焼岳⇒上高地⇒奥穂焼岳(テン場激混み)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 45.6km
- 登り
- 3,368m
- 下り
- 3,370m
コースタイム
- 山行
- 11:00
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 11:40
- 山行
- 14:10
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 16:30
天候 | 一日目:晴れ 二日目:晴れのちくもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
AM3:00の時点でもう満車。 路肩駐車がたくさんいましたが、橋の上はやめましょう。 キップ切られます。 |
写真
感想
今年は登る山の標高を2,000メートルからじわじわと上げ始め、
十分に体を慣らしてから3,000メートル級峰に挑もうと決めていた。
4月の雲取山(2,017m)から5月に大菩薩嶺(2,056m)、
6月に皇海山(2,144m)、武尊山(2,158m)、甲武信ヶ岳(2,475m)、
金峰山(2,599m)、8月に餓鬼岳(2,647m)、燕岳(2,763m)、
赤岳(2,899m)、そして9月に御嶽山(3,067m)で今年初の3,000メートル峰
を踏破したところで、今年の山旅のクライマックス、奥穂高岳(3,190m)へ登る日がやってきた。
私は欲張りなので一回の山旅で数箇所の山々を踏破するルート、つまりは縦走で計画するのだが、今回は登りたい山がたくさんあってどこから行こうかとかなり悩んだ。
しかもアクセスはクルマだと決めていたので駐車した場所に戻って来れるよう周回コースを考えなくてはいけない。
焼岳にも西穂にも奥穂にも槍にも笠ヶ岳にも登りたかった。しかし北アルプスの山域は広大だ。すべてがスケールがでかい。今まで登ってきた山々とはわけが違う。そのことを歩いてみてなお思い知らされた山旅だった。
ひとまずは絶対に行きたい山を槍、奥穂、焼岳の3座に絞って、焼岳の登山口
中尾温泉駐車場からのスタートに決定した。あとは体力しだいだ。
焼岳へのルートは静寂な林の中を高低差1,000メートルほどを登る。
あいかわらずあとから来た人に置いてかれるなぁ(*T^T)
先週はこの山行に備えて毎日スクワット400回やったのにその効果はなにもなかったのか…(>_<)
ええい!こっちはテント担いどんじゃい!と、いいわけしつつ、中尾峠からは焼岳の荒れた山肌をひたすら登る。
途中、ガレた足元を考慮し、買ったばっかのヘルメットを一旦は被るが、
周りはほかに誰も被ってないのを見てまたバックパックのなかにしまう。
焼岳山頂もなかなかの人手。頂上標も証拠写真撮影のための順番待ち。
撮ってもらった代わりにカメラマンも何人分か引き受け、さてと降りるか。
焼岳山頂から焼岳小屋まで団体ツアー客の長い行列に引っ掛かりしんがりを務める。
頼むよ、下りでロスタイム取り戻そうと思ってたのに…(^^;
焼岳小屋でトイレ休憩をとる団体ご一行と別れを告げ、次に峠沢ルートを
田代橋へ向け上高地側に下る。意外と長い。
今日の上高地はほんとに空気が清々しい。梓川を渡ってくる風も暑くもなく
冷たくもなくちょうどよくて気持ちがいい。
ああ、なんて地上の楽園という言葉がよく似合うんだ、上高地は。
気分がよくなったところでバスターミナルに立ち寄り、売店でビールを購入。
乾いた喉に流し込む。つまみがほしい。山賊焼きを購入。食った。うまかった。
次にコロッケを購入。うまい。デザートがほしい。ソフトクリーム購入。
いかん。買い食いしてるうちに進む気力がなくなる。怠ける身体にムチ打って
先を急ぐ。明日以降槍を目指すのなら少しでも先に進んでおかないと。
出来れば涸沢、少なくとも横尾まで行っておきたい。と、思っていたが
時刻はすでに午後1時を回っている。いかん。あまりの楽園過ぎて休み過ぎた。
奥上高地自然探勝路をひたすら黙々と、次第に人気の少なくなるなか進んで
いると、白沢出合を過ぎた辺りでおっさんが一人河原に立ってこちらを
気にしている。話しかけて見ると、『いや、さっきあの梓川の中島を
