八ヶ岳/赤岳(主稜を諦め文三郎から地蔵尾根へ)
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 10:17
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,474m
- 下り
- 1,463m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
赤岳山荘の駐車場を利用。土曜日日帰りの人も多いのか日曜日朝3時ではかなり空きがあった。 美濃戸口からは悪路だが4WD+スタッドレスで到達できた。一番の難所は橋を渡った後の右ヘアピンカーブで数回スタックした後に助走を付けて何とかクリアーできた。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山ポスト 赤岳山荘のポストに投函。美濃戸山荘にもある。 ◆道の状況 ・北沢ルート ルートは明確であり雪の状態も良くアイゼン無しで歩行。中間地点までの林道の道幅が広いのでヘッドライトを使う時には南沢よりも安全と思う。 ・赤岳鉱泉〜行者小屋 トレースはあり歩きやすいが一部急勾配の所もある。 ・文三郎尾根 上部で氷化しているのでアイゼンは必須。頂上直下の急登もあるので前爪がある方が良い。また、赤岳・中岳鞍部を抜ける風が非常に強くなるのでピッケルと衣類の防風対策が必要。樹林帯ではストックの方が歩きやすいと思う。 ・赤岳稜線 12本爪アイゼンとピッケルが必須。今日は風は弱かったが防風対策をして望むべき。 ・地蔵尾根 上部の雪稜部は短いが両側が切れ落ちているので十分な注意が必要。上部ではピッケルがあった方が安心できる。 ・南沢ルート ルートは明確で雪の状態も良く自分はアイゼン無しで歩行(但し2回尻餅を付いた)。行者小屋から帰路に使う登山者が多く見られたがアイゼン装着が8〜9割と言う所。 |
写真
感想
赤岳主稜を目指したけど登攀パーティが列を作って順番待ち。我々おじさんパーティの力量ではヘッデン下山は不可避と考えて、天気も好いし一般ルートに転進。冴えないけど絶景だったし山行としてこれはこれで良かったかな。
湘南を夜中に出て中央道を行くと西に傾いたオリオン座がくっきりと見えた。これは天気も好さそうだと思ったが美濃戸に着いてみると薄曇りのようだ。美濃戸での気温は-5℃だったがそれ程寒くは感じない。皆中間着とヤッケを着て出発したが20分程歩くと暑くなりそれぞれ中間着を脱いだ。林道は道幅が広いが深い轍が凍り付いている。その終点にはボンゴをフルトラックにした貨車が停まっていた。ここで小休止して更に赤岳鉱泉を目指す。登山道に入ると雪が柔らかい。標高が2000mを超えてくると冬靴で踏みしめると雪の音がキュッキュッと言う感じに変わって来る。星は輝いているが月あかりが無いので一層冬の山に入ってきた感がする。
5:15頃、遠くからヘッドライトの灯りがこちらに向かってくるので13Kさんと立ち止まり注視していたら下山する方だった。星空を撮影するために赤岳鉱泉に入っていたが曇天だったので降りてきたとのこと。僕らも美濃戸を出る時にはうす曇りっぽかったけど今夜空を振り仰ぐと満天の星空。登山者も「ここまで来たらこんな星空とは」と嘆きながらも降りていった。5:40に赤岳鉱泉に着くと申し訳ない位に満天の星空だった。赤岳鉱泉で小休止して中山乗越を越えて行者小屋を目指す。行者小屋には6:26に着いた。小屋に灯が点っている。この週末は行者もやっているようだ。テントの数は赤岳鉱泉よりも随分多い。ここで大休止。それぞれに食糧を摂り、ハーネス、アイゼンを装着し、出発は7:25。随分とノンビリしてしまったが丁度夜が明けて人の往来が増え、周囲が何だかワサワサとした雰囲気になった反動だろうか?兎に角大勢のパーティが文三郎方面へ、地蔵方面へと動きだしたので、これなら充分にトレースはあるだろうからとワカン、スノーシューはここにデポして行くことにした。ほの暗い赤岳西壁にヘッドランプが時折見えるのであの辺りが主稜だろうかと眺める。
