奥大日岳・立山二山 〜降銀の雪、静寂の峰々〜
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- GPS
- 64:00
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 1,674m
- 下り
- 1,678m
コースタイム
※降雪期は除雪に伴いケーブルカーの遅延or運休になること考慮。
10:00 室堂ターミナル
10:40 浄土沢
11:10 新室堂乗越
12:55 奥大日岳三角点
13:15 奥大日岳最高点 13:45
15:40 雷鳥荘
16:15 立山室堂山荘(小屋泊)
【2014年11月11日:タイムコース】
07:40 立山室堂山荘
08:25 室堂山展望台
09:05 浄土山
09:30 龍王岳
10:10 一ノ越
11:10 雄山山頂 11:50
12:25 一ノ越
12:30 祓堂
12:55 立山室堂山荘 13:10
13:15 室堂ターミナル
天候 | 【2014年11月10日 富山県東部(富山)の当日天気】 天 気:晴れ 最高気温:17.0℃ 最低気温:12.2℃ 露点温度:6.7℃ 湿 度:55% 風 向:北北東 風 速:4m/s 現地気圧:1017.8hPa 海面気圧:1019.9hPa 降 水 量:0.0mm 積 雪 深:--- 日 の 出:6:23 日の入り:16:46 【現地気候】 陽射しが眩しく、アウターを脱いでの行動でなければ汗だく 風もないので11月の2000m級とは思えないほど穏やかな天気 奥大日岳最高地でも風がなく山頂でもとても過ごしやすい。 【2014年11月11日 富山県東部(富山)の当日天気】 天 気:晴れ 最高気温:16.8℃ 最低気温:6.5℃ 露点温度:6.6℃ 湿 度:54% 風 向:北 風 速:3m/s 現地気圧:1012.2hPa 海面気圧:1014.3hPa 降 水 量:0.0mm 積 雪 深:--- 日 の 出:6:24 日の入り:16:46 【現地気候】 朝方に靄あるも9:00過ぎからは雪山最適の天気。室堂山展望地から 風が冷たいが登りの行動中はアウターは必要ない。稜線部からは強風にて アウター必要でもバラクラバは必要ない。 龍王・雄山山頂部は頬が痛いほどの強風も圧巻の大展望の天気 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
《発:07:15 着:08:30》 【コ ン ビ ニ】 立山駅まで最後のコンビニエンスストアは、 県道沿いの道路のアルペン村にセブンイレブン 【立山駅から室堂】 08:40ケーブルカー立山駅発-08:50高原バス美女平−09:50室堂着 基本:立山ケーブルカー:07分 1.3km 立山高原バス :50分 23km ※毎年11月に入ると冬期ダイヤにかわります。 今期は11月4日から冬期ダイヤ 始発が8:40 室堂着が10:00近くになり、最終接続も16:10となり 行動時間が6時間程度となるためにゆとりあるプランニングが必要 http://www.alpen-route.com/news/H26/wtt.pdf 【駐車場】 立山駅近くには大小多くの駐車場あり すべて無料です 【料金】 立山〜室堂往復:4,310円 (片道:2,430円) (購入日より5日間有効) http://www.alpen-route.com/ お客さま感謝月間:2割引となります:立山〜室堂往復:34,60円 【期間】平成26年11月1日(土)〜11月30日(日) ※毎年、11月に入ると2割引きサービスが実施されますが チケット売り場にて販売員からの割引告知なし、利用者自らがチラシ や ネットからプリントアウトした用紙を持参しないと割引対象に なりませんので注意が必要です。 http://www.alpen-route.com/index.php 有料手回り品(1個あたり) ・重量が10kgを超える荷物 ・スキー(1m超)・スノーボードなど 高原バス(美女平〜室堂):300円 アルペンルートの交通・運賃・時刻表です http://www.alpen-route.com/access/index.html 立山黒部アルペンルート JAF会員優待施設 10%引き http://jafevent.jp/event_info/search.php?From=search&contribution_id=53830&fromTopFlg=1 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【雪質・積雪量】 ■積雪量は深いところで50cm程度。