルか
ただひたすら登り続けたらいつのまにかコル直前まで来ていた。どうやら心配していたクレバスは発生していなかったようだ
一安心して周囲を見渡していると突然ガラガラと落石の音、どうやら右股あたりで発生したのだろうか、遠くに聞こえたがかなり大きな音だった
ここも立ち止まっているべきポイントではない、とにかく長次郎のコルまでたどり着くことだ
最後の最後、コルの手前に大きなクレバスが出来ていたがこれは問題になるようなものではない。ここまで無我夢中で登ってきたがついに来れた
ここでようやくアイゼンを外し、ピッケルをザックに括り付けて一安心。ここから先山頂まではそれほど難しい登りではない
人気のない北方稜線を山頂へ向かう、反対に頂上は登山者であふれかえっていた。それはそうだろうこんな天気のいい連休、さすが人気の山だけある
いつも通り記念撮影の後は、平蔵谷を降るため平蔵のコルまで登山道を降る
別山尾根は一般登山道だが鎖があっても危ないところが多い。鎖場にかえって危ない思いをしながら平蔵のコルに着いた
ここからが源次郎尾根を間に長次郎谷の反対側に位置する平蔵谷、この雪渓の状態はなにも情報がない
みたところ傾斜は平蔵谷の方がよほど急である。ただ谷が広いのと朝日を受けて明るいので問題にならない
ガスっていたりするとここを降り道に使うのは避けた方がよさそうだ
明るく広い平蔵谷を気持ちよく降る。たしかに傾斜は長次郎谷よりきついかもしれないが、時間的に雪も程よくゆるんでキックステップで気持ちよく降れる
雪渓のは時の方はところどころクレバスができているが、ど真ん中を歩けば問題はない
源次郎尾根I峰が大迫力で屹立する横を降り、剣沢との出合までほぼ1時間。どうにか雪を背負って登り雪を背負って帰ってくることができた
天気、雪渓、体調いずれのコンディションもよかったからスムーズに登ってくることができた。特に天気が良かったことが大きい
ガスや降雨の場合は特に注意、もっとも登山自体が楽しくなくなるので中止が無難かもしれない
【epilogue】
平蔵谷を降り終わってほっと一安心していたのだが、実はここからキャンプ場への登り返しが一番つらかった
標高差は400mくらいだろうか、長次郎谷から山頂、そして平蔵谷と折り返してきた身体にはこの最後の400mが実にきつい
アイゼンとピッケルを捨てたくなるような気持になりながらようやくキャンプ場に到着。
ついにミッションコンプリート、初めて剱岳に登った6年前、いつかは登りたいと思っていた憧れのルートが現実のものとなった
思わず剱岳Tシャツで記念撮影、アドレナリン出まくって気持ちもハイになってたんだろうな
いい気分でテント撤収したのはいいけれど、その後の別山乗越への登り返しと雷鳥沢から室堂平への登り返しでノックダウン寸前
冗談じゃなくて室堂への登り返しが今回の核心。温泉入って体重計ったら3垳此△瓩舛磴ちゃ疲れたけど実に思い出に残る山行だった。みくりが池温泉のソフトクリームが死ぬほど美味かったのは言うまでもない
sakuraさ〜ん!お目にかかれてチョー嬉しかったです!私もお顔が見えたときすぐにわかりましたよ!
