北アルプス裏銀座をウロウロと
- GPS
- 25:19
- 距離
- 63.1km
- 登り
- 5,148m
- 下り
- 5,300m
コースタイム
- 山行
- 3:17
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 4:43
- 山行
- 10:11
- 休憩
- 1:49
- 合計
- 12:00
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 9:03
天候 | 三日ともとっても良い天気、尾根は日陰がなく暑過ぎる |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
帰り:新穂高温泉から平湯温泉バス、平湯から新宿まで高速バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
高瀬ダムから登山道取り付きまで前日の大雨で橋流失、水が堰堤を超えてどこが道でどこが川だか全くわからない。足首まで渡渉。濁沢キャンプ場水浸し。 温泉沢の頭から高天原温泉の破線ルートマーカーあり、足首上まで渡渉数回。急坂浮石多い。 |
その他周辺情報 | 平湯温泉バスターミナル隣に温泉施設700円。レストラン、ホテル、売店も併設。 |
写真
感想
序章:
6年前新穂高温泉入山の今回と逆コースを計画したが、天候不良により途中で予定を変更して高天原温泉に入った後、折立に下山した。その時の優先順位は雲の平テント泊、高天原温泉だったが、今回は順位を変えて裏銀座、赤牛岳、高天原温泉とした。
入山中はお天気も良く、楽しい山行となった。お天気が良過ぎて尾根は暑くて水が足りなくなったり、軽い熱中症になったりしたが。。。
入山:
相変わらずギリギリの出発四日前に残り一席になったバスを予約。信濃大町からは奮発してタクシー。途中崩落箇所があるとのことで3台タクシーを乗り継いで高瀬ダム到着。一日4便ある裏銀座バスだと信濃大町駅で2時間近く待たなければならなかったので時間をお金で買った。合計10300円。新宿からのバスは5500円だったので倍近い。乗り継いだ3台は信濃大町ー七倉、七倉ー崩落箇所手前、崩落箇所奥ー高瀬ダム。タクシーが無線で連携してくれてスムーズに乗り継ぎができた。崩落箇所手前から崩落箇所奥の間は1.4キロ歩く。実際崩落した箇所は50m位の区間だが車を回す場所がいるため歩くことになっているらしい。崩落箇所には係員の人がいて、ヘルメットを貸してくれた。まだ崩落する可能性があるらしい。
歩いている間に大きなミキサー車が追い抜いていった。あれだけ大きな車が走っているのだから大丈夫なのだと思うけど、事故が起こってからだと取り返しがつかないので仕方ないでしょう。
一日目:
高瀬ダムからトンネルを潜り、吊り橋を渡って登山道かと思いきや、辺り一面川になっている。濁沢キャンプ場の小屋が少し土砂で埋もれていてすぐ前を水が流れている。キャンプ場は影も形も残っていない。濁った水と土砂。東電の方がいらして取り付き口が見えるところまで先導してくれた。足首まで水に浸かって歩くが、どこが本来の川でどこが氾濫したところか全く分からなかった。もちろん仮設の橋は流されたとのこと。
後から聞いたが、朝は前日雨が70mm降ったため七倉から高瀬ダムまでのタクシーは通行止めで走らせることができず入山した皆さんは高瀬ダムまで歩いたのだとか。さらに高瀬ダムから登山道取り付きまでの渡渉も膝くらいまであったとのこと。烏帽子小屋も当日宿泊者は全てキャンセル。ブナ立て尾根を登ったのは、山慣れているテント泊の人が殆どだったようだ。
取り付きでパッキングし直して着替えていざ急登へ。最初はすごい汗が出たが、順調に高度を稼ぎ、取り付きから烏帽子小屋まで休むことなく2時間10分ほどで到着。
当日テントは20張くらい。ソロの人が半分以上。チェルトやタープも合計3張あった。まだ空いている場所があったので30張くらいいけると思う。一番小屋から遠い池の前に張る。餓鬼岳、燕岳の景色が良くて気持ち良い。水は小屋で天水を1リットル200円で販売してもらえた。水が有料な他は良いキャンプ場。
チェルトを張って、60分でお米に戻るアルファ米に水を入れてから烏帽子岳までピストン。恐る恐る最後の岩場を登る。街が近いからか稜線上は電波が入る。
チェルトを張るのは5年ぶり、張るコツを思い出すのに少し時間がかかったが無事に張れた。
