白山(石徹白道・中宮道・三方岩岳)《日本百名山》
- GPS
- 21:26
- 距離
- 47.9km
- 登り
- 4,022m
- 下り
- 4,502m
コースタイム
- 山行
- 3:23
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 3:48
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 10:18
天候 | 1日目(9/18):曇りのち霧 2日目(9/19):雨のち晴れ 3日目(9/20):晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2004年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
下山:白川郷・荻町BSから加越能バスでJR城端線城端駅 |
写真
感想
1日目(9/18):曇りのち霧
長良川鉄道はその名の如く長良川を遡る。渓谷が狭くなるに従い乗客も疎らになり、そして誰もいなくなる頃、終点の北濃に着いた。予約しておいたタクシーに乗込み登山口の石徹白(いとしろ)に向った。昔は岐阜・福井の県境だった桧峠を越え白山中居神社を過ぎると道幅も狭まり、渓流釣と登山者だけの世界に入った。旧石徹白村は福井県との対立により昭和33年福井県から岐阜県白鳥町に越境合併したそうだ。登山口までタクシー代7,600円、今回の登山費用の半分以上の出費となった。
11:10に歩き始め10分も行くと石徹白大杉がドンと鎮座していた。樹齢1,800年、周囲13mの巨大な杉、地元の親子が訪れていた。軈て登山道は“おたけり坂”の急登となり600mの標高差を稼ぐと神鳩ノ宮避難小屋に到った。真新しく立派な小屋で近くには祠が残っている。小屋前のテーブルで愛知からのご夫婦と昼食タイムを共にするが、天気予報は午後から雨、目下曇り空で上の方は雲の中のようだ。雨の降らないうちにと心が急ぎ15分程で出発した。石川県側の登山道が整備された現在、石徹白道は白山まで遠征する人は少なくなったが、嘗ては美濃からは白山中居神社に参拝して白山を目指す信仰登山のメインルートだった。良く整備され、指導標も距離を併記し親切なものだ。
一座目の山、銚子ヶ峰(1,810m)に登頂する頃には、ガスの中に突入してしまい展望は全くなし。厚みを増す雲の中、一ノ峰(1,839m)を通過し、二ノ峰(1,962m)の標識が登山道に突如出てきたがピークではない。微かな踏み跡を少し薮漕ぎして3等三角点「二ノ峰」を発見、ここが山頂だ。空が黒くなりだし雨がすぐそこまで近づいたようだ。足を速め今日の宿泊地三ノ峰避難小屋を目指した。遂にパラパラ降り出したその時、霧の中に小屋が浮かび駆け込んだ。14:58到着、先客は愛知県のトヨタ関係の6人グループで既に酒盛りが始まっていた。挨拶をして座に着くと、窓を叩く大雨となりタッチの差でラッキーだった。
2日目(9/19):雨のち晴れ
昨日降り出した雨は、断続的に一晩中続き天気予報でも良くないようだ。諦めて5:45小降りになった頃合を見計らい出発、直ぐに三ノ峰(2,128m)に到着したが濃いガスと小雨の中で何も見えない。縦走路を只管進み別山(2,399m)に到った。相変わらずガスは濃いが雨は止んだ。山頂の別山神社に天候回復を祈願し更に進んだ。次は御舎利山(2,380m’)だが石徹白道は山頂を通っていない。直前でチブリ尾根・市ノ瀬道を左、縦走路を中央に分ける分岐があり、山頂からは市ノ瀬道にだけ繋がっている。縦走路への下り口もあるにはあるが植生保護のため通行止めになっていた。暫く行くと六兵衛室跡に達する。「室」とは宿坊、「堂」は拝礼所のことで二つの機能を合わせたものが「室堂」で立山にも白山にもある。
油坂の頭(2,256m)もピークは登山道の西にあり、うかうかすると行き過ぎてしまうところだ。残念ながらピークには標識すらなかった。ここからは“油坂”の下りで赤谷を始め増水した多くの沢を渡る。少し登り返し湿原の木道が出てくると南竜ヶ馬場は近い。営業小屋の他小奇麗な避難小屋(休憩所)もあり砂防新道からのルートが合流する。室堂へは石徹白道のトンビ岩コースの他、東側の展望歩道、西側のエコーラインの3ルートがある。最短はトンビ岩コースで石徹白道に敬意を表してこのルートを登る。谷筋を遡行し、尾根道をトラバース、御前坂を登る頃上空に青空が覗きだした。しかし地上のガスはまだ濃い。トンビ岩に達すると目の前がパっと開け、なんと白山の姿が青空に浮かんでいる。弥陀ヶ原もくっきり見え奇跡のように劇的回復を果たした。日頃の精進の賜物か!?
