硫黄岳 静かなれども風強し
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 1,448m
- 下り
- 1,435m
コースタイム
2日目 7:17本沢温泉―8:40夏沢峠8:50―10:02硫黄岳10:05―10:37夏沢峠―11:25本沢温泉11:47―13:06みどり池―14:04ゲート駐車場
天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れ、 頂上では晴れたかと思ったら雲が流れ、目まぐるしく晴れたり曇ったり。 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰り、ナビを自宅に合わせるとメルヘン街道八千穂高原に連れていかれました。ナビは麦草峠経由を指示しているようですが、ここは冬季閉鎖中、オットット。少々遠回りをして国道141号線に乗りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ゲート前の駐車場はほぼ満杯ですが片隅に停めさせて頂きました。ゲートから積雪がありますが、ツボ足で登ります。最初は緩やかな道ですが、2〜3度林道に出合ったあと、尾根道を辿ります。深い踏み抜き跡がありあますが、トレースを忠実に辿っていれば踏み抜くことはありません。こまどり沢からは勾配が増します。以前見られた「這っても10分」という標識は見当たらず、みどり池に到着しました。しらびそ小屋でおうどんを頂だきました。 みどり池から本沢温泉まで、地図を広げてみるとなだらかな道のようです。昭文社の「山と高原地図 八ヶ岳・蓼科」の2001年版には、みどり池から本沢温泉までCT1時間10分とあります。みどり池を発ち、中山峠への道にもしっかりしたトレースがついています。もう半分は過ぎただろうと思った所で「本沢温泉まであと40分」と云う標識があり、がっくり。5分もしないうちに「あと30分」の標識が。かなりいい加減です。道は下りに掛かります。つるっと滑って尻餅をつき、この期に及んでアイゼンを装着しました。みどり池からの道のり、甘く見ていた分、結構長く感じられました。 2日目、ザックの中身は必要なものだけとし、あとは小屋にデポ。身軽になって本沢温泉から夏沢峠まで、森の中を登ります。固く締まった雪、アイゼンが気持ち良く効きます。ジグザグ道にショートカット道がついています。ジグザグ道をたらたら登るよりは、少々急でもショートカット道の方がわたしの肢には合っています。トラバース道のトレースは細く、忠実にトレースを辿ります。デブリを越える場所が2箇所あります。夏沢峠でひと休み。 峠から硫黄岳に向かいます。森の中を緩やかに登ります。雪庇を避けて迂回路が出来ています。森を抜けると風が強まります。雪ではなくテカテカ凍った場所もあります。雪が吹き飛ばされて露出した石が重なる登山道、アイゼンをつけたまま登ります。ファイントラックの手袋にバーグハウスのウインヅストッパーを重ねていますが指先が凍えます。ひと休みし、レイン用のオーバーグラブを重ねます。強風で吹き飛ばされそうになるのを耐え、ゆっくりゆっくり頂上を目指し、無事硫黄岳山頂に着きました。 |
写真
感想
3月の第3週末、金曜日に大学時代の友人がお疲れさん会を開いて呉れたので、翌日の春分の日の土曜日は山はなし。日曜日から一泊二日で八ヶ岳に登ることにしました。宿泊地は本沢温泉。以前、紅葉の季節に桜平から夏沢峠を越えて泊まったことがあります。昼寝をして目が覚めたら、辺り一面冬景色に変わっていて驚いた記憶が残っています。その時は雪の中,ツボ足で硫黄岳に登りました。
前日の日曜日、本沢温泉に予約を入れると、大部屋か個室かどちらにしましょう?と聞かれ、個室を頼みました。
5年程前、稲子湯の先のゲートからしらびそ小屋まで、歩いた事があります。時は2月、しらびそ小屋に泊まって中山まで登りました。今回、昼食に寄ったしらびそ小屋、変わらずゆったりとした時間が流れていました。「5年程前に来たときはワンちゃんがいたけどどうしたの?」と聞くと小屋のおばあちゃん、「3年前の8月に亡くなりました。20歳までは生きて欲しかったのに、16歳でした」。