夕食は戻しておいた白米、アマノフーズのカレー、お椀で作るカップヌードル。池越しに山を見ながら夕暮れと夕食を楽しむ。
夜は残念ながら高山病からか少し頭痛。心拍数が下がらずなかなか寝付けなかった。
二日目:
ぐっすり寝たには程遠いがそれでも寝たらしく、4時少し前にライトの光が当たって目が覚めた。もう歩き出した人がいるらしい。チェルトの中は物凄い結露。風が全く無かったからか?夜中にチェルト入り口のジッパー開けたんだけど。蒸し暑かったなあ。更に湿気からか昨日の残った燃料に火を付けようとするがなかなかつかず苦戦。エスビットミリタリーは大き過ぎて一回では使いきれないので駄目。スタンダートがちょうど良い。朝ごはんはスープと昨夜の残りご飯。コーヒー。5時前には歩き出せたが、チェルトが乾かず重い。
野口五郎岳は思ったより遠かった。標高も2900mを超えて結構高いのね。写真を撮って通過。鷲羽岳が格好良いのに気づいた。反対の三俣蓮華側から見ると普通の山なのでどうして100名山と思っていたが、今回納得。
水晶小屋まで休まず行けるかと思ったが、東沢乗越手前で足が止まり休憩。ハイマツの上にチェルトを広げて乾かしながらパンをかじる。その後は水晶小屋で水を購入(通過者は500mlで400円。宿泊者は100円らしいが)、30年前に100名山をやっていた時に来たけど全く記憶に残っていない水晶岳を超えて温泉沢の頭で荷物の殆どをハイマツの影にデポ。パンをかじって、休んでいた方と情報を交換して、水、食料少々、雨具上を持って赤牛岳へ。途中がれ場で足元が悪かったり、ざれ場で道が不明瞭だったりで思っていたより大変。温泉沢の頭から1時間10分で到着。2017年版の山と高原地図ではコースタイム2時間だったのだが2024年版では2時間20分になっている。山が移動して距離が延びたか?コースが変更になって難しくなったか?気になって帰宅後手元にあった1995年版を見ると、水晶岳から赤牛岳間3時間になっていたので2024年版と同じコースタイム。一度短くなってまた元に戻ったようだ。なお1995年版の読売新道登り奥黒部ヒュッテから赤牛岳は5時間となっている。2017年版、2024年版共に7時間になっているので2時間も違う。2時間も違ったら大変だ!その他にも破線が実線になっている道や実線が破線になっていたり発見が多い。この後行く温泉沢の頭から高天原温泉の道は1995年版では荒廃となっている。色々あるがこの辺りで一旦おしまい。
読売新道を登ってきた若者が長くて大変だったとこぼしていた。読売新道を奥黒部ヒュッテからピストンする人はいないだろうから、すれ違った人から見積もって本日赤牛岳登頂者は20名位?でもその日の少ない登頂者の一人が頂上にいたので少しおしゃべりしながらパンをかじる。頂上からの景色は抜群だがメインの縦走路から大きく外れて人が少ない山。東沢谷越しに今朝スタートした烏帽子小屋の青い屋根が見える。北側は黒部湖が真ん中で立山と後立山が並んでいるという不思議な光景。
元来た道を引き返す。直射日光がキツく暑くなってきた。木陰もない。ちょっと熱中症気味?水晶小屋の水の値段が高くてびっくりして1ℓ買おうかと思っていたのを500mlにしてしまい水を節約しているのも原因。温泉沢の頭で荷物を回収してパンをかじる。その間に温泉沢の頭を下っていく二人組がいた。破線ルートなので少々緊張するが後を追う。ペンキはしっかりつけられており迷うことは無い。斜面が急でザレていたり浮石が多いがまあ大丈夫。樹林帯に入り木陰ができて少し安心。最後は5m程下がっているロープを使って沢に降りた。暑いので靴のまま沢に入り、頭から水をかぶると落ち着いた。その後も涼しいので沢の中を歩く。さすがに本流に出てからは水量が多いので流れが速いところでは滑らないよう注意をする。
温泉は掃除をしてお湯入れ替え中だったのか湯量が少なく、熱い。前回と違い少し残念だがまあ気持ち良い。30分ほど休む。お風呂で一緒になった人は水晶岳で100名山完登したとのこと。おめでとうございます。300名山もすでに250ほど登っているとのこと。こっちはすごいな。
ここから本日の宿泊地、雲の平への登り返しが大変だった。単に疲れているのか脚が残っていないのか熱中症が治りきっていないのか分からないが、梯子を登るのもバランスを取るのが大変。休み休み登る。レース後半の駄目な時と一緒。頭も回っていない。ただ雲の平直前の大きな石の上の道は6年前に滑って踏み外して怪我をしたのを思い出して慎重に歩いた。小屋でテント場受付した後、テント場まで移動するのさえ大変だった。
