もっと顔を見せてよ! 立山〜剱岳
- GPS
- 31:05
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 2,219m
- 下り
- 2,208m
コースタイム
- 山行
- 6:58
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 7:45
天候 | 8/30 朝は快晴、以後はガス時々晴れる 8/31 ガス時々晴れる |
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過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
【復路】立山黒部アルペンルート 8/31 14:45室堂発〜16:21扇沢着 路線バス 16:30扇沢発〜17:05信濃大町駅着 さわやか信州号 18:08大町発〜23:20新宿着(渋滞で1時間遅れ) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【室堂ターミナル〜浄土山〜龍王岳】初めは観光用石畳で、浄土山への分岐から登山道だが整備された良い道。室堂山展望台との分岐からはガレ場の急斜面で、尾根に出た後は気持ちの良い稜線歩き。龍王岳は五色ヶ原方面の登山道から外れてガレ場の急登を片道10分ほどで往復できる。 【浄土山〜一ノ越〜雄山】整備された歩きやすい道を一ノ越まで一旦下る。一ノ越〜雄山は軽装の観光客がかなり多くなるが、岩の多い急斜面。 【雄山〜富士ノ折立】岩場の多い稜線歩きだが、整備されて歩きやすい。 【富士ノ折立〜真砂岳】ガレ場の急斜面を下った後、マサ状の歩きやすい道をゆるやかに登り返す。 【真砂岳〜別山南峰〜別山北峰】相変わらず歩きやすい道を緩やかに下るが、コルから別山への登り返しはガレ場の急斜面で結構こたえる。別山南峰〜北峰間はゆるやかな広い尾根で片道10分で往復可。 【別山〜剱御前小屋〜剱御前山】小屋までは緩やかなアップダウンのある気持ちの良い稜線歩き。剱御前山は小屋から片道10〜15分で往復可。 【剱御前小屋〜剱澤小屋】最初は岩の多いカール壁をトラバース気味に急降下し、別山からの直降ルートが見える辺りからカール底の緩やかな下りとなる。天気が良ければ正面に剱岳のすばらしい眺望が楽しめることでしょう!!(今回は見えなかったが) 【剱澤小屋〜剣山荘】雪渓の残る剱澤を渡り、岩場の緩斜面をトラバースする。 【剣山荘〜一服剱】カール壁をトラバース気味に緩やかに登る。途中に2ヶ所の鎖場があるが、大したことはない。 【一服剱〜前剱】武蔵のコルまで緩やかに一旦下った後は、標高200m以上のガレ場急登。斜面こう配がかなりきついので、特に下りは要注意。下から2/3くらいの所に「前剱大岩」という鎖場があり、それを越えると似たような岩場の急斜面をさらに登ると稜線に出る。ここから前剱までは岩場の緩やかな稜線歩きだが、途中に大したことのない鎖場がある。前剱頂上のすぐ手前で、稜線の西側を巻く下山ルートと分かれる。 【前剱〜平蔵の頭手前】ゆるやかな稜線を歩くと直ぐに正面に「前剱の門」が立ちはだかる。両側斜面が切れ落ちた狭い鞍部にかかる4mの鉄梯子を渡り、大岩の右側を鎖に頼ってトラバース気味に登る。実質的には、ここが高度感を伴う最初の鎖場といえる。「前剱の門」を登り切ったらすぐに鎖場があり、今度は岩場の急降下。この後は「平蔵の頭」まで緩やかな登り。最初は稜線東側をトラバース気味に登り、稜線にとりついてからしばらく行くと、西側をトラバースするようになり、やがて正面に「平蔵の頭」が再び立ちはだかる。 【平蔵の頭〜平蔵のコル】ここからが岩登り本番!「平蔵の頭」の大岩を鎖場にて登山時は東側、下山時は西側を越える。足置きのボルトと鎖に頼って大岩を直登すると高度感満載で正面に「カニのたてばい」が見えてくる。その後直ぐにスラブ状の岩を鎖に頼って急降下する。後はちょっとした鞍部までスラブの下部をトラバースした後、正面の急峻な岩を東側からトラバースして下山ルートと分岐する「平蔵のコル」に到着。この後はいよいよ最大の核心部である「カニのたてばい」。 【カニのたてばい〜剱岳山頂】ガレ場を少しトラバースして「カニのたてばい」の基部に取付き、足置きのボルトと鎖に完全に頼り切って約30mの垂直に近い岩を登る。今までの鎖場がかわいく感じられるほどなので、三点支持に十分気をつけながらゆっくり登らないとシャレにならないことになります。