しらびそ小屋から本沢温泉までは始めて通るルートです。地図で見ると標高差はほとんどありません。CTも1時間10分。始めはぶらぶらと歩いて行きましたが、本沢温泉に着いたときは結構疲れました。
本沢温泉の外湯は鉄分が豊富そうな赤い湯。タオルが赤茶に染まりました。時間はたっぷりあるので、宿から10分程の所にある野天風呂、「雲上の湯」に行きました。「日本最高処野天風呂 標高2,150m」だそうです。硫黄岳から流れ来る谷川に沿って造られた湯船らしきもの。更衣場所などはありません。大自然の中でスッパダカになり、板の蓋を半分ほど開けて浸かります。硫黄の臭いが漂う白濁の湯、絶妙の温度、勿論掛け流し、いつまでも入っていたいいい湯だなハハッ。 本沢温泉は200人宿泊可能の宿ですが、本日の宿泊者はわたしだけ。個室料金を払う必要は無かったのでしょうが・・・。7〜8人分の布団が置いてある部屋にはマメタン炬燵、それに石油ストーブと暖ったかい。時間はたっぷり、缶ビールと持参のブランディーで酔いが回り、お昼寝。盛り沢山の夕食でお腹が張って、7時に寝床に入ったものの寝付かれません。ウトウトと夜が明けました。
玄関先の温度計は零下7℃を指していますが、左程の寒さを感じません。天気予報では晴れ一時曇りですが、硫黄岳の上空には青空が広がっています。わたしが着くまでそのままで居て呉れ〜。朝食をしっかり頂き、いざ出発。夏沢峠までの道、以前来た時はハイキング程度に感じた道ですが、今日は何だかしんどいな。飲みすぎ、食いすぎがたたったのかな。こんなに雪が深いんだもの、まあこんなもんか。夏沢峠でひと休みしていると、単独行の男性がやって来ました。「黒百合ヒュッテから来ましたが、風が随分強く、何度か飛ばされそうになりました」とお話しされ、休まず硫黄岳方面に行かれました。
先行者が居るってことは心強い。暫く休んでわたしも硫黄岳に向かいます。森の中の緩やかな気持ちの良い登りです。雪庇のため迂回路がつけられています。迂回路を出ると木々はまばらとなり、風が強くなります。手が冷たい、もう帰ろうかな、でももう少し登って見よう。強い風で飛ばされそうになります。ピッケルをついて耐風姿勢をとろうとしますが、雪が固くてピッケルが刺さりません。重なる石が露出した登山道を、ピッケルを杖がわりにヨタヨタフラフラ。傍目には、腰の曲がった爺さん、大丈夫かなと見える事でしょうが、幸い見ているヒトは皆無。舞い上げられた埃が目に入り、涙が出て来ます。爆裂火口が見えて来ました。硫黄岳山頂に向かう稜線に先行者の姿がポツリと見えます。立ち止まっています。風が強くて進む事が出来ないのかしら? なんだかヤバそう、そろそろ引き返そうかなと思いますが、足は頂上に向かっています。
頂上には夏沢峠で会った先行者の方が1人だけ。写真を撮って頂きました。先行者の方は赤岳鉱泉に向けて下山され、風吹き捲る広い頂上に1人残されました。夏には大勢のヒトで賑わっている硫黄岳ですが、今は静かすぎます。もう少し先に行けば富士山が見えるのですが、行きません。青空と曇り空、目まぐるしく変わる空、雲の流れが半端でありません。帰ろっと。
雪道の下りは順調。カリカリとアイゼンが気持ち良く音を立てます。本沢温泉で持参のインスタントラーメンで腹ごしらえ。下ってばかり来た身には、みどり池までの登りはしんどいな。みどり池からの下り、まだ雪は締まっていて絶好調。林道に出た辺りから腐れ気味となり、2回ズボッ。雪道の下りはCTより早く、無事駐車場に帰り着くことが出来ました。
あと10日で退職、1日位年休取っても好いでしょう。と、選んだ硫黄岳、登れて良かった。其れより何より「雲上の湯」、これはお勧めです。4月からは晴れて自由の身、でも何をしていいのか判りません。困ったもんです。
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