テントは40張位で結構混んでいる。広いけど適地が少ない。斜面だったり、大きな石があったり、狭かったり簡易装備のテント泊者のマットでは辛い。なんとか場所を見つけて張れたけど。疲れて水場へ行くのも嫌になった。ご飯を作るのも嫌になったがなんとか頑張って日暮れ前に夕食を食べる。ただ食欲無い。ご飯も一人前の半分程度。ただアマノフーズの親子煮は美味しかった。甘い物と水分が欲しくてスティックミルクティーを2杯。
頭が働かず、火を消した直後のストーブを素手で持ってしまい親指と人差し指を火傷。幸い目の前に小川があり冷たい水が流れているので、日暮を見ながら冷やす。前の日のリラックスした雰囲気とは違う。隣のテントの人は、小屋販売1100円の500mlビールを楽しんでいたが、今の自分が飲むととんでもない事になりそう。
幸い大事には至らず痛みはほとんど無かった。手袋をはめていたが指切りタイプ。ストックを使う時に手の皮がむけるのを防ぐためと転倒した時の怪我防止のために手袋をするが夏場は指切りタイプが蒸れなくて良い。しかし火を使う時には指切りタイプは駄目。装備見直さなきゃダメかな?軍手を片方だけ持ってくる?疲れていて無意識に手袋しているから大丈夫だと思ってストーブを持ってしまった。
昨日と同じくなかなか上手く寝られない。日暮と共に一旦寝たが2時間ほどで目が覚めてその後はうつらうつらしていた。心拍数が下がらない。昨夜同様星空が綺麗。
三日目:
4時ごろキャンプ場が起き出したが、今日は下山するだけなのでゆっくり出発と決めており、アイマスクと耳栓をして5時ごろまで寝袋に潜っていた。6時前に出発した時には殆どテントは残っていなかった。皆さん出発早い。
予定では真っ直ぐ降ろうかと持っていたが天気が良いので鷲羽岳に寄ることにした。スイス庭園奥から高天原の展望を楽しんだ後、祖父岳を超えて鷲羽岳へ。祖父岳は初めてかも。鷲羽岳も展望良し。富士山まで見える。来てよかった。三俣小屋前のベンチでスポーツドリンクを作って飲む。昨日の反省。熱中症予防。500mlを2回作って1リットル飲んでしまった。水が大量に出ているのは嬉しい。まだ時間もあるし三俣蓮華から双六も巻道を取らずに稜線を行く。稜線上は暑いので傘をさす。昨日もさせば良かった。登りでストックを使うと肩が凝るので使わない。双六山頂でパンをかじる間も傘をさしたまま。木陰が無いのはつらいなあ。
双六小屋には自動販売機があった。すごいなあ。ついでにここも水は出ているので無料で補給可能。普通の食堂みたいにご飯を注文して調理できたら小屋の人がマイクで出来上がりを呼び出している。それもすごいなあ。山の中じゃないみたい。人が多いしベンチは日向で暑いので通過。少し行った所で木陰を見つけたので道端で休む。ここから先はものすごく人が多い。裏銀座の烏帽子小屋辺りとは全く違う。小屋も大きいし。秩父沢手前の秩父小沢まで長かったが頑張って下って休憩。景色が良いが日向にある秩父沢と違い、展望は無いが木陰があって気持ち良い。靴のまま沢に入り足を冷やし、上着を脱いで沢に浸してそのまま着ると体が一気に冷えて少し元気が戻ってきた。ここでもスポーツドリンクを作って飲む。しかしそこから先も長かった。もう疲れているのだろう。肩が痛いのでザックを背負うのが嫌になる。双六小屋から3時間半、新穂高ロープウェイ駅にやっと到着した。長い降りだった。1時間に一本のバスが3分前に出たところだった。徒歩3分の日帰り温泉は週一回の定休日。バスを待ちながらどうするか考える。平湯も新穂高も宿は満員みたい。高山のホテルは空いているようだが平湯18時15分発のバスが残り2席残っており翌日の土曜日は満席なのでその日のうちに帰ることにする。
平湯で2時間弱あるのでバスターミナル横の温泉施設ひらゆの森で温泉に入り、併設のレストランで夕食。ビール飲みたいが飲んだら気持ち悪くなりそうなので我慢。夜11時に新宿着。こちらも5700円と安い。
終章:
6年前に行けなかったルート再チャレンジ。5年ぶりのチェルト泊。大雨で道が流失、軽い熱中症、軽い火傷とトラブルもあったがお天気に恵まれ目的も達成できて充実した山行だった。体力的には二泊が精一杯。肩は痛いし、筋肉痛で脹脛も痛いが来年もまた来たいなあ。装備も少し見直して。
お天気良すぎました。二日目最後は脚が止まってしまいました。でも楽しかったです。
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