バシャーッと熊が一頭渡るのを見てね。そのあと登山道のほうに消えてったから、
あんたがたよく無事で歩いてくるなと、不思議に思って見ておった。』
ナニー!?また熊?イヤ、もういいよ。先週御嶽山で会ったばかりなのに
そう毎週目の前に現れられちゃかなわない。それにしても見かけなかったけどな。
さて、徳沢に着くと色とりどりのテントが張られ、皆さん野営の準備をしている。
受付の人に聞くと今日はほんとに人が多いのでもうすぐ場所がなくなる、とのこと。
時刻は午後4時。ちょっと早いが今日はここに泊まるか。快適そうな芝生もちょうど
空いてるし。と、さっさと幕営。これがなければ始まらんとばかりにビールを買う。
泊まった感想だが徳沢はほんとに快適なテン場だと思う。地面は平坦だし、石ころもない。トイレや水場も近いし、ロッヂで風呂も借りれる。
ちょっと湯加減ぬるかったが…(^^; でもお陰で一晩ぐっすり眠れたが。
二日目。どこからか聞こえてくる赤ちゃんの泣き声で目が覚める。
時刻は午前3時半。昨日は7時に風呂から戻ってそれからすぐ眠ったから
睡眠は充分とれている。よっし、起きて少しでも昨日の遅れを取り戻すか。
ホテル徳澤園の前でトレッキングポールを伸ばしていたら、ボーダー柄の
シャツをきたちょっとカッコいい山ガールの方が横尾方面からやって来た。
『もう下りて来られたんですか?』と聞くと、昨日は涸沢に一泊したそう。
すごい人手で、テン場も張れないほどではないがほぼ一杯だったそう。
『横尾なんて一つの布団に3人で寝て下さいって言われる位だったらしいですよ。』
よかったー!いや、そうであったか!早めに徳澤で幕営しといてよかった。
『今日は戻ってこれる範囲で、これから蝶ヶ岳まで行きます』とガールは
颯爽と去っていった。俺も快調に涸沢に向けて登山道を歩く。昨日の疲れは
ほとんど取れた。あんなぬるい風呂でもやっぱりあるのとないのじゃ大違いだ。
横尾でインスタントコーヒーを飲んで少し休憩して、さらに涸沢まで2時間半。
それほどきつい上りではないけど、なんだろ?すごく腹が減る。
今回は行動食を豊富に持って来ていたのでこまめにカロリーを補う。
そしてやっと着いた涸沢。生ビールとおでんが待っていた。
ベランダでこの景色を堪能しながら飲む生ビールは最高だ。
少し余裕を持って財布にお金を入れてきてよかった。
やっぱり世の中持つべきものは金だったな。
ベランダ席で相席になった登山部の顧問?OB?のかたとも雑談する。
涸沢でもやっぱり昨晩は一つの布団に2人で寝て下さい、と言われたらしい。
やっぱり今年の夏は週末となれば雨が降っていたので久しぶりの快晴に登山客が
集中したらしい。三連休ともなればなおさらだ。次回からはその事も考慮して
計画しなければ。物資補給のヘリコプターがヘリポートに到着する。お陰で
こんな高所でもうまい生ビールが飲める。
のんびりしたあとはザイテングラートに挑む。下りてくる人が口々に、『山頂は大渋滞で2時間待ちですよ。』とか『私なんか3時間待ちましたよ。』と教えてくれる。
そうは言われてもやはり登りたい気持ちは抑えきれない。この目で山頂の様子を確かめて決めたいと思った。ここでやっとおニューのヘルメットの出番だ。慎重に登れば
さほど難しい道ではない。ただ最終の方ではやはりバテた。
穂高岳山荘前は大勢の人たちでごった返していた。宿泊の受付待ちには長蛇の列。
ほんとにここにテン泊出来るのか!?不安にったが、いまそれを考えてても仕方がない。まずは左手の奥穂高頂上への道を進む。念願の奥穂登頂まであとすこし。もう目と鼻の先だ。こいつをやっつけて仕舞わなければ!登り口のはしごの手前で下りてくる人たちが詰まっていて、その後ろに渋滞ができている。登ってくる俺を見て、みんな口々に『えっ、マジ!?』とか『うわー、今からか!』とか、『山頂に行って戻ってくるまでに俺ら二時間以上かかりましたよ!もう明日にしといたほうがいいんじゃないですかっ!?』とかかなりのバッシング 。なかには『いいんだよ。気にしないで。俺たちもそうだったけど、遠慮してるといつまでも登れないから、脇をあけてもらってどんどん進んじゃえばすぐ戻って来れるよ。』と言ってくれる方も。みんなすいません。お心使いありがとう。でもね、登りたい気持ちはみんな一緒なんです。
俺のためにあけてくれたスペースをすいませーん!ありがとう!ひとり通りまーす!