ワカン・スノーシューの積雪期登攀 用具は使いませんでした。 ■雪質はもちろん時間経過とともに朝方は硬く、昼近くになると緩んでく るし日陰は終日凍結しているし、陽射し当たるところは緩雪。その上で 11月初旬の降雪初期は積雪している雪も、まだ結束性がなく踏み抜くと ころは深々と踏み抜き。乾雪で硬く踏み抜かない箇所もある。先行者の トレースを追って『踏み抜かないだろう』と思っている箇所で踏み抜く ことがあります。 【注意箇所】 11月初旬の立山降雪初期は総じて、どの登山道も凍結・積雪箇所あり 非常に滑りやすく転倒・滑落の危険性が高くなっているので足の着地、 蹴出しと滑らないような足運びの意識が必要です。 |躇佞靴燭い竜渕个硫嫉鎧、雄山から一ノ越の稜線の下りで、繰り出し た足が踏み抜き体勢を崩し転倒・滑落につながら危険性があります。 奥大日岳南斜面、称名川側に切れ込む斜面の雪は陽射しで緩雪で足懸り はならず、雪の表層が水分で滑る状態の上に雪で登山道幅が狭くなり圧 迫感があります。慎重に進む必要があります。 【装備】 ピッケル・アイゼン必須。あればメットも持参されることをお勧めします ワカンを持参しましたが使いませんでした。 【その他の登山者】 11月10日:奥大日岳:男性2名の1組 11月11日:浄土山:なし。一ノ越:男性ソロ1名。 ※ちなみに立山室堂山荘で宿泊者は私だけでした。 |
その他周辺情報 | 【登山ポスト】 地下一階に入山届、相談窓口あり 2014年11月1日より入山届が必要になりました。 対象期間:4月、5月、11月 対象地域:室堂周辺 提出方法:室堂ターミナル内の入山安全相談窓口 http://toyamaken-sotaikyo.jp/ http://chubu.env.go.jp/nagano/to_2014/0416a.html ※室堂ターミナル階段踊場の山岳情報板は必読です。 【水 場】 室堂 玉殿湧水は11月5日で終了してました。 【立山について】 飛騨山脈の北部、黒部川左岸山稜の中ほどにある。 かつては『たちやま』といい、富山平野から仰ぐ連峰の峰々全体を指したともいうが今では狭義には雄山神社峰本社の建つ雄山山頂を指す。 立山連峰の主峰群で、中部山岳国立公園を代表する山の一つである。 剱岳とならび、日本では数少ない、現存する氷河を有する山で称名川と 黒部川の分水嶺で3方向に氷河地形を持つ。 台形の楯状の尾根にある大汝山、富士ノ折立までも含める場合もある。 最高地点が大汝山3015mで次いで富士ノ折立2999mで雄山3003mとなっ ている立山信仰上では、浄土山、立山雄山、別山を立山三山という。 立山は日本の山岳信仰の山として、加賀白山と駿河富士山と共に 日本三霊山の一に数えられる。 立山は701(大宝元)年、佐伯有頼の開山と伝えられている。 山の姿は阿弥陀如来の五体とし、『一ノ越』は膝、『ニノ越』は腹、『三ノ越』は肩、『四ノ越』は首、『五ノ越』は頭部、山頂は『烏瑟』とする神体山。室堂平を囲む四方の山々は仏の坐す『八葉蓮華』に見立てている 立山については、最古の文献である万葉集には「多知夜麻」と記され、 古くは「たちやま」と呼ばれていたようである。立山が刃を上にして太刀を横に置いた形だとも聞く。また、たちやまは「太刀山」であるから、本来は剱岳のことであるが、なぜ今の場所を立山と言うようになったのかはわからない、という説もある。 また、日本を作り終えた神が天界に戻る際に踏み台代わりに足をかけて立った山だから「たちやま」という説もある 余談ですが単独行の加藤文太郎氏は1926年(大正15年)から死去する前年の1935年(昭和10年)まで毎年のように立山を訪れています。 【立山の自然について】 日本の屋根と言われる飛騨山脈は、日本最古の岩石飛騨変成岩からなり、造山運動で隆起立山もその一つ1峰。冬季この尾根に遮られて大量の降雪を見る。稜線の東側には南西の季節風に運ばれた雪が吹き溜まり、御前沢圏谷の氷河地形(猿又ようの石堤があって(サルマタノカールと俗称)を持つ。 