昨年爺ヶ岳で写真を撮って頂いて以来ニアミスが続いていましたが、特に「会いましょう」と約束するでもなく、ああやって山でバッタリ会えたことが運命的でより嬉しかったです♪
yokoのテントばっちり写ってましたよ。そしてお帰りはsakuraさんのほうが速かったようです。テン場に帰ってきたのは13:40頃でした。
まだ写真をざっと眺めただけなので、レコはこれからじっくり拝見させていただきますね。
雪を背負っての剱、お疲れ様でした!
yokoさん お疲れ様でした
まさかの遭遇、うれしかったですね〜
あの後、雷鳥沢でテント張るのもいいなー、なんて考えましたよ、いやマジで
これからもまたお会いできすねきっと
それにしてもみなさん素敵な方ばかり、青空の立山にぴったんこでしたね
さぞかし夜のテン場は盛り上がったことでしょう
レコ楽しみにしてますよ〜
やはり連休に行かれましたか…
私も7月の計画の一つに長次郎がありましたが実現しませんでした。
また楽しみに残しておきます。
HIさん
長次郎はなかなか登り応えのあるルートでした。体力勝負みたいなとこもありますがHIさんなら問題なしです
また行きたいルートなので、次回計画されるときはご一緒させてください
sakuraさん こんにちは
立山、剣にすぐ行ける環境がうらやましい〜
ヨ○レを流して、見入ってしまいました
憧れのルートを踏破でき、
yokoさんにも会えて、
大好きなソフトクリームは美味しいし、
いいな〜
山頂の写真は凛々しい〜ですね
山頂で
URUさん まいどです
この3連休、前々から計画しててあとは天気だけっていう状況だったのでいけてよかったです
私んとこからは立山は便利なんですが南アルプスは遠いなぁ、って思うんですよね
でもURUさんもmipoさんもあの距離一人で運転してこられたんですから、私もね
頑張りますよ、南アルプス
剱岳、山頂でビア飲んだら帰り滑落しそうなんで止めときましたっ
このコースをコンプリートするなら前半戦だけでも祝杯あげちゃいますよ
こちらもヨダレをふきながら素敵な写真
やっとジックリ感想も読ませてもらい、リアリティー溢れる情景が目に浮かびました
来年は連れてってくださいよ!お願いします!!!
sanpoさんなら山頂で
来年といわずいつでもOKですよ
とはいえ、このルート雪渓割れると通行困難らしく、例年7月一杯までが無難らしいです
連れてくなんておこがましい、一緒にいきましょう
sakuraさんおはようございます
そして長次郎谷からの剱岳 おめでとうございます
お天気が微妙でしたが、晴れてよかったですね
登ったところもすごいですが、そんな中でのぎんしゃり
さすがです。とってもおいしそうです
kazamaruさん おはようございます
銀シャリいいでしょ、この前から目覚めました
アルファ米が苦手で、サトウのごはんみたいなやつ持って行ってたんですが、茹でるのに時間がかかるのと重いのでいっそのこと炊いてみるかと
そしたら意外と簡単に炊けたので、これはうまいし軽いし言うことないなって
飯ごうの名器メスティンがいいですよ、お勧めです
この辺りはkamehibaにとっては未知の世界なので写真を何度も何度も見ちゃいました
北アルプス
「The 北アルプス」という感じの景色ですねぇ〜
険しく、厳しくも美しい。。
yokoちゃんとの出会いもあって、いろんな意味で充実した山行になりましたね
こんな場所の近くにお住まいのsakuraさんがうらやましぃぃ
お疲れ様でした〜
kameさん hibaさん
こんばんは
遅くなりました〜
剱岳、大好きなお山の一つなんですが
単独でできるところを攻めてます。でもさらにステップアップするにはロープワーク、これがマスト、これがなかなかできなくて...
kamehibaさんなら日ごろ鍛えていらっしゃるので、是非八ツ峰なんてよくないですか?
来られるときは声かけてくださいねー
sakuraさん お疲れ様でした!
先日HIさんと梅田で会った時
時期的に雪山じゃないのかも知れないけど、奥様が禁止してるレベルに有るような気がします
BMさーん
富士登山競走7度目の完走、お疲れ様でしたー
ここでいうのも変なんですがおめでとうございます
来年の長次郎、私も参戦いたします。あれは毎年行ってもいいくらいとろけるようなルートです
ヨメはもう多分気づいてると思います...(黙って許してくれてるのだろうか?笑)
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