と言いながら登って行くこと15分。ついに山頂に立つ瞬間がやって来た!残念だけど
下から眺めたときにはあれだけクリアに晴れていたのに、頂上はガスでなにも見えなくなっていた。それでも俺の奥穂初登頂はここに達成された。やったー!祠に置いてあった『奥ホ』を持って、ジャンダルムを越えてやって来た人たちに写真を撮ってもらう。『どんどん撮りますよ!』と何ポーズも促され、楽しい記念撮影!
下りでは40分ほどかかったがなんとか穂高岳山荘まで戻って来れた。
さて、そろそろ今日の宿を探さなければ。
すでに午後4時を回っている。小屋泊は無理だろう。入口でシュラフでねるか、
見知らぬ人と3人で一つの布団で寝るか。テン泊のスペースは、さっき山頂から下りるときに俯瞰した限りだとトイレ脇もベランダデッキも玄関前ももう一杯だ。
ここで夜明かしするのは無理だろう。ならば先に進むか?涸沢岳を越えて北穂南稜
まで行けばテン場はあるが途中危険箇所があり所要時間は2時間以上かかる。
今からだととっくに日の入り時間を過ぎる。暗いなかを進むのは危険が増すし、
テン場に着いたとしても張れる場所が残っているとは限らない。どこも状況は
同じだろう。仕方がない。俺は槍をあきらめて下山を決めた。穂高岳山荘の裏手から白出の滝方面に伸びる下山ルートを辿れば4時間半はかかるが途中でビバークできる
場所は見つかるだろう。そう思ってトイレの下側にある下山ルートに向かった。
予想以上のガレ場、予想以上の勾配だった。しかもマーキングは消えかかっていて、
マーキングされた岩が余裕で浮いている。悪戦苦闘しながら下山を急いでいると、
前方に3人下っているのが見えた。ひとりで心細い気がしたので、なるべくその
3人に追い付くよう歩を早めたら、果たして追いつくことができた。
こんにちは!挨拶を交わすと、西穂からジャンダルムを越えて山頂で写真を撮って
頂いた方たちだった。よかったー!ほっとした瞬間だった。一人ではルートを見失って遭難する危険が増すので、
この3人の方たちと一緒に下りることにした。そうすると今度は前方から、
一人上がってくる人がいる。まさか!? 『これからですかっ!?』俺はさっきまで自分が山頂でかけられた言葉を、今度はその人に対して発していた。その人のザックは
とても小さめでテントまで入っているようには見えなかった。『上の小屋はもう満室ですよ』というとあきらめた様子で私たち4人のあとをついてきた。
地図では白出の滝に行く手前に荷継小屋という小屋の跡が記されている。
穂高岳山荘から2時間のコースタイムだ。そこまで行けば付近に水場もあるし、ビバークが可能だろう。が、実際のところそれらしいものはなく、いつの間にか通り過ぎたようだった。すでに日も落ちて、あたりは真っ暗。予想外のナイトトレックになってしまった。幸いにして水場は見つかったので水は補給できたが、ルートは急な下りで崖を巻く狭い道になっていてテントを張るスペースなんてない。仕方なく私たちはもう一つ先のポイント、重太郎橋を目指すことにした。立派な名前から勝手にコンクリート製の広い橋を想像していたので、そこに行けば橋の上でテントが張れるのではと思い込んでいたのだ。
しかし、ここも予想と反していってみれば丸太2つを束ねた狭い橋だ。
途方に暮れかけたがそんな余裕はないので、水分を補給して次のポイント白出沢出合
を目指すことにした。ここから約2時間のコースタイムだった。みんなかなり疲労が
たまっていたけど、進まなければ休むこともできない。樹林帯を進むこと約1時間半
、突然目の前が広けて40畳ほどのスペースに出た。クルマが2台停まっていたが、
ここが白出沢出合らしい。いやー、やっと寝れる。と、思ったが、最後についてきた
人がテントを持っていないことを思い出した。この先1時間ほど先に穂高平小屋があるし、さらに30分先にはロープウェイ乗り場の駐車場もある。でもなあ、一人で
行かせるのも心配だし。ということで駐車場まで下山することにした。
到着したのは夜10時半。終わってみれば二日間で45kmの長旅。みんなクタクタ
で汗まみれになって、でも無事で、それになんだか最後はすがすがしい気分になりました!
一緒に苦労して下山した方々お疲れさまでした!
スゴく疲れたけど、でも楽しかったですね!
クルマで送ってくれてありがとう。
またどこかでご一緒できたらいいですね!
楽しく山行拝見させていただきました!
所々笑わせてもらいました。
笑いごとでない所も多数ありましたが
私も早く山で生ビール飲みたいです♪
やっぱり体慣らしの山行は必須ですね。
無謀に行きたい山登ってました(^_^;)
お疲れ様でした!
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