浮き浮きしながら室堂に到着、奥之宮の鳥居の向うに白山主峰の御前峰(2,702m)が聳えている。早速登り始めるとまたガスが流れてきて敢無く高天原の雲の中に没した。山頂に到り待つこと10分、再びガスが取れ目の前の剣ヶ峰、三方崩山などが見え出した。この縦走で始めての山頂展望を白山で楽しめ大満足だ。登路がないと諦めていた剣ヶ峰にも登路があり、紺屋池の畔からアタックした。ガレ場を慎重に登ると山頂には標識らしきもの、ケルンがあり北東方面の展望は抜群だ。次は大汝峰(2,684m)へのピストン。分岐点で昼食を摂り山頂の大汝神社に参拝し晴天の白山を堪能した。いよいよ北縦走路・中宮道に踏み入れる。エスケープルートもないロングルートだ。雪のなくなったヒルバオ雪渓をお花松原(2,265m)まで一気に下る。振り返ると剣ヶ峰の稜線が圧倒的な迫力で聳えている。2,349m峰を越え北弥陀ヶ原の草原歩き、再び登りに転じると地獄覗のピーク(2,168m)で、僅かに開けた樹木の間から北側に落ち込む地獄尾根の景観が望めた。
180mほど下降すると目の前に立ちはだかるのが間名古の頭(2,124m)、縦走路は西側を巻いて通過し、登路はないかと注視していたがやはり無いようだ。巻き道が高度を稼いでくると右側に赤テープを木立に見つけた。荷物を置いて登りだしたがこれが大変なもので、赤テープは山頂までの要所要所に付けられているが道など全く無く這松を踏み越え薮漕ぎならぬ、“木”コギで這い登った。130mの標高差に30分も掛かり下りもヘロヘロになり、脛は痣だらけで一気に疲れが出てしまった。この先の三俣峠から2,077mのピーク横を越え、急坂を下って漸くゴマ平避難小屋に到着した。今日の泊まりは一人だけ、まず掃除から始めた。水場は50m先で便利、トイレも中にあり居住性は良好だった。
3日目(9/20):晴れのち曇り
今日も晴れている。5:30に出発し中宮道に別れを告げ北尾根・念仏尾根に入る。兎平へ湿気の多い道を70mほど登り今度は急降下でシンノ谷に降りる。沢に架けられた鉄橋を渡ると登り返しとなり間名古の頭から続く尾根に復帰する。なだらかな山頂域は念仏を唱えながら行けそうな感じで、小さなピークを3つほど越えると次は顕著なピークの妙法山(1,776m)に登頂した。約5劼諒盥圓覗欧一つ目の山に登れたことになり効率が悪い。朝露をたっぷり含んだ下草は登山道に覆い被さり防水の効かなくなった登山靴は既にグチョグチョ、靴下を絞ると洗濯機から拾い上げたときのようだ。兎に角臭い!
小刻みなアップダウンを繰り返し“もうせん平”の湿地に到ると神庭池等、一寸した池塘群だ。更に進むと野谷荘司山(1,797m)、人の名前そのままのような山名だ。東から南側へかけての展望が良く三方崩山が圧巻、残念ながら白山にはガスが掛り山頂は見えない。東に大きく回りこみ鶴平新道を右に分けると馬狩荘司山のピークだが標識もなく最高所と思しき所を山頂と推定し9:15登頂とした。三方岩岳(1,736m) が漸く目の前に現れ、名の如く聳える岩峰が素晴らしい。名無しのピークを一つ越えると最後の登りとなる。登路の険しさを想像していたが案に反して普通の登りで、三方岩岳の最高所“飛騨岩”に達した。
山頂標識も無く拍子抜け、展望は素晴らしく笈ヶ岳(1,841m)の姿が美しい。白山スーパー林道から野谷荘司山をピストンすると云うご夫婦と出会う、実に北縦走路に入って以来初めての人との出会いだった。早めの昼食の後、加賀岩のピークに行くと殆ど見えなくなった標識と「三方岩神」と書かれた柱が一つ、それに木製のテーブルと椅子、標高は飛騨岩より低く1,700m余りしかなく三方岩岳山頂とすることは出来ない。白山スーパー林道から来る大方の登山者はここを山頂と思い込み引き返してしまうようだ。
分岐標識も無い点線道の下山路を一路白川郷目指して下る。結構しっかりした道だが、スーパー林道が出来て以来歩く人がいなくなってしまったのか、倒木や下草の茂りが進行している。45分ほどでスーパー林道の白川郷展望台に跳び出し、車で来た軽装の人たちの中、違和感を持ちながらも暫し休憩。荻町の合掌集落を俯瞰することができた。再び歩き始めると、若干道不明瞭な箇所が現れるがすぐ元に戻る。登山道はやがて白谷に出会い砂防工事で付けられた林道に下り、5分で白山スーパー林道の馬狩料金所に達した。ここからは4.8劼亮崙司發で白川郷荻町を目指す。荻町BSに予定より2時間早く下山でき13:12のバスに乗ることにしたが、近くに見つけた“白川郷の湯”に未練が残った。
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