主稜に取り付くには赤岳沢を詰める手もあるけど雪崩の危険があるのでオーソドックスに文三郎尾根から2650m地点からトラバースして取り付くこととする。2450m辺りはまだ森の中だが時折西壁が良く眺められる。森林限界を超え、2570m辺りになると主稜の取付に2パーティいるのがはっきり解る。雲一つ無く展望は素晴らしい。北アルプスは穂高から後立山まで全て望むことができる。蓼科山も峰の松目の尾根越しに頭を出してきた。更にもう一登高でトラバース地点に到達。想像以上に主稜の取付は近く、コールも聞こえる。しかし30分前と余り様子が変わっていない。
主稜へのトラバース地点から様子を観察していたら、下山してきた青年が「主稜、良かったですね」と話しかけてきた。以前に登った話だろうと最初は思っていたら「雪も岩もしっかり安定していて」と続いたので、聞くと今日登ってきたと言う。もう?と驚くと主稜の登攀に40分、下山してここまで20分と言うので更に驚いた。更に朝3時に行者小屋を出発して阿弥陀岳北稜をやって赤岳主稜に繋げたと言うのでもっと驚いた。まだ9時前だよ。もう1本東稜でも思ったらしいけどさすがに満腹とのこと。単独、フリーソロでやってきたそうだ。主稜取付では2パーティが順番待ちしているからルンゼを巻いてそのピッチの上の岩場から登ったと言うが、その2パーティはまだそこにいる。ルンゼにある足跡は君のか。Aki-CLさんが阿弥陀の中央稜をやって北稜をやって主稜に繋げると継続登山の練習に良いと言っていた人がいると言うが、我らそろそろ中より高の字の方が濃くなりだした中高年登山者のリクリエーションとは世界が違いすぎるよ。
Aki-CLさんが約20年前に登った時には取付から2時間40分と言う。パーティのトータル年齢数と所要時間が比例すると言うAki-CLさんの経験則に基づくと今の我々では6時間15分必要となる。この法則がどの程度信憑性があるかはさておき、頂上に抜けるのは陽が傾きかけた時間になることは確実そうだ。渋滞があるとは想定していなかったとAki-CLさんは呻いたけど、明日は会社だし時間切れは嫌なので一般ルートで赤岳に向かうこととした。じゃあ代案で硫黄まで、と言って行者にデポしてきたことを思い出す。まあ天気も好いから気持ち好く地蔵尾根を降りよう、と言うことになった。
文三郎尾根が中岳への道と合流する辺りが一番の風の通り道だったが、そこを過ぎると不思議な程に穏やかな稜線だった。赤岳山頂からは珍しく穏やかに周囲の展望を楽しむことができた。北峰に移動して小休止。北峰から主稜方面を覗いて見るがコールも聞こえないし、クライマー達の姿もまだ見えない。やっぱり昼過ぎは確実だな。一般ルートを登って今日は正解だと納得。
お地蔵さんに別れを告げて地蔵尾根を下降。全く無風になりどんどんと暑くなった。行者小屋では-12℃だったのが途中樹林帯の上縁で中間着を脱いだ所では5℃を指していた。でも行者小屋に戻ると0℃。陽射しの違いだろうか?行者小屋からは南沢を取った。白河原で振り返ると西壁の眺めが素晴らしい。主稜は次の機会に狙うとしよう。やっぱり行者に泊った方が確実かなぁ。
美濃戸口までの道路は除雪している。
未明の美濃戸口〜赤岳山荘は路面凍結のため4WDスタッドレスタイヤでも苦労した。
チェーンがあると良いだろう。
14時過ぎの赤岳山荘〜美濃戸口は歩行者が大勢歩いていた。歩行者がいると車は徐行するので、歩行者は直前まで車に気が付かない様で、なかなか避けて貰えないことがある。
赤岳主稜は昔2回登っているが、赤岳沢を詰めて取り付いた気がする・・・
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する