たてばいの鎖が終わってからも急峻な岩登りはしばらく続くが、稜線に出た後はガレ場をしばらく登れば念願の山頂に着く。 【剱岳山頂〜カニのよこばい(下山路)】ガレ場をしばらく下ると「カニのよこばい」の直上で登山ルートと分岐する。ここから下山路の核心部。最初は鎖沿いにまっすぐ下り、その後は右側へ岩場をトラバース。トラバースの最初の足の置き所がわかりにくいらしいので、ゆっくり落ち着きかつ勇気を出して体を鎖から離すと下を覗くと容易に最初の一歩目が分かる。あとは鎖に沿ってトラバースすれば良い。無事によこばいを通過したら、次はステンレス製の梯子を降りる。ここも高度感たっぷりなので十分な注意が必要。ここを降りるとトイレの建物があり、登山路との分岐である平蔵のコルに着く。 【剣山荘〜剱御前小屋(別山乗越)】帰りは剱澤小屋を経由せず、別山乗越へ直登する。剱澤方面との分岐からガレ場のやや急斜面をしばらく登り、クロユリのコルからのルートと合流してからは、剱御前稜線の東側山腹をトラバース気味に緩やかに登る。途中、雪渓は何か所が通過するが、夏の終わりであれば特に問題ない(7月には山小屋の方がきちんとステップを切って下さっているらしい)。1時間余りで別山乗越に着く。 【別山乗越〜雷鳥平】最初はガレ場の急降下。やがてつづら折りの道となり傾斜は少し緩やかになるが、すべりやすいガレ場はまだまだ続く。下界が見えてからも結構長い下りだが、雷鳥沢に降りた後はひと頑張りで称名川の清流にたどり着き、橋を渡って階段を登ると雷鳥平キャンプ場にたどり着く。 【雷鳥平〜室堂】観光道路だが、結構アップダウンがあるので縦走後の疲れた体には応える。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
基本的に通常の夏山装備でOKだと思う(手袋は必須!)
お互いをザイルでつないだクライミング仕様の方もいたが・・・(北方稜線やバリルートを行く方かも?) |
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備考 | ヘルメットは剣山荘で借りた(レンタル料500円) |
感想
8/30〜31の富山の天気予報は2日とも雨!
週初めの週間予報では晴れのはずだったのに・・・(-_-;)
毎日アルペン号はキャンセル料が発生するし、行くしかないか!
ということで、期待しないで予定通りしぶしぶ出発。竹橋の毎日新聞社にはそんな日でも登山者が結構いて、何か少し勇気づけられた。ただ、室堂行きバスは2台ともほぼ満員状態。通路側の席にあてがわれては熟睡はのぞめなかった。
そんな寝不足状態なので、立山登山道路に入って明るくなってからも、うとうとしていたが、天狗平あたりでカーテンの隙間から強烈な朝日を浴びて一気に目が覚めた。もしかして・・・。そう、室堂は快晴だった!! ヤッター!(^^)!
7月末に悪沢〜聖まで縦走した際にも予報に反して天気に恵まれたが、それは小田原から来られた「自称晴れ男」のおかげと思っていた。今まであまり自覚したことはないが、俺も晴れ男かも。
そんな幸先良いスタートで、一日目。
【1日目】立山連峰縦走〜剣山荘までの行程で、まずは浄土山に向かう。
浄土山は時間が余りそうなので、ついでに登る計画だったのだが、最初に飛ばしたせいか頂上までに体力をすっかり使ってしまった。室堂のトイレが混んでいたので面倒くさくなってサポートウエアを着けなかったせいかもしれない。
しかも、さっきまで快晴だったのにガスが広がってきて、次の目的地である龍王岳にかかり始めていた。
それでも一ノ越への下り道までは、立山方面も晴れたり曇ったりだったが、雄山に着いた頃にはすっかりガスに包まれた。
観光客などでごった返している雄山はスルーして大汝山へ向かうが、ガスはますます濃くなり、富士ノ折立、真砂岳、別山と縦走する間、時折晴れ目が出る以外は各山頂ともなかなか姿を見せてくれなかった。
ところで、浄土山の登りでバテてしまったので、一ノ越のトイレでサポートウエアを着けてみたものの、調子は戻らず、特に真砂岳コル〜別山への急登では高山病の症状で頭が痛くなってきた。バファリンを飲んでみたものの症状はあまり回復しなかった。別山南峰のお社で天気・体調回復の祈願をしないでスルーしたのがいけなかったかな??。
今回の楽しみの一つであった別山から剱岳の眺望もガスの中で当然アウト。粛々と剱御前小屋から剱御前山を往復し、剱澤小屋経由で剣山荘を目指す。
剱澤小屋手前では剱岳付近のガスが切れそうだったので、時間調整しながらゆっくりと下るが、晴れたと思ったのも前剱まで。剱岳の姿は結局拝めなかった。