西側には、東大理学部山崎直方博士によって1905(昭和20)年に国指定自然記念物になった。 立山で氷河!? 氷河とは、「重力によって長期間にわたり連続して流動する雪氷体(雪と氷の大きな塊)」と定義され、極東アジアでは、カムチャッカ以北に分布しており、現在の日本には分布しないとされています。 2009年9月、立山の雄山(3003m)の東面、御前沢(ごぜんざわ)雪渓で長さ700m、幅200m、厚さ30mに達する日本最大級の氷体がアイスレーダ(電波で氷の内部をスキャンする機材)探査により発見されました。この氷体はその厚さと表面傾斜から現在でも流動している。 氷河である可能性があることから、2010年「富山県元気な雪国づくり事業」の補助を受け、高精度GPS等を用いた氷体の流動観測が行われました。 その結果、1ヶ月で6〜30cmの移動が確認され「氷河」であると確定され 国内初の現存する氷河となりました。 氷河とされたのは、立山連峰の剱岳(つるぎだけ)北方稜線(りょうせん)東側の三ノ窓雪渓と小窓雪渓、雄山(おやま)東側の御前(ごぜん)沢雪渓の三つの氷体。三ノ窓と小窓の両雪渓下に厚さ30メートル以上、長さ1キロ前後の氷体があり、昨秋の調査で1カ月間に最大30センチ超の流動が確認されたという。 御前沢雪渓下の氷体でも1カ月間に7〜9センチの流動があった。 【立山室堂山荘】 営業 期間:2014年4/17〜11/23 連 絡 先:076-465-5763 現地連絡先:076-463-1259 日帰り温泉:700円 営業時間:16:00〜21:00(宿泊者は無料) リンスinシャンプー、ボディーソープ備え付けあり 脱衣場にドライヤーあり 400円で浴衣の貸し出しもあるそうです。 朝食:06:30〜07:30 夕食:18:00〜19:30 フードメニュー:うどん700円 その他あり 館内に自販機ありジュース:200円〜 ビール:350円〜 アイス:200円 ※お湯は無料でした。 ※モンベルクラブ会員特典 宿泊の方に缶ビール(350ml)又は缶ジュース1本サービス 料金:9720円(一泊二食付き) B101号室10畳間に一人で泊まりました。 その窓からの雄山の展望は素晴らしかったです。 受付時に新しいシーツに枕カバーに歯ブラシにハンドタオルを渡され 山荘というよりもちょっとした旅館に泊まりに来た気分でした。 【日帰温泉】 よしみね温泉 グリーンパーク吉峰 料 金:600円 場 所:〒930-1362 富山県中新川郡立山町吉峰野開 12 電 話:TEL 076-483-2828 FAX 076-483-3255 開館時間:午前10時〜午後8時30分 定 休 日:23年度4月より年中無休になったとのこと。 H P:http://www.yoshimine.or.jp/relax/01.html モンベルクラブ会員特典 吉峰温泉入浴料10%OFF http://club.montbell.jp/privilege/fshop/search/disp.php?shop_no=891112 |
写真
感想
雪の季節が到来
深田久弥・日本百名山 /49.立山(1,015米)より
立山は、わが国で最も早く開かれた山の一つである。縁起によれば、大宝元年(701年)佐伯有若が越中の国司として在任中、その子有頼が白鷹を追うて立山の奥深く入り、弥陀三尊の姿に接して随喜渇仰し、慈興と号して立山大権現を建立したという。
その縁起はともかく、国司『三代実録』にも「清和天皇清和天皇貞観5年(863年)5月甲寅正五位上下なる雄山神に正五位上を授けられ」たという記録がある。雄山神社とは立山のことである。『万葉集』に詠まれた立山はおそらく剣岳であろうということを、私は剣岳の項で述べたが、その歌の中の「皇神(すめがみ)の主宰(うしは)き坐(いま)す」というのは雄山神社と見ていいだろう。昔は立山も剣も一様に立山と称されていたに違いない。
越中の平野から望むと、立山は特にピラミッドにそびえた峰でもなければ、左右に際立った稜線をおろした姿でもなく、つまり一個の独立した山というより、波涛のように連なった山といった感じである。殊に富山あたりからでは、その前方に大日岳が大きく立ちはだかっていて、立山はその裏に頭を出しているだけなので、山に詳しい人でなければ、立山を的確に指摘することは出来まい。