剣山荘には15時過ぎに到着。ここは、温水シャワーが無制限に使え(節水には留意しましょう)、食事も良く、寝床も余裕があって快適な山小屋だった。
【2日目】剱岳往復後、室堂へ下山。
大町発18:08のさわやか信州号に乗るためには、室堂15:15発のトロリーバスに乗らないといけないため、剣山荘を4時過ぎに出発。
真っ暗闇の中を、前を行く4人のパーティの明かりを頼りに約40分ほどで一服剱に到着。ここから見える富山市街の夜景や、黒いシルエットで前方に立ちはだかる前剱の登山道を先行グループのヘッデンの列がネオンのように並んでいる様は幻想的ですばらしく、しばらくうっとりと眺めていたが、暗すぎて手持ちのカメラでは写真に残すすべもなく、10分ほどで諦めて前剱へ向かった。
武蔵のコルを過ぎ、ガレ場を中腹くらいまで登ると、前剱大岩の手前付近で先行する4人パーティに追いついた。そのあたりでようやく明るくなってきて、ヘッデンが要らなくなった。大岩を過ぎて稜線に出るあたりで振り返ると、上空には相変わらずガスが立ち込めているものの、東の空が赤くなりはじめた。しかし、その位置からは朝日は山の陰で見えず、赤い光の先端とそれに照らされて赤く色づいた一服剱が見えるだけだった。もう少し時間を前後にずらしていれば、前剱頂上あるいは一服剱あたりからモルゲンロートが見えたのに・・・(-_-;)
若干の期待で前剱頂上にたどり着くも、ガスが濃くなり、朝日も剱岳も拝めなかった。登り行程の約半分を終え、腹が減ったので、まだ早いが山小屋でもらった弁当を食べた。そうやって時間をつぶしたものの、ガスは一向に晴れなかった。
後続のパーティが上がってこられたので、前剱を出発することにした。
前剱の門や平蔵の頭、平蔵のコルなどの著名な鎖場ではガスのせいで視界があまり効かないせいか、事前に調べていたよりあっさりと通過した。
ところが、最大の難関であるカニのたてばいは、結果的に支障なく登れたものの、評判通りの高度感と険しさだった(今回のルートで一番こわかったです)
たてばいを過ぎてもさらにしばらく岩場の急登が続くが、ガレ場に変わるとひと頑張りで念願の剱岳山頂に着いた。バンザーイ!(^^)!
でも、平蔵のコルあたりでは青空が広がってきたのに、山頂に着くと再び濃いガスの中。期待してきた360度の眺望は残念ながら拝めなかった。
混み合ってきた山頂を早々にあきらめ、下りの核心部「カニのよこばい」へ向かう。が、山頂直下のガレ場を下るうちに先を行っていた団体さんに追いついてしまい、よこばいの手前ではしばらく待たされた。ただ、前を行く方をじっくり観察する時間があったので、最大の難所と言われているカニのよこばいの最初の一歩が難なく探し当てられ、特に苦労せずに通過できた。その下のはしごでもだいぶ待たされたが、はしごを下り切ったトイレの所で団体さんが道を譲ってくれ、後は快調に下山できた。
平蔵の頭を越え、前剱の門との中間部の稜線上で山頂にかかるガスが晴れ、今日最初で最後の剱岳山頂を拝むことができた。シャイな剱岳の顔が見れて良かった〜(^^)
剣山荘には予定より早い10時前に到着。デポした荷物をまとめ、室堂へ向けて10:10に出発。これで余裕を持って今日中に家へ帰れそうだ。
剱岳往復で疲れているのか、荷物が重くなったせいか、剱御前までの道のり、雷鳥平までの下山路はずいぶん長く感じた。ただ、それよりつらかったのは、雷鳥平から室堂までの石畳観光路だった。アップダウンが多く、階段は疲れた体に応えた。
頑張ったおかげで予定より早く着いたので、ミクリガ池温泉で疲れをいやし、大町駅前でゆっくり生ビールと日本酒を飲む余裕ができた。
でも、わしは疲れたバイ!
こんばんは!
剣岳の前日に立山縦走とはお元気ですね!
その頃早月尾根から登ってました、山頂ではガスが取れて前剣辺りまでギリギリ見えたので別山尾根辺りを通られてた時間でしょうか?
せっかくの山頂、視界がなくて残念でしたね!
nekojigenさま
コメントありがとうございます。
剱岳山頂でガスが一瞬だけでも晴れたとはうらやましい限りです。
鎖場のスリルを結構楽しめたので、天気の良さそうな日を選んでまた再挑戦したいです。
といっても、立山縦走を欲張ったせいでしょうか、3日後に腰痛を発症し、しばらくは山行は見合わせになってしまいました。
追伸です。
先ほどnekojigenさんのレコ、拝見しました。60歳台とお見受けいたしましたが、早月尾根日帰りとは恐れ入りました。私は10歳ほど年下ですが、まだまだ修行が足りません。。。
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