そのような立山が古くから栄えたのは、立山権現のおかげだろう。明治維新の神仏分離までは、山麓の岩峅寺には立山寺があり芦峅寺には中宮寺があって、両寺とも多数の坊を有していた。立山権現の奉祀者はこの僧侶たちで、各坊は殆ど日本中に分担して檀家を持ち、毎年檀家廻りをして立山のお札を配り登拝を勧誘した。おそらくこれが越中の売薬行商のもとをなしたものだろう。
立山まいりの白衣姿は全国から集まった。立山権現の功徳もさることながら、この山が非常に変化に富んでいて、登山の楽しみの多いことも魅力の一つであっただろう。芦峅から頂上までの旧道には、昔の繁栄を忍ばせるような伝説や古跡が至る所に残っている。
まず材木坂がある。多角形の柱状節理を持った安山岩が、材木のようなさまで縦横に横たわっている。昔女人堂を建てようとして材木をここまで運んでおいたところ、ある尼さんが来てそれを跨いだため、一夜のうちに材木が全部石に化したと伝えられる。
それから広潤な弥陀ヶ原にかかると、左手に称名滝が落ちている。四段になって断崖に懸かり、日本有数の見事な滝である。弥陀ヶ原は美しい山頂の大高原で、池塘が散在し、高山植物が咲き詰め、俗界から上ってきた人々はここで天上にある思いをする。
それから、昔の修験者が錬行したという獅子ヶ鼻を通りぬけると、鏡石という直径3mもあるやや扁平な大石がある。開基の有頼を慕って乳母がそこまで登ったが、それ以上進めず、せめての思いに懐の鏡を投げたところ、それが石になったのだという。近くに姥石というのもある。
しかし立山で最も人の目を驚かすのは地獄谷であろう。谷一面灰白色に焼けただれ、あちこち音を立てて蒸気を噴き上げいる凄惨な光景で、昔の人がこの世の灼熱地獄と見たものも肯ずける。罪障の深い物が死後にこの地獄に堕ちたという話が『今昔物語』に出ているし、またこの地獄に行けば死に別れた父母や妻子に会えるという話も謡曲『善知鳥(うとう)』の中に残っている。
地獄谷から登ったところに三繰ヶ池と呼ぶ紺碧の水をたたえて美しい湖がある。もちろん伝説なしには済まない。ある僧が人の留めるのもきかずこの池で泳いだ。最初は懐剣を口にくわえていたので無事だったが、池を見くびってそれ無しで泳いだところ、一巡り、二巡り、三巡り目に、池の中心深く沈んだままついには現れなった。三繰ヶ池という名はそこから出たという。やがて私達は室堂に着く。この建物は元禄8年(1965年)金沢藩主の造営というから、現存の日本最古の山小屋だろう。
こういうかずかずの古い由緒を持つ立山も、現在では一変して近代的な観光地になりつつある。ケーブルカーが通じ、当たらし自動道が開かれ、旅舎があちこちに建って、もはや人々は労せずして都会の服装のまま、高山の気に接しられるようになった。聞くところによれば、近くその山腹にトンネルが穿(うが)たれて、黒部の谷への登山の対象としての立山も消え、一途に繁華な山上遊園地化に進んでいるふうにみえる。
立山は、私がその頂を一番数多く踏んだ山の一つである。名かでも頂上の雄山神社の社務所に泊めて貰って、早暁、日の出を拝したときの印象は忘れられない。四方の山々が雲海の上に眼ざめるように浮かび上がってくるのを眺めながら、やはり立山は天下の名峰であることを疑わなかった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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こんばんわ。
冬の奥大日岳。いいですね。
今年の秋、紅葉真っ盛りの時期に行ってきたのですが
同じようなアングルで写真撮りました。(奥大日標示)
違うね〜。(色)
季節によって変化があって楽しいですね。
行ってみたいですけど、私にはハードルが高いかな。
深田久弥の話
立山って奥深いね。ゆっくりと、下から歩いて登りたいですね。
usavichさん
おはようございます
僕もいつも同じアングルで写真撮影しますが
同じアングルでも四季の違いで多彩な表情を見せてくれる峰々
その多彩な表情が山行の魅力のひとつですね
秋と冬の狭間
四季の移ろいを色濃く感じる大好きな季節です
降雪初期は一面雪ですが積雪量も少なく、雪の結合性もなく
低木や岩の露出もあるのでスキーにはまだ早く
どこを歩いても一人。とても静